古豪再建の鍵は攻撃力 エヴァートン再浮上への分岐点
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古豪再建の鍵は攻撃力 エヴァートン再浮上への分岐点

2025.07.04 00:30

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エヴァートンのスタイルは明快だ。堅守を一番の強みに失点を抑え、引き分けや1点差での勝利で勝ち点を積み上げる。決して華があるとは言えないフットボールだが、それでも強豪ひしめくプレミアリーグにおいて、自分たちのできることを徹底する割り切ったスタイルは一定の成果を挙げてきた。

スタッツにもその特徴が色濃く表れている。今季エヴァートンが喫した失点数は「44」。これはアーセナル、リヴァプール、チェルシーに次いで、マンチェスター・Cと並ぶリーグ4位の数字だ。ビッグクラブと比較すると予算も限られた中堅クラブの成績としては、これ以上を望むのは酷とも言える。キャプテンのジェイムズ・タルコフスキを中心にイングランド代表の守護神ジョーダン・ピックフォード、期待の若手ジャラッド・ブランスウェイトらが形成する鉄壁の守備がほころぶ瞬間は1年を通して少なかった。

今季も印象的な活躍を見せたピックフォード


強固な守備を披露した一方で、エヴァートンの上位進出を阻んだのは間違いなくその得点力の低さだ。今季プレミアリーグで挙げた42ゴールという成績は、降格したレスター、イプスウィッチ、サウサンプトンに次ぐワースト4位の記録となった。シーズンを通してのゴール期待値も42.38と、まさに期待値通りの数字は古豪の得点力不足を強調するスタッツとなった。

チームトップスコアラーはマルセイユからやってきた9ゴールのイリマン・エンディアイエ。次いで8ゴールを挙げたベトが続く。しかしながら次点のドワイト・マクニールはわずか4ゴールと、チーム3位の選手の得点数としては物足りない。活躍が期待されたエースのドミニック・カルヴァート=ルーインもケガの影響もあり3ゴールに終わるなど、守備陣の奮闘に攻撃陣が応えられている印象は薄い。

新加入のエンディアイエがチームを引っ張る9ゴール


数字を見れば得点力不足が課題として浮かび上がるが、それは自慢の守備にリソースを割いていることの裏返しとも考えられる。来季に向けて、長所を維持しつつ弱点にどれだけの改善を試みることができるか。そのバランスを保つことが古豪復活への第一歩かもしれない。

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