12月、UFCデビュー戦でいきなりフライ級タイトルマッチに挑む朝倉海選手「UFCチャンピオンになって、来年UFCを日本に持ってきたい」
12月8日(日)開催、UFC 310のセミメインイベントでUFCデビューを飾る朝倉海選手にインタビュー
アジアの有望なMMA選手がUFCと契約するための道を切り開くトーナメント『ROAD TO UFC(RTU)』のシーズン3に日本からは8選手がエントリーし、5月に1回戦が行われると、女子ストロー級の本野美樹選手、バンタム級の中西透暉鷹選手、フェザー級の原口伸選手、河名真寿斗選手が準決勝へ進出しています。UFCという舞台をめざし勝ち続けなくてはいけない過酷なトーナメントに挑んでいる4選手に、8月24日、ラスベガスでの試合に向けての意気込みを聞きました。
―1回戦は相手の体重超過により不戦勝となりました。つらい減量を終え計量をクリアしていた本野選手ご自身は試合をしたいと思っていましたか?
本野:試合したかったですね。でもトーナメントなんで、何より優勝することが第一なので、とりあえずもう準決勝に進みました。無傷なので、すぐ帰って練習再開できたというのは大きいです。
――1回戦で今回の対戦相手の試合を見ましたか?
本野:はい。正直、相手との差がありすぎて参考にはならなかったんですけど、でもやっぱり自分が1回負けた相手で、しっかりあの舞台で仕留めることができていたので、やっぱり強いなと思いながらも、次に当たるとはわかってなくて。ただ必ずリベンジする時が来るとは思っていたので、しっかりやり返したいと思います。
―フォン・シャオツァン選手との前戦での敗北をご自身ではどのように乗り越えてきましたか。
本野:2ラウンドの後半に打撃効いちゃって、そこからふわっとしたのと、やっぱり途中から圧をかけられやすくなってしまったので、そこで、その圧にちょっと焦ってしまって、無理やりタックルにいっちゃったのが原因なので、詰められたときの練習も今回はしっかりとやってきました。あの大きさの女子選手っていないので、本当に出稽古で男子の選手にサウスポーになってもらって練習をお願いしたりという形で対策をして、最後まで戦い抜けるように練習しました。
―今回の試合をどう位置づけていますか?
本野:シンプルにシャオツァン選手は優勝候補で強い選手なので、しっかりそこでリベンジすることで優勝にも近づくと思うし、強い相手に勝ってUFC選手になったらもっと自信を持って戦えるのかなと思うので、本当に自分にとってはすごい大事な試合になります。
―どんな試合を見せたいですか?
本野:本当にもうとにかく勝つことが第一として、プラスで、やっぱりUFCで戦える選手だなというふうに認めてもらいたいなと思います。
―U-NEXTで試合を見る皆さんに、メッセージをお願いします。
本野:日本代表としてしっかりとUFC勝ち取ってきます。頑張ります。応援お願いします。
【女子ストロー級】フォン・シャオツァン vs. 本野美樹
―1回戦を振り返って良かった点と、ご自身で感じた課題は?
原口:ライト級で参戦した決勝戦での失敗をけっこう生かして臨めたのは良かったんですけど、逆に固くなりすぎて、もう少しフィニッシュを取りにいくような形が理想ではあるかなと思って。行きすぎちゃう性格もあるので、ちょっと気持ちをセーブして、焦らず、固執せずで、また相手が来たところで合わせて入ったりとかすればいいや、くらいの感覚で行けたので、そこが良かったなと。(ライト級で出場したシーズン2での)決勝戦で負けて本当に数時間後に、こうすれば決勝も勝てたんじゃないかな、と思った筋書きをそのまま1回戦でやったという感じです。
―RTUに2シーズン連続で出場となりました。絶対に負けが許されないトーナメント戦をこのスパンで戦わなくてはいけないRTUの経験は、今の自分にプラスになっていると捉えていますか?
