「小学生日本一」になった甥っ子がライバル? ベスト“73”岩隈久志さんのゴルフの履歴書
元プロ野球選手で、現在は解説者、MLBのシアトル・マリナーズ特任コーチ・アドバイザーとしても活躍する岩隈久志さんに、ゴルフとの出会いや、日本一に輝いた甥っ子・広橋璃人くんとの関係についてなどを教えてもらいました!
2024年のDPワールド(欧州)ツアーで有資格者を除く上位10位以内に入ったことで資格を獲得し、2025年ツアーはPGAツアーを主戦場に戦う星野陸也。優勝あり、病気での欠場ありと激動の2024年を振り返ってもらいつつ、2025年シーズンの意気込みをたっぷり聞かせてもらいました!
ーー2024年は欧州ツアー(DPワールドツアー)で上位に入り、PGAツアーの出場権を獲得されました。
星野陸也(以下、星野):はい、DPツアーで大体15位前後のランキングに入ればPGAツアーに出場できるということがわかっていたので、入れるように頑張ろうと思っていました。PGAツアーはゴルフを始めたころから目指していた舞台なので、出場することができて本当に嬉しく思っています。
ーー出場権獲得は、最終戦までもつれこみましたね。
星野:(最終戦は)正直調子もそこまで良くはなくて、なかなか優勝争いの場面に食い込めなかったんですけど、なんとかトップ10に入って。本当に2、3人抜かされたら(PGAツアーの出場資格を得られる順位から)外れてしまうような場面だったので、最後ホールアウトした後、残りの選手のスコア次第で出られるか出られないか変わってくるということで、最後の選手が終わるまでは痺れました。
ーーDPワールドツアーでの2年間は、どのような経験でしたか?
星野:ヨーロッパで(日本と)全然違いますし、ゴルフ場の環境、文化、いろいろなことが違いました。試合が始まる前も大変で、試合がはじまってもレベルが高いのでなかなか上位に行けなかったりすることも多かったんですが、1年目は頑張ってシードを取れて。2年目は1年目の経験を活かしてPGAツアーの出場資格が得られるトップ10以内を目指してやってきたつもりです。
ヨーロッパツアーって未知のツアーに近い感じだったんですけど、それこそ“ワールドツアー”っていうだけあって、中東だったり、アフリカだったり、世界中を旅するツアーだったので、いろいろな新しい経験がありました。
日本だと20ヤードくらいの風が吹くとプレーが止まったり、中断とかあるんですけど、あっちだとドライバーで300ヤード飛ぶとしたら240とか250しか飛ばないようなアゲンストだったり、横風が吹いたりするので、やっぱり最初はビックリしました。
ーー印象に残る国はありますか?
星野:最初に行ったのがサウジアラビアだったんです。砂漠地帯でどんなゴルフ場なんだろうみたいな。(行ってみたら)ゴルフ場はすごくVIPなコースが多くて。キレイなゴルフ場だったり。
ーーヨーロッパの選手たちの印象は?
星野:ヨーロッパの選手たちとはすごく仲良くなって、とても楽しくプレーできました。本当にいい意味で楽しんでいる選手が多くて、「おれちょっと釣りするから先に打ってて」とか(笑)。ドライバーみたいな長いものを持ち歩いていて、それが釣竿で「これ日本製なんだよ」みたいな(笑)。日本のことが好きな選手もたくさんいて、すごく声をかけてくれますし、ゴルフでもたくさん学ぶことが多かったですけど、ゴルフ以外でも学ぶことが多かったです。
ーーシーズン途中での病気離脱もありましたね。
星野:カタール(2月のカタールマスターズ)で優勝して、ランキングもたしか2位までいって、よしこれから頑張ろうってときに気胸になってしまって緊急入院。大学病院で夜中に手術してみたいな感じだったんですけど、そのときに対応していただいた救急病院の方にすぐに治療していただいて、本当にありがたく思っています。(一方で)オリンピックもかかっていましたし、正直1か月間ゴルフを見たくもないぐらいになってしまって。1か月間ゴルフもトレーニングもできませんでしたから。
(復帰戦の6月の全米オープンでは)強気で「オリンピックに行けるように頑張ります」とは言ったものの、正直きついだろうと思っていましたし、楽しみにしていた(ほかの)メジャーも出られなくて、とても悔しかったです。不安もあるし、悔しい思いもあって、心が折れそうな感じがあって、きつかったですね。
ーー入院後は感覚の変化などありましたか?
