ディーン・フジオカが原作を読んで「食らった」と語るワケとは?『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』
厚生労働省に勤務するエリート官僚で2年間の育休を取得したパパ・中谷達也を演じるディーン・フジオカさんにインタビュー。
「Ignite(イグナイト)」とは、火を付けるという意味。ダークリーガル・エンターテイメントと銘打ったこのドラマの舞台は、タイトルどおり、原告の気持ちを焚き付けて訴訟を起こさせることで富を得ようとする“無法者”の法律事務所だ。
間宮は30代にして弁護士となり、そんな“法の当たり屋”のような稼業に飛び込むことになる宇崎凌(うざき・りょう)役。5年前に父を事故で亡くしたことをきっかけに、サラリーマンを辞めて弁護士を目指した、正義感に溢れる熱血漢の役柄だ。
事務所の代表・轟謙二郎役に仲村トオル、伊野尾麻里役に上白石萌歌、そして高井戸斗真役に三山凌輝と、共演陣も超豪華。
実力あるクリエイターたちを擁するコンテンツスタジオ、BABEL LABELとTBSとが初タッグを組んだ作品でもあり、企画・プロデュース・脚本を務める畑中翔太(ドラマ『量産型リコ』『絶メシロード』など)も、監督の原廣利(映画『帰ってきた あぶない刑事』)もBABEL LABELに所属。スピーディなアクションやクールな映像美にも期待できそうだ。
そんなドラマの見どころを間宮自身が語ってくれた。
──間宮さんは、この作品がTBSドラマへの初主演だそうですね。オファーを受けた時の感想を教えてください。
間宮:シンプルに力強いドラマになりそうだなと思いました。原監督をはじめとするスタッフ陣や共演者の皆さんのお名前を聞いて、ちゃんと重心が低い位置にあるような、地に足のついた布陣だと感じて楽しみでした。
台本を読んで思ったのは、“ダークリーガル・エンターテイメント”と銘打った弁護士のドラマではありつつ、法廷劇ならではの難解なセリフが続くドラマというよりは、その裁判に至るまでの過程…例えば、訴えを起こす人の思いに重きを置くドラマになっているので、幅広い人に楽しんでいただけるのではないかと思いました。
──弁護士役を演じる上で準備していることはありますか?
間宮:弁護士ものですがアクションが多いので、この前アクション練習をしたんです(笑)。微妙なニュアンスですけど、観ている方がやりすぎではと疑問を持たない、絶妙な塩梅を探りながらやっていきましょうと、監督と話しています。そういうアクションも含めて、とにかくカッコいいものを撮ろうという意識は、自分にもすごく伝わってきていますね。
アクション練習では、揉み合いになって殴ったり、蹴られたりっていう動きももちろんありましたけど、パルクールの要素も入れようとなって練習したんです。「監督は、これをワンカットで撮りたいと言ってます」とも伺って、なるほど、と(笑)。大変だけど、臨場感のある映像になるだろうなと思いますね。そういう演出意図についての意思の疎通は、クランクイン前からかなり取れているのかなと思います。
※パルクール=フランス生まれの、走る・跳ぶ・登るなどの「移動動作」で心身を鍛える運動方法のこと。街や森で、自由にスタートとゴールを決めて、障害物を越えることで体を鍛えていく。
──間宮さんが演じる宇崎凌は、台本の中で「暑苦しくて感情丸出し」だと言われてしまうキャラクターです。間宮さんご自身から見ると、宇崎はどういう人物に見えますか?
間宮:初めて監督たちとお会いして脚本について話した時、僕は「週刊少年ジャンプの主人公みたいですね」とお話しました。その時点の脚本ではもうカットされていたんですけど、ある段階までは、宇崎が「お前、ジャンプの主人公かよ」って言われるシーンが入ってたそうで(笑)。だから、僕の感想は合ってたんだと思いました。
──そんな宇崎を演じる上で、心がけていることはありますか?
間宮:現時点では、その“ジャンプの主人公感”という魅力をちゃんと踏襲しつつ…、でも、宇崎の年齢設定も僕と同じ31歳ですからね。宇崎の魅力をしっかりと血肉にしつつも、違和感がないようにしなくてはいけないなと思いますね。
監督とも「そのバランス感覚は、いろいろ探りながらやっていきましょう」と話をしています。彼の正義感の強さだったり、突発的な行動に出ちゃうような感じに説得力を持たせるためには、どうしていくか。自分の精神と肉体を使ってどう魅力的な人物になるように表現していけるか、煮詰めていければと思っています。
──具体的には、どういうところが“ジャンプの主人公”的なのでしょうか?
間宮:宇崎の何が一番魅力的かというと、周りを巻き込んでいく力だと思うんですよね。「行こう!」みたいな(笑)。そうやって無自覚に人を巻き込んで、大きな流れ、勢いに一緒に乗っかっていく。そういう推進力がある人物だと思います。もちろん、(仲村トオルさん演じる)轟さんに手のひらで転がされている部分もあるんですけど、その中でも、手のひらからはみ出しそうな瞬間もあったりして。「なんかおもしろいな」「アイツに賭けてみたいな」と周りに思わせる先天的な才能がある気がしますね。それが宇崎という人物の魅力を表す大きな要因のひとつでもあると思います。
──そういった面以外にも、亡くなった父親の存在が宇崎の内面に影響を与えているのでしょうか。そのあたりの見どころも教えてください。
間宮:宇崎は、弁護士になる方向へ舵を切ったわけですが、その一番大きな理由が父の死だと思います。自分の中に、もどかしさ、悔しさ、怒りというグワーッと溜まったものがあって。それと向き合いながらどう生きていこうという中で、弁護士の道を選択したんだろうと感じます。
その出来事がずっと彼の中にベースとしてあって、何をしていてもそれが彼の背景にはあるのだと思います。ただ、ネタバレになってしまうので、詳しくは語り切れないところがもどかしいですね(笑)。
──ドラマの縦軸としての見どころにはなっていくのでしょうか。
間宮:そうですね。この作品と、宇崎という人物を貫く太い1本は、間違いなくそこなので。どうなっていくのかを楽しんでいただけたらと思います。
──監督やプロデューサーからは、何かリクエストはありましたか?