原口:そうですね。去年ライト級決勝で負けたんですけど、戦い抜けたということは、自分の中でプラスになっているのと、自分の中ではシーズン2とシーズン3が、ひとつに繋がって、ずっと戦いが続いているという感覚ですね
―UFCで適正階級で戦うことをイメージしていますか。それとも目の前の1戦1戦と向き合っているのでしょうか。
原口:最初は1戦1戦という考えだったんですけど、自分の中で最近はもう自分がUFCに行って上に上がっていくためのひとつの過程なんだと思って。1戦1戦で考えちゃうと精神的にきついときとかもあるので、勝たなきゃ、勝たなきゃ、勝たなきゃって。これはあくまで一つの過程なんだと気持ちを切り替えて、試合を捉えています
―今回の対戦相手のズー・カンジエ選手を想定した練習をしてきましたか?
原口:そうですね、対策ばっかをけっこうやってきて。でもそれで本番思わず面食らうとか、そういうことがないようにだけ気をつけたいなと
―どんな試合になりそうですか?
原口:自分が一方的にやっつけるか、面食らってしまうと相手は距離を取ったりするのがうまくて相手の流れになってしまうかもしれないので、そこは状況を見てという感じです、自分の中で。ゴリゴリに意外にいったほうがうまくいったりとかするかもしれないし。
―U-NEXTで試合を見る皆さんに、メッセージをお願いします。
原口:今回は二度目の参戦で、前回はライト級で準優勝したので少し期待してくださっている方もいると思うんですけど、その期待を超えられるような試合を当日はしたいと思うのでよろしくお願いします。
【男子フェザー級】原口伸 vs. ズー・カンジエ
―1回戦は完勝に見えましたが、ご自身は全然納得していないような表情を見せていました。
透暉鷹:インタビューの内容はプロとしては良くなかったと思っていて、自分の中にそれ(納得していない気持ち)は秘めておいて、マイクや勝利後のパフォーマンスでは、応援してもらっている人たちに「応援ありがとうございました」と言うことが一番良かったと思っています。終わってみて、ちょっと冷静になれたらよかったと思いました。格闘技なので相手あってのことというのはあるとは思うんですけど、自分が思い描いていた試合とは全然違った試合になってしまったので、やっぱりそれが一番大きくて。
―思い描いていたのはどのような試合だったのですか?
透暉鷹:やっぱりもうちょっとダメージを与えたり、打撃でいける感じはあったので打撃でつくろうかなと思ったんですけど、そこで思ったより明確に打撃を効かせたりできなかったので、ちょっと中途半端な感じになっちゃったかなと思って。テイクダウンも、真ん中で倒したりとかはできたのですが、そこからフィニッシュに行きたかったですし、練習の中でやってることをなかなか出せなくて。相手もディフェンスに徹しているから極めづらいというのもあるけど最後はトーナメントなので勝ちにこだわってしまったところも。良し悪しあるとは思いますが、自分としては決めきりたかったなというのが大きかったです。
―この試合に向けて設定した課題や、テーマはありますか?
透暉鷹:RTUの出場選手を見ていると、やっぱり勝ち上がってくるだろうなという選手は、ちゃんと柔術をやっていたりレスリングが強かったりします。今回優勝する気でいるので、UFCのトップ選手と戦っていくことを考えたら、突き詰めていかないといけない部分があるというのを見ながらやっています。
―相手のバーエゴン・ジェライスー選手をどのように捉えていますか?
