就任1年目での偉業 リヴァプール指揮官が語る監督としての哲学とは
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就任1年目での偉業 リヴァプール指揮官が語る監督としての哲学とは

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監督就任1年目でプレミアリーグ制覇の偉業を達成したアルネ・スロット監督。最終節となったホームでのクリスタル・パレス戦後に行われた優勝セレモニーの場で、指揮官が今シーズンを手短に振り返った。

スロット監督にとって、この日は特別な一日だった。「今日ここにいることは本当に特別だ。一か月前優勝を決めた時も特別だったし、これからもまだ特別な日が来ると信じている」。静かな口調の中に、達成感と喜びが滲み出ていた。

監督としての現実的なアプローチ

就任1年目でのリーグ制覇について問われると、スロット監督は「夢を見ることは誰にでもできるが、監督としてはそれほど夢見ることはない。むしろ現実の中に存在している」と答えた。理想を追い求めるだけでなく、目の前の現実と向き合う彼の監督哲学が垣間見える発言だ。

しかし同時に、チームの持つ潜在能力についても早くから確信していたという。「選手たちと仕事を始めたとき、そこには非常に多くの質、規律、一貫性があると感じた。そして今日も、彼らが10人になっても倒すことがいかに難しいかを示した。彼らは負けない方法を見つける」と、選手たちの姿勢を高く評価した。

成功の秘訣

このチームの成功の秘訣について「メンタリティか?」と問われると、「素晴らしいメンタリティを持っていても、質がなければ機能しない。適切なプログラムや、そのプログラムを実行する適切な人々、つまりスタッフがいなければ機能しない」と答えた。単一の要素ではなく、様々な要素が組み合わさってこその成功だという認識を示した。

続けて「このリーグで優勝するためには多くの要素が必要だが、メンタリティは間違いなくその一つだ」と付け加えた。勝利を支える複合的な要因を冷静に分析する視点は、彼のチームマネジメントの特徴と言えるだろう。

トロフィーを掲げる歓喜の瞬間にスタジアムのボルテージも最高潮に
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次シーズンへの展望

翌シーズンも勝利のメンタリティを維持できるかという質問に対しては、「おそらく来シーズン、我々だけがリーグ優勝を目指すわけではないだろう」とライバルたちの存在を意識しつつも、「まずは休暇を取り、その後次のシーズンに向けて準備する。いや、ちょっと違う。今後数週間のうちに、私は既に次のシーズンの準備を進めるが、まずは今の成功を楽しむ時間だ」と語った。

喜びに浸りながらも、早くも次のチャレンジに思いを巡らせる姿勢は、常に前進し続ける指揮官の本質を表している。

クラブとサポーターへの敬意

最後に優勝を待ち望んできたファンについて尋ねられると、スロット監督はインタビュアーに対して「あなたの周りを見てください、それが私に言えることのすべてだ」と答えた。轟音のようなチャントの鳴りやまないスタジアムの雰囲気は圧巻だ。そして「このクラブは信じられないほど素晴らしい。このファンたちは信じられないほど素晴らしい。彼らは毎回それを示し、今日のような日にはさらに証明してくれている」と、サポーターへの深い敬意を表明した。

ユルゲン・クロップ前監督からの系譜を継ぎ、再びリーグタイトルを手にしたチームの指揮官として、スロット監督は冷静さを保ちながらも、確かな感謝と誇りを胸に秘めていた。彼の実践的なアプローチと選手たちへの信頼が、長年待ち望まれた栄光への道を切り開いたと言えるだろう。

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