大ヒットサバイバルドラマ『ウォーキング・デッド』は、このキャラクターから始まった。シリーズ当初からずっと、“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこる世界で戦ってきたリック。シーズン9にて瀕死の状態に陥るも、ヘリコプターによってどこかへ搬送された彼のその後と、そんな彼を追うミショーンの物語がこのスピンオフで描かれる。リックとミショーン、お互いの生死も不明なまま愛し続け探し続けたふたりに待ち受けるものとは!?
本家『ウォーキング・デッド』で離ればなれになったリックとミショーン。互いの生存を願いつつそれぞれの場でなんとか生きてきた2人が、ついに再会を果たす。だが彼らの前には様々な困難が…。
本作は、2人の再会までの道のりではない。早い段階で再会するものの、長らく離れている間に心の距離が開きすぎてしまったリックとミショーンが、どうやって再び同じ志になれるのかを描いていく。人気の最強カップルが再会するまでのお互いの空白期間についても描かれており、ファンとしては気になっていた2人のその後をやっと知ることができる!
相変わらず初っ端から最強のミショーン。本家でも強烈なキャラクターだったが、今回さらにパワーアップ。甲冑に身を包み、剣を携えて馬にまたがる姿はまさに侍そのもの。周りにいる人間の力までみなぎるような、ミショーンのウォーカー退治の腕前を見て、応援したくならない人間はいないだろう。リックよりも、ある意味“ヒーロー感”たっぷりの戦士ミショーン。肉体的にも精神的にも、圧倒的な強さを持つミショーンは、『ウォーキング・デッド』ユニバースの中でも屈指の“バッドアス”と言っても過言ではない。
CRM(市民共同体軍)は本家にも出てきた組織だが、本作ではそれを牛耳るボスが登場。ラスボス感満載のビールをひと目見て怖いと思わない人はいないのではないだろうか。
演じるテリー・オクィンは、「場を仕切っている」人物をやらせればピカイチの存在感を放っている。笑っているようで不気味、優しいようで恐ろしい。そんな何を考えているのか分からない人物がリック&ミショーンの逃避行のキーパーソンとなる。リックたちにすでに目をつけているビールは、なぜ彼らにこだわるのか、何が目的なのか…。かなり危険だが、謎に包まれているこのキャラクターの動向に注目!
リック・グライムズ
本家『ウォーキング・デッド』では、持ち前の正義感とリーダーシップを発揮し、皆を先導した元保安官。ウォーカーを道連れに橋を爆破するが、奇跡的に一命を取り留める。ヘリで救出された後はCRM(市民共同体軍)に所属する兵士として日々を過ごすが、心にはずっと愛するミショーンへの想いがあった。運命のいたずらによって彼らは再会するが、ふたり一緒でもハッピーエンドには到底なりそうもない環境に置かれてしまう。
キャスト:アンドリュー・リンカーン
1973年ロンドン生まれ。14歳で学校の演劇に出たことをきっかけに演技に興味を持つ。名門の王立演劇学校(RADA)で学び、国内のテレビ、舞台、映画で活躍。2010年から始まった『ウォーキング・デッド』のリック役で大ブレイク。オーディションでは、何としても役を射止めるため、舞台となるアメリカの南部訛りを習得し、クリエイターや原作を熱心に研究。当時、第二子が誕生したばかりで睡眠不足が続いており、4日間ほぼ徹夜状態でオーディションに臨んだことでゾンビのような状態だったことが合格した要因のひとつかもしれないとのちに語っている。そのほかの代表作は、『ラブ・アクチュアリー』『ハートブレイカー』など。
ミショーン
ドレッドヘアと日本刀が特徴の女戦士。リックの右腕として彼を支えるうちに親密に。橋の爆発を遠目に目撃した後、生死も分からないリックを探し続けていた。リックとの子どもたち、ジュディスとRJはアレクサンドリアにおり、彼とともに子どもたちの元に戻ろうとするが…。本作では、リーダーであり戦士でもある本来の姿を隠して偽名で過ごすも、次第にその正体をさらけ出してしまう。
キャスト:ダナイ・グリラ
