UFC女子バンタム級を牽引してきたジュリアナ・ペーニャが待望のオクタゴン復帰!王者ラケル・ペニントンと10年越しの初対決は「相手が何をできるかじゃなく、自分が何をするか」10.6(日)、UFC 307:ペレイラ vs. ラウントリーJr
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UFC女子バンタム級を牽引してきたジュリアナ・ペーニャが待望のオクタゴン復帰!王者ラケル・ペニントンと10年越しの初対決は「相手が何をできるかじゃなく、自分が何をするか」10.6(日)、UFC 307:ペレイラ vs. ラウントリーJr

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ペーニャ01
(C)Zuffa LLC / UFC

──前戦は2022年7月、アマンダ・ヌネスとのタイトルマッチでした。あれから2年以上の長期離脱となりましたが、久しぶりの再起戦に向けて、現在のコンディションはいかがですか?

コンディションは最高です、ハッピーだしワクワクしていてやる気もあるし。復帰戦に向けてしっかり準備してきました。怪我が長引いて随分と試合が開いてしまって。前回タイトルマッチをオファーされたタイミングにまだ怪我が治りきっていなかったから、ラケルは別の相手と戦うことになったのだけれど、その後、私と戦いたいからということで、私が準備できる10月まで次の防衛戦を待ってくれていたのです。だから怪我も完治して、完璧な状態でこの試合に臨めます。

──練習環境としては、現UFCウェルター級チャンピオンのベラル・ムハンマド選手とトレーニングしていますよね。欠場している間にベラル選手がベルトを獲ったことは刺激になりましたか?

もちろん!ベラルは今回私のコーナーに付いてくれます。

──ジムのVFCアカデミーは選手層が厚いと思いますが、どんなトレーニングパートナーたちと練習してきたのですか?

 膝の手術をして戻ってきたあとだから1年半くらい前ですかね、(2015年にUFCで対戦しペーニャがTKO勝利を挙げている)ミラナ・ドゥディエバがロシアから来てチームに加わりました。だから、おもなトレーニングパートナーとしてはミラナ。それから、メキシコから同じUFCバンタム級ファイターのモンツェラート・レンドンにも来てもらったし、ボクシングのスパーリングパートナーとしては今年のオリンピック予選に出ていたタリア・ハルボーセンとか国内でナンバーワンになったキラ・テニーだったりと、若手の有望株を含めて、今すごく強い女子選手達が揃っていて、ここまで毎日みんなが背中を押してくれていました。そんなトレーニングパートナーのみんなにとても感謝しています。本当に素晴らしいファイトキャンプを過ごせました。

ペニントンペーニャ307
(C)Zuffa LLC / UFC

──対戦相手である現王者のペニントン選手は2020年のホリー・ホルム戦で判定負けを喫して以降は6連勝中ですが、ファイターとしての進化をどのように見ていますか?また、ボクシングスキルがとても高いですが、対策を練ってきているのでしょうか。

ラケルが何をできるか、という部分は重視していなくて、自分が何をできるかということに集中しています。ケージに入ってから、きちんと自分のやるべきことを遂行したいから。

 ──久しぶりの試合で見せたいと思っていること、技術的な意味でもパフォーマンスという面でも、なにかサプライズは用意されているのでしょうか?

見せたいものはもちろんあるけれど、それはここでは言えないですね(笑)。

 ──今回、2013年のThe Ultimate Fighter 18(TUF)でチーム・テイトの仲間として寝食を共にしたペニントン選手と、10年以上の時を経てタイトルマッチという形で対戦が実現しました。そのTUFでの経験を振り返ってみて、ファイターとしての現在に活きていますか?

 (TUFハウス=合宿所で)ラケルは二段ベッドの上段、自分がその下で寝ていました。TUFで優勝はしたものの、これまでラケルとの対戦機会なかったのは本当に不思議だなと思っているし、それが巡り巡って今こうして戦うことになりました。当時を振り返って、ということだけれど、ああいうリアリティショーのなかで生活したのはいい経験でしたよ。自分が食べたいものを紙に書いておくと、それを何でも用意してくれて……、本当に、何を書いてあっても翌朝テーブルに並んでいるの!6週間の間、最高のコーチたちとトレーニングできるのはもちろんだし、ケータイもなし、テレビも雑誌も本もなしという外の世界からは完全に隔離された生活になることで、余計な情報を遮断して自分がファイターであるということだけにあんなにも集中していられる機会というのは他にないですからね。生活費や、家族とのいざこざも一切忘れて、食べること、眠ること、必要なサプリを獲って世界最強クラスの選手たちと毎日2度のトレーニングをすることに専念できる、そんな経験は二度とないと思います。それを最大限活用できたし、本当にいい経験になりました。あまり仲良くない人たちと生活を共にするってことを除いては(笑)。

 ──みんな自分のことだけで精一杯というひとたちが集った共同生活ですからね。やはり一番しんどいのは人間関係でしたか。

完全にそう。自分のことに集中をしていたし、TUFハウスの中では人気者ではなかったしで、友達といえる関係にはなれなかったですね。

 ──先ほど、「ファイターでいることだけに専念できる」とおっしゃっていましたが、そういう “究極の” 環境にまた身を投じてみたいと思うことはありますか?

