どん底からの戴冠 激動の1年を駆け抜けたクリスタル・パレス
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どん底からの戴冠 激動の1年を駆け抜けたクリスタル・パレス

2025.07.03 06:00

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最悪の事態も頭をよぎるほどの開幕序盤の絶不調。FAカップ決勝でマンチェスター・Cを下して手にした初の主要タイトル。クリスタル・パレスの24-25シーズンは話題に事欠かないイベントフルな1年だった。

未勝利で終えた開幕8節、稼いだ勝ち点はわずかに「3」。近年中堅クラブとしての立ち位置を確立した印象のあったチームは、スタートで躓いたまましばらく起き上がることができなかった。開幕から2か月以上経った10月の終わり、トッテナム・ホットスパーを破ってようやく今シーズン初白星を挙げた後も状況は改善されなかった。

11月の4試合も3分1敗の勝ちなしで終え、その時点での降格候補として名前が挙がる低調なパフォーマンスに終始。誰もがクリスタル・パレスに寒い冬が訪れることを疑わなかった。

今季序盤のパフォーマンスからFAカップ優勝を予想するのは難しかった


しかしここからチームは勝ち点を積み上げ始める。12月の過密日程6試合を3勝2分1敗で勝ち越すと、年明けから4月までの15試合で7勝4分3敗を記録。沈没直前だった船は見事にコントロールを取り戻した。

日本代表MF鎌田大地が語ったように、チームは何かを大きく変えたわけではない。彼が強調した、調子が良いチームに自然と向いてくる運は確かに存在する。事実、今季も複数のチームが長いシーズンの中で浮き沈みを経験したが、FAカップ優勝という結末で幕を閉じたクリスタル・パレスの好調期間はその中でも最も長く印象的だった。

終盤にかけて定位置を掴んだ鎌田大地
終盤にかけて定位置を掴んだ鎌田大地


12位という順位ながら来季ヨーロッパリーグ出場の可能性を掴んだクリスタル・パレス。フランスのリヨンとのマルチオーナーシップ問題により不透明な状況は続いているが、仮に出場が決まればリーグ戦とカップ戦の二足の草鞋を上手く履きこなせるかにも注目が集まる。

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