1978年アメリカ出身。ジンバブエ出身の大学教授の父親と大学図書館員の母親のもとに生まれる。ニューヨーク大学で演技の学士を取得後、ブロードウェイの舞台に立ったりニューヨークを舞台にしたドラマに出演。『ウォーキング・デッド』にはシーズン3から登場し、ミショーンとしてその名を全世界に轟かせる。英語のほか、フランス語、ジンバブエのショナ語、南アフリカ共和国のコサ語を操る。マーベル映画の『ブラックパンサー』&『アベンジャーズ』シリーズにも出演。
ジェイディス
本名はアン。元々は「清掃人」というグループのリーダーだった。『ウォーキング・デッド』本家では、リック側につきながらあっさり裏切った過去があり、リックとの関係は複雑。橋爆破後、負傷しつつもまだ息のあるリックを見つけ、無線でヘリに連絡して彼を救助。本作では、CRM(市民共同体軍)の准士官になっていることが明らかに。長かった髪は刈り上げられ、CRMの目指す世界観に傾倒している真面目な兵士になっている。リックに「ここから逃げようとするなら殺す」と宣言する。
キャスト:ポリアンナ・マッキントッシュ
1979年スコットランド出身。俳優の父親を持ち、幼少期をポルトガル、コロンビアで過ごす。16歳の時に俳優デビューを果たし、2019年の映画『ダーリン』などで監督としても活動。2004年に拠点をロサンゼルスに移し、『エグザム』『ザ・ウーマン』といったサスペンス・ホラー系の映画に多数出演。2017年に『ウォーキング・デッド』シーズン7からジェイディス役で登場。ムエタイなどの武術やヨガを好み、ファッション業界でもキャリアを築いている。
パール・ソーン
リックとともにCRM(市民共同体軍)に所属する兵士。リックとは仲間としての友情を深めている。オカフォーにリクルートされて軍の内部改革に協力しようとするが、彼の戦死後、ビールにより昇格。当初はCRMに対して懐疑的だったが、出世したことで野心的になっていく。その中で、ミショーンの登場が脅威になると考えるようになり…。
キャスト:レスリー=アン・ブラント
1981年に南アフリカ共和国に生まれ、1999年にニュージーランドへ移住。モデルとして活動後、地元のコマーシャルなどに出演するように。『スパルタカス』シリーズのナエウィア役に起用された後、『CHUCK/チャック』『CSI:ニューヨーク』『GOTHAM/ゴッサム』といった様々なTVシリーズへのゲスト出演を経て、『LUCIFER/ルシファー』のメイズ(マジキーン)役でブレイク。プライベートでは、『LUCIFER』で共演した俳優のクリス・ペイン・ギルバートと2015年に結婚。男児の母でもある。
ビール
CRM(市民共同体軍)の少将。10万人もの人を爆撃により殺した冷血な男だが、軍にとってはヒーローのような存在でもある。ベトナム戦争に参加し、士官学校にも通った経歴を持つ。謎が多く、何を考えているのか分かりにくい人物。リックとミショーンに目をつけている。
キャスト:テリー・オクィン
1952年、ミシガン州で11人兄弟の一人として生まれる。中央ミシガン大学とアイオワ大学で学んだ後、ボルティモアで最大の劇団であるセントラルステージで活躍。1981年の『天国の門』で映画デビューを果たすと、映画では『ヤングガン』『冬の恋人たち』『真実の行方』など、ドラマでは『X-ファイル』『ミレニアム』『エイリアス』などに出演。2004年から参加した人気ドラマ『LOST』のジョン・ロック役でエミー賞助演男優賞を獲得する。その後も『HAWAII FIVE-0』『フォーリング スカイズ』『ブラックリスト』といったヒット作に出演している。
『ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ』
原題:The Walking Dead: The Ones Who Live
制作年/制作国:2024年/アメリカ
ジャンル:ドラマ/アクション/サバイバル/ホラー
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