今は娘がいるから、それはないですね。ただ、もし娘がいなかったら、望んでいたと思います。無料で最高の環境を得られるし、自分のことだけに集中して最高のトレーニングができるというのはファイターとしては本当にいい時間だったから。

 ──ところで、もともとMMAを始めたきっかけは?

痩せたかったから。体重を落としたくて女性用のカーディオ・キックボクシングのクラスに参加してみたんだけど、インストラクターが「どこでボクシング習ったの?」って聞いてきて、初めてだから「習ったことはありません」って答えるでしょう(笑)?なのにまたインストラクターが「どこでそのパンチを習ったの?」って聞くものだから、「今、あなたが私に教えてくれた」って(笑)。それが、19歳で初めてパンチを学んだ経験です(笑)。そこからは振り返ることなく、今に至っていますね。

 ──初手からセンスが迸っていたのですね(笑)。もともと運動神経がよかったのだと思いますが、その前は何かスポーツをやっていたのですか?

 学校でシーズン中だったスポーツをやっていた感じですね。サッカーシーズンはサッカーチームに入って、バスケのシーズンにはバスケチームに入って。バレーボールのシーズンはバレーボールチーム、というような。ただ、大のWWEファンの兄に姉も二人いる大家族の末っ子でいつもやられてたから、タフなのは育った環境のおかげだと思います(笑)。

 ──WWEの話題が出ましたが、ペーニャ選手ご自身、ハルク・ホーガンの大ファンだそうですね。

 そうです。私、リアル・アメリカン・ビール(ハルクホーガンが共同設立者のビールブランド)の最初のアスリートスポンサーなんですよ(笑)。「ハルクが受けた手術と私が受けた手術が同じだ!」って比較したこともあったし、ハルクに会うことが実現したのは、ちょうどTVで彼のハイライトが放送されている時期だったから、それを通して彼のプロレス人生を見たうえで、つまり彼が日本にいた頃も含めて、アンドレ・ザ・ジャイアントや、アイアン・シークはもちろん、ザ・ロックの話だとか、リック・フレアーの顔を蹴り飛ばしたとか、彼の時代の話を踏まえて会話することができたのは、本当に特別な時間でしたね。

 ──先ほど、娘がいるからTUFのような生活はもうできないという話がありましたが、母であることと、ファイターであることを両立するのは大変だと思います。どのようにバランスを取っていますか?

とても難しいですね。娘は週に2回柔術を習っているのですが、ちょっとこれは口に出すと悲しい事情で、要するに体操だとかダンスだとか、他の習いごとをさせてあげられないから、自分と同じ環境に身を置かせるしかない、娘にはほかの選択肢がなかっただけなんです。他の家族はみんなワシントン州に住んでいて私はシカゴ在住なので頼ることもできないし。だから娘にほかのことをするための時間をとってあげることができません。そういう意味でバランスをとるのは難しいと感じているけれど、今のこの状況は、より良い人生にするための犠牲でもあり、自分たちの将来のためなんだって信じるようにしています。すくなくとも私は彼女にファイターにはなってほしくないし、娘自身もファイターになりたいとは思っていないとは思う。でも、自分で自分を護る術は学ばなくてはいけないのは確かだから、格闘技を教えるのはそのために良いことだとは思っていますし。自信もつくから、いじめられて下を向いてしまうことなく、しっかり毎日顔を上げて堂々と過ごせるようにもしてあげられると思いますし。父が黒帯、母も黒帯になろうとしている、そういう最強ファミリーの娘だってことも含めて(笑)。

 ──それでは最後に、日本のファンの皆さんにメッセージをいただけますか?

まずはこれから始めないと。えっと(日本語で)こんにちは!私の名前はジュリーです。

 ──流暢な日本語はどこかで習ったのですか?

ロクサン・モダフェリ(元UFC女子フライ級。TUFではペーニャ、ペニントンと同じチーム・テイトに所属)が教えてくれました。メッセージの続きだけれど、皆さん、私の試合を是非見てください。応援してくれている日本のファンの皆さんには感謝を伝えたいです。数年前に東京に行く事ができたのだけれど、本当に素晴らしい街でとても楽しかったので、またいずれ行きたいと思っています!

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