大本命のシェフラーが1打差リードで最終日へ!マスターズが大会前に優勝賞金を発表しない理由は?
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大本命のシェフラーが1打差リードで最終日へ!マスターズが大会前に優勝賞金を発表しない理由は?

2024.04.14 14:00

今年の「マスターズ」も3日目を終えて、いよいよ最終日を残すのみ(ライブ配信はU-NEXT独占、放送は地上波TBS系列、BS-TBSでは4日間連日生中継)。ムービングデーと言われる3日目は初日、2日目に比べて風はすこし弱まったものの、雨が乾いて硬くなった超高速グリーンに出場選手が苦しめられた。タイガー・ウッズは自己最低の82(10オーバー)と大苦戦。10オーバーの選手はタイガーを含めて4人もいた。

画像①タイガーウッズ

一方でアンダーパーを記録したのはわずか11名。そのうちの1人、松山英樹選手は1アンダーで順位を28位タイまで上げた。

3日目を終えてトップに立ったのは大本命のスコッティ・シェフラー。3日目は10番でダブルボギー、11番でボギーとスコアを落として、一時はトップから離されてしまったが、13番で起死回生のイーグルパットを決めた。15番、18番でもバーディを奪って単独トップで最終日を迎える。1打差の2位にはコリン・モリカワ、2打差の3位にはマックス・ホーマがつけている。この3人が最終日は優勝争いの中心になるだろう。佐藤信人はスコッティ・シャフラーの強さについて聞くと

佐藤:優勝争いはパッティング次第になると思いますが、今季のシェフラーはパットがよく入った試合は圧勝、入らない試合でも優勝。全く入らない試合でも優勝争いをするくらい実力的には抜き出ています。開幕戦からマスターズまでの8試合で優勝2回、全試合トップ10に入りという成績は全盛期のタイガー・ウッズを彷彿させる安定感です。シェフラーが大崩れする姿は想像できないので優勝する確率はかなり高いと思います。

画像②シェフラー

──勝敗のカギになるホールは?

佐藤:やっぱりバックナインでしょうね。アーメンコーナーと呼ばれる11番から13番、そして15番、16番までが勝負になると思います。その5ホールは池が絡んでくるのでスコアを落とすこともあれば、バーディ、イーグルのチャンスもあって一気に順位が入れ替わります。逆に17番、18番まできたら、そこまで優勝争いに影響しないと思います。

──2022年に優勝している経験は大きい?

佐藤:すごく大きいと思います。どういう緊張感で最終日を迎えて、18ホールをプレーしていたかのシミュレーションが出来ている。初優勝のときよりは落ち着いてプレーできるのではないでしょうか。

──ちなみにマスターズでは毎年ビッグスコアを出して、一気に優勝する選手がいるが、その理由は?

佐藤:これも一つのトリビア的な話なのですが、オーガスタは芝を一方向にしか刈っていません。テレビ中継を見ていても順目と逆目の境界線が見えないと思いますが、2打目地点の芝はすべて逆目になっています。大昔は半分くらい順目だったそうですが、近年は全ホールが逆目になっています。だから、逆目のライからのセカンドショットが上手くハマった選手はベタピンショットを連発できる。それがバーディラッシュにつながっていると思います。

画像③松山

ちなみにマスターズは大会前には優勝賞金は発表しない。優勝賞金、賞金総額が発表されるのは大会3日目終了時点。その理由はマスターズはパトロンの入場料や大会グッズの売り上げなどからその年の優勝賞金、賞金総額を決めているからだ。今年3日目が終わって発表された2024年の優勝賞金は過去最高の360万ドル(5億5000万円)、賞金総額は2000万ドル(30億6500万円)だった。

最終日にグリーンジャケットとともに、このビッグマネーを手にするのは誰になるのか──。

解説・佐藤信人
1970年3月12日生まれ。高校卒業後に渡米して、ネバダ州立大学に進学。帰国後に日本のプロテストに一発合格して、ツアープロに。日本ツアーでは通算9勝をマークして、2000年には年間平均ストローク1位に輝いた。現在はPGAツアー、日本ツアーの解説者としても活躍。

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