「お兄ちゃんたち人気やねん」と誇らしげな表情も!「うんぴょこ注入式」レポ
11月16日には、うんぴょこのロゴが描かれた巨大バルーンをふくらませる「うんぴょこ注入式」が行われ、重岡大毅さんと中間淳太さんが参加しました。
いま芸能界で目が離せないピン芸人がいる。スキニーなボディ、ツルッツルのスキンヘッド、年齢不詳のビジュアル。独特すぎるキャラクターで人気上昇中のひょうろくだ。
もともとは「ジュウジマル」というコンビを組んでいたが、2020年に解散。所属していた浅井企画を辞め、フリーのピン芸人として活動をスタート。業界のパイプを太くしようと思ったのか、突然「さらば青春の光」の事務所に押しかけるという大胆な突撃をカマし、そのキャラに森田哲矢&東ブクロがどハマり。それが縁となって、ひょうろくの仕事の窓口を「さらば青春の光」マネージャーが受け持つという、不思議なパートナーシップが結ばれる(でも彼らの事務所ザ・森東には所属していない)。
今では「さらば青春の光」のYouTubeチャンネルに頻繁に出演しては笑いをかっさっらたり、自分のYouTubeチャンネルを開設してマイケル・ジャクソンの曲をひとりアカペラしてみたり、緑茶飲料水「伊右衛門」のWEB CMに抜擢されたり、その勢いはとどまることを知らない。2024年のお笑いシーンは、彼を中心に回っていると申し上げても過言ではないのではないか。いや、過言ですけど。
という訳で、謎多き孤高の芸人ひょうろくの魅力について迫っていきたい。
おそらく最初に彼の存在を世間に知らしめたのは、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だろう。2023年7月26日に放送された「扮装状態でスタッフに撒かれたら一巻の終わり説」で、天狗に扮した「コンピューター宇宙」のはっしーはっぴー、角刈りかつら+貝殻ビキニ+赤ふんどしという姿のあぁ〜しらき(でもそれが彼女の通常運転仕様)と並んで、彼は白鳥の頭が股間から突き出たバレリーナの衣装で登場。
お金もスマホもない状態で、林のなかに置いて行かれてしまったひょうろく。果たして彼は無事に帰還することができるのか?…という検証VTRなのだが、特筆すべきはそのビジュアルだろう。ヘの字眉毛でずーーーーっと困っている表情をしているファニー・フェイスは、“どこかこの世界に馴染めていない感じ”を醸し出している。そんな彼に白鳥バレリーナの格好をさせようものなら、“馴染めていない感じ”がさらに倍増。芸人らしからぬ哀愁を漂わせることで、妙な笑いが生成されるのだ。
“途方にくれる中年男性をイジる”という行為は、下手をしたらいじめの構図にも見えてしまう。気弱でオドオドしたひょうろくのキャラクターであれば、笑うより前に視聴者が引いてしまう懸念もある。だが彼の場合は…ここが凄いところだと思うのだが…普段からオドオドしている困り顔のために、ドッキリに引っかかって涙目になっている姿を見せられても、あまり残酷な感じがしない。
しかもひょうろくは、“絵になる男”なのである。急に羞恥心が芽生えたのか、道路脇を白鳥の頭を押さえながら低姿勢ダッシュするシーンは、まさに彼の面目躍如。こんなの、絶対笑うだろ。「パンサー」の尾形貴弘、「安田大サーカス」のクロちゃん、「ザ・マミィ」の酒井貴士など、ドッキリを仕掛けられる芸人はあまた存在するが、ひょうろくのビジュアル・インパクトは一頭地を抜いている。
帰りの電車賃を稼ぐため、通行人から写真撮影をせがまれるたびに1枚20円の薄利多売ビジネスを始めるというのも、常人の想像をはるかに超えている。この素っ頓狂さが、彼の持ち味と言えよう。
