世界屈指の総合格闘技(MMA)団体「Professional Fighters League(PFL)」。U-NEXTでは、2025年7月19日開催の『PFL CHAMPIONS SERIES CAPETOWN / PFL AFRICA 1』をライブ配信する。
23:00からはPFL AFRICAのトーナメントが開幕し、ヘビー級とバンタム級の1回戦として各階級8名が準決勝進出をかけて激突。27:00頃からはPFL CHAMPIONS SERIESの世界戦が組まれており、ミドル級王者”ジョニー・エブレン”と”コステリョ・ファン・スティーニス”の対戦はもちろん、”AJ・マッキー”、”泉武志”の参戦も予定されている。
今回は試合を直前に控えおこなわれたメディアデーにて、AJ・マッキーが語った心境や意気込みをお届けする。
「俺が145ポンドの選手だって知ってるだろ?」
──最近お話しした際、この階級での“復活”になるとおっしゃっていましたが、あなたにとってその復活とはどのようなものですか?
AJ・マッキー:145ポンド級に戻って、この階級で誰が世界最強なのかをみんなにもう一度見せつける。それだけだな。
──フェザー級(145ポンド)に戻ることについて、以前から可能性を示唆されていましたが、なぜこのタイミングだったのでしょうか。少し年齢を重ねて成熟し、しばらくライト級(155ポンド)で戦ってきましたが、フェザー級に戻るプロセスはいかがでしたか?
AJ・マッキー:正直、今のほうが145ポンド級に戻るのは少し楽かな。若い頃はちゃんとしたダイエットなんてしてなかったからね。若くて無鉄砲だから、無茶なこともするもんさ。でも少し大人になった今は、そこまでキツくないね。
155ポンド級ではタイトルまであと一歩だったけど、スプリット判定で負けた。あの時はヘルシーじゃなかったし、ずっと万全じゃなかったんだ。試合の直前に肩の手術もしたしね。だから、これ以上のタイミングはないだろうって思ったんだよ。今は健康だし、もう一度「世界最強」の称号を取り戻したい。145ポンドでは、俺が常に世界最強だと感じてきたし、ずっとそうあり続けてきた。そういうマインドなんだ。戻って、もう一度みんなに証明してやるよ。
──SNSのビデオで、お子さんとお父様が一緒にいらっしゃるのを拝見しました。このような経験の場に彼らがいるというのは、どんな感じですか?
AJ・マッキー:俺に子どもはいないよ。あれは弟。いつも一緒にいるんだ。ああ、それと妹もいる。俺に子どもはいない。まずは奥さんが必要だな(笑)。
でも、家族がここにいてくれるのは最高だよ。特に弟はね。あいつは8歳だけど、もう飛びつき腕十字や三角絞めなんかをやるんだ(笑)。だから、あいつがマッキーの名前を継ぐ次世代、3代目になる。俺が若かった頃みたいに、あいつも若いうちからこういう経験ができるのはクールなことさ。
もう俺たちのライフスタイルに組み込まれてるんだ。夏休み中でも試合会場に来て、ジムで一緒にトレーニングして、俺の減量を手伝ってくれる。だから、あいつはすごく実践的な経験をしてるし、全部を間近で見ることができるんだ。
──対戦相手であるアクメド・マゴメドフは、2019年には薬物検査失格もありました。これは多くのアスリートが心の準備をする際に考えることだと思いますが、何か懸念はありますか?
AJ・マッキー:いや、145ポンド級なら、相手が誰だろうと気にしない。俺の心の中では、145ポンドではまだ無敗なんだよ。まあ、キャリアで初めての黒星を喫したとは感じてるけどな。何はともあれ、これは“バウンスバック”なんだ。
前回の試合前には、たぶん戦うべきじゃない状況がいくつかあった。医者には試合をするなと言われたけど、結局のところ、俺は戦士だからな。家族を養うためなら、ケージに上がってやるべきことをやるだけさ。
マゴメドフがコラレスに負けてから、しばらく休んでるだろ。もう2年くらい試合してないんじゃないか?もちろん、彼も少しは上手くなって、何かを学んだはずだ。でも、どうだろうな。俺との戦いとなると話は別さ。スタイルが勝負を決めるし、俺はどんな相手、どんなスタイルにとっても厄介な存在だからな。
──ヒューズ選手に敗れたところから復帰し、かつてチャンピオンだった階級に戻ってきました。今週末の勝利が、次のタイトルマッチにつながると思いますか?
