因縁、成長、リスペクトが交わる王座決定戦。濱田巧と大塚智貴、“623日ぶり再戦”で互いのすべてをぶつけ合う|PANCRASE 355
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因縁、成長、リスペクトが交わる王座決定戦。濱田巧と大塚智貴、“623日ぶり再戦”で互いのすべてをぶつけ合う|PANCRASE 355

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約1年8か月の時を経て、運命の歯車が再び噛み合った。前王者・伊藤盛一郎の返上により空位となったパンクラス・フライ級のベルトを懸け、同級ランキング1位・濱田巧と4位・大塚智貴が、7月27日開催の「PANCRASE 355」(立川ステージガーデン)で激突する。タイトルの悲願成就を誓う濱田と、かつて敗れた相手へのリベンジに燃える大塚。調印式で両者が語った、現在の心境とは。

濱田「“あの試合”を超える戦いに」、大塚「今回は120%を」

──まずはタイトルマッチを戦う両選手、一言ずつ意気込みをお願いします。

大塚:濱田選手とは2年ほど前に戦って負けているので、再戦で、リベンジマッチで、タイトルマッチ。もう、めちゃくちゃ燃えています。絶対勝ってチャンピオンになります。よろしくお願いします。

濱田:やっと決まったタイトルマッチ、必ずベルトを巻いて、いつも応援してくださる皆さんに感謝の気持ちを表したいです。応援よろしくお願いします。

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フライ級1位・濱田巧

──この試合が決まった時の気持ちと、お互いの選手に対するイメージを教えてください。

大塚:オファーが来た時、寝起きだったのですが、めちゃくちゃびっくりしました。濱田選手の印象は、もちろん元キックボクサーだったので打撃が強くて、さらに組み技も全部できるオールラウンダーという印象です。

ただ、少し質問の意図と違うかもしれないのですが、これだけは言いたくて。濱田選手と僕は同い年で、ちょっと親近感が湧いているんです。それに、前回戦った次の大会くらいで同じ興行に出て、僕が勝ってバックステージに戻る時に、試合を控えていた濱田選手と目が合ったんです。その時、何も言わずに拳を合わせてくれて、それがすごく僕の中で印象に残っています。今まで負けた相手はみんな正直嫌いなのですが、濱田選手のことはちょっと好きです(笑)。

濱田:まずベルトが決まった時は、ずっと(前)チャンピオンと戦うものだと思っていました。理由がわからないので何とも言えないのですが、王座が返上されて。対戦相手がランキング1位だったり2位、3位だったりと二転三転してどうなるのかなと思っていたら、4位の大塚選手という話が来ました。僕の中では結構びっくりしたのですが、2年ほど前に一度戦っているからか、どこかで大塚選手とはもう一回戦うんじゃないかなと、自分の中で少し思うところがあって。すごくいいタイミングだなと思います。

一度戦っているので、相手を絶対に倒すとかそういう気持ちよりも、前回の試合よりどれだけ僕が成長したか、どれだけ良いパフォーマンスを出せるか。そういう気持ちで戦いたいと思っています。

──前回の対戦から、ご自身が成長した、変わったと思う部分を教えてください。

大塚:全部です。前回戦った時の僕と、この試合の僕は別の選手です。

濱田:前回より全体的にレベルアップしていますし、体が大きくなったのもあります。技術もそうですし、体力面でも今回はかなり仕上がっているので、当日は良いパフォーマンスが見せられると思います。

──大塚選手は以前「自分の中にある狂気を見せたい」と話していましたが、前回の濱田戦ではどれくらい見せられましたか? そして今回はどうしたいですか? また、濱田選手が見せたいものがあれば教えてください。

大塚:前回の試合は20%ぐらいしか出せていないです。今回は120%出そうと思っています。

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フライ級4位・大塚智貴

濱田:全体的に気持ちを出したいですね。パンクラスのメインイベントなので。今回、ベテランのISAO選手や若手の鈴木悠斗選手といった実力者たちが出場する中で、僕と大塚選手の試合がメインに選ばれたからには、それを上回るような、メインにふさわしい試合を僕はしたいと思います。

──改めて、このベルトが懸かった試合への意気込みや、ベルトへの想いを聞かせてください。

大塚:こうやって目の前で(ベルトを)見ても、めちゃくちゃかっこいいなと思います。パンクラスのベルトを僕は世界一かっこいいと思っているので、そのかっこいいベルトを僕が巻きます。

濱田:僕は元キックボクサーなのですが、キックボクシング時代は2回タイトルマッチを経験して、どちらも負けて取れませんでした。MMAでは今回が3度目のタイトル挑戦という形になります。

MMAを始めると決めた時から、必ずタイトルマッチまで行くと自分の中で決めていたので、ようやくたどり着いたなという思いと、目の前にあるベルトを次こそは必ず巻くという気持ちで戦いたいと思います。

──大塚選手は、メインイベントでどのような試合をしたいと考えていますか?

大塚:もちろん、ベテランのすごい選手たちも出ますし、同じ日に埼玉で大きいイベントがあると思うのですが、その中でこのタイトルマッチはあまり注目度が低いですよね。でも、濱田選手とだったら、他の選手やその大きいイベントに出る選手にも負けないような試合ができると思っています。ぜひ、注目してください。

──逆に濱田選手が考える「メインイベントにふさわしい試合」とは、どのような試合でしょうか?

濱田:ここ最近のパンクラスのタイトルマッチは、KOや一本決着が多く、チャンピオンや挑戦者がすごい試合をずっとしています。自分もそういう試合をしたいと思っていますが、5ラウンドを通して戦う経験はなかなかありません。だからこそ、5ラウンドをフルに動き回ったり、観客の皆さんが見て熱くなるような試合をしたいです。

僕の中で一番印象に残っているフライ級のタイトルマッチは、仙三選手と若松佑弥選手の試合です。僕はあの試合を超えるような一戦にしたいと思っています。

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