2024年5月8日放送回からは、3週連続で『水曜日のダウンタウン』に出演。1週目の「チーズをパスタに削る店員が耳の遠いババアで、ストップと言っても一向に止めてくれなかったら物理で止めちゃう説」では、蚊の鳴くような声で何度も「ストップ」と言っても店員のチーズ削りが止まらず、粉チーズが山盛り状態に。まるでかき氷を食べるかのごとく、淡々とチーズを食す姿はとてつもなくシュールだった。
だが彼の真骨頂は、2週目の「怪しい高額報酬バイト、引き受けたが最後どんなに犯罪の匂いがする闇バイト風だったとしてももう引き返せない説」で発揮される。マジでこの回は凄まじかった。東ブクロに斡旋された高額バイトが実は臓器売買(風)で、気づいた時にはすでに手遅れ。実際の中身は豚のハツなのだが、完全に人間の臓器だと思い込み、どんどん精神的に追い込まれていくその表情や仕草が、全て100点満点なのである。
まず驚愕したのが、自宅ポストに投函されたバイト指示書をチェックするシーン。そのときの私服が、丸メガネのサングラスに、黒のハイネックシャツ、ストライプのパンツという、独特すぎるファッション。思わずプレゼンターの「さらば青春の光」森田も、「チャイニーズ・マフィアやんけ」とツッコむ。バレリーナ姿に頼らずとも、普段から見た目が面白すぎるのだ。
そのまま指示通りコインロッカーへと向かうひょうろく。BGMでかかる「マルサの女」の音楽とも完璧なシナジー。ロッカーで臓器のような物体を発見してしまい、うなだれる表情も最高 of 最高だ。スタジオゲストの「霜降り明星」せいやが、「絵になるなーこの人」と言うのも納得である。
ネタばらしのあと、顔をクシャクシャにして涙にくれるひょうろくは、森田曰く「韓国映画の顔」。人間の臓器だと思い込んでいた豚のハツを口に放り込み、「スッゴい美味しい」と普通なコメントをしても、「怖い思いをしてきたけど、美味しいものを食べられて良かったねー」という、謎の安堵感を我々にもたらす。圧倒的な顔面力で、彼は視聴者をも虜にしてしまうのだ。ビジュアルで笑いがとれるという、芸人にとって最高の武器を彼は手にしている。
3週目の「ドッキリの仕掛人どんなにバレそうになってもそう易々とは白状できない説」も凄かった。お見送り芸人しんいちが、「心霊スポットに出てくる霊が実の母親だったら?」というドッキリをひょうろくに仕掛けるというドッキリ企画…というのが実は逆ドッキリで、ひょうろくが怖がって全然仕込みの場所まで行こうとせず、しんいちがどんどんアセっていく、という内容なのだ(どんな企画だ)。
ターゲットではなく仕掛け人となれば、相応の演技力が要求される。だがひょうろくは、ハンパないポテンシャルで見事に「心霊を怖がって全く先に進めない奴」を演じ切る。怖さのあまり途中で失禁するという場面もあるのだが、仕込みではなく本物のオシッコ。彼は膀胱までも自在に操れるというのか。
一体、ひょうろくと何者なのか。彼の動画を漁っていくと、今とは別人のような「ジュウジマル」時代の彼がいる。我々が知っているひょうろくとは、芸能界という荒波を乗り越えるためにチューンナップされた、極めて精妙に作られたキャラクターなのだろうか。それとも「ジュウジマル」時代の彼のほうが、むしろ無理して作っていたキャラなのか。9月4日に放送された「ひょうろく、キャラ作ってるんじゃないか説」という禁断の企画を見てみても、その謎はいまひとつはっきりしない。
だが、正直なところどっちでも良い。ひょうろくはひょうろくであり続けてくれればいいのだ。キャラ作ってる疑惑すらネタにしてしまう見事な戦略性に、筆者は畏敬の念を感じずにはいられない。
いま芸能界で目が離せないピン芸人がいる。スキニーなボディ、ツルッツルのスキンヘッド、年齢不詳のビジュアル。独特すぎるキャラクターで人気上昇中のひょうろくだ。
