U-NEXTが独占ライブ配信する『TREASURE BOXING 9』(9月17日、後楽園ホール)と『TREASURE BOXING 10』(10月1日、後楽園ホール)の開催会見が行われ、リングへ上がる選手たちがそれぞれの意気込みを言葉にした。
『TREASURE BOXING PROMOTION 9』
■バンタム級 8回戦 栗原 廉太 vs 金城 隼平
日本バンタム級5位で元日本ユース王者の金城隼平と、元OPBFバンタム級王者の栗原慶太が激突する。金城はアマチュアで培った正確なジャブとディフェンス能力を武器に、日本ランク入りを果たした新鋭。一方、栗原は29戦のキャリアで16KOを誇る元OPBF王者だ。若き技巧派サウスポーと、経験豊富なハードパンチャーによる注目の一戦となる。
■日本ミドル級挑戦者決定 8回戦 竹迫 司登 vs 細川チャーリー忍
日本ミドル級1位で元日本・OPBF王者の竹迫司登と日本ミドル級2位で元WBOアジアパシフィック王者の細川チャーリー忍による日本ミドル級最強挑戦者決定戦。両者は2020年に初対戦し、竹迫がフルマークの判定勝ちを収めている。竹迫はKO率70%超の破壊力を持つハードパンチャー。一方の細川は12勝中11KOとアグレッシブなファイターで、兄は元日本スーパーライト級王者の細川バレンタイン。5年ぶりの再戦は激闘必至だ。
『TREASURE BOXING PROMOTION 10』
■スーパーバンタム級 8回戦 小國 以載 vs チャイノイ・ウォウト
元世界王者の小國が、攻守のバランスに優れたタイの強豪・チャイノイと対戦。小國にとっては再起戦であり、この階級で世界ランカー入りをかけた重要な一戦となる。一方のチャイノイは、井上尚弥の対戦相手として名が上がっていたサム・グッドマンとの対戦経験もある実力者。二人のリング上での駆け引きから目が離せない。
■日本スーパーバンタム級 挑戦者決定戦 池側 純 vs 細川 兼伸
池側と細川、互いにTREASURE興行で実力を示してきた2人が拳を交える。池側は距離感を活かした技巧派サウスポー、細川は馬力とスタミナを活かす攻撃型オーソドックス。それぞれの持ち味がぶつかる試合は、日本スーパーバンタム級王者挑戦への切符をかけた一戦にもなる。
以下、会見での選手および伊藤雅雪代表のコメント。
──まず、『TREASURE BOXING PROMOTION』伊藤雅雪代表より皆様へご挨拶をお願いします。
伊藤:お暑い中、お集まりいただいて本当にありがとうございます。TREASURE BOXINGで、最初に9月17日を押さえていたのですが、選手が結構多く出場してくれるということで、もう1枠、10月1日にもセットをさせてもらいました。
栗原選手は前戦でちょっと悔しい負けがあったんですけど、TREASUREでも有明でやられて、フィリピンで取り返して、激闘の選手です。対する金城選手は、前回12月の時に僕が初めてU-NEXTで試合を見て、すごく技巧派ですし、「こんないい選手が若手でいるんだ」と思ったのを覚えていて。お互いまた上に行くための、すごくいい試合になると思うので期待をしています。
また竹迫選手、細川チャーリー忍選手と、日本タイトル挑戦者決定戦になります。ここでもう一度勝って国本(陸、WBOアジア・パシフィック&日本ミドル級王者)選手にリベンジをするのか。細川選手は、お兄ちゃんがだいぶ名前が売れてますけど、そういったちょっと面白いカードにもなってます。アンダーカードにも漣バル選手や緑川選手も出てまして、すごくキャラクターのある選手が集まっているので、楽しみにしてください。
また10月1日の小國選手は、正直僕は前戦ので引退するのかと思っていたのですが、辞める気がないようでして。「やっぱりいい選手とやりたい」とずっとお聞きしてたので、何人かと交渉してました。最終的にはチャイノイ・ウォウトっていう、関係者はよく知ってると思うんですけど、サム・グッドマンと試合をしていて、それが唯一の敗戦なんです。左のフックが強くて、キャリアがアマチュアで豊富なんですけど、落ち着きがありすごくいい選手なので、こちらも楽しめる試合になると思います。小國選手はこれがラストチャンスと僕は思ってるので、しっかり頑張ってほしいです。
