安定から停滞へ フラムが抱える次なる課題
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安定から停滞へ フラムが抱える次なる課題

2025.06.28 02:30

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22-23シーズンの昇格以来、プレミアリーグに定着し中堅クラブの代表格となったフラム。今季も15勝9分14敗、54得点54失点の得失点差「0」という成績で、11位でシーズンを終えた。

残留争いとは無縁の安定したシーズンという評価は決して間違っていない。むしろフラムのような規模のクラブが3シーズンにわたり余裕の残留を果たしている事実は、偉業とも捉えられる。

一方で、上位進出の兆しが見られないこともまた事実だ。今季はシーズン途中まで熾烈な上位争いに参戦していたものの、終盤にかけて調子を落とし自らその可能性を手放してしまう形となった。

今季イプスウィッチ戦では2戦とも引き分けに終わった


サポーターとしてはもどかしいだろう。リヴァプールやチェルシーに勝ったかと思えば、イプスウィッチやサウサンプトンに引き分ける一貫性の無さを見せたチームは、帳尻を合わせるかのように典型的な中位クラブの成績に収束した。

収穫はあった。昨季24試合で7ゴールの成績を残したベテランストライカー、ラウール・ヒメネスは調子を上げ、今季はリーグ戦全試合に出場し12ゴールと数字を伸ばした。同じく全試合に出場したアレックス・イウォビもチーム2位となる9ゴールを挙げ存在感を示した。

チームトップの12ゴールを挙げたラウール・ヒメネス


DF陣ではクリスタル・パレスから加入したヨアキム・アンデルセンがすぐさまDFリーダーの立場を確立し、10アシストを記録したアントニー・ロビンソンはビッグクラブから熱視線が送られるようなブレイクを果たした。

明るい材料は一定数見つかるものの、足りない何かから目を背けることはできない。下位チーム相手の勝ち点の取りこぼしは来季に向けた明確な改善点だろう。

今季好調なパフォーマンスを見せたアントニー・ロビンソン


今季12位以下でリーグ戦を終えた9チームに対するフラムの戦績は6勝6分6敗。競争力の高いプレミアリーグで確約された勝利はないものの、下位チーム相手の⅓という勝率は間違いなくフラムの上位進出を阻む要因となった。

今夏の移籍市場では主力選手退団のうわさも今のところ聞かれない一方で、新戦力獲得のうわさも聞こえてこない。比較的静かな夏を過ごすフラムだが、来季に向けてひそかに爪を研いでいるのだろうか。その動向に注目が集まる。

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  • 今季イプスウィッチ戦では2戦とも引き分けに終わった
  • チームトップの12ゴールを挙げたラウール・ヒメネス
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