“ウォーカー”と呼ばれるゾンビがはびこる世紀末と化した世界を舞台に、『ウォーキング・デッド』のスピンオフが次々に制作されている。その中で、荒廃したニューヨークを舞台に、本家でも屈指の人気キャラクターだったマギーとニーガンを主人公に迎えた作品が『ウォーキング・デッド:デッド・シティ』だ。
物語は、本家では完全な和解に辿り着くことができなかった彼らが再び出会うところから始まる。口のきけない少女を連れているニーガンを見つけたマギーは、ひとり息子のハーシェルが“クロアト”と呼ばれるクロアチア人率いる集団にさらわれたことを打ち明ける。かつて残虐な行為を行ったニーガンに深い憎悪を抱くマギーだが、息子奪還のために彼とタッグを組み、マンハッタンへと向かう。2人の行く手には、ニーガンを指名手配犯として追うアームストロング連邦保安官という存在も。果たして2人はハーシェルを救い出せるのか?また、ハーシェルがさらわれた理由とは?マギーとニーガンの関係はどうなるのか?……本家では語りきれなかったマギーとニーガンのその後を、謎に包まれた新たな世界で描く。
本家の最後でニーガンを認め、和解をしたかのようにも思えたマギー。だが彼がグレンに行ったおぞましい仕打ちは、マギーの脳裏に焼きついたまま消えることはなかった。許したくても許せない相手であるニーガンと共に、息子ハーシェル奪還の旅に出るマギー。一方、改心したニーガンは自分を正当化しようとしつつも、マギーに対して罪滅ぼしの気持ちもあるのか協力的に接する。共に時間を過ごしていく中で、果たしてマギーは心の底からニーガンのことを許せる日が来るのか。犬猿の仲の2人の行く末はいかに!?
製作総指揮のスコット・M・ギンプルがインタビューで語っているとおり、『~デッド・シティ』にはフランチャイズ内でも最高に恐ろしいウォーカーが出現する。その不気味さは、ギンプルが撮影現場にいなくて良かったと思えるほどで、映像を自宅で見た時は本気で吐きそうになったという。また、高層ビルに囲まれたマンハッタンや、誰もが知る有名な観光名所をかつてないほどの数のウォーカーが埋め尽くして占拠するシーンも圧巻。さらには、都会であることを生かし、考えられない場所から突如現れるウォーカーも。本家とは異なる種類のウォーカーにも注目したい。
本作では、ニーガンと面識があり彼を捕えようとする謎のクロアチア人、“クロアト”が登場。小柄ながらも、その表情からして人間味を感じさせないキャラクターで、ニーガンでさえもある意味一目置く存在だが、ただの凶悪な人物というよりもサイコパスと言ってもいいほどの強烈な異常者だ。また、彼がニーガンを追い求める理由は何なのか。2人にはどんな過去があるのか。物語が進むにつれて、このキャラクターの異常さが際立ってくるので、そこからも目が離せない。
マギー
本家のシーズン2から登場。元はグリーン農場の娘。共に時間を過ごす中でグレンと恋仲になり、ひとり息子ハーシェルが誕生する。だが妊娠中の彼女の目の前でグレンを殴り殺されたことを機に、ニーガンへの復讐を誓う。本家では少しずつ変わっていったニーガンに助けられることもあったが、最後までグレンにしたこと、あの時の光景を忘れることはできず、彼のことを許してはいない。本作では誘拐された息子を取り戻すため、ニーガンと手を組む。
キャスト:ローレン・コーハン
アメリカとイギリスで育ち、イギリスの大学では演劇と英文学を専攻。舞台役者としてキャリアをスタートさせた後、2005年の映画『カサノバ』に出演。以来『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』『CSI:ニューヨーク』『コールドケース』『ヴァンパイア・ダイアリーズ』などに参加。『ウォーキング・デッド』のマギー役でブレイクする。
◆代表作:『コードネーム:ウイスキー・キャバリエ ふたりは最強スパイ』『ザ・ボーイ ~人形少年の館~』『マイル22』
ニーガン
本家のシーズン6から登場した、「救世主」というグループの元リーダー。大所帯のメンバーを束ねることができるカリスマ性のある人物だが、その残虐さゆえに敵も多い。彼の象徴となった武器は有刺鉄線を巻きつけた木製バット。亡き妻にちなんで「ルシール」と名付けたそのバットで、ウォーカーも人も殴り殺す。本家の後半では徐々に人間らしい一面も見せていたが、誰からも好かれるタイプではない。マギーの夫で、息子ハーシェルの父親でもあったグレンを、妊娠中だったマギーの目の前で殴り殺すという行為でその凶暴な人格をさらけ出した。本作では口がきけなくなった少女ジニーを保護し、旅を共にする。
