個から組織へ 依存から脱却を目指すウェストハムの再出発
低調なシーズンを過ごしたウェストハム。22/23シーズンにヨーロッパリーグ優勝を果たしたその面影は見られず、一年を通して特筆して好調な時期も訪れなかった。
プレミアリーグの中堅クラブにはチームを支えるキープレーヤーが在籍する例が多い。ブレントフォードのブライアン・エンベウモ、クリスタル・パレスのエベレチ・エゼ、ウェストハムのジャロッド・ボーウェンと、移籍の噂がささやかれながらもクラブに長く在籍し、継続して目を見張る活躍を見せる選手たちは、そのクラブの象徴的な存在として認知されている。
ウォルヴァーハンプトンにとっては、それがマテウス・クーニャだった。今シーズンはリーグ戦33試合で怒涛の15ゴール6アシスト。圧倒的な個人技でチームの攻撃を活性化し、ヨルゲン・ストランド=ラーセンとともに下位に沈んだチームの中で獅子奮迅の活躍を見せた。
しかしながら移籍市場が開幕して間もない6月、そのクーニャはマンチェスター・Uへと加入することが発表された。エースの抜けた穴は大きく、現段階では解決策のイメージすら難しい。
もう一人今シーズンのウォルヴァーハンプトンを支えていたのがラヤン・アイト=ヌーリ。DFながら攻撃的なプレーが持ち味のアルジェリア代表サイドバックは幾度となくゴール前に顔を出し、チーム3位となる4ゴールをマークすると同時に、7アシストも記録するなどイメージに違わない攻撃的な局面での貢献度が光った。
そんな彼もまた、移籍市場の早い段階でマンチェスター・Cへ新天地を求めた。ローン時代も含めバーミンガムで5シーズンを過ごしたのち、満を持してのステップアップとも捉えられるだろう。
来シーズンに向けたチームの喫緊の課題は、「この2人のキープレーヤーが抜けた穴をどう埋めるか」だと断言していい。不幸中の幸い、両選手が残した移籍金はクーニャが7420万ユーロ、アイト=ヌーリが3680万ユーロとされており、手元には潤沢な資金が残っている。セルタからのローン移籍だったストランド=ラーセンを2700万ユーロで買い取り、同じくセルタから期待の若手フェル・ロペスを2300万ユーロで獲得した今も、予算はまだ残されていると考えていい状況だ。
新シーズン開幕まで1か月。二枚看板の置き土産の使い道に命運がかかっている。
低調なシーズンを過ごしたウェストハム。22/23シーズンにヨーロッパリーグ優勝を果たしたその面影は見られず、一年を通して特筆して好調な時期も訪れなかった。
エヴァートンのスタイルは明快だ。堅守を一番の強みに失点を抑え、引き分けや1点差での勝利で勝ち点を積み上げる。決して華があるとは言えないフットボールだが、それでも強豪ひしめくプレミアリーグにおいて、自分たちのできることを徹底する割り切ったスタイルは一定の成果を挙げてきた。
最悪の事態も頭をよぎるほどの開幕序盤の絶不調。FAカップ決勝でマンチェスター・Cを下して手にした初の主要タイトル。クリスタル・パレスの24-25シーズンは話題に事欠かないイベントフルな1年だった。
22-23シーズンの昇格以来、プレミアリーグに定着し中堅クラブの代表格となったフラム。今季も15勝9分14敗、54得点54失点の得失点差「0」という成績で、11位でシーズンを終えた。
戦術や数字を見れば、監督を含めた絶対的な個の存在に依存してきたブレントフォード。夏の移籍期間の間にチームを再編成し、万全の状態で新シーズンに臨むことができるか。