イ・ジアンは建設現場で采配をふるう現場責任者。ひとり娘のヒョリは医学部に通う優等生だ。ある日、大学に電話したジアンは、ヒョリが大学を退学したことを知り愕然とする。母の期待に応えるために医大に進学したヒョリだったが、自分には向いていないと考え、誰に相談することもなく退学していたのだ。問いただそうとする母に背を向け、ヒョリは親友スクと海辺のトソン村へ向かってしまう。
トソン村では、車の故障に見舞われたヒョリが地元の人々に助けられ、建築設計士のリュ・ジョンソクとその息子ボヒョンと出会う。友人ソニョンの力を借りてヒョリの居場所を突き止めたジアンも到着し、娘を叱責。しかし、そこで明らかになったのは、ヒョリが脳腫瘍を患っているという事実だった。すぐに手術を受けさせたいジアンと、距離を置こうとするヒョリの溝は広がっていく。
絶望の中、ジアンがバスに乗っていると、偶然、学生時代の初恋相手ジョンソクと再会する。学生時代に淡い想いを抱いていた相手との再会に、つかの間、過酷な現実から解き放たれたように胸が高鳴る。
そんな中、ジアンはお金を貸していたかつての同僚ファン班長から、借金の返済代わりに田舎の古家を譲り受けることになる。ジョンソクの案内で家を訪れたジアンは、荒廃した家を娘の新たな居場所にしようと決意する。こうして、母娘の「立ち止まって人生をやり直す」時間が始まり、やがてジアンとジョンソク、そして、ヒョリとボヒョンという二組の関係が、静かに深まっていく。
本作の魅力は、母と娘それぞれが経験する“初恋”を二重構造で描いている点にある。シングルマザーとして生きてきたジアンが、ジョンソクと再会し、忘れていた胸の高鳴りを取り戻す姿は、大人の女性だからこそ感じる切なさをにじませる。一方、娘ヒョリが花農家の青年ボヒョンに惹かれていく姿は初々しく、観る者の心を温かく包み込む。
二組の恋模様を通じて浮き上がるのは、恋への向き合い方や価値観の違いだ。慎重に歩む母と、純粋に突き進む娘、そのコントラストが物語に奥行きを与える。しかし同時に、相手を大切に思う気持ちは世代を超えて共通しており、“恋をする心は誰にとっても同じ”という普遍的な温かさを伝えてくれる。ラブロマンスでありながら、母娘の絆に焦点を当てた人間ドラマも深い感動を呼び起こしている。
舞台となるのは、時間がゆったりと流れる海辺の町。長い間、忙しさに追われてきた母と娘が、娘の病気をきっかけに足を止め、自分たちの関係や家族のあり方を見つめ直していく姿は、視聴者の共感を呼ぶ。
さらに、この田舎町で出会う人々も魅力的だ。少しおせっかいで、時にぶつかることもあるけれど、その根底には人を思いやる温かな心が息づいている。海辺の町並み、広がる農園、そして、どこか牧歌的でのどかな風景は、観る人を癒やし、現実の疲れを忘れさせてくれる。単なる恋愛劇ではなく、生活の匂いを感じさせる空気感が漂うことも、この作品の大きな魅力となっている。
本作を語るうえで欠かせないのが、主演二人の存在感だ。『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』で鋭い演技力を発揮し、社会現象級のヒット作に貢献したヨム・ジョンアが、シングルマザーのジアンを繊細かつ力強く演じる。
一方、相手役を務めるのは、『ミセン-未生-』や近年話題を集めた『おつかれさま』で存在感を示したパク・ヘジュン。彼が演じるジョンソクは、一見するとクールで寡黙ながら、実は人一倍思いやりにあふれる人物である。
二人が再会し、ぎこちなくも少しずつ距離を縮めていく過程は、台詞以上に視線や沈黙の間合いによってリアルに表現され、大人だからこそ味わえる恋の機微を丁寧に描き出す。実力派同士が交わることで生まれるケミストリーは、視聴後にじんわりと余韻を残すはずだ。
建設現場で采配を振る現場責任者。若くして母となり、娘ヒョリを女手ひとつで育ててきた。生活のために働き続け、恋も夢も後回しにしてきたが、娘の退学と病をきっかけに人生の岐路に立たされる。さらには仕事のトラブルの責任を押し付けられ、仕事まで失ってしまう。かつての初恋相手ジョンソクとの再会によって、ひとりの女性としての心を揺らす。
キャスト:ヨム・ジョンア
1972年生。1991年ミス・コリアで準ミスに選ばれ、翌年のミス・インターナショナル世界大会では3位に入賞した経歴を持つ。1991年にドラマ『われらの天国』で俳優デビュー。当初はミス・コリア出身俳優というイメージが強かったが、2018年に出演した『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』では「第55回百想芸術大賞」TV部門女性最優秀演技賞を受賞するなど、演技力も高く評価されている。
