『晩餐ブルース』井之脇海、金子大地、草川拓弥――同世代の俳優たちが語る互いの印象と作品への思い
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『晩餐ブルース』井之脇海、金子大地、草川拓弥――同世代の俳優たちが語る互いの印象と作品への思い

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1月22日(水)深夜1時より、テレ東にて放送がスタートするドラマ『晩餐ブルース』。

本作は、夢を叶えたものの何かを消耗中なサラリーマンと、夢からドロップアウトしたニートが織りなす、深夜の”晩活”グルメドラマです。

”晩活”とは、ただ晩ご飯を一緒に食べるだけの「晩餐活動」のこと。

ドラマディレクターとしてテレビ局で働く田窪優太(井之脇海)は、夢を叶えたものの仕事に忙殺され、エサのように食事を取る日々。かつてあった情熱も消え去り、無性にイライラしてしまうなど、不安定な毎日を送っていた。一方、料理人として順調だったはずの佐藤耕助(金子大地)は人知れず料理人を辞め、現在はニート生活を送っていた。ふたりは、高校時代の旧友・蒔田葵(草川拓弥)の離婚をきっかけに再会。そしてただ一緒に晩ご飯を食べる関係に。そんな“晩餐活動”(略して晩活)を通して、やがて心を回復させていき…。

忙しさに追われ“エサ”のように食べるご飯ではなく、“食事”として食べるご飯が心を解きほぐし、目まぐるしい日々の中で止まり木のようになってくれる。そんな食事の温かさと共に、今を頑張る人々にエールを送るドラマです。

主人公・田窪優太を演じるのは井之脇海さん。仕事に忙殺され壊れかけている中で、食事を通して変化していく様を演じます。同じく主人公・佐藤耕助を演じるのは、金子大地さん。夢から挫折し人生休憩中でありながら、優太の異変にいち早く気づく繊細なキャラクターを演じます。

さらに、草川拓弥さんが演じる離婚経験のあるコンビニの店長・蒔田葵も物語の鍵を握る存在です。優太と耕助の旧友である葵は、一見お気楽そうに見えるものの、実は現実逃避を続けていて…?

井之脇海さん、金子大地さん、草川拓弥さんは、それぞれ以前にも共演経験のある間柄。今回、再び顔を合わせた3人に、本作への思いや互いの印象、作品の見どころについて語っていただきました。

お互いの印象は?

――ドラマ『晩餐ブルース』で共演するみなさんは、以前から共演経験がありますが、もともとどんな印象を持っていましたか?

井之脇:草川さんとは映画『告白』(2010)で初めて共演させていただきました。当時、僕が14歳で草川さんが15歳だったんですが、それから共演する機会がなく、今回はそれ以来の再会なんです。

草川:これは“エモい”という言葉の使いどころですね(笑)。

井之脇:なので、草川さんに対してはその当時のイメージが強いんです。『告白』チームの中で、草川さんはお兄さん組だったので、僕にとってもお兄さんのような存在なんですよね。あれから10年以上が経ったので、また一緒にお芝居することがすごく楽しみです。

(金子)大地くんとはドラマ『青と僕』(2018)で共演したんですが、その時は大地くんに椅子に縛られてぶん殴られる役だったので、ちょっと怖いイメージがまだあるんですけど…(笑)。

金子:それは申し訳ない(笑)。

井之脇:でも、今回本読みをして、いいトーンで3人でお芝居を作っていけるような気がしているので、優しい関係を築けていけたらいいなと思っています。

金子:ちなみに僕と草川さんは、映画『どすこい!すけひら』(2019)でひとりの女性を奪い合ったんですよ(笑)。

草川:そうだった、そうだった(笑)。

金子:おふたりとは「いつかまた共演するだろうな」と思っていたので、この3人で一緒にドラマができることがすごく嬉しいです。あらためて、今作でちゃんと仲を深められるんじゃないかなとすごく楽しみにしています。

草川:3人のいまの空気感をお芝居で伝えたいですし、現場で刺激を受けながら、自分も成長できたらなと思っています。

晩餐ブルース
©「晩餐ブルース」製作委員会

『晩餐ブルース』は「温かな気持ちを感じられる優しいお話」

――それぞれが演じられる役柄の魅力を教えてください。

井之脇:僕はテレビ局でディレクターをしている田窪優太を演じます。もともとドラマ業界に夢を抱いて入社したんですが、社会に消費されて心が思うように動かなくなってしまうんですよね。そこから、旧友ふたりに再会し、ご飯を食べていく中で気持ちを取り戻していくお話になっています。

優太はご飯を食べるときに、“温かい”という言葉をよく使うんですが、そうやって温かさが心に沁みていくことを感じられるのが人間らしいし、繊細であり素敵なところだなと感じています。

金子:僕が演じる佐藤耕助は、元料理人でいまはニートなんです。一度挫折を経験しているんですが、ふたりに出会うことによって、視野がどんどん開けていくんですよね。僕は今作で多く料理をする役なので、かなり頑張らないといけないなと思っています。

草川:僕は離婚経験のあるコンビニの店長、蒔田葵を演じます。一見、おちゃらけていて明るいイメージを持たれがちなキャラクターなんですが、実はいろんなものと向き合うことが怖くて、逃げているところもあるんですよね。

ただ、葵は気遣いがすごくできますし、場を和ませることができるんです。この3人の中ではムードメーカー役を担うので、いい雰囲気にしていきたいですね。

――みなさんは今作をどんな作品にしていきたいですか?

