古豪が完全復活へ 台風の目となったフォレストは来季雪辱を果たせるか
数々の波乱により例年に増して激しい競争が見られた24/25シーズンのプレミアリーグ。その中でも最も大きなサプライズとして、ノッティンガム・フォレストの名前を思い浮かべる人は少なくないはずだ。
安定感の欠如が否めないシーズンでも5位フィニッシュ。2021年のオーナー交代以来、ニューカッスルは確実にその存在感を強めている。激戦区のプレミアリーグにおいて、過去3シーズンで2回のチャンピオンズリーグ出場権獲得は偉業とも言える。それを達成したニューカッスルは間違いなく、近年のプレミアリーグ勢力図の変化を象徴する存在だ。
結果を追えば、「波がある」シーズンを送ったという表現が当てはまる。5連勝を記録した時期もあれば、5戦未勝利と落ち込む時期もあったニューカッスルに足りなかったのは一貫性だった。
特にエースFWアレクサンデル・イサクを擁する攻撃陣が噛み合った瞬間に生み出す破壊力は抜群で、シーズン全体の約1/3となる12試合で3得点以上を記録した。これは優勝したリヴァプールの10試合を上回る好成績だ。一方で無得点に終わった試合数は決して少なくない7と、好調時と不調時のパフォーマンスの差は来季に向けた改善点となる。
クラブとしてさらなる高みを目指す来季は、2シーズンぶりのチャンピオンズリーグを同時並行で戦う厳しい日程となる。移籍市場での堅実な立ち回りに定評のあるフロントが、来る激戦に向けてどのような補強を行うかにも注目が集まる。
2シーズン連続でのチャンピオンズリーグ出場権獲得の夢は目の前で儚く消えた。最終節、他会場の結果次第では5位以内の可能性を残していたアストン・ヴィラだったが、マンチェスター・U相手に完封負けを喫したことでその夢を自ら手放してしまう形となった。
ニューカッスル同様、近年プレミアリーグ上位争いの激化に一役買っているクラブとして、アストン・ヴィラは無視できない存在だ。今季出場したチャンピオンズリーグでは準々決勝まで進出し、その後優勝を果たすこととなるパリ・サンジェルマンと正々堂々の打ち合いを演じた。欧州最高峰の舞台で残した確かな爪痕は、クラブが正しい方向へ進んでいる何よりの証拠だ。
66という勝ち点も決して悪いものではない。最終的にニューカッスルとの得失点差で5位のポジションを逃したものの、近年まれにみるほど熾烈なチャンピオンズリーグ出場権争いに最後まで絡んだ事実は特筆すべきだ。
不安要素を挙げるとすれば、来季に向けたスカッドの整備が思い浮かぶ。冬の移籍市場で獲得したマーカス・ラッシュフォードやマルコ・アセンシオらが印象的な活躍を見せた一方で、前者はローン移籍期間の満了に伴う退団が決定、後者も去就は定かではない。さらなる飛躍を誓う来季の開幕に向けて、名将ウナイ・エメリがどんなチームを用意するのか、要注目である。
数々の波乱により例年に増して激しい競争が見られた24/25シーズンのプレミアリーグ。その中でも最も大きなサプライズとして、ノッティンガム・フォレストの名前を思い浮かべる人は少なくないはずだ。
「大不幸中の幸い」。トッテナム・ホットスパーの24/25シーズンを描写するには、こんな表現がぴったりかもしれない。良い意味でも悪い意味でも、ノースロンドンの名門は歴史的なシーズンを駆け抜けた。
名門の没落はいつまで続くのか。マンチェスター・Uはまたしても暗く寒いトンネルの出口にたどり着くことはできなかった。
最終節終了後のピッチには歓喜の輪が広がった。名門にとって本来目指すべき場所にはまだ及ばない。それでも今季のチェルシーには来季に向けた期待が高まるような復活の兆しが確かにあった。
誰も予想だにしない失意のシーズンとなった。前年度王者が陥った極度の不振は、例年以上に波乱の多かった今季の中でも特に大きなサプライズのひとつに数えていいだろう。