ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネットの日曜夜10時枠ドラマの第3弾として、10月22日(日)から放送されている『たとえあなたを忘れても』。恋愛ドラマの名手・浅野妙子さんのオリジナル脚本で、ピアニストになる夢を失った女性と記憶障害で過去を失った男性が運命的に巡り合う、神戸を舞台にした切なくも美しいヒューマンラブストーリーです。東京から神戸に越してきたピアノ講師の主人公・河野美璃役の堀田真由さん、記憶障害を抱えつつキッチンカーを運営する青木空役の萩原利久さん、美璃のいとこで心療内科医師・遠山保役の風間俊介さん、幼馴染みの空をサポートする藤川沙菜役の岡田結実さんの4人が、本作の見どころや撮影現場の裏話などを明かしてくれました。
━━撮影が始まって約1ヶ月半位が経ち(※10月中旬の取材時点)、チームワークも高まっているようですが、神戸ロケも行われた撮影現場での印象的なエピソードや裏話を教えてください。
萩原:撮影開始から約1ヶ月半も経つんですが、僕は数日前にようやく、風間さん演じる保先生と一緒のシーンを撮りました。
風間:クランクイン直前に堀田さんと萩原さんの3人で、「これから撮影が始まります」というドラマ告知用映像を撮って以来でしたよね。その時に、堀田さんから入浴剤が好きだと聞いていたので、お薦めの入浴剤を2日前位にやっとお二人に渡せたんですけど、使ってもらえましたか?
堀田:昨日、使わせていただきました!肌がチュルンチュルンになりました(笑)。
岡田:すごい!どんな入浴剤ですか?
堀田:化粧水みたいな白い泡が、お風呂の中にワーッと上がってくるんです。
風間:実はIKKOさんから差し入れでいただいたことがある入浴剤で「これはすごい!」と思ったので、同じものを買わせていただきました(笑)。
岡田:知ってます!ピンク色の入浴剤で、肌がスベスベになるんですよね(笑)。
風間:あれ、すごくない?
堀田:そんなに有名なんですね(笑)。
萩原:僕も早急に使わせていただきます!
堀田:そういえば昨日、風間さんの美容室を選びましたよね(笑)。
風間:東京に帰ると忙しいので、神戸にいる間に髪を切りたいという話になったんだけど、神戸の美容院を知らないから、堀田さんに選んでもらったんですよ(笑)。
全員:(爆笑)。
萩原:本当に雰囲気と勢いだけで決めたんですか?
風間:結局、撮影時間が遅くなったので、次の機会に行こうと思っているんだけど、堀田さんがノリと勢いで選んだところに行こうとしてます(笑)。
岡田:ノリと勢いって(笑)、ビビッときたんですね。
堀田:「ここやな!」と思って(笑)。
風間:皆さん、劇中で空がキッチンカーで販売しているメロンジュースは飲みましたか?
萩原:僕はまだ飲んでないんです!
堀田:私は飲みました!第1話で、美璃が初めて空の作ったメロンジュースを飲んで、「おいしい」って言うシーンを撮るまでは飲まなかったんですけど、本当においしかった~。多分、第1話で使われているのは、撮影本番で初めて飲んだカットだと思います。
岡田:本当にめっちゃおいしそうに飲んでいて、いいシーンでしたよね。
風間:結実ちゃんもずっとキッチンカーにいるけど、飲んでないの?
岡田:まだ何もいただいてないです(笑)。あの空のキッチンカーって、すごくかわいくないですか?
堀田:めっちゃかわいい!
風間:すっごくかわいいよね。
岡田:中は狭くて、椅子を置かないといけないんですよね。
萩原:そうなんです。僕の身長の高さだと、まっすぐ立てなくて。
風間:ベストポジションでカメラに写ろうとすると、かがまないといけないよね?
岡田:キッチンカーの中にいる時は、2人とも気づいたら、前に手を置いて前傾姿勢になってますね。
萩原:中で立つと頭がぶつかるので、だからキッチンカーの中にいるのに、かがまず綺麗に上半身が映っている時は、実は両足を大開脚させてます。
全員:(爆笑)。
岡田:足が柔らかい(笑)。めっちゃ爽やかに接客しているようで、実は大開脚しているんだ。
風間:これはマル秘エピソードだよ(笑)。そういえば、現場ではキャスト同士で「昨日の神戸グルメは何を食べた?」とか、神戸グルメの話で大盛り上がりしていますよね。堀田さんが気になる餃子屋さんがあったりして。
堀田:みそだれで食べるのがおいしそうで行ってみたいんですけど、なかなか時間がなくて。
風間:そこにみんなで行って、大ギョーザパーティをやることを、心の糧にして頑張っています(笑)。神戸ロケは、行く先々、撮影する先々の景色が、とても美しいですね。神戸は坂も多いのですが、その坂を少し上って、街を見下ろすようなところから撮影していると、本当に素敵なところだなあと。この素敵な景色の中で、透明感のある物語を紡いでいけるのは、幸せなことだなあと思っていて、行った先々が特別な場所となっています。視聴者の皆さんにもこの思いを共有していただけると嬉しいです。
━━堀田さんと萩原さんは4度目の共演だそうですが、お二人の雰囲気は岡田さんから見てどうですか?
