海外ドラマに興味はあるけれど、何シリーズもあるような長編に軽い気持ちで手を出すのはハードルが高い。時間も無駄にしたくないし、どうせなら最初から“まちがいない”作品に出会いたい!そこで、知名度はそれほど高くないかもしれないが、クオリティは高い作品をピックアップ。もしも“食わず嫌い”をしているなら、騙されたと思って一度食べてみてほしい!
高級リゾートホテル「ホワイト・ロータス」を舞台に、バカンスに訪れる裕福な宿泊客たちと、彼らをもてなすホテルの従業員たちの1週間を描いたブラックコメディ。コメディ、サスペンス、そして社会風刺の要素を持ち合わせた作品は、2022年のエミー賞で作品賞を含む最多受賞、当時の米HBO史上最高の週間視聴者数を記録するなど、アメリカで社会現象に!
アンソロジーシリーズのため、シーズンごとに場所とテーマが変化。例えばシーズン1は、ハワイ島を舞台に「お金」がテーマになっており、特権階級に属する登場人物たちのラグジュアリーな休暇を通して、皮肉に満ちた強烈なジョークを楽しめる。アホっぽくてウザいのに、なぜかクセになってしまうユニークなキャラクターたちが本作の醍醐味。大きな展開がないからと途中離脱しちゃうのはもったいない!クリエイターのマイク・ホワイト(『スクール・オブ・ロック』)が生み出すシニカルな会話を楽しんでみて。
シチリア島を舞台に「性・セックス」のテーマを扱うシーズン2もおすすめ。現在は、タイを舞台に「死・スピリチュアリティ」がテーマになるシーズン3の製作が進められており、今から待ちきれない!
新婚夫婦のアッシャーとウィットニーは、持続可能な新しい住宅“パッシブハウス”をニューメキシコ州で普及させるプロジェクトをスタート。その様子をリアリティ番組にすべく、ディレクターのダギーらクルーと共に撮影に励んでいた。ある日、アッシャーは駐車場で出会った貧しい少女に100ドルを渡すも「テレビの撮影だった」と取り上げてしまう。すると、少女は「呪ってやる」とアッシャーに告げ、以来、彼に良くないことが起こり始める…。
『哀れなるものたち』のエマ・ストーンとコメディアンのネイサン・フィールダーが主演とプロデューサーを兼任。さらに『オッペンハイマー』のベニー・サフディがダギーを演じるほか、ネイサンと共に制作に関わっている。
タイトルの「THE CURSE」は直訳で「呪い」。だがオカルトやホラージャンルではまったくなく、リアリティ番組や自分本位な“意識高い系”を盛大に皮肉ったシニカルなコメディになっている。全10話のリミテッドシリーズは一話あたり約60分でじっくりと物語が進んでいくが、最終話の展開は誰にも予想できないはず!
『CSI』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズをヒットさせたジェリー・ブラッカイマー製作総指揮の犯罪捜査ドラマ。権利の関係でDVDリリースがなかったため知名度は低いかもしれないが完成度は高く、IMDbでの評価は『CSI』シリーズで最も評価の高い『CSI:科学捜査班』(7.7)に匹敵する(7.6)。
「コールドケース」とは未解決事件のこと。時には何十年も前の事件をフィラデルフィア市警の殺人課チームが捜査し、真実を見つけだす。主人公のリリー・ラッシュをはじめとした捜査チームの面々も何かしらの悩みや事情を抱えており、だからこそ被害者や遺族に寄り添い、親身になって捜査を行う。時には連続殺人が明るみになったり、たどり着いたのがあまりにも悲しい真相だったりと、事件の内容も考えさせられるものが多い。
本作の特徴のひとつが音楽を多用しているところ。事件が起きた時代に合わせた選曲はもちろん、現代に合わせた曲もヒットナンバーから隠れた名曲まで幅広く取り揃えており、ストーリーをさらに盛り上げる。
のちに吉田羊主演で日本版のリメイクが作られ、先日には本国でリブートされると報じられた。放送開始から20年以上経った今でも評価の高い作品を今のうちに押さえておいてはいかがだろうか。
1996年、高校の女子サッカーチーム“イエロージャケッツ”のメンバーが、全国大会に出場するために乗っていた飛行機は雪深い森の中に墜落。生き残った面々はサバイバルを余儀なくされ、想像を絶する過酷な共同生活は、徐々に狂気に満ちたものへと変わっていく…。
それから25年後の2021年。主婦として生活する者、上院議員に立候補中の者、介護施設に勤務する者。1年7ヵ月に及ぶサバイバルから生還した元イエロージャケッツのメンバーは、それぞれの生活を営んでいた。25年前の事件には触れずに生きようとする彼女たちだが、その周りで不可解な現象が起こる。一体、あの孤島で何があったのか?
日本でそれほど話題になっていないのが不思議な、隠れた名作ドラマ。辛口レビューでお馴染みの米批評サイト「Rotten Tomatoes」では、シーズン1が批評家の評価100%を獲得。重厚な物語と、過去と現在を行き来しながら進む展開、痛烈に描かれる人間関係のヒリヒリが見どころだ。しっかり作り込まれているため、ぜひじっくりと楽しんでほしい。
超人気ホラーサスペンス『SUPERNATURAL』の前日譚!ディーン&サム兄弟の両親、ジョンとメアリーの若かりし頃を描く。戦争から戻ったジョンは、あることをきっかけに幼少期に自分を捨てた父親を捜し始める。そんな中、自分と同じく失踪した父親を捜すメアリーと出会って…?
舞台は1970年代と、『SUPERNATURAL』よりもかなり前。どことなくディーン&サムに似ているジョンとメアリーが、彼らと同じように家系の謎を紐解いていく。ディーン役のジェンセン・アクレスがナレーションを担当。製作総指揮も務めている。
オリジナルを見ていない人でも楽しめるストーリーになっているのでご安心を。本作を見た後にオリジナルを見るという楽しみ方もアリだろう。一方で、オリジナルのイースターエッグが多数散りばめられているので、『SUPERNATURAL』ファンも十分満足できる一作。
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