笑福亭鶴瓶、初の生配信番組『無学 鶴の間』に落語家・桂宮治が登場! 落語への思いも語り合う貴重なトークは必見!!
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笑福亭鶴瓶、初の生配信番組『無学 鶴の間』に落語家・桂宮治が登場! 落語への思いも語り合う貴重なトークは必見!!

『無学 鶴の間』第21回のゲストは、日本テレビ「笑点」の新メンバーに抜てきされるなど、今もっとも勢いのある若手落語家のひとり、桂宮治が登場。この日も、事前に知らされていなかったゲストが宮治であると分かるや、客席から思わず「やった!」という歓声が漏れるなど、注目の高さが伺いしれた。

同じ会場で行われる鶴瓶のもうひとつのトークライブ『帝塚山 無学の会』に宮治がゲスト出演したのは2021年9月20日のこと。「もともと俺が面白いと思って呼んだんですけど、あれから『笑点』が決まって。この間も『情熱大陸』に出てましたからね」と近年の宮治の飛躍ぶりに感慨深い様子を見せる鶴瓶。

もともと噺家になる前は化粧品のトップセールスマンとして安定した暮らしをしていた宮治だったが、30歳の時に落語の面白さに目覚め、結婚式当日に会社を辞めると宣言。その後、三代目桂伸治に弟子入りし、落語家の道を進むことになった。まさに異色の経歴の持ち主であるが、「あの時はただただ落語家になりたいと思っていた。カミさんとも『仕事をやめちゃえ』『貧乏でもそっちの方が楽しいだろう』と話し合って。それからうちの師匠と出会ったんです」。

そんな宮治が人気番組「笑点」の新メンバーに選ばれたのは2022年1月1日のこと。それ以来、一躍注目の存在となった宮治のもとには数多くのオファーが殺到したという。その中には綾野剛主演のTBSドラマ「オールドルーキー」もあった。「その時はマネジャーもいないですし、事務所にも入っていない。ただの寄席芸人ですから。だからすべてのテレビ局と新聞社と雑誌の取材の申請と、ドラマのスケジュール進行の方からの連絡と、すべて僕ひとりでやっていた。携帯から火が出るくらい、1日何百件も鳴って。それを全部返していた」と大変だった日々を述懐。

そんな中、ドラマの撮影現場に入り、「3日目くらいに神奈川の海岸沿いで綾野さんとの撮影があって。撮影にも慣れてきたんで、ようやくふたりでしゃべれるなと思ったんですけど、右手の携帯がずっと鳴り続けていて。本当に(携帯を)海に投げそうになりましたよ。すべてを捨ててやろうと思いましたから」とボヤいてみせて会場は大笑い。

その時に綾野とは「落語家さんってすごいですね」「いや役者さんの方がすごいじゃないですか」というようなやり取りをしていたというが、その流れで「僕たちは昨日、1年後のシーンを撮ったら、今日は数日前のシーンを撮って。何日後かにはまたもとのシーンに戻って…と。僕たちは時間を行き来する魔法使いみたいなもんなんですよ、と。そんなようなことをおっしゃっていて。カッコいいなと思ったんですけど、実はその時はよく分かってなかった」と冗談めかして会場は大笑い。

そこで鶴瓶が「あいつはロマンチストなんですよ。(鶴瓶も出演した)『奈緒子』という映画では、あいつが(主人公の)ライバル役だったんですよ。その時は(役づくりのため)いっさいしゃべっていない。(綾野とは)その後で仲良くなったからね。『あの時はしゃべることができなくてごめんなさい』ってね」と振り返ると、宮治も「本当にストイックなんですよね。(主役として)膨大なセリフ量があるのに、(座長として)現場にいる人全員に声をかけていて。本当にカッコよかったです」と振り返った。

