「センスのある俳優」「まるでカメレオン」。信頼関係で結ばれた、ムン・ガヨンとチェ・ヒョヌクが語る『あいつは黒炎竜』撮影秘話
高校時代の“黒歴史”から始まるラブコメディ『あいつは黒炎竜』に出演する、俳優のムン・ガヨンとチェ・ヒョヌク。互いを「ムードメーカー」と表現する二人は、どんな想いで役に臨んだのだろうか。笑いが絶えなかったという撮影現場の裏側から、俳優としてのリスペクト、作品を通して深まった絆まで、自身の言葉で語ってくれた。
血のつながらない三人が、二人の父親のもとで家族として成長する姿を描く青春ロマンス『組み立て式家族~僕らの恋の在処~』。その撮影現場は、年の差を超えた信頼とリスペクトに包まれていたという。
心に傷を抱えながらも愛らしく育つユン・ジュウォンを演じたチョン・チェヨン、子どもの頃からどこか大人びている一人目の兄キム・サナを演じたファン・イニョプ、バスケ部のスター選手で二人目の兄カン・ヘジュンを演じたペ・ヒョンソン。三人に今回の役を通して感じたことから撮影中の大先輩との心温まるエピソード、今後演じてみたい役柄まで話を聞いた。
──まず、ご自身が演じられた役について、どのような人物だと捉えていましたか?
ファン・イニョプ:僕が演じたサナという存在の前で、ジュウォンは一番明るく笑い、最も安らかな姿を見せられる。だからこそ、サナにとってジュウォンがいかに重要な存在であるかは、すごく理解できました。サナはとても不憫ではあるのですが、どこか守ってあげたくなる、そんなキャラクターだと思います。
チョン・チェヨン:ジュウォンはどこまでもポジティブでいようと、努力し続けた子だと思います。落ち込みたくなくて、現実逃避していたのかもしれません。 特に子どもの頃は、落ち込まないように必死に努力した子なんだなと感じながら、演じていました。
ペ・ヒョンソン:ヘジュンは“ステキな人”だなと思います。 複雑な状況の中でもまっすぐに育ち、父親に尽くす姿は本当にかっこいい。 でもその一方で、すごく不憫にも感じていました。 この幸せな関係がいつか壊れてしまうのではないかと常に苦しんで、悩みを一人で抱え込んでいる。そんな彼の姿を見ていると、胸が締め付けられるような、切ない気持ちになりましたね。
──共演者への第一印象はいかがでしたか?
チョン・チェヨン:イニョプさんの第一印象は、「クールな人なのかな?」というものでした。 でも、いざ現場に入ると、雰囲気を良くしようといつも皆を笑わせてくれるんです。その姿を見て、「ああ、こんなに違う一面があるんだ」と驚きました。
ヒョンソンさんの第一印象は「物静かな人」でした。でも、それだけではない魅力にも気づいて、より親しくなれたと思います。私たち三人での撮影が、すごく楽しくなりました。
ペ・ヒョンソン:イニョプさんは僕より年上で、僕もクールなイメージを持っていました。 でも撮影を重ねるうちに、体の使い方が本当に上手いことに気づいたんです。 体を使ったギャグが得意で(笑)、演技の中でも面白い表現をするのがすごく上手いんですよ。 それを見て、「かっこいいだけじゃない、こんな表現もできるんだ」と驚きました。
ファン・イニョプ:僕の出演作品を見てくださる方だけでなく、僕をよく知らない方からも冷たい印象を抱かれがちなのですが…本当はそんなことないんです。 僕は俳優としてのキャリアが豊富なわけではありません。ただ、少しだけ年上という立場だからこそ、現場が楽しい雰囲気であってほしいという想いは常にありました。 お互いがリラックスできれば、絶対に良い演技につながりますから。共演した二人にとっても、この現場が“遊び場”のような特別な場所になってほしいと心から願っていました。 だから、自然と雰囲気を明るくしようとしていたのかもしれません。もちろん、私一人の力ではなく、二人をはじめ皆のおかげですけどね。…なんだか照れますね(笑)。
──今作では、ジュウォンの父であるユン・ジョンジェ役のチェ・ウォニョンさんと、サナの父であるキム・デウク役のチェ・ムソンさんという、二人との共演も大きな見どころでした。共演してみて、いかがでしたか?