◆代表作:『密輸1970』『クリーニングアップ』『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』
ジアンの学生時代の初恋の相手であり、現在はトソン村で暮らす建築設計士。息子のボヒョンが小さい頃に妻と離婚しており、男手一つで息子を育ててきた。外見はクールで物静かだが、困っている人を放っておけない優しさと誠実さを兼ね備えている。ジアンとヒョリの家の改修を行い、何かと二人のことを気にかける。
キャスト:パク・ヘジュン
1976年生。舞台出身で培った確かな演技力を武器に、長年脇役として作品を支えながら着実にキャリアを築く。ドラマ『ミセン-未生-』への出演で注目され、その後『夫婦の世界』で演じた妻と愛人の間で揺れ動く夫役は韓国中で話題となった。最近では『おつかれさま』でパク・ボゴム演じる主人公の中年時代を演じ、人間味あふれる姿を見せて新境地を開拓している。
ジアンのひとり娘。幼いころから母の期待を一身に背負っており、努力の末に大学の医学部に進学した。しかし、教授からの理不尽な扱いや過酷な環境に心身をすり減らし、退学を決意。さらに脳腫瘍を患っていることが発覚し、自分らしい人生を探すためにトソン村に移住する。花農家の青年ボヒョンと出会い、恋に落ちる。
キャスト:チェ・ユンジ
1997年生。透明感のあるルックスと素直な演技力で注目を集めている若手俳優。モデルとしてのキャリアを経て、2024年のドラマ『愛は一本橋で』で俳優デビュー。その後『トランク』や『いつかは賢いレジデント生活』など、話題作に立て続けに出演している。主演級のキャラクターを演じるのは本作が初めて。
ジョンソクの息子で、トソン村の花農家を経営する青年。幼い頃は、仕事のために自分を置いて海外に行った母親に対して寂しさを抱えていたが、現在は自分のやりたいことを見つけ逞しく生活している。都会から突然やってきたヒョリのことが気になっており、彼女のまっすぐな言葉や不器用ながらも強い意志に惹かれていく。
キャスト:キム・ミンギュ
2001年生まれ。2019年にオーディション番組『PRODUCE X 101』に出演し、最終順位17位の結果を残す。デビューは果たせなかったものの、モデルや音楽番組のMCとして活躍。2020年にはウェブドラマ『マンガな彼氏~POP OUT BOY!~』で俳優デビューを果たした。端正なビジュアルに加え、自然体で共感を呼ぶ演技力が支持されている。
◆代表作:『Bitch X Rich 2』『青春ブロッサム』『マンガな彼氏~POP OUT BOY!~』
ジアンの親友で、建設現場に併設されたレストランを切り盛りするオーナー。気さくかつ人情味あふれる性格で、困っている人を放っておけない温かさを持つ。父親のいないヒョリにとっては父親代わりのような存在であり、ジアンにとっても長年本音を語り合える心強い相棒である。ジアンとともにトソン村へ移住し、新たに飲食店を開業することとなる。
キャスト:キム・ソニョン
1976年生。演劇界で長く培った経験を背景に、2005年にスクリーンデビュー。『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』への出演で名前が知られるようになり、『愛の不時着』では北朝鮮の村で暮らすおばちゃん連合の一人として一躍注目を浴びる。親や隣人、友人といった温かな人物像から、時にクセの強い悪役まで自在に演じ分ける幅の広さから、韓国ドラマ界に欠かせない名バイプレイヤーとしての地位を確立している。
◆代表作:『ラブソリューション 〜愛の解決策、教えます〜』『コンクリート・ユートピア』『愛の不時着』
作品名:『初、恋のために』
原題:첫,사랑을 위하여
製作年/制作国:2025年/韓国
ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
※配信日時は予告なく変更する場合があります。
第1話:2025年8月4日 23:00~
第2話:2025年8月5日 23:00~
第3話:2025年8月11日 23:00~
第4話:2025年8月12日 23:00~
第5話:2025年8月18日 23:00~
第6話:2025年8月19日 23:00~
第7話:2025年8月25日 23:00~
第8話:2025年8月26日 23:00~
第9話:2025年9月1日 23:00~
第10話:2025年9月2日 23:00~
第11話:2025年9月8日 23:00~
第12話:2025年9月9日 23:00~