間宮:監督とお話をしていると、「こう演じてください」というのではなく、「こうしたいんだ」ということがすごく伝わってきました。例えば、「ピース法律事務所のメンバーがスーツを着て歩くカットを、ハイスピードで印象的に撮りたい」とか。もうその言葉だけで、監督がどういう画を撮りたいのか、耳で聞いた情報以上に伝わりますよね。「そういうテイストの映像を入れるんだったら、自分たちはどう見えていたらいいのかな」といった指針になるので。「こうしてほしい」ではなく、「こうしたいから、一緒にやっていきましょう」という感じでお話ししていただきました。
──宇崎が所属する、その「ピース弁護士事務所」のメンバーを演じる共演陣は、みな個性的な方たちがそろっています。それぞれの印象は?
間宮:三山凌輝くんとりょうさんは、はじめましてなんです。あとの皆さんは共演したことがあるので、仲村トオルさんやミッチー(及川光博)さんには「お久しぶりです」とご挨拶しました。
みんなでゲームをやるようなSNS撮影あったんですけど、三山凌輝くんはちょっと抜けてて面白いなって(笑)。ガタイも良くて短髪で、迫力のある男らしいイメージがあったんですけど、初対面でギャップを感じられたので、すぐ距離が縮まりそうだと感じました。
りょうさんは、めちゃくちゃカッコいいです。現場に入られた時から、ふわっと風をまとっているような雰囲気でしたね。まだあまりお話しできていないので、徐々にお話しできたらなと思います。
──どんな座組になりそうですか?
間宮:監督の言葉に大いに同意したのは、「どの2人組、3人組になってもハマる画作りをしたい」ということですね。「どこを切り取ってもバディとして成立するような感じになっていけばいいですね」と。でも、それはきっと画だけじゃなくて、多分、相性、空気感も含めてのことなんだと思うんです。なので、初めてピース弁護士事務所の全員が集まった時、「この2人組だとどういう感じになるんだろう」と想像してみたんですが、結果、どの組み合わせでも面白そうだなと思いました。
──台本を読んで、撮影するのが楽しみだなと思ったシーンはありますか?
間宮:どこも楽しみではありますけど、憎まれ口をたたきあうシーンもあるので、そういうくだけた空気感と、いざという時に瞬発的に出る緊張感との緩急がビシッとつけられれば、面白いドラマになるんじゃないかと思います。緊張感だけが連続するんじゃなくて、緊張の中にも緩和があるような。本当にふざけたシーンもあって、そこがすごく愛せるからこそ、のちのち泣ける…みたいな。それこそどんな組み合わせでも、その“愛せる”部分をそれぞれが作っていけたらいいと思います。
──色んな要素が含まれた作品になるかと思いますが、間宮さんご自身が思う、一番の注目ポイントを教えてください。
間宮:この作品を語る時のテーマのひとつは“カッコよさ”だと思っています。もちろん、裁判を起こすまで…、この作品でいうところの“焚きつける”までの人間の心模様や機微や、そういう切なさ、怒り、やるせなさも、もちろん大前提の見どころなんですが、やっぱりポイントのひとつは“カッコよさ”かなと思っていて。
それはさっき言った、監督が並んで歩くところをハイスピードで撮るとか…僕がそれを聞いた時にパッと浮かんだのは『レザボア・ドッグス』だったんです。やっぱり、あの画って一度見ただけでずっと忘れないし、何回見ても「うわ〜、カッコいい!」と思うような華があるじゃないですか。だから、何かひと言だけ挙げるとすれば、そういう作品になっていけたらというところだと思いますね。
──最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします。
間宮:プロデューサーとお話しするたびに、気迫のこもった作品づくりをしていける予感がすごくしているので、ぜひ楽しんで観てほしいです。そして、「カッコいいな〜!」と熱くなっていただけたらたら嬉しいですね。
──ありがとうございました!
4月18日金曜よる10時スタート 毎週金曜よる10:00~10:54
スタッフ
製作:BABEL LABEL、TBS
企画・プロデュース・脚本:畑中翔太(『量産型リコ』『お耳に合いましたら。』『絶メシロード』など)
脚本:山田能龍(『全裸監督』『新聞記者(Netflixオリジナルドラマシリーズ)』『朽ちないサクラ』など)、山口健人
法律監修:福島健史
音楽:森優太
プロデューサー:山田久人、瀬崎秀人、駒奈穂子
編成:松本友香、杉田彩佳
監督:原廣利(『帰ってきた あぶない刑事』『朽ちないサクラ』など)、山口健人(「イクサガミ」『アバランチ』など)吉田亮
出演者:間宮祥太朗 上白石萌歌 三山凌輝 / りょう 及川光博 仲村トオル
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