データアナリストのイ・ドンジンは、地下鉄の車内で高校時代の同級生パク・ミジョンを見かける。「会うべき人にはいつか会える」という母の言葉に背中を押されるように、ドンジンは必死にミジョンの後を追う――。
関わった人々は不幸に見舞われるという噂のため「魔女」と呼ばれていたミジョン。実際、母親は出生と同時に亡くなり、幼い頃からミジョンの周囲では不幸な出来事が続いていた。
高校生になると、ミジョンに好意を持つ男子生徒たちが次々に怪我をするようになり、さらにはミジョンに告白した生徒が直後に命を落とす事件も発生。ドンジンの身には何も起こらなかったものの、彼女に接触した人々が次々に不運に見舞われていくのを目の当たりにする。
「魔女」の噂はたちまち真実味を帯び、ミジョンはひとりぼっちで学校を去っていく。ドンジンは彼女が「魔女」ではないと信じていたが、窓越しに見送ることしかできなかった。
時は流れ、ミジョンが今も人との関わりを避けながら静かに暮らしていることを知ったドンジン。今もなお苦しみ続けるミジョンを救うため、彼女の周りで起こる不幸を統計で解明しようと過去のデータを集め始める。
被害者への聞き取り調査を経て、ドンジンはある仮説にたどり着く。しかし、真相に近づいていくほどに、彼自身もまた予期せぬ危険に巻き込まれていく…。
本作は、人気作家カンプルのウェブ漫画を原作としている。カンプルは、『ムービング』や『照明店の客人たち』などといったヒット作の原作を手掛けてきた超売れっ子。そのユニークな世界観は「カンプル・ユニバース」と呼ばれ、近年の韓国ドラマ界を席巻している。
「魔女」と呼ばれるヒロインと、彼女を救おうとするデータアナリストを描いた本作も、超常現象に対して科学でアプローチするというユニークな設定が描かれる。
映画『暗数殺人』で高い評価を得たキム・テギュンが監督を務め、幻想的で壮大な世界観を演出。カンプルワールド全開の独特な魅力を見事に再現している。
本作の最大の見どころは、ミステリーとロマンスが絶妙に融合した斬新なストーリーだ。他人を不幸にするヒロインの謎をデータで解き明かしていく展開は、まさに予測不可能で視聴者を惹きつける。
また、真相に近づくにつれ距離を縮めるドンジンとミジョンのロマンスも目が離せない。ドンジンなりの愛の形で、孤独の淵にいるミジョンを救おうとする姿には胸を打たれる。
ミジョンを救うことに人生を捧げてきたドンジンの一途な想いに胸がときめく一方で、彼女に近づくことでドンジン自身にも危険が及ぶのではないかという緊張感も高まっていく。一筋縄ではいかない、スリリングな展開から目が離せない。
本作の主人公ドンジンを演じるのは、人気アイドルグループ「GOT7」のパク・ジニョン。2023年から兵役のため芸能活動を休止していた彼にとって、本作は除隊後初のドラマ出演作となる。
これまで『ユミの細胞たち』や『悪魔判事』などの話題作に出演し、演技力が高く評価されてきたジニョンだが、本作でも、優しい笑顔と揺るぎない信念をあわせ持つ主人公を魅力たっぷりに演じている。
無精ひげを生やしながら必死にデータを集める姿や、手がかりを見つけ真相に迫ろうとする真剣な眼差しなど、ジニョンの多彩な表情が見られる点も本作の大きな見どころのひとつだ。
優秀なデータアナリスト。カジノ客の行動予測などで高い評価を得ており、仕事仲間からの信頼も厚い。大学では統計学を学び、ミジョンが「魔女」でないことを証明する論文を執筆するが、教授に「結論ありきの内容だ」と一蹴されてしまう。卒業後は仕事に邁進していたが、偶然ミジョンを見かけたことをきっかけに、彼女を救うための情報収集を再開する。
キャスト:パク・ジニョン