岡田:柔らかい感じというか、めっちゃ雰囲気良くてふたりとも最高です。お二人をはじめ、スタッフ・キャストの皆さんが、素敵な作品と現場を作ってくださっているから、地元の“いつメン”(いつものメンバー=仲間)みたいな感じで撮影が楽しくて、現場にいくのが毎日楽しみです。
━━そんな堀田さんと萩原さんは、今回演じていてどんなところにキュンとしましたか?
堀田:役としてはキュンとするシーンでも、素の利久くんと私という感じだと、ちょっと恥ずかしくなってソワソワしてますよね(笑)。急に喋らなくなっちゃったりして。
萩原:確かに無言になる瞬間がありますよね(笑)。撮影に入ってから、ふと思ったのは、脚本を読んだ時は想定していなかったんですけど、キッチンカーの中から外の美璃と喋る時は、空の目線が若干高いので、基本的に空は見下ろす目線になるし、美璃は上目遣いに見える瞬間がある。だから、普通に喋っているだけでも、ちょっとキュン度が増す感じがします。
堀田:空がキッチンカーを運転する姿はかっこいいですね。美璃がその隣の助手席に乗ると、空の運転する横顔を見られるのも胸キュンポイントです。
━━完成した映像で特に楽しみなシーンやお薦めのシーンはありますか?
風間:第1話で特に楽しみにしていて、実際に素敵だなと思ったのは、美璃のナレーションで「ねえ、覚えてる?」って語りかけるシーン。初めて台本を読んだ時、その台詞は最終回などを踏まえたその後のキャラクターが回顧している設定で、そんなナレーションでスタートするドラマの枕詞のような感じかなと思いきや、このドラマではそうじゃないんですよね。記憶が曖昧になってしまう空に対して、美璃が「覚えてる?」って問いかける一言には、美しさと儚さが感じられて、すごく胸に刻まれるなあと思いました。
萩原:僕は撮影初日がスタジオ内でキッチンカーを運転しているシーンだったので、車の外に流れている神戸の風景は、実はすべて映像なんですけど、後で合成したわけではなく、LEDビジョンに映った背景映像の前で芝居をして撮影するバーチャルプロダクションなんです。僕は初めての撮影方式だったので、現場ではびっくりしました。撮影中も車外の背景映像がめちゃくちゃ綺麗で違和感がないし、実際に車を走らせなくていいから、お芝居に集中できました。完成映像を観ても、セット内で撮ったとは気づかないほど違和感がなくてすごいと思ったし、最初に撮ったこともあって、好きなシーンですね。
岡田:本当に神戸の街中を運転して撮っているのかと思いました。私が個人的に楽しみにしているのは、私が演じている沙菜が、美璃と空の3人でお酒を酌み交わすシーン。3人それぞれ思いや立場が違うけど、お酒を飲む時は乾杯して向き合えると思うので、今後撮る予定のそのシーンは、めちゃくちゃ酔っぱらってやろうと、楽しみにしています(笑)。
堀田:私はプロのピアニストを目指していた役のため、ピアノを弾くシーンがあるので、クランクイン前からレッスンしてきました。第1話にも登場した廃墟のシーンだけでなく、毎回のように、いろんな場所で何曲か弾くことになると思うので、そこは楽しみにしていただけたら嬉しいですね。
━━最後に視聴者の方への見どころやメッセージをお願いします。
岡田:私自身がこのドラマの第1話を観て、「自然が綺麗やなあ」「月っていいなあ」などと思う気持ちと同時に、人を好きになる気持ちって、すごく自然に起きていく出来事で、抗えないことだなと思いました。この『たとえあなたを忘れても』というタイトルの後には、各キャラクターや観てくださる皆さん、それぞれの思う様々な言葉が続いて、一つの文章になると思うんです。そこの意味を考えつつ、ぜひリラックスして観ていただけたら幸いです。
風間:第1話を観て、すごく透明感やヒーリング効果があって、心を優しくしてくれる物語だと思いました。記憶というものを題材にしているので、とても儚く、切ない瞬間があります。でも、その儚く切ないからこそ、その時に交わした言葉や、共に見た景色というものが、とても愛おしく思う。そんな瞬間が散りばめられた物語なので、皆さんも今までの人生の中での様々な瞬間を思い出しながら観ていただき、心に染みわたる物語を受け取っていただけると嬉しいです。