また、TREASUREに出ていただいた池側選手と細川兼伸選手が日本タイトル挑戦者決定戦を行います。今スーパーバンタム級は盛り上がってますから、こちらもぜひ楽しみにしてください。
それから、10月1日は2階級制覇チャンピオン・京口紘人選手の引退式も予定しています。
最後に、先日二人の選手のすごく悲しい事故がありました。それでも、自分たちはやっぱり進んでいくしかありません。僕たちなりにしっかり対策を練りながら、協会の方たちとも相談しながら、しっかり大会を進めていきたいと思っています。今大会も、応援よろしくお願いします。
「『まだいけるな』を見せられる試合に」
──ここからは各選手に伺います。まず『TREASURE BOXING PROMOTION 9』メインイベントに出場する栗原慶太選手、前回のOPBF王座陥落から5ヶ月が経ちましたが、現在の心境と今回の試合への意気込みを教えてください。
栗原:前回の試合で王座を失って、自分としても金城選手に勝てればそこから上に行ける、上を目指せるというこの流れを、自分としてすごくありがたく思っています。伊藤代表、ありがとうございます。
本当に強い選手ですので、試合内容から周りの人たちに「栗原まだいけるな」と見せられる試合になるかと思いますので。僕自身、すごく大事な一戦だと思っています。
──対戦相手の金城選手の印象はいかがでしょうか?
栗原:5戦5勝無敗の選手で、もともとこの試合が決まる前から、すごく強い選手だっていうのは噂で聞いていて。長身サウスポーのすごくうまいタイプ、そういう印象を持っています。
──続きまして、金城隼平選手にお伺いします。日本ユースバンタム級王者を返上して初の試合となりますが、それについて現在の心境と今回の試合への意気込みを教えてください。
金城:5月にユースを卒業し、返上して、これから世界チャンピオンに向けて進んでいく中で、自分の中で最も大きなステップになる試合だと思っています。
──対戦相手の栗原選手の印象はいかがでしょうか?
金城:自分がアマチュアでやってた頃から出ていた選手で、ものすごくパンチの強い選手、試合で決めきる決定力を持っている勝負強い選手だと思っているので。その選手に、格上ですけど、自分はいつもと変わらず勝つべくして勝つ、その準備をする。それだけですね。
──セミファイナル、竹迫選手にお伺いします。前回の国本選手との敗戦から9ヶ月ぶりの試合となり、今回の試合に勝てば、国本選手とのタイトルをかけた再戦という可能性もあります。それを踏まえて、現在の心境と今回の試合への意気込みを教えてください。
竹迫:まず復帰戦ということで、TREASURE BOXINGに出場し、またU-NEXTで配信していただけることを本当に光栄に思いますし、感謝しています。復帰戦ですが、挑戦者決定戦という名の通り、挑戦という心を持って、本当に初心の気持ちでもう一度挑みたいと思っています。
その先に国本くんがいるんで、リベンジも果たせると。そういう熱い想いで復帰を決めたので、調整して頑張っていきたいと思っております。
──対戦相手の細川チャーリー忍選手とは5年前に一度対戦されておりますが、どういう印象をお持ちでしょうか?
竹迫:当時戦った記憶でいうと、本当にやりづらさがすごくあって。クリティカルがうまかったので、その辺は今回も会長と作戦を練って、クリアにしていって、僕のボクシングを展開できる内容の試合にしていきたいと思っています。
──第4試合、漣選手にお伺いします。OPBF東洋太平洋女子フライ級王座がかかった試合となりますが、現在の心境と今回の試合への意気込みをお聞かせください。
漣:前回のタイトルマッチから何ヶ月か空いてしまったんですけど、今回階級も変わりますし、タイトルマッチができることを本当にありがたく思っています。
──対戦相手の印象をお聞かせいただけますでしょうか?