もともとは「ジュウジマル」というコンビを組んでいたが、2020年に解散。所属していた浅井企画を辞め、フリーのピン芸人として活動をスタート。業界のパイプを太くしようと思ったのか、突然「さらば青春の光」の事務所に押しかけるという大胆な突撃をカマし、そのキャラに森田哲矢&東ブクロがどハマり。それが縁となって、ひょうろくの仕事の窓口を「さらば青春の光」マネージャーが受け持つという、不思議なパートナーシップが結ばれる(でも彼らの事務所ザ・森東には所属していない)。
今では「さらば青春の光」のYouTubeチャンネルに頻繁に出演しては笑いをかっさっらたり、自分のYouTubeチャンネルを開設してマイケル・ジャクソンの曲をひとりアカペラしてみたり、緑茶飲料水「伊右衛門」のWEB CMに抜擢されたり、その勢いはとどまることを知らない。2024年のお笑いシーンは、彼を中心に回っていると申し上げても過言ではないのではないか。いや、過言ですけど。
という訳で、謎多き孤高の芸人ひょうろくの魅力について迫っていきたい。
おそらく最初に彼の存在を世間に知らしめたのは、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だろう。2023年7月26日に放送された「扮装状態でスタッフに撒かれたら一巻の終わり説」で、天狗に扮した「コンピューター宇宙」のはっしーはっぴー、角刈りかつら+貝殻ビキニ+赤ふんどしという姿のあぁ〜しらき(でもそれが彼女の通常運転仕様)と並んで、彼は白鳥の頭が股間から突き出たバレリーナの衣装で登場。
お金もスマホもない状態で、林のなかに置いて行かれてしまったひょうろく。果たして彼は無事に帰還することができるのか?…という検証VTRなのだが、特筆すべきはそのビジュアルだろう。ヘの字眉毛でずーーーーっと困っている表情をしているファニー・フェイスは、“どこかこの世界に馴染めていない感じ”を醸し出している。そんな彼に白鳥バレリーナの格好をさせようものなら、“馴染めていない感じ”がさらに倍増。芸人らしからぬ哀愁を漂わせることで、妙な笑いが生成されるのだ。
“途方にくれる中年男性をイジる”という行為は、下手をしたらいじめの構図にも見えてしまう。気弱でオドオドしたひょうろくのキャラクターであれば、笑うより前に視聴者が引いてしまう懸念もある。だが彼の場合は…ここが凄いところだと思うのだが…普段からオドオドしている困り顔のために、ドッキリに引っかかって涙目になっている姿を見せられても、あまり残酷な感じがしない。
しかもひょうろくは、“絵になる男”なのである。急に羞恥心が芽生えたのか、道路脇を白鳥の頭を押さえながら低姿勢ダッシュするシーンは、まさに彼の面目躍如。こんなの、絶対笑うだろ。「パンサー」の尾形貴弘、「安田大サーカス」のクロちゃん、「ザ・マミィ」の酒井貴士など、ドッキリを仕掛けられる芸人はあまた存在するが、ひょうろくのビジュアル・インパクトは一頭地を抜いている。
帰りの電車賃を稼ぐため、通行人から写真撮影をせがまれるたびに1枚20円の薄利多売ビジネスを始めるというのも、常人の想像をはるかに超えている。この素っ頓狂さが、彼の持ち味と言えよう。
2024年5月8日放送回からは、3週連続で『水曜日のダウンタウン』に出演。1週目の「チーズをパスタに削る店員が耳の遠いババアで、ストップと言っても一向に止めてくれなかったら物理で止めちゃう説」では、蚊の鳴くような声で何度も「ストップ」と言っても店員のチーズ削りが止まらず、粉チーズが山盛り状態に。まるでかき氷を食べるかのごとく、淡々とチーズを食す姿はとてつもなくシュールだった。