キャスト:ジェフリー・ディーン・モーガン
シアトル生まれ。プロのバスケットボール選手を目指していたが、怪我により断念。俳優に転身する。若いうちから映画やTVドラマに多く出演。『ER 緊急救命室』『スター・トレック:エンタープライズ』『The O.C.』『グレイズ・アナトミー』『グッド・ワイフ』といったドラマで個性あるキャラクターを演じる。女優ヒラリー・バートン(『ホワイトカラー』)との間に2人の子どもがいる。
◆代表作:『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』『ウォッチメン』『エクスタント』
“クロアト”
クロアチア出身。ニーガンがかつて率いていた「救世主」の元メンバーで、現在はマンハッタンを支配するグループ「ブラージ」のリーダー。ニーガンでさえも恐れるサイコパスな危険人物。そんなニーガンとは何かの因縁があるようで、マギーの息子ハーシェルを拉致する。
キャスト:ジェリコ・イヴァネク
旧ユーゴスラビア(現スロベニア)出身、アメリカ育ち。親がスタンフォード大学で仕事をすることになり、3歳の時に移住。イェール大学卒業後、イギリスの名門LAMDAで演劇を学ぶ。トニー賞に3度ノミネートされた通り、舞台を中心に活躍。映画では『ダイ・ハード4.0』『ボーン・レガシー』『X-MEN:アポカリプス』、ドラマでは『ホミサイド/殺人捜査課』『OZ/オズ』『HEROES/ヒーローズ』『マダム・セクレタリー』などに出演。名脇役として強烈な印象を植え付ける演技派俳優。
◆代表作:『ダメージ』『マダム・セクレタリー』『ハンニバル』
パーリー・アームストロング
ニーガンを追う、ニューヨーク線増車コミュニティのネットワーク「ニューバビロン連邦」の保安官。指名手配犯のニーガンを捕まえるためなら手段もいとわない、冷静沈着な人物。
キャスト:ガイウス・チャールズ
ニューヨーク・マンハッタン生まれ。演技科で有名なカーネギーメロン大学を卒業。その後、ドリュー大学院で宗教学の修士も取得している。『グレイズ・アナトミー』のシェーン・ロス役でブレイク。そのほかにも『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』『エージェント・オブ・シールド』『ブラインドスポット』『96時間 ザ・シリーズ』など様々なドラマに出演。
◆代表作:『グレイズ・アナトミー』『アクエリアス 刑事サム・ホディアック』『96時間 ザ・シリーズ』
ジニー
ニーガンが保護する少女。父親の死後、口をきかなくなった。ニーガンとマギーが共闘することになった後、ヒルトップに預けられることになるが…。
キャスト:マヒナ・ナポレオン
ハワイ出身。『NCIS:ハワイ』の主人公ジェーン・テナントの娘ジュリー役で俳優デビュー。両親が『ウォーキング・デッド』のファンで、彼女も幼いながらも一緒に見ていたという。本家の好きなキャラクターはグレン。趣味は、歌唱、スノーボード、サーフィン。祖父はオリジナルの『私立探偵マグナム』に端役で出演したことがある。
◆代表作:『NCIS:ハワイ』
ハーシェル
マギーと亡きグレンの一人息子。祖父の名前を受け継いだ。本家では小さい子どもだったが、本作では成長した姿で登場。父を惨殺したニーガンを憎んではいるが、助けられた過去も持つ。
キャスト:ローガン・キム
ダラス出身。1980年代の大ヒット映画シリーズの新作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』に出演、次回作の『Ghostbusters: Frozen Empire(原題)』にも参加することが決まっている。
◆代表作:『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
作品名:『ウォーキング・デッド:デッド・シティ』シーズン1(原題:The Walking Dead: Dead City)
制作年/制作国:2023年/アメリカ
ジャンル:ドラマ/アクション/サバイバル/ホラー
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