畑さんは大門派?土屋派?『パティスリーMON』主演・畑芽育の俳優業への向き合い方
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畑さんは大門派?土屋派?『パティスリーMON』主演・畑芽育の俳優業への向き合い方

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テレ東系のドラマNEXT枠で放送中のドラマ『パティスリーMON』。同名人気マンガを原作に、お菓子作りの好きな主人公・山崎音女(おとめ)が、元家庭教師だったパティシエの土屋幸平(中川大輔)に誘われて、憧れの土屋とぶっきらぼうなオーナー・パティシエの大門勇(濵田崇裕)らと共に、洋菓子店パティスリーMONで働き始め、仕事に恋に励むことになる“あまキュン”ラブコメディです。恋愛経験の少ない音女役を演じたのは、出演作が相次ぎ大活躍中の畑芽育さん。共感する点が多かったと明かす今回の役やドラマの魅力について、また、物心つく前から芸能界で生きてきた畑さんならではの俳優業への想いなどをたっぷりと語っていただきました。

演じるときは、音女ちゃんに感情移入していただけるかを大切に

——今回のドラマに出演が決まった際、特に魅力を感じた点を教えてください。

畑:登場人物たちの三角関係や甘酸っぱいシーンにキュンキュンしますし、洋菓子店が舞台なので、劇中に登場するスイーツが実写でどう表現されるのかが、すごく楽しみでした。それにラブストーリーだけでなく、私は本格的な職業ものの作品が初めてに近かったので、主人公の音女がパティシエとして仕事の中で成長する過程を演じられることにも興味を持ちました。

——主人公の山崎音女を演じるうえで、どんなふうに原作を参考されましたか?

畑:原作者のきら先生や原作ファンの方々など、この作品を大事にしていらっしゃる方々へのリスペクトを忘れずに、何度も読ませていただきました。一気に心を惹かれるすごく魅力的な作品だと思いましたし、音女ちゃんはコミカルに表情がコロコロ変わる女の子でしたので、原作の絵に描かれているその表情も生かしたいと思いました。読者目線で考えてみたりなど、音女ちゃんを演じる上でのたくさんのヒントをいただきました。

——主人公の山崎音女さんは、どんな人物だと思って演じていますか? 

畑:音女ちゃんは、本当に真面目だし、負けず嫌い。パティスリーMONで働くことになってからは、女の子に対して偏見を持っているちょっと堅物なオーナーシェフの大門さんに対して、男勝りな部分が出てしまうけど、恋愛は不慣れでピュアな部分もある。

初恋の相手だった土屋先生と上司となる大門さんという2人と接する時、それぞれだけに見せる表情や一人でいる時のモノローグの表情など、いろんなバランスを踏まえた上でどうお芝居のアクセントをつけていこうかと。2人との三角関係などキュンキュンするシーンを楽しみに見てくださる方も多いと思うので、主人公の音女ちゃんにいかに感情移入していただけるかが大事になる。私にしかできない音女ちゃんをどう演じ、どうしたらかわいく見えるだろうかということなど、いろいろ考えながら演じています。

畑芽育さん_02

あたたかいご飯や甘いものは人の心を豊かにしてくれる

——制作発表記者会見では、お菓子作りの練習や、カスタード作りで腕がパンパンになったとおっしゃっていましたね。

畑:クランクイン前に、パティスリーMONで働く皆さんと一緒にお菓子作りの練習に参加し、朝から夕方まで、お菓子を作っては並べて箱に詰め、洗い物をして、試食してという、1日中お店のアルバイトみたいな感じで一緒に過ごさせてもらうことがありました。リハーサルも何度か重ねさせていただいたので、共演者の皆さんと打ち解けるスピードがすごく早かったですし、実際の撮影に入った時にはすごく和んだ雰囲気で演じることができました。

いろいろ準備することは多かったけれど、河原瑶監督もすごく丁寧に指示してくださるので、皆さんと楽しくお芝居できています。

——パティシエ練習などの準備期間も役作りのひとつになったわけですね。脚本の巻末には、パティスリーMONで働く各キャラクターが、勤務時間中にどのような仕事をしているのか、タイムスケジュールやそれぞれの仕事の役割などが一覧表になっているとお聞きしました。

畑:そうなんです!各キャラクターにしっかり役割を与えていただいているので、それぞれに陰でも個人練習を重ねていたり、直接カメラに映っていないカットでも、お店の中のそれぞれの役割でずっと動くことができるんです。