透暉鷹:レスリングをやってたので、前回の試合を見てもちゃんとバックとかまでパスガードをやったりと、戦い方は、焦らずにちゃんとしっかりやってくるなというのがあるので、僕の強みも似ていると思うんですけど、グラウンドのところで面白い試合になるのか、グラップラー同士の戦いってけっこう打撃戦とかになる場合もあるので、向かい合ったりやってみないと、その場で閃いたり相手の反応もありますけど、自分の中ではそこがどうなのかというのは、試したいです。
―テイクダウンまで繋げるための打撃については、手応えを持っていますか。
透暉鷹:そこもすごい大事になってきますし、相手のテイクダウンが来た時にしっかり切るところまでちゃんと行かないと相手のペースで組まれて、そこで先に相手がちょっと有利な状態から始まるのは良くないなと思うので、相手から来たテイクダウンはしっかり切って、打撃を打って離れたりする中で、自分のタイミングでちゃんと自分のペースで作りにいく、というのをやらないといけないですね。その中で打撃で仕留めるのか、テイクダウンでフィニッシュまでどう持っていくかというのは、やってみなきゃわからないですけど。それはもうどっちでもできる感じはあります。
―U-NEXTで試合を見る皆さんに、メッセージをお願いします。
透暉鷹:24日のお昼11時から12時頃に準決勝に出場します。U-NEXTで応援よろしくお願いします。
【男子バンタム級】中西透暉鷹 vs. バーエゴン・ジェライスー
―1回戦のソン・ヨンジェ戦では、1Rから飛ばす展開でした。あの試合の収穫と課題をどうとらえていますか。
河名:これまでに1Rで行き切れずに負けて後悔した試合(パン・ジェヒョク戦)があったので、戦略的にはもう1Rから飛ばしていこうという考えがあって、その作戦どおり、一応コントロールは出来たんですけど、逆に自分が腕がパンパンに疲れてしまって。じゃあ、2Rでどうしようという風になって、それがあったからこそ打撃も出たというか、逆に力を抜いた状態で打撃が出せたというのは一つ収穫ではあるという感じです。課題でいうと、もっと相手のコントロールもするのが、足を置く位置だったりとか、テイクダウンの仕方というのはもっとうまくできるんじゃないかというのはありました。
―激闘を乗り越えることで試合毎に武器が増えているというような実感はありますか。
河名:前回の縦ヒジみたいに、ちょっと遊びの感覚でやっているものが自分を最後に救ってくれたりもする。なので、最初から諦めてあの縦ヒジを出すような感じだったら絶対当たらないし、まず軸には自分のやるべきことというか、やるべきレスリングを軸にした闘いをしていく中で、そういった飛び道具的なものに救われるんじゃないかなと思います。
―今回の対戦相手シエ・ビン選手について、シミュレーションはできていますか?
河名:そうですね。練習では身長の高い選手とスパーリングして、大体どのへんに腕を振れば顔にパンチが当たるのかとか、間合いを取る相手をどうやって距離を潰してつかまえるのかというのはイメージしてきました。試合を見ていて、すごい賢いなというか、常にワンツーで自分の距離感を制圧して、その中で、僕みたいなつかまえたい選手が前に出てきたところをずっとストレートで待ち構えているみたいな感じです。プラス、サブミッションも持っている選手なので、組んだからといって油断ができない。本当に良い手だなと思います。下がりながらストレートを打つのが、じゃあどこにインパクトを持ってくるのかを想像しながら、ストレートをもらわない位置で、逆に自分が思いっ切りパンチを振ってつかまえてみたり、いかにストレートをもらわないかというのは考えながらイメージしています。
―今回はどんな試合をしたいですか。
河名:毎回、僕自身はもう苦しい試合をする覚悟は出来ているし、準備も出来ているので、そこに相手をいかに引きずり込めるかというか、そこの沼に引き込めなかったら、僕は1人で溺れていくだけだし、そこで一緒に溺れたら、最後には僕だけ沼から出られるんじゃないかなと思っています。
―最後に日本から試合を見るファンにメッセージをお願いします。
河名:毎度お馴染みの苦しくもがいて、見ている人も苦しくなるような試合をして、最後には僕の手が上がっているかなと思います。ぜひチェックよろしくお願いします!
【男子フェザー級】河名真寿斗 vs. シエ・ビン
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