漣:まだ見たことがないので、どのようなボクシングをする選手なのかわからないんですけど。しっかり自分のボクシングで、スピードを生かして勝てるように頑張りたいと思います。
──第2試合、緑川選手にお伺いします。キックボクシング世界チャンピオンを獲得し、ボクシングに転向されて4戦目にしてTREASURE BOXING初参戦となりますが、今の心境を教えてください。
緑川:まずボクシングで試合ができること、リングに上がれることに感謝して毎日過ごしています。そして今後、絶対ベルトを巻く、一敗でもしたら辞めるという覚悟でリングに上がっているので、今後ベルトを取るために毎日努力して考えて生活しています。
──今回の試合への意気込みと対戦相手の印象はいかがでしょうか?
緑川:動画を見たら右のパンチだけが強かったので、それだけ気をつけて。しっかり自分のボクシングをすれば倒せる相手だと思うので、KOしてインパクトを残したいと思います。
「自分の土俵に引きずり込みながら、自分の戦いができるか」
──続いて『TREASURE BOXING PROMOTION 10』に出場する選手への代表質問となります。まずメインイベント、小國選手にお伺いします。チャイノイ選手のコメントを受けまして、率直な感想をお聞かせください。
小國:必ず自分も勝つという気持ちで、全力で戦いたいと思ってます。
──前回の村田昴選手とのタイトルマッチ敗戦を経て、現在の心境と今回の試合への意気込みを教えてください。
小國:やっぱり右と(試合が)したかったですね。対戦相手がちょっと、試合中のサウスポーを見た瞬間、「うそ?」っていうのはありましたけど。一瞬だけだったんで、大丈夫だろうと思いながら。まあ、どこまで通用するか全力で戦いたいという気持ちです。
──対戦相手のチャイノイ・ウォウト選手は28戦26勝1敗1分けの強敵となりますが、印象はいかがでしょうか。
小國:左フックが強いのと、やっぱりそれが外れてもブレないで、体幹も強いだろうなというのはすごく感じるので。とにかく、もらわず勝ちたいなと思います。
──続きまして、セミファイナルの池側選手にお伺いします。前回は世界4階級制覇王者ドニー・ニエテスを下し、今回の試合となります。現在の心境と試合への意気込みをお聞かせください。
池側:まずは5月に続き、今回もこのような興行で出させていただいて感謝しています。挑戦者決定戦で細川選手、かなり好戦的でいい選手ですが、来年の日本タイトルマッチに向けてしっかり勝ちたいと思ってます。
──では続きまして、細川兼伸選手にお伺いします。現在の心境と試合への意気込みについてお聞かせいただけますでしょうか。
細川:心境はいつも通り、特別良くも悪くもなくです。今回の試合も強い相手ですし、やりにくさもいろいろ知ってるんで、全力でいつも通りの自分を出せるようにやろうと思ってます。
──対戦相手の池側選手の印象はいかがでしょう?
細川:自分の苦手なタイプのサウスポーで、ちょっと距離のある選手なんで。そのやりにくさをどう克服して、どう自分の土俵に引きずり込みながら自分の戦いができるか。今回の試合も、自分はめちゃめちゃ盛り上げたいですね。面白い試合にして楽しい戦いを見せれるように頑張ります。
再起に向けて、それぞれの想い
──栗原選手、竹迫選手、小國選手に質問です。それぞれ再起戦になると思いますが、どんな心境で出場を決めたかを教えてください。
栗原:王座陥落って自分の中ででかい出来事ですけど、前回の試合が終わった直後からもう再起は決めていて。前回の試合前から結構自分のボクシングに変化というか、成長をすごく感じていて、試合中にもすごくそれは感じられたので、まだまだ自分のピークはこれからだなっていうのを、自分自身思ってます。
今教えていただいているトレーナーもそうですし、亀田興毅さんからも伸びしろがすごくあって、これからがピークだっていうのを言ってもらっているので。そういう気持ちからですね。迷いなく再起を決めました。
竹迫:引退も考えましたけど、やっぱりすぐに「やめよう」っていう気持ちになれない自分がいて。その気持ちはどこから来てるんだろうと深掘りしていくと、やっぱりまだ自分の中でやり残したこともありますし、ボクシングに対しての自分に対する自信というか、可能性をすごく感じている中だったので。
去年本当にいろんなものが、自分の中で形づくられてきて、リカバリーについても減量についてもそうなんですけど。いろんな方向性で、これから試していけるなという時だったんで、余計「やり残したくない」っていう気持ちがすごくあった状態だったんで。ここじゃないなと。そういうふうに思い、試合に負けて一ヶ月後ぐらいですかね、東京に戻ってきてすぐ練習を再開しました。
小國:自分は伊藤代表に話をいただいて、「もしやる気があるなら、どうですか」っていうことで。自分的にはもう需要もないというか、試合も組んでもらえる状況ではないと思ってたので。「もしそういう試合を組んでいただけるなら、やりたい」という気持ちはあったので、ぜひということで、やらせていただくことになりました。
──小國選手、これが最後とは限りませんが、やっぱり右の相手とやってみたいという気持ちが強かったですか?