星野:手の感覚が全然なくなってしまって……。いざショットを打つときに、握る強さがわからないみたいな。ゴルフの感覚を失うっていうのが最初怖かったんですけど、とりあえず試合に出続ければ治るかなって思って、(全米オープン出場という)賭けに出たんですよね。トップの舞台で難しいコースコンディション、普段より精度が研ぎ澄まされないといけない場面に出れば、一気に感覚が戻ると信じて、全米オープンに出るって決意して。やっぱり成績はほぼ最下位で終わったんですけど、やっぱりゴルフのプレーの感覚は戻ってきて、次の週のヨーロッパ(の試合)でトップ10に入ったんですよね。
(その後)ちょうど全米オープンから4試合後のドイツの試合でいきなり天から降りてきたような感じで、握る強さが急にわかったんです。朝、練習場でパッと構えたら「あっ、適正な握る強さに戻った!」みたいな。自分でもビックリして、そこから一気にゴルフの感覚が戻ってきたのがすごく嬉しかったですね。その試合もトップ10に入れて、新しい経験ができたということがありました。
ーーPGAツアーに向けての意気込みはいかがですか?
星野:今年、去年(2023年、2024年)とヨーロッパを経験して、ヨーロッパの選手で(自分と)同じようにランキング上位でPGAツアーに行って、1年目から勝っている選手もいますので、自信を持ってPGAでもプレーしたいと思っています。どういう流れだったり、どういうコースが多いのかっていうのは探り探りになると思うんですけど、ヨーロッパと同じようにしっかり見定めながら、じっくり1試合1試合、1日1日、ひとつひとつ目の前の目標をクリアして上位にい続けることが優勝につながると思うので。
ーー最終的な目標はどのようなことでしょうか。
星野:メジャーで優勝したいですし、松山さんのようにマスターズで優勝したいですしと当然考えますけど、自分はなるべく段階を踏んで、しっかり一つずつやっていかないと(と思っている)。なんでうまくいったかを1から100まで全部説明できるくらいじゃないと、次につながらないんじゃないのかなと。たまたま1回優勝しただけじゃ自分的にもイヤだなっていうことはあるので、何勝でもできるような積み重ねをしていきたいなと思っています。当然、来年(2025年)優勝目指して頑張ります!
インタビュアー:塩畑 大輔
元プロ野球選手で、現在は解説者、MLBのシアトル・マリナーズ特任コーチ・アドバイザーとしても活躍する岩隈久志さんに、ゴルフとの出会いや、日本一に輝いた甥っ子・広橋璃人くんとの関係についてなどを教えてもらいました!
元プロテニスプレーヤーの添田豪さんは、テニス界屈指のゴルフの名手として知られています。そんな添田さんに、ご自身のゴルフへの向き合い方と、現役テニス選手のゴルフ事情について教えてもらいました!
2024年にDPワールドツアーに戦いの場を移し、ツアー1勝、オリンピック出場と飛躍を遂げた中島啓太。しかし、その裏では腰痛に苦しめられ、心が折れる経験も。激動の1年をたっぷり語ってもらいました!
独占インタビュー後編では、腰痛で苦しんだシーズン後半戦について語ってもらいました。
インタビュー後編は、米女子ツアーやメジャーへの想いや、そのために準備していることを教えてもらいました!