『夫よ、死んでくれないか』。竹財輝之助扮する失踪した夫の不倫相手は、意外なあの人?謎が深まる怒涛の第2話!
安達祐実・相武紗季・磯山さやか主演の夫婦愛憎ミステリー『夫よ、死んでくれないか』第2話をレビュー
『夫を社会的に抹殺する5つの方法』、『夫の家庭を壊すまで』と、ねじれた夫婦の愛憎劇で話題を呼んできたテレ東の “全夫が震える” シリーズ第3弾となる『夫よ、死んでくれないか』。
安達祐実、相武紗季、磯山さやかのトリプル主演で、夫との関係にそれぞれ問題を抱える女性たちが起こす騒動を描き出す。ミステリー仕立てのストーリー展開がスリリングだ。それぞれ行き詰まった夫婦関係から逃れようと取った行動が危ない結果に繋がることに!?後半8分間のヤバすぎる展開も見ものの第3話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
前回の友里香と哲也の時よりは都会的なイメージではあるものの、やっぱりベタなラブストーリーにありそうな音楽から始まった第3話。描かれたのは麻矢の夫・光博との不倫疑惑が持ち上がっている璃子と、その束縛夫・弘毅とのなれそめである。
映えサンドイッチの専門店に並ぶ璃子。店から出てきた弘毅とすれ違う際に、璃子が付けていたイヤフォンのコードが弘毅のコートのボタンに絡まってしまい…という、コードレス時代の現在では起こり得ない出会いのワンシーンが描かれる。
「もう一緒に出社しちゃいます?」
なかなかほどけないコードを前にニッコリ微笑む弘毅は、この時点では清潔感あるイケメンでしかない。璃子が一目惚れしてしまうのも無理はない。
恋人の聖地にハートの南京錠をぶら下げ、出会ってたった3ヶ月で結婚を決めてしまう璃子。
「彼に永遠に愛される幸福だけを信じていた」
その言葉どおり、麻矢と友里香に結婚報告をする璃子は、幸せいっぱいな笑顔だったが…。
それから幾年。場面は一気に現在へ。夫婦が暮らす部屋の中で大暴れしている弘毅の姿が映し出される。
「うお〜!!」を獣のような大声を上げるその姿は、出会いのときのさわやかイケメンとはまるで別人のようだ。
「璃子がスマホを見せてくれなかった」
たったそれだけのことで、「なんで隠し事するの〜!」と大泣きして、あげくは自分の頭を壁に叩きつけるのである。そりゃあ璃子も涙目で「死んで…」とつぶやきたくもなろうというもの。
さて、ここからが前回の続きである。
光博と璃子とのツーショット写真が光博からメールで送られてきたことから、事情を聞こうと璃子のマンションへ向かった麻矢。璃子の暮らす部屋の外まで来た彼女は、ちょうどそのタイミングで弘毅がガチャーンと家具をなぎ倒して大暴れする物音を耳にする。そして、ついに部屋を飛び出した璃子と、彼女を追って出た弘毅と玄関の前で出くわすことに。
ここで麻矢に気付いた弘毅が、それまでの狂気をスッと引っ込める豹変ぶりがまた恐ろしい。
結果、璃子のマンション近くの外階段に座り、麻矢と璃子は2人で話し合うことに。そこで麻矢は、璃子に「隠してることない?不倫とか」と単刀直入に切り込む。
何も答えられない璃子。そんな彼女を見て「してるんだね」と解釈した麻矢は、光博から送られてきた写真を突きつける。
しかし…璃子はその写真を見て驚き、「違うよ!」と全面否定。光博と会ったのは偶然で、光博の方から「麻矢を驚かせるために」写真を撮って、その場で麻矢に送ったというのだ。
しかし、麻矢にはそんなメールを受け取った記憶はない…。
「なんか光博らしくないな」
訝しがる麻矢に、璃子は「不倫相手は私じゃない。信じて」と訴える。確かに、璃子の表情は嘘をついているようには見えない。だったら、璃子の不倫相手は誰?
麻矢がそれを切り出すと、「今度、友里香も一緒の時にするよ」と璃子。
とりあえずは、璃子と光博の不倫疑惑は晴れたものの、なぜ光博が璃子との写真を送ってきたのか?悶々とした思いを抱きながら帰宅する麻矢。
一方、弘毅がいるマンションに戻ってきた璃子は、帰って早々、璃子のスマホを勝手に見た弘毅から光博の失踪をなぜ黙っていたのかと責められ、さらに麻矢と何を話してきたのかを「詳しく教えて」と詰め寄られる。あくまでも笑顔で圧を掛けてくる弘毅が心底ウザい!
