12月、UFCデビュー戦でいきなりフライ級タイトルマッチに挑む朝倉海選手「UFCチャンピオンになって、来年UFCを日本に持ってきたい」
12月8日(日)開催、UFC 310のセミメインイベントでUFCデビューを飾る朝倉海選手にインタビュー
今年1月のONEデビュー戦での激闘を経ていよいよ2戦目に挑む武尊選手と、5月の惜敗を経て次なる挑戦を迎える秋元皓貴選手。
群雄割拠の立ち技格闘技界で、それぞれ異なる舞台、異なる方法で、その道を切り拓いてきた両雄が、お互いに日本を代表する選手として、9月27日(金)に格闘技の聖地ルンピニースタジアム(タイ)で開催される『ONE Friday Fights 81』で初めて舞台を共にします。
そんなふたりが肩を並べての初対談が実現!お互いの印象から始まり、ONEという舞台の魅力や特徴についてやそれぞれの練習環境、次戦への意気込みが語られたアツいトークの中から、一部をご紹介します。完全版は、U-NEXT格闘技公式YouTubeでご覧いただけますので、ぜひチェックしてください!
ーー共に再起戦を迎える両選手ですが、おふたりはこれまで交流はあったのですか?
武尊:ほぼなかったですね。
秋元:自分はキックボクシングを15歳からやっていますが、1回離れた時期があったりして、その頃に武尊さんがバーッと上がっていったので、タイミングがズレていたのもあって、あまり接点というのはなかったかなと思います。
武尊:すごいですよね。(秋元選手は)たぶん僕がデビューするぐらいの時とかにはもう活躍していて、10代でずっと連勝していました。1回(当時19歳の秋元選手が、対戦相手を)ハイキックでKOした試合(※2012年2月「Bigbang」vs.佐々木郁矢)を現地で見ていて、「同世代でヤバい奴いるな」と思ってました。
秋元:武尊選手はK-1をずっと引っ張ってきていてすごいと思っていましたし、「すごいプレッシャーの中でずっとやってたんだろうな」と。その中でずっと勝ち続けるというのは、並大抵のことじゃないという印象を持っていました。
ーーお互いの印象は?
秋元:特にパンチがうまいなと思うんですけど、打ち合いだったりとかで、普通の選手が引くところで入っていたりとか、たぶん練習でやってきたものが試合で出てるんだろうとは思うのですけど、なかなかその一歩行けないところを、さらにもう一歩行ったりするので。そういったところはまだ自分にはできていない部分かなと思うので、すごいなと思っています。
武尊:光栄ですし、めちゃくちゃ嬉しいですね。でも逆に言ったら、秋元くんもそうだし、(野杁)正明とかもそうですが、技術をしっかり持っている。たぶん僕も、そういう、いろんな技術を持っていたら、この戦い方はしてなかったと思います。僕は自分で『格闘技のセンスはない』と思ってたし、ちっちゃい頃も本当に負けてばっかりだったんで。だからこそ僕が辿り着いた “勝つためのファイトスタイル" がこれで。人が危険だなって思って入らない距離に入っていく。
やっぱり「そうなると危ないな」とか「もらいたくない」、「怖い」って思いながら打ってるパンチと、「こっちはもらってもいいけど、もらいながらでも倒してやる」って思って打つパンチだったら絶対に後者のほうが強く当たる。
ある意味ハッタリじゃないですけど、そういう戦いで勝ってきたっていうのはあるし、だからこそ勝てたのもあるけど、もっと技術をつけていかないとONEでは勝てないと思うんで。秋元くんはONEの世界(タイトル)を取っていて、僕もそこを目指しているので、今はそれにプラスして技術をつけていかなきゃなと思って取り組んでいる最中です。秋元くんの試合は昔から見させてもらっていて、パンチと蹴りのバランスもめちゃくちゃいい。
それにもともと空手出身というのもあって、蹴りの多彩さだったり、一撃の強さっていうのは他の選手にはないものを持ってるなというふうに思うし、ONEに行ってから、フィジカルの強さも見ていてすごく感じます。1回キックを離れて空手の大会に出ていた時期があったと思うんですけど、そこでまた、空手の身体の芯の強さをつけて、パワーアップしてキック界に戻ってきたのかなというふうに思いました。
秋元:他にたぶんいないと思うんですよ、自分みたいな空手からキック行って、またキックから空手に戻って、という選手って。本当に自分はその期間が大事だったと思いますし、それがあったからこそ、今はキックボクシングを始めた時とは全く違うキックボクサーになっているんじゃないかと思うので、その期間が良かったかなと思っています。
武尊:やっぱり空手って試合時間も短いから、数で効かすというよりはチャンスが少ない分だけ一撃に効かさないといけないので、僕も空手出身で、ローキックひとつとっても、やっぱり一撃に効かすために狙う蹴り方もしているのですが、ちょっとムエタイ寄りになるとポイントを取る蹴り方だったり当てる蹴り方をするところを、秋元くんの蹴りは本当に一発一発、効かす蹴りを蹴ってる、空手の蹴りを蹴ってるなと、見ていて思いました。
秋元:格闘技って、倒し合いという部分もあればゲーム性があったり色々ですけど、倒す蹴りでポイントを取っていくこともできると思うので、ただポイントを取るだけじゃなくということは、確かに意識はしているかなと思います。
ーーおふたりそれそれが思う、ONEの魅力とは?