撮影現場では、スイーツ作りの指導の先生が完成直前まで作ってくださるし、厨房のセット内でも本番直前まで隣にいてくださるんですけど、先生がやる工程の一部を、「私がやります!」と言って率先してやらせていただいたりもしています(笑)。待合室が大きい厨房にもなっているので、監修で入ってくださっているプロのパティシエの先生方が作ってくださるケーキや、制作部さんが作ってくださるお昼ご飯などを、近くで見ながら実際に食べることもできるんです。あたたかいご飯や甘いものって、本当に人の心を豊かにするなあと、改めて感じました。

——おいしい食べ物がある現場は、皆さんの士気もあがりそうですね。

畑:すごく環境が整っていて、心の持ちようが違うんです。現場に足を運ぶのが毎日楽しみです。自分自身がスイーツを食べなくても、小麦粉や砂糖などの粉が、卵が、あんなに美しいケーキになってしまうんだと、作る過程を見るのもすごく楽しくて。お店に並んでいるケーキやスイーツを「もっと大切に見て!」って、以前の自分に言ってあげたいです(笑)。

ケーキ1つにも、作る方の時間と労力、さらにはセンスやアイデアなどがいろいろ詰め込まれているし、本当に大変な作業を経て作られているんだと知ることができ、すごくいい経験をさせていただいています。撮影現場の全員がパティシエというプロフェッショナルなお仕事に対してリスペクトを持って挑んでいます。

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音女ちゃんには、仕事への姿勢も負けず嫌いも共感できる

——音女という役には、ご自身との共通点などを感じましたか?

畑:負けず嫌いなところは、ものすごく共感できた部分でした。私は小さい頃から芸能界でお仕事をしてきて、他人に負けないようにずっと競いながら走り抜けてきたので、音女ちゃんが女の子だからと馬鹿にされたくないという強い気持ちで、大門さんに認められるためにがんばる姿や、本当にひたすらにお仕事が大好きで、ひとつのことに集中してやっていくところは、すごくわかるなあと。

——音女の食べる人に喜んでもらいたくてお菓子作りに励む姿も、畑さんが俳優業に取り組む姿勢と共通する部分がありそうですね。

畑:ものすごく近いものを感じています。私としては、俳優というお仕事の根本には、見てくださる方があたたかい気持ちや優しい気持ち、幸せな気持ちになっていただける作品を届けたいという思いが1番にあります。特に新年からすごく心の痛む災害や事故が続いた中、私にできることはなんだろうと、すごく考えこんだ時間がありました。そういった時に、やっぱり俳優というエンターテイナーでもあるお仕事をさせていただいているのだから、作品を通して辛い思いをしている方々にエールを贈ったり、少しでも明日への希望や活力がわくような作品を届けられたらいいなと。

だからパティスリーMONで働くみんなが、食べ物やスイーツを作り、それを食べたお客様が喜ぶ姿が嬉しいという、誰かの役に立ちたい、救いたい、喜びを与えたいみたいな気持ちを持ってお仕事に取り組む姿勢は、俳優としての自分の気持ちとも重なることが多かったです。

畑さんは大門派?土屋派?

——大門役の濵田崇裕さんと土屋役の中川大輔さんと共演してみての印象を教えてください。

畑:最初にポスター撮影で、それぞれの役の衣装や髪型になられたお二人を見た瞬間に、もう完全に濱田さんは大門さんで、中川君は土屋さんにしか見えなくて、お二人共に“役が降りてる”と思いました。「私もしっかり音女ちゃんを憑依させてがんばらなきゃ、負けてられないな!」と、すごく鼓舞されました。

一緒にお芝居をさせていただいても、お二方とも伸び伸びされていますし、和やかで、私はなんの違和感もなく、大丈夫かなっていうぐらい、リラックスさせてもらっています(笑)。原作マンガの世界がそのままドラマになっているのではないかと思っています。

——大門と土屋、それぞれの魅力はなんでしょう。

畑:大門さんは、最初はつんけんしているし、女はダメだなんていう、現代にはそぐわない発言もしていたので、音女ちゃんは敵対視していたんですけど、徐々にちょっと弱い部分やお仕事に対する熱量、真剣な表情が見えて惹かれていくんです。土屋先生は、とにかく優しいし、普段は穏やかで誰に対しても分け隔てなく接するのに、元恋人の雪さんが音女ちゃんのことを悪く言ったりすると、かばうようにちょっとむきになったりして、音女ちゃんだけを特別扱いしてくれる王子様的なかっこよさがあります。取材などで「畑さんは大門派ですか?土屋派ですか?」とよく聞かれますが、どちらにもそれぞれの魅力があるので選びきれません(笑)。

パティスリーMON_場面写真

——大門とは絶叫マシンに乗るシーンもありますが、その撮影はいかがでしたか?