だが彼の真骨頂は、2週目の「怪しい高額報酬バイト、引き受けたが最後どんなに犯罪の匂いがする闇バイト風だったとしてももう引き返せない説」で発揮される。マジでこの回は凄まじかった。東ブクロに斡旋された高額バイトが実は臓器売買(風)で、気づいた時にはすでに手遅れ。実際の中身は豚のハツなのだが、完全に人間の臓器だと思い込み、どんどん精神的に追い込まれていくその表情や仕草が、全て100点満点なのである。
まず驚愕したのが、自宅ポストに投函されたバイト指示書をチェックするシーン。そのときの私服が、丸メガネのサングラスに、黒のハイネックシャツ、ストライプのパンツという、独特すぎるファッション。思わずプレゼンターの「さらば青春の光」森田も、「チャイニーズ・マフィアやんけ」とツッコむ。バレリーナ姿に頼らずとも、普段から見た目が面白すぎるのだ。
そのまま指示通りコインロッカーへと向かうひょうろく。BGMでかかる「マルサの女」の音楽とも完璧なシナジー。ロッカーで臓器のような物体を発見してしまい、うなだれる表情も最高 of 最高だ。スタジオゲストの「霜降り明星」せいやが、「絵になるなーこの人」と言うのも納得である。
ネタばらしのあと、顔をクシャクシャにして涙にくれるひょうろくは、森田曰く「韓国映画の顔」。人間の臓器だと思い込んでいた豚のハツを口に放り込み、「スッゴい美味しい」と普通なコメントをしても、「怖い思いをしてきたけど、美味しいものを食べられて良かったねー」という、謎の安堵感を我々にもたらす。圧倒的な顔面力で、彼は視聴者をも虜にしてしまうのだ。ビジュアルで笑いがとれるという、芸人にとって最高の武器を彼は手にしている。
3週目の「ドッキリの仕掛人どんなにバレそうになってもそう易々とは白状できない説」も凄かった。お見送り芸人しんいちが、「心霊スポットに出てくる霊が実の母親だったら?」というドッキリをひょうろくに仕掛けるというドッキリ企画…というのが実は逆ドッキリで、ひょうろくが怖がって全然仕込みの場所まで行こうとせず、しんいちがどんどんアセっていく、という内容なのだ(どんな企画だ)。
ターゲットではなく仕掛け人となれば、相応の演技力が要求される。だがひょうろくは、ハンパないポテンシャルで見事に「心霊を怖がって全く先に進めない奴」を演じ切る。怖さのあまり途中で失禁するという場面もあるのだが、仕込みではなく本物のオシッコ。彼は膀胱までも自在に操れるというのか。
一体、ひょうろくと何者なのか。彼の動画を漁っていくと、今とは別人のような「ジュウジマル」時代の彼がいる。我々が知っているひょうろくとは、芸能界という荒波を乗り越えるためにチューンナップされた、極めて精妙に作られたキャラクターなのだろうか。それとも「ジュウジマル」時代の彼のほうが、むしろ無理して作っていたキャラなのか。9月4日に放送された「ひょうろく、キャラ作ってるんじゃないか説」という禁断の企画を見てみても、その謎はいまひとつはっきりしない。
だが、正直なところどっちでも良い。ひょうろくはひょうろくであり続けてくれればいいのだ。キャラ作ってる疑惑すらネタにしてしまう見事な戦略性に、筆者は畏敬の念を感じずにはいられない。
11月16日には、うんぴょこのロゴが描かれた巨大バルーンをふくらませる「うんぴょこ注入式」が行われ、重岡大毅さんと中間淳太さんが参加しました。
11月8日より期間限定上映『劇場版「風都探偵 仮面ライダースカルの肖像」』を特撮ライター・桐沢たえさんがレビュー
note「ニチアサの話がしたい。」の桐沢たえさんによる愛情たっぷりの特撮コラム。第4回では『仮面ライダーゼロワン』を紹介します。