萩原:この現場が本当に素晴らしいと思うのは、全キャスト、全スタッフが、一つ一つのシーンにこだわり、丁寧に作っていること。よりよい作品にするためのアイデアが絶えないし、その熱量をたくさん感じているので、僕も刺激を受けて、日々考えながら現場に向き合っています。そんなスタッフとキャストの想いが少しでも届くことを切に願って、毎日の撮影に臨んでいますので、じっくりと小さなところや隅々まで楽しんでいただき、自分なりの楽しみ方を見つけながら観ていただけると、嬉しいです。
堀田:美璃と空の恋の行方がどうなっていくのかというラブストーリーですが、そのふたりを取り巻く素晴らしいキャラクターの皆さんが、それぞれに迷ったり悩んだりしつつ、その人生が混ざりあうことで自分たちの居場所をみつけていくような、希望が感じられる作品です。それに、SNSが普及し、新しいものが量産化できる時代なので、自分だけがすごく小さく見えてしまうような日もあるとは思いますが、このドラマに出てくるキャラクターたちを見ていると、今日という1日が当たり前ではなく、無駄な1日じゃなかったことを教えてくれる、そんな一瞬一瞬がかけがえのない、そして美しい瞬間なんだということを教えてくれる作品だとも思っています。ぜひご覧になってみてください。
浅野妙子のオリジナル脚本で描く記憶をテーマにした切なくも温かい純愛ラブストーリー。ピアニストになる夢に挫折し、神戸に引っ越してきた河野美璃。人生をさまよっている美璃が大好きなメロンジュースをきっかけに出会うのが青木空。空は、記憶を失っても今あるがままの自分を受け入れどこにでも行けるキッチンカーを拠点に自由に生きている。
(プロフィール)
堀田真由(ほった・まゆ)
1998年4月2日生まれ。滋賀県出身。2015年のドラマ『テミスの求刑』で女優デビュー。2017~2018年のNHK連続テレビ小説『わろてんか』で注目を集める。2023年の主な出演作に、映画『バカ塗りの娘』『禁じられた遊び』、ドラマ『風間公親―教場0―』『CODE-願いの代償-』などがある。今後の出演映画として『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日)、『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024年1月12日)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(2024年1月26日)などが公開予定。
萩原利久(はぎわら・りく)
1999年2月28日生まれ。埼玉県出身。2008年デビュー。2021年の主演ドラマ『美しい彼』で注目を集める。2023年の主な出演作に、映画『劇場版 美しい彼〜eternal〜』『おとななじみ』『キングダム 運命の炎』『ミステリと言う勿れ』、ドラマ『美しい彼 シーズン2』『月読くんの禁断お夜食』『真夏のシンデレラ』などがある。
風間俊介(かざま・しゅんすけ)
1983年6月17日生まれ。東京都出身。1999年のドラマ『3年B組金八先生(第5シリーズ)』で注目を集める。2023年の主な出演作に、ドラマ『大奥』『横山秀夫サスペンス ペルソナの微笑』『勝利の法廷式』『初恋、ざらり』、舞台『隠し砦の三悪人』などがある。朝の情報番組『ZIP!』では月曜日のパーソナリティーを務めている。
岡田結実(おかだ・ゆい)
2000年4月15日生まれ。大阪府出身。1歳の時に子役モデルとしてデビューし、2010~2014年にNHK Eテレ『天才てれびくん』にレギュラー出演。モデル業やバラエティでも活躍。2021年後期NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」へ出演を果たした。
テレビ朝日「わたしのおじさん〜WATAOJI〜」「女子高生の無駄づかい」日テレ系•読売テレビ「江戸モアゼル〜令和で恋、いたしんす。〜」BSテレ東「最果てから、徒歩5分」配信ドラマ「女盛り考察記」で主演を務め、東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ「准教授 ・高槻彰良の推察」ではヒロインを演じた。現在、ABCテレビ「newsおかえり」フジテレビ「逮捕の瞬間!警察24時」のMCを含め、計5本のレギュラー番組に出演中。
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