畑:(この取材時点では)まだ撮影していなくて、もうすぐ撮影予定なんです。劇中では絶叫マシンを、音女ちゃんは好きで、大門さんは苦手だけどストレス発散のために乗っているという設定ですが、実際は真逆で、大門役の濱田さんはその撮影をすごく楽しみにされていますが、私はあまり得意じゃないので、本当は乗りたくなくて、考えると緊張して吐きそうなほど、ドキドキしています(苦笑)。

スタート地点に立って、1歩踏み出したところ。でも大きな1歩

——次々と切れ目なく主演作や出演作が相次ぎ、お忙しい日々を過ごしていると思います。俳優として着実にステップアップされていると思います。

畑:まさにここ最近、自分を俯瞰して見てみようと心掛けていますが、現場での居方などをどうしたらいいんだろうという悩みがあります。小さい頃からお仕事をさせていただいているので、少なくない現場の数も踏んできた中、フレッシュさが欠けているかなとか、それとももっとしっかりした方がいいのか。以前にも、いつ子役じゃなくなるのかな、大人の女優としての立ち位置を確立するにはどうしたらいいんだろうと、いろいろ考えたこともありました。ただ純粋にお芝居が好きな気持ちだけでがむしゃらに走ってきたので、ものすごく熱い信念や憧れの目標などがあるとは言えなくて。

でも、見ていただく方に喜んでほしいという気持ちから発生しているエネルギーで、毎日の現場を乗り越えているので、今はその気持ちだけでこのまま走っていけたらと思っています。だからまだ全然余裕はなく、やっとスタート地点に立って、1歩目を歩み始めたような感じです。でも大きな1歩だなとも感じています。俳優という仕事にはゴールがないですし、上には上がいると思って、常に高みを目指してやっていきたい。昨日より今日、去年より今年と、着実に毎日毎日成長して、少しでもいいから自分のことを褒めてあげられるようにがんばっていきたいです。

——子役との分岐点のような時期や作品はあるのですか?

畑:どのタイミングで自分が子役の殻を破ったのかといった、はっきりとした分岐点はないのですが、今回のドラマのように主演という大事な立ち位置でドラマを任せていただけるようになってきたことで、見てくださる皆さんも、ここ最近でようやく、子役だった時の私と今の私とが一致したり、認識してもらえるようになってきたように思います。

挫折しそうになったこともあったけど、小さい時からやってきたことが何一つ無駄になっていなくて、本当に続けてきてよかったなと思うことも、最近すごく多くて。どの瞬間も、どの現場でも、毎分毎秒いろんなものを吸収しながら、次の現場でそれを生かしてということをずっと繰り返しやってきたら、今のような感じになっちゃいました(笑)。

——本当に最近の活躍ぶりは目を見張るものがありますし、今後も楽しみにしています。

畑:活躍しているなんてとんでもないですし、まだまだこれからなので、がんばります!今回のドラマは、ラブコメでもあり、お仕事ものでもあり、いろんな要素が組み合わさった面白いドラマになっていると思いますので、ぜひ皆さんにご覧になっていただきたいです。

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(プロフィール)
畑芽育(はた・めい)
2002年生まれ。東京都出身。1歳から芸能活動を始める。2023年公開の映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』でヒロインを務め、ドラマ『最高の生徒〜余命1年のラストダンス〜』では連続ドラマの初主演をそれぞれ務めた。近年の主な出演作にドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』『女子高生、僧になる。』『たとえあなたを忘れても』など。


パティスリーMON』

パティスリーMON
(C)「パティスリーMON」製作委員会

運命的な恋愛を信じるまま21歳を迎えた山崎音女(畑芽育)は、勤めていたスーパーの閉店により無職となり、再就職に悩んでいた。そんな中、趣味で作ったお菓子を紹介していた音女のSNSに、かつて憧れていた家庭教師の男性、土屋幸平(中川大輔)からメッセージが届く。

再会を果たした土屋はフランス洋菓子店パティスリーMONでパティシエを務めており、音女は彼に言われるがまま店で働くことに。オーナー・パティシエの大門勇(濵田崇裕)はかつて働いていた女性たちの印象から音女に厳しくあたるが、彼女の懸命かつ正直な仕事ぶりに感心し、めでたくパティスリーMONの一員として迎え入れられる。

ずっと憧れていた“先生”と一緒に働けることで期待は膨らむが、純粋な音女の恋は波乱へと巻き込まれていく...!?

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