テレビ東京系にて毎週月曜よる11:06より放送中のドラマプレミア23『さらば、佳き日』。本作は、茜田千による同名タイトルの人気漫画を原作に据え、山下美月(乃木坂46)と鈴木仁のW主演で贈るヒューマンラブストーリーです。ある地方都市に引っ越してきた"新婚夫婦"の秘密、それは2人が兄妹であること。親や友人、職場や近所の人々など、2人を取り巻く様々な人間関係が描かれます。
今回は、広瀬晃役の山下美月にインタビュー。兄・桂一に想いを寄せる実の妹という難しい関係性の表現に挑んだ彼女に、役作りや撮影現場の雰囲気などについて聞きました。
——まず、本作への出演が決まったときの感想を聞かせて下さい。
山下:原作の漫画があるということで、全8巻すべて目を通させていただきました。私自身、一人っ子なので、 “兄がいる”という感覚は普段全く持っていないのですが、それでも、兄の桂一と妹の晃との間に生まれている絆や関係性が、すごく繊細に淡く美しく描かれている作品だなと思いました。これを実写化するのは大変なことなんじゃないかなと思いつつ、ぜひやらせていただきたいなと思いました。
——事前に発表されたコメントで「強さと脆さに胸を打たれて出演を決心した」とおっしゃっていましたが、どんなところに「決心」が必要だったのでしょうか。
山下:今まで出演させていただいたものとは違ったテーマの作品で、どういうふうに晃と桂一の兄妹の愛を感じてもらえるかというのが、正直自分でも想像がつかなかったんです。観る人それぞれの感性で、色々な気持ちで受け取ってくださるんだろうなということを考えていたので、どれだけ丁寧に繊細に演じられるのかという不安もありました。自分の殻を破って、勇気をもってお芝居しないといけないなという気持ちの中で、決心しました。
——そうした不安な気持ちは現場に入って解消されましたか?
山下:そうですね。監督やスタッフさんたちも、この作品についてすごく熱心に考えてくださっていて。他のキャストさんも含め、「自分は原作を読んでこう思った」とか、それぞれ受け取り方が全く違ったので、「そういう見方もあるんだ!」という発見がありながら、1個1個のシーンを作っている感じなんです。これだけ丁寧に作品作りをしてくれるチームなら、私も頑張るだけだ!と思って、今はすごく安心して撮影をしています。
——演じる晃という役柄について、どんな印象をお持ちですか?
山下:しっかり者で、世話好きで、家事も得意で。一見、大人びた感じの女の子ではあるのですが、原作を読み進めていくうちに、良い意味でピュアだし、子どもの部分が強いんだな、と感じるようになりました。すごく真っ直ぐでちょっと頑固なところ、自分の芯を曲げないブレないところが、同じ女性から見ても、強くて逞しいなと思います。でも、ガラスのハートの部分もあったり、とてもかわいらしい女の子だと思いました。
——晃は桂一のどんなところに惹かれているのだと思いますか?
山下:その話題は、この作品に入る前からずっと考えていて。原作でも明確なタイミングは描かれていないですし、撮影に入る前に監督からも「分からなくていい。分からないという感覚を大切に演じてほしい」と言われていて。きっと、物心ついたときからお兄ちゃんがいつも傍にいて、晃が成長する中で、気持ちが揺れ動く瞬間が桂一と一緒にいる時間だったということが大きいのだと思います。好きになったというよりも、この人がいないと生きていけない、という気持ちが強かったんだなというのは、演じていてすごく感じました。
——そんな晃に共感できる部分はありましたか?
山下:実際の兄と妹の距離感は正直分からないのですが、ずっと一緒にいるからこその“無言でも心地の良い時間が流れるような関係性”って、何よりも大事にしたいものだなと思います。友だちもそうですが、それが家族だと、よりかけがえのないものだと思うことが多いですし、きっと晃にとってもそれは何にもかえがたいものなんじゃないかな。そういうところは共感します。
——山下さんが思う、この作品の魅力はなんでしょう?
山下:温度感が独特な作品だなと思っています。私が演じさせていただいている晃という役も、ちょっと冷たそうな儚い雰囲気が出ているのですが、裏では本能的・情熱的に生きているという面もある。でも映像としては、そこまで高くない温度で描かれているというか。それぞれの登場人物がすごく人間的で生々しく生きていて、力強さを感じさせますが、気持ちの良い、爽やかな感じで作られているのが、個人的に好きなところです。
——兄・桂一を演じる、鈴木仁さんの印象を教えてください。
山下:兄妹なので、最初からどれだけ壁を作らずにお芝居できるかがすごく重要だなと思っていたのですが、実際にお会いしてみたら、優しくて、お芝居に対してもすごく真剣に取り組んでいらっしゃる方だなと感じて、兄妹としてとても居心地良くご一緒できています。
——そんな鈴木さんをはじめ、共演者の方々とお話して印象に残っていることや面白かったエピソードがあれば教えてください。
山下:私とメインキャストの鈴木仁さん、伊藤あさひさん、加藤小夏さんの4人が全員同い年という奇跡があって!24歳が揃ったので、本当に学校の自由時間みたいな感じで、みんなで喋っていますね。
私は鈴木仁さんとのシーンが多くて、今日(取材時)も