小國:そうですね。これで勝って、そう言ったらまたもう一回「右」って言うかもしれないですけど、それは伊藤さんに。でもまあ右とどれぐらい、自分的に動けるのかっていうのも最後試したい部分もありますね。
──竹迫選手は、国本選手へのリベンジはやはり頭の中にありますか?
竹迫:そうですね。そこで勝っていかないと世界には残っていけないですし、やり返したいという気持ちもやっぱりあります。リベンジを果たしたいという気持ちです。
──緑川選手、ウェルター級は今ボクシング界ですごく盛り上がっています。世界戦もありましたし、どういうふうに見ていますか?
緑川:正直国内だったら、誰にも負ける気はしないんで。まだボクシングに完全にアジャストはしてませんけど、少しずつ自分の実力も上がってると実感しているので。まあ若くはないですけど、老獪さを見ていただけたらなと思います。
──小國選手の対戦相手はグッドマン選手と対戦したということで、勝てばいろいろ得るものもあると思います。その辺りはどのようにお考えでしょうか?
小國:世界ランキングを持ってる相手なので。あとやっぱり、名前のあるサム・グッドマンとやってるし、判定まで行っていい試合をしてるんで、勝ったらまた次にいい試合を組んでいただきたいなと思っています。
──栗原選手、今バンタム級では中谷(潤人)選手がベルトを返上されるなど、色々な動きがあると思います。今後見据える先、ビジョンがあれば教えてください。
栗原:正直言うとそこはもう気にしてないというか、前はちょっと気にしすぎてた部分もあったんで、今は全く気にしてなくて。自分自身がどういう試合ができるかに、集中しています。
──伊藤代表、先ほども少し触れていた安全面についての対策は、具体的にどのようなものになりますか?。
伊藤:民間の救急車を置くことは、いま検討してるんですけど。やっぱりいま協会の方たちだったり、JBCの方たちだったりがすごく検証をしている段階で。何かをやっぱりしていかなきゃいけないと思っているので、すごく検討している状態ですね。
あと救命士の方を置くとか、そういったことを今ちょっと検討しています。ただ、やはり協会の方たちとも話し合っている段階なので、確実なことではないんですけど。何もせずに進んでいくべきではないと思っているので、行動はしたいと思っています。
『TREASURE BOXING PROMOTION 9』
【配信日時】2025年9月17日(水)17:30〜ライブ終了まで
【配信形態】独占ライブ配信
<主な対戦カード>
メインイベント(バンタム級 8回戦)|栗原 廉太(一力) vs 金城 隼平(RE:BOOT)
セミファイナル(日本ミドル級挑戦者決定 8回戦)|竹迫 司登(ワールドスポーツ)vs 細川チャーリー忍(金子)
53kg契約 8回戦|齋藤 哲平(M・T)vs 薮崎 賢人(セレス)
OPBF女子フライ級タイトルマッチ 6回戦|漣 バル(ワールドスポーツ)vs プラーンウィライ・ワンプン(タイ国)
スーパーウェルター級 8回戦|パッドヨッド・キアットチャルンシリ(タイ国)vs 緑川 創(EBISU K’sBOX)
ライト級 8回戦|中村 駿(ワタナベ)vs メルチョール・ロダ(フィリピン)
※対戦カードは変更となる場合がございます。
『TREASURE BOXING PROMOTION 10』
【配信日時】2025年10月1日(水):~ライブ終了まで
【配信形態】独占ライブ配信
<主な対戦カード>
※対戦カードは変更となる場合がございます。
※その他の対戦カードは改めてお知らせいたします。