ファン・イニョプ:お二人は、スタイルや性格がまったく違うんです。 チェ・ウォニョンさんは、まるで“韓国籍の英国紳士”といった佇まいの方。 いつも物腰が柔らかく、本当にジェントルなんです。どんな質問を投げかけても、ご自身が歩んでこられた豊かな経験をもとに、一つひとつ事細かに、丁寧に答えてくださりました。 私たちの演技についてどう感じていたかはわかりませんが、多くの言葉で指導するのではなく、静かに見守ってくださった。 そのおかげで、私たちは本当に心地よく、演技に集中することができました。
一方、チェ・ムソンさんは、とても寡黙な方です。 口数は決して多くないのですが、こちらが「何か不便なことはありませんか?」と尋ねると、「僕は大丈夫」と一言で答えてくれる。 その姿がとても頼もしかったです。
お二人に共通して心から感謝しているのは、時にどんなアドバイスよりも力になる“ただ見守る”という姿勢を、貫いてくださったことです。そのおかげで安心して演技ができました。 本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。
ペ・ヒョンソン:僕はウォニョンさんと二人きりのシーンが多かったのですが、感情的に難しい撮影が続いたんです。 そんな時、たくさんのアドバイスをくださいました。 でも、その伝え方が本当に優しくて。「大丈夫だった?」「こうしてみたら、もっと気持ちが伝わって、より良くなるんじゃないかな」と、すごく慎重に言葉を選んで話しかけてくださるんです。 親切に指導していただいたおかげで、感情をうまく表現できたシーンがたくさんありました。
チョン・チェヨン:ムソンさんは寡黙ではあるのですが、眼差しがすごく温かくて。だからこそ、ムソンさんとはリラックスして演技ができました。
そして、ウォニョンさんは、二人が触れていたように、私にもたくさんの意見やアドバイスをくださって。それがあるシーンでは、決定的な助けになったこともありました。 お二人がいつも辛抱強く私たちを待っていてくださったから、私もより自然に、親子を演じられたのだと思います。
──演出のキム・スンホ監督はどんな方でしたか?
ファン・イニョプ:いつも友達のように、僕たちが最も楽な気持ちでコミュニケーションが取れる状況を整えてくれました。 なので、悩みやアイデアを共有することに、何の気負いや負担も感じることはありませんでした。 そして何より、僕たちが演技しやすいよう声を荒立てず、穏やかな雰囲気を作り続けてくださったことに、心から感謝しています。
それから、僕たちの意見にも真摯に耳を傾け、良いアイデアがあれば、それを撮影に取り入れてくれました。 すごく繊細な方で、手紙を書いたり、俳優一人ひとりの個性や役柄に合わせて贈り物を用意したり、僕たちがより深くキャラクターと向き合えるように努力してくださったことに、本当に感謝しています。 これまでちゃんとお礼を言えていなかったので…この場を借りて、本当にありがとうございます、とお伝えしたいです。
──素晴らしい経験をされた今作を経て、今後挑戦してみたい役柄やジャンルはありますか?
ペ・ヒョンソン:僕はまだ経験したことのない役がほとんどなので、挑戦したいことばかりです。 具体的には、本格的なアクションを一度やってみたいですね。
チョン・チェヨン: 私もやったことのない役ばかりなので、色々なことに挑戦していきたいです。 今回ジュウォンを演じながら、楽しいシーンがたくさんありました。 これから色々な役に挑戦したいと思っています。
ファン・イニョプ:これまでは少し真面目な役柄が多かったので、正反対の役にも惹かれます。 いつもマネージャーや友人たちと、想像ドラマを作るんです。カッコつけで華やかで、時にはセクシーな姿を見せる…すべての感情表現が最高潮に達している、そんなキャラクターを演じてみたいです。 コミカルなのにどこか真面目で、表現力が求められるような、面白い役に挑戦してみたいですね。 コミカルな演技は、意外と合っているみたいなので(笑)。
──最後に、ドラマを応援してくださるファンの皆様へメッセージをお願いします!
チョン・チェヨン:『組み立て式家族』は、温かくて初々しい魅力に溢れた作品です。 いつ、何度見返していただいても、きっと楽しんでいただける物語になっていますので、たくさんの期待と愛を寄せていただけると嬉しいです!
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