井之脇:オファーをいただいた時、久しぶりにドラマの主演を務めるということもあり、いいターニングポイントになるような作品にしたいなと思いました。信頼できるおふたりもいますし、のびのびと演じたいなと思いつつ、深いドラマにしたいですね。

また今作で注目していただきたいのが、タイトルに“ブルース”とついているところです。食事をしたり会話を重ねたりすることが、まるで音楽のセッションのように共鳴し合い、登場人物たちの人生観が広がっていく様子や、これまで気付かなかった発見が生まれる瞬間が描かれているんです。

人々の孤立化が進む中、こういった作品のニーズは絶対にあると思いますし、ひとりで家で観ていても、ドラマの世界観を通じて誰かとつながっているような温かな気持ちを感じていただけるのではないかと思っています。

金子:いま(井之脇さんが) 、完璧なコメントだったので僕が言うことはもうないんですが(笑)、今作はすごく魅力的で優しいお話なんです。観てくれた人を感動させることもできる作品ですし、素敵なキャストもたくさん出ているので、すごく楽しみです。

草川:本当に素敵な世界観のドラマですよね。そういえば、衣装合わせの時に監督さんが、“靴紐がほどけちゃった人がそれに気づかず生活をしていて、途中で気づき、結びなおしていくような作品”とおっしゃっていたんです。それがすごく印象的だったんですよね。

また僕自身、同世代の俳優さんと一緒にお芝居ができる機会はとても貴重だと感じていて。それぞれが大きな覚悟を持ち、形になるのはすごくカッコイイことだと思っているので、1日1日を大切に撮影していきたいと思います。

晩餐ブルース
©「晩餐ブルース」製作委員会

――ちなみに、みなさんの料理スキルはどのくらいですか?

井之脇:僕はコロナ禍を経て、だいぶ家で料理をするようになりました。役によって体重の増減調整が必要なので、レシピがあればある程度のものは作れるようになったんです。

最近は低温調理にハマっていて。それこそ身体を絞るときに、鶏ハムなどを美味しく作れるんですよ。ただ、一番好きな食べ物はポテトチップスです(笑)。

草川:すべてを台無しにする言葉!(笑)

井之脇:このお仕事をしていなかったら、1日2袋は食べていると思います(笑)。

金子:僕もわりと調理スキルは高い方だと思います。どんな料理でも味付けに自信があるんですよ。ただ、後片付けのスキルはまったくありません(笑)。

――味付けの自信とは…?

金子:ここにどの調味料を足したら絶対に美味しくなるというのがわかるんです。ただ、このドラマでその技術が役立つかは不明です(笑)。

草川:僕は料理のスキルはまったくないですね。レシピを見ても、上手く作れないんです。なので、あまり…いや、まったくしません!(笑)

一同:あはは!

草川:なので宅配にお世話になっています。

プライベートで観ているエンタメは?

――宅配は便利ですもんね!(笑)。みなさん日々忙しい撮影の中で、ちょっとした楽しみやリラックス方法も大事かと思います。そこで最後に、みなさんのお好きなエンタメについて教えて下さい。

草川:僕はU-NEXTでプレミアムリーグをよく観ているんです。個人的にマンチェスター・シティFCを応援しているんですが、そのドキュメンタリーがすごく面白いのでぜひ見てもらいたいですね。監督が叱咤しているところもそのまま入っていて、ものすごく貴重な映像になっているんですよ。

井之脇:スポーツのドキュメンタリーって面白いよね。僕は横浜ベイスターズのホームの試合をガッツリ観ています!

金子:ふたりともガチのスポーツ観戦するんだね。僕はドキュメンタリーで言うと、黒澤明監督やタランティーノ監督のドキュメンタリーを観ています。生きている時代が違うからこそ、「こんな撮影現場だったんだ」とか、「これはどんな手法なの⁉」って思ったり…。フィルムだからこその緊張感も伝わってきて、面白いんですよ。

井之脇:あとは、ロウ・イエ監督の作品をよく見ています。『ふたりの人魚』に『スプリング・フィーバー』など、良作がすごく多いんです。

金子:僕はロウ・イエ監督の作品なら『天安門』かな。

井之脇:いいよね!ロウ・イエさんは、中国の監督なんですが、手持ちカメラでバンバン追いかけて取るようなものが多いのでものすごく生々しいし、映画というよりも、人生を見ているようなところがあるんです。

――『晩餐ブルース』のドキュメンタリーも観たいですね!

草川:たぶん、ものすごくおいしそうな匂いがする現場なのでみんなの口角が上がっていると思います(笑)。

井之脇:今作のフードスタイリストの飯島奈美さんが作るご飯は、本当に美味しいんです。僕は『ごちそうさん』で初めてご一緒したんですが、食べ過ぎないように気をつけなくちゃいけないのに、どんどん食べちゃって(笑)。

金子:そのご飯をさらにおいしく見せるのは、料理担当の僕の役目なので、頑張ります!

晩餐ブルース
©「晩餐ブルース」製作委員会

水ドラ25『晩餐ブルース』

2025年1月22日(水)深夜1時放送スタート

各話放送終了後から、動画配信サービス「U-NEXT」「TELASA」「J:COM STREAM」「milplus」「Prime Video」 にて順次見放題配信

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