1994年生。2012年、デュオ「JJ Project」としてデビュー。その後、2014年に「GOT7」のメンバーとして活動を開始した。実は、歌手よりも先に演技の仕事を始めており、2012年に『ドリームハイ2』に出演して以来、ドラマを中心に俳優としても活躍。アニメ映画『SING/シング:ネクストステージ』では韓国語吹き替え版で声優を務めるなど、多彩な才能を発揮している。
◆代表作:『悪魔判事』『ユミの細胞たち』『彼はサイコメトラー -He is Psychometric-』
幼い頃から周囲の人物が不幸に遭い、「魔女」と呼ばれてきた女性。母親は自身の出生時に亡くなり、唯一の理解者だった父親も高校を中退したミジョンを残して急死する。自分に好意を寄せる男性が次々に負傷したり死に至ったりしたことで「魔女」だという噂が広まり、暮らしていた太白(テベク)市を追われる。現在は数少ない知り合いの力を借りながら、ひっそりと暮らしている。
キャスト:ノ・ジョンウィ
2001年生。2010年にドラマ『神のクイズ』で子役としてデビュー。大ヒット時代劇『馬医』や『オクニョ 運命の女』で主要キャラクターの少女時代を演じてきた。2024年のドラマ『ヒエラルキー』では学校のクイーンを演じ話題に。近年は女優業の傍ら音楽番組のMCを務めるなど、活動の幅を広げている。
◆代表作:『ヒエラルキー』『その年、私たちは』『キル・イット~巡り会うふたり~』
江東署強力係の刑事。ドンジンの大学の同級生で、今でも頻繁に飲みに行く仲である。大学時代は無愛想でいつもひとりでキャンパスライフを送っており、周囲からは浮いた存在だった。しつこく声をかけてきたドンジンに、次第に心を開くようになる。
キャスト:イム・ジェヒョク
1994年生。2019年にウェブドラマでデビュー。歌手にも劣らない歌唱力の持ち主で、歌番組に出演し2回連続で優勝した経験がある。2022年にバラエティ番組『ユ・クイズ ON THE BLOCK』に出演したことで一気に知名度が上がり、SNSのフォロワーが爆発的に増えた。同年に出演した『今、私たちの学校は…』では、体重を32kg増量して撮影に臨み話題となった。
◆代表作:『今日もあなたに太陽を~精神科ナースのダイアリー〜』『なにもしたくない~立ち止まって、恋をして~』『今、私たちの学校は…』
大学時代のミジョンの先輩で、当時は学生会長を務めていた。人との関わりを避けていたミジョンにとっては唯一頼れる存在である。曲がったことが嫌いな性格で、「魔女」だと噂される新入生のミジョンをなにかと気にかける。ミジョンを救いたいというドンジンに協力を持ち掛けられ、情報収集を手伝うようになる。
キャスト:チャン・ヒリョン
1993年生。2014年、Bernard Park「I’m...」のミュージックビデオに出演。翌年にはウェブドラマでの演技が評価され、ウェブシリーズ専門の国際映画祭である「第1回Kウェブフェスト映画祭」にてライジングスター賞を受賞し、注目を集めた。170cmという身長と抜群のスタイルを活かし、モデルとしてファッション誌や広告などでも活躍している。
ドンジンの母。息子想いで、誰にでも気さくに接する性格。一方で、ミジョンに関わった男子生徒が不幸に見舞われた噂を知ると、息子を守りたいあまりに、先頭に立ってミジョンを村から追い出してしまう。しかし現在は、ミジョンにひどい仕打ちをしたことを後悔しており、ドンジンが彼女を救うことを心から願っている。
キャスト:チャン・へジン
1975年生。1998年に映画『クリスマスに雪が降れば』でデビュー。その直後の約9年間は女優業を休業していたが、復帰後は多くの映画やドラマに起用され、個性と才能を発揮。特に、「カンヌ国際映画祭」で韓国映画としては初となるパルム・ドールに輝いた『パラサイト 半地下の家族』で演じた母親役は高く評価され、世界的に知名度を上げた。
◆代表作:『赤い袖先』『愛の不時着』『パラサイト 半地下の家族』
作品名:『魔女-君を救うメソッド-』
原題:마녀
製作年/制作国:2025年/韓国
ジャンル: ミステリー、ロマンス