そんな2人をよそに、相変わらず記憶が戻らず従順な哲也を言いなりにして、娘・結菜(日下莉帆)の面倒を丸投げする友里香。しかも、哲也の作ったお弁当をSNSに上げて、インフルエンサーのマネごとまでし始めた様子だ。
一見、友里香の一人勝ちに見えるものの、いつ哲也の記憶が戻ってもおかしくないわけで。端から見ていると不安要素しかない…。
そんな中、麻矢は職場で就職サイト向けのインタビューを受けることに。既婚女性代表ということなのだが、麻矢としては光博の失踪でちゃんとしたことが話せるはずもない…のだが、部長命令ということで断ることもできない。てか、この時点でも麻矢は夫の失踪を会社に話していないのだ。それって社会人としてどうなのか…。
ちょうどその折、光博の勤務先から麻矢に連絡が入る。相手先いわく、光博は無断欠勤を謝罪し、長期休暇を取りたいとメールを寄越したという。
光博は生きている?
「あんたなんか死ねばいいのに」
自身のその言葉が夫を殺していなかったことに、ひとまずは安堵する麻矢。
麻矢は警察に出向き、刑事の志村(柳憂怜)にそのことを報告するも、「光博と直接話したわけではなくメールだけの連絡なら、誰かがなりすましている可能性がある」と聞かされて動揺する。
帰宅した麻矢は、なにか手がかりを探そうと夫の残した書類などをあさり始める。
考えてみれば、光博が行方不明になってから、麻矢が夫を探すためになんらかの行動をしたのは、もしかしてこれが初めてなのでは?それに気付くと、麻矢の夫への無関心さに改めておののいてしまう。
しかも、そんな麻矢の様子からは、やっぱり夫を心配する気持ちは一向に伝わってこない。では、なんで今頃になって行方が気になり始めたのか?それはもう「生きていることを証明して、自分の言葉が彼を殺したわけじゃないことを明かしたいから」というだけなのかも?
そう思うと、麻矢の夫への態度、自分本意すぎるなあ、とどんよりした気持ちになってしまう。光博、ダメ夫だったかもしれないが、こんなに全然探してもらえないって可哀想すぎるような気もする。
それはさておき、麻矢は思う。
「もしかして夫の失踪には、私の知らない何かが隠されているのか…」
ここで意味深に映し出されるのは、光博がやり込んでいたパソコンゲームのコントローラー。これは何かのヒントなのか?ミステリーとしてもまだまだ謎は深まるばかり。
一方、光博に無関心な麻矢と足して2で割りたいくらい璃子への執着が凄まじい弘毅の方はというと、璃子のスマホをチェックして逐一その行動を確認。そんな夫から逃げるように一人自室へ向かった璃子は、夫に内緒のスマホを隠し場所から取り出し、不倫相手らしき人物にメッセージを送る。
「しばらく会わないほうが良さそう。ごめん」
ここで注目したいのは、彼女のスマホ画面に表示された相手の名前だ。「亮介」と表示されている!…ということは、相手は光博ではないことが正式に判明。亮介って誰?次の展開が待たれる!
しかし、じらし上手なこのドラマ。場面は職場でインタビューを受ける麻矢の姿へ。
「仕事を辞めたいと思ったことは?」という質問に「一度もない」と笑顔で否定する麻矢。しかし、口ではそう言ったものの、彼女は内心では違うことを考えていた。それは出向先での仕事にやりがいを見い出せず、光博との恋愛に逃げていた20代後半の自身…。
さらに「ご主人は?」との質問には、夫のサポートがあるとついつい嘘を重ねてしまう。
「私は、嘘なしでは語れない生活を送ってきたのか…」
頭の中で自問自答する麻矢だったが、それを離れたところからじっと見つめている女性が…。それは麻矢の上司・立花瑤子(遊井亮子)。同じく働く妻である瑤子は、まさか麻矢の嘘を見破っている?
