規格外の4年と試される1年 トーマス・フランク退任後のブレントフォードはどこへ向かうのか
戦術や数字を見れば、監督を含めた絶対的な個の存在に依存してきたブレントフォード。夏の移籍期間の間にチームを再編成し、万全の状態で新シーズンに臨むことができるか。
22-23シーズンの昇格以来、プレミアリーグに定着し中堅クラブの代表格となったフラム。今季も15勝9分14敗、54得点54失点の得失点差「0」という成績で、11位でシーズンを終えた。
残留争いとは無縁の安定したシーズンという評価は決して間違っていない。むしろフラムのような規模のクラブが3シーズンにわたり余裕の残留を果たしている事実は、偉業とも捉えられる。
一方で、上位進出の兆しが見られないこともまた事実だ。今季はシーズン途中まで熾烈な上位争いに参戦していたものの、終盤にかけて調子を落とし自らその可能性を手放してしまう形となった。
サポーターとしてはもどかしいだろう。リヴァプールやチェルシーに勝ったかと思えば、イプスウィッチやサウサンプトンに引き分ける一貫性の無さを見せたチームは、帳尻を合わせるかのように典型的な中位クラブの成績に収束した。
収穫はあった。昨季24試合で7ゴールの成績を残したベテランストライカー、ラウール・ヒメネスは調子を上げ、今季はリーグ戦全試合に出場し12ゴールと数字を伸ばした。同じく全試合に出場したアレックス・イウォビもチーム2位となる9ゴールを挙げ存在感を示した。
DF陣ではクリスタル・パレスから加入したヨアキム・アンデルセンがすぐさまDFリーダーの立場を確立し、10アシストを記録したアントニー・ロビンソンはビッグクラブから熱視線が送られるようなブレイクを果たした。
明るい材料は一定数見つかるものの、足りない何かから目を背けることはできない。下位チーム相手の勝ち点の取りこぼしは来季に向けた明確な改善点だろう。
今季12位以下でリーグ戦を終えた9チームに対するフラムの戦績は6勝6分6敗。競争力の高いプレミアリーグで確約された勝利はないものの、下位チーム相手の⅓という勝率は間違いなくフラムの上位進出を阻む要因となった。
今夏の移籍市場では主力選手退団のうわさも今のところ聞かれない一方で、新戦力獲得のうわさも聞こえてこない。比較的静かな夏を過ごすフラムだが、来季に向けてひそかに爪を研いでいるのだろうか。その動向に注目が集まる。
戦術や数字を見れば、監督を含めた絶対的な個の存在に依存してきたブレントフォード。夏の移籍期間の間にチームを再編成し、万全の状態で新シーズンに臨むことができるか。
中堅クラブとしての躍進を魅せたブライトンだが、いまだ欧州の舞台には一歩及ばなかった。成熟した戦術と若手の台頭によって過去最高を目指した今季は、期待と現実の間で揺れ動く旅となった。
数々の波乱により例年に増して激しい競争が見られた24/25シーズンのプレミアリーグ。その中でも最も大きなサプライズとして、ノッティンガム・フォレストの名前を思い浮かべる人は少なくないはずだ。
近年上位勢を脅かし続ける2チーム。ニューカッスルとアストン・ヴィラを分けたのはわずかに得失点差だった。