AJ・マッキー:うーん、それは正直分からないな。俺がやってるのは、ひたすらタイトルを追いかけることだけ。ベルトは壁に飾って、いつか自分の子どもたちに見せられる記念品になるからな。155ポンド級だと、何回か勝ってからウスマン(・ヌルマゴメドフ)にたどり着かないといけない。ヒューズとは再戦したいけど、今は関係ない話だ。
結局、すべては起こるべくして起こるんだと思ってる。いつも言ってるけど、俺は本当は155ポンドの選手じゃないんだ。みんな俺が145ポンドの選手だって知ってるだろ?前はただ楽しんでただけさ。ブルーベリーバナナパンケーキとチキンパルメザンを毎日、文字通り毎日食ってたんだから。でも145ポンドに戻った俺は、もっと獰猛で、もっとハングリー。それが俺のアドバンテージになるのさ。こっちの階級では俺の方がデカいけど、155ポンドじゃみんな同じサイズだからな。
「どこへ行っても、その土地の人々と自分を重ね合わせる」
──ここケープタウンに熱心なファンベースがあることはご存知でしたか?大勢のファンの前で戦うことに、どれほど興奮していますか?
AJ・マッキー:ここに来られて最高だよ。俺の家系は、アフリカにルーツがあるからね。何年も前から家族でアフリカに来て、この地を体験しようって話してたんだよ。だから仕事でここに来られて、しかもすでにファンがいるなんて、本当にすごいことさ。みんなに受け入れられて、同時に自分のスキルを披露できるなんて、最高だね。
──あなたも南アフリカの文化を受け入れているように見えます。昨日のフェイスオフでは、ズールー人(南アフリカの部族)の伝統的な衣装で登場しましたね。なぜその衣装を選んだのですか?
AJ・マッキー:あれは俺がいつもやることなんだ。どこへ行っても、その土地の人々と自分を重ね合わせるようにしてる。人間として、人生の試練や苦難は、どの大陸にいようがどんな状況だろうが、みんなで分かち合えるものだろう?
そして言った通り、これは俺の歴史の一部でもある。俺の家族はガーナ出身なんだ。だから俺にはガーナの血も、レバノンの血も、ロシアの血も流れてる。俺は色々な場所にルーツがあって、幸運なことに、その血筋が由来する場所を全部旅してこれた。だから、これは自分がどこにいて、何者であるかを意識している、そういうちょっとした表明なんだよ。そのルーツに立ち返れるのは、素晴らしいことだ。
──“マーセナリー”(傭兵)というニックネームの由来を教えてください。
AJ・マッキー:家族で集まって名前を考えてたんだけど、しっくりくるものがなかったんだ。それで、俺は銃が大好きでね。アメリカ合衆国憲法修正第2条の熱心な支持者なんだ。もし格闘技をやってなかったら、間違いなく軍隊に入ってた。自分の国のために戦ったり、家族や仲間を養うために何かをしたりしてただろうな。だから“マーセナリー”。俺は格闘技界の傭兵さ。契約書にサインしたら、その“ヒット”を確実に遂行する。それだけだ。
──昨日はズールー族の衣装でしたが、帰国する前にぜひコイサン人の衣装も手に入れてください。必要なら紹介しますよ。
AJ・マッキー:おお、ぜひ教えてくれ。国に持って帰りたいな。オーケー、みんなありがとう!
U-NEXT全試合ライブ配信(予定):7月19日(土)23時~
見逃し配信:8月18日(月)23:59まで
解説:髙阪剛、実況:市川勝也
視聴はこちら:https://video.unext.jp/genre/martial?lc=LIV0000009750&rid=FS00139