そんなふたりのトークが大いに盛り上がる中、宮治が落語を一席披露する事に。「今日の落語が面白かったか、つまらなかったかが決まる要因というのはわれわれ演者の技量じゃないんですね。何が重要かと言いますと…」というところからはじまる毒っ気たっぷりで軽妙なまくらで会場を温めた後に、スッと古典落語の滑稽話「時そば」に入り込む。舞台は寒い冬に営業する屋台のそば屋。そこで温かいそばをすすっていた客だが、支払いの段階になって、大量に用意した小銭を1枚ずつ数えながら店主に支払いを進める。だがそこで男は姑息な手口をつかって、店主に気付かれないように16文の代金を1文ごまかして、そそくさと店を後にする。そしてその一部始終を目撃していた別の男は、自分も同じ手口でそばの代金をごまかそうと挑戦するが…。という内容の一席となる。

キレが良く、エネルギッシュな語り口で次から次へと会場の爆笑を誘う宮治。そしてそばをすするさまも、詳細な仕草まで完璧にとらえた描写力で感心させたかと思えば、それと対比するように、時には下品なまでに誇張した仕草で会場を沸かせるなど、変幻自在の語り口で会場を魅了した。

そして大きな拍手が会場を包み込む中、再び会場に戻ってきた鶴瓶は「めちゃめちゃおもろかったなぁ。でも落語をはじめて聞いた人に言っておくけど、(オーソドックスな)『時そば』はこんなんちゃうよ」と忠告して会場を大笑いさせつつも、「でも今日来たお客さんは良かったですよね。今、宮治は脂がのってますからね」と会場に語りかけた。

それゆえに「本当に、落語だけでご飯を食べられると思ってなかったんで。今の状況に本当に感謝していますね」としみじみ語る宮治だが、ずっと第一線で活躍し、エネルギッシュに活動する鶴瓶のバイタリティに驚きを隠せない様子。「ここまでずっとトップランナーとしてやってきて。この先の目標はないんですか?」と尋ねるも、鶴瓶自身は「そんなのないなぁ」とポツリ。「これは本気の話だけど、東京でウケるような大阪の噺家が出てくるまでに上方を持っていきたいということかな。なかなか出てこないからね」とその思いを明かすと、「いやいや、江戸の人間からすると、そう簡単に出てきて欲しくないというか。なんなら自分たちが大阪に進出したい」と冗談めかした宮治。

そこで鶴瓶が「でも、『時そば』をはじめて聞いて。めっちゃ面白いと思ったら次も来るやんか。それはうれしいよね」と語ると、宮治も「上の世代の師匠方は協会同士でいろいろあったりした時代もあったじゃないですか。でもわれわれ世代は、東京大阪関係なく。みんな仲良しで。その中で切磋琢磨してみんなで上にいこうというのがあるんですよね」と説明。その言葉に「俺らもそうよ。でも俺は珍しいのかな。東京の噺家とも仲がいいしね」と続けた鶴瓶も、「それはきっとうちのおやっさん(六代目笑福亭松鶴)がそうだったからね。だから向こうの師匠方も『あんたのところの師匠にかわいがってもらった』と言ってくれるから。(立川)談志師匠も(古今亭)志ん朝師匠もそうだったからね」と述懐。

そうやって落語界の未来について語り始めた二人の語り口も次第に熱を帯びてくる。「やはり売れていらっしゃる師匠がた、トップをずっと走り続けている方ほど、下のことを見てくださっているし、頑張っていればちゃんと手を差し伸べて引っ張り上げてくれる。これをぐるぐる回していけば、うちらの業界も廃れないと思うんです。だって全員が頑張らないと、なくなってしまうかもしれない商売なんですから」と力を込めて語る宮治に、「ほんまやで。だって400年くらい続いているんだから。そういうバトンをつないでいくのは大事」と深くうなずいた鶴瓶。そんなふたりの話に観客も終始、熱心に耳を傾けていた。


【番組公式X(旧Twitter)】
https://twitter.com/mugakutsurunoma
◆見逃し配信:配信中
※配信開始から一定期間経過後、見放題作品へ切替えて配信を継続する予定です。
◆出演 笑福亭鶴瓶、桂宮治
◆会場 帝塚山無学

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