秋元:弱い相手が本当にいなくて、どの選手と組まれても負けるかもしれないっていう試合が組まれるので、選手としてやっていてこんなに面白いところはないなって思いますし、だからこそしっかりと練習して準備して、最高の試合をするというのはあるんですけど。そういったところが見ている方に伝われば嬉しいなと思って、必死にやっているというところですかね。
武尊:立ち技では世界最高峰の団体と言われていて、世界中のチャンピオンだったり強い選手たちが集まっている団体なので、秋元くんの言う通り誰と組まれても、本当に自分が負けるかもしれないような相手、今回もそうなのですけど、やっぱりそれぐらいの気持ちで準備しないといけない相手しかいないし、それぐらいハイレベルなので、見ていたらそれはもうもちろん面白いと思うし、特に今回出る『ONE Friday Fights』は、僕が見に行った印象では、日本でもしその試合をやってたら全試合がベストバウトで選ばれるんじゃないかなというくらい、みんなが必死に勝ちを掴み取るために命がけで戦っていて。そういう空気をルンビニースタジアムで感じました。
盛り上がってない大会がないというイメージなので、今回特に日本のファンの人に見てもらって、ONEの魅力に気づいてもらえたらなと思います。世界最強を目指して世界最強って思う選手がいるところでその選手と戦うことを考えてこうずっと行動してきて、そのなかで選んだのがONEの舞台なので。本当に強い選手ばっかりだし、前回の試合(スーパーレック戦)で、初めて試合中に痛みで意識が飛びそうになるという感覚があって。これまでも脳が揺れて意識が飛ぶという経験はあったんですけど。
だからやっぱり世界は広いなっていうのも感じられたし、あとは逆にそれがモチベーションになって。当初戦う予定だったロッタン選手が世界最強で、そのロッタン選手を倒すためにという気持ちでずっとやってたけど、「あ、まだこんなに強い選手がいたんだな」っていう喜びみたいなものも感じたので、だからもっと強くならなきゃっていう気持ちにもなれたし、そういう意味ではパワーを与えてくれる団体だなと思います。
一時期は引退も考えていたし、もう格闘技やりきったなと思っていた時もあったので、またスイッチを入れてくれたのは、この前の負けも大きかったのかなと思うので、気合いが入っていますね。
秋元:ONEの選手はフィジカルももちろん強い選手が多いですし、技術的な巧さがある選手がすごく多くて。自分もそこで苦戦したりもしました。でもそれを、自分もそうですし、武尊選手も経験して、強い選手と試合を組まれることで、組まれた段階でも成長できると思うんですよ。さらに試合して、それで感じたことだったり、成長したりとかもあると思うので。
自分もそうですし、武尊選手もまだまだ成長できるんだろうなっていう、年齢的には日本の中では上の年齢になってきたかなと思うんですけど、世界ではもっと上の年齢で活躍している選手もいますし、まだまだ成長できるんだなっていうのを感じて、これからが本当に楽しみだなと思います。
ーーそれぞれの次戦への意気込みもお願いします。
武尊:対戦相手のブラックパンサー選手はすごくアグレッシブな選手だし、パンチでも蹴りでも倒せる選手なので、激しい試合になると思うし、前回の試合の負けが僕の中でずっと残っていて、それを早く払拭したいという気持ちなんで、“仮想スーパーレック”じゃないですけど、そういうレベルの選手になると思うので、しっかり倒して成長した姿を見せたいなと思います。
秋元:今まで日本のK-1で、ずっとトップでやってきて、自分のやり方や信念があると思うので、それを貫きつつ、前回の試合でできなかった部分や良かった部分、さらにレベルアップさせてしっかりと倒して勝ってくれたら嬉しいなと思います。ONEは本当に強い選手が多くて、スーパーレック選手だったりロッタン選手も、今本当にトップで強いし……と思ったら、さらに強い奴や、次の世代が出てきたり、全然知らないような奴が来たりとかするのでーー。
武尊:うん、うん。
秋元:自分もそうですけど、それを楽しんでいける環境なので。一緒に楽しんでいけたらなと思ってます。
武尊:ありがとうございます。
秋元:(対戦相手のイリアス・エナッシ選手は)自分がONEに行ってまだ伸び悩んでいる時期、まだトップになれていない時期から(フライ級の)チャンピオンになっていて、すごい強い選手だと思っていましたし、自分がバンタム級に上げてチャンピオンになってからも彼は必ず階級を上げてくるだろうと思っていましたし絶対やる相手だと思っていました。すごくいい選手で世界でも最高峰の選手だと思いますけど、スピードでもパワーでも、圧倒して勝てるように頑張りたいと思います。
武尊:相手も強い選手ですけど、秋元選手の強さを見せてほしいなって思うし、本当にまたチャンピオンに返り咲いてほしいので、この相手はしっかり倒してきてほしいなと思います。秋元くんはONEで日本人ファイターとして切り拓いてきたひとりでもあるし、尊敬している部分もあるし、一緒に戦っていく仲間としてすごく心強いし。
そして、お互いに一番最高の試合をしてやろうとか、自分が一番最高のKO勝ちをしてやろうという、そういう思いで競い合える仲間でもあると思うので、一緒にONEの舞台で、また秋元くんはもう一度頂点に立って、僕もONEの世界最強の証を必ず取るので一緒に格闘技界を盛り上げていけたらなと思います、よろしくお願いします!
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