さて続いては、友里香のターンである。
三者三様で問題ありの夫婦だけに、それぞれの状況がテンポよく小出しになっていくので、どんどん場面が転換するのが毎回のこのドラマの特徴だ。
SNSに上げた哲也作のお弁当をママ友たちに褒められて得意満面だった友里香だが、“のあちゃんママ”こと映美(新山千春)に「結菜ちゃんとパパの写真はない?」とマウントを取られて一瞬でしおしおに。
さらに映美は、自分の娘が「パパが大好きで結婚したいって」とマウントを重ね、娘にそう言われることで「夫選びは間違ってなかったと思える」とイキイキと話し、友里香の心を揺さぶってくる。
続いては、またまた璃子のターン。麻矢と友里香との女子会を待つまでもなく、璃子の不倫相手がここで判明する。なんとその相手“亮介”が弘毅が仕事で留守だと踏んで、璃子の家まで訪ねてきたのだ。
最初は戸惑うものの「好きだよ」とキスされて、あっさり亮介に抱きついてしまう璃子…。弘毅も弘毅だが、璃子も璃子であることよ…。不倫ダメ、絶対!
ここからは毎回恒例の女子会シーン!今回の会場は、流行りのサウナであります。色違いのサウナハットを被り、汗を掻く3人。気持ちよさそう〜。
(関係ないけど、こういういろんなパターンの女子会の様子だけを毎回見せてくれるドラマがあったら楽しいかもしれないな、などと思ったり)
ここで璃子は、麻矢と友里香に弘毅が実は束縛夫であること、そして年下の医者・亮介と不倫していることを打ち明ける。
弘毅のことが怖くて「離婚したいとは言い出せない」という璃子は、もし亮介との不倫がバレたら「死人が出るかもね」とポツリ…。
確かに。前回のラスト、何か璃子の不倫の証拠でも見つけて激昂したのかと思いきや、単に「スマホを見せてくれない」という理由だけで暴れ出したのだから、弘毅はガチでヤバいヤツなのだ。
「不謹慎だけど、麻矢と友里香が羨ましいよ」という璃子の気持ちもわからないでもない。不倫はいかんけど。
ここで麻矢が思い出すのは、大学時代の3人だ。まだまだ結婚に理想を抱いていられた幸せな青春時代を振り返る麻矢…。今の行き詰まりまくったそれぞれの夫婦の現実を思うと、ちょっと泣けてきてしまう。
さらに、ここからのラスト8分。そんな現実の彼女たちの夫婦関係が、観る者が予感していたとおり、危険な方向にそれぞれ転がり始めるのである。
まず、友里香と哲也の夫婦。気を失った哲也を殺そうとガムテープでぐるぐる巻きにした、あの夜の3人の行動を、なんと結菜がこっそり見ていたことが判明!しかも、哲也がいいパパになったのは「ママたちにぐるぐるされたから?」と、結菜は無邪気に哲也に話してしまうのだ。
一方、「会わないほうがいい」とか言ってたくせに、なんだかんだ不倫を続行中の璃子。亮介との逢瀬を楽しむホテルに、璃子のスマホで位置情報を確認した弘毅が訪ねてくる予想外の展開に!!ここで弘毅に不倫バレしてしまうのか?
そして、麻矢は麻矢で、先日のインタビューについて瑤子から「嘘ついてない?」と問いただされ、「ついてないですよ」と嘘を突き通すのだが、ちょうどそのタイミングで警察から職場に電話がかかってきてしまうのだ…。
友里香の家では、ついに哲也の記憶が蘇った様子…。柔和な”いいパパ”から鬼のような鋭い目つきに変わっていく塚本高史の演技が怖すぎて素晴らしい…!
三者三様でそれぞれヤバすぎる展開に!といったところで第3話は終幕。次回、3組の夫婦はどうなってしまうのか?早く続きが見たい!!
第3話はこちらから
第4話予告編はこちらから
公式サイトはこちらから
安達祐実・相武紗季・磯山さやか主演の夫婦愛憎ミステリー『夫よ、死んでくれないか』第2話をレビュー
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
ある時、麻衣は恋愛のトラウマを作った張本人である元カレと遭遇してしまう。彼の心ない言葉に傷つく麻衣に、上下はそっとキスをする。 突然のキスに麻衣は上下を意識せざるを得なくなり……。
安達祐実・相武紗季・磯山さやか主演の夫婦愛憎ミステリー『夫よ、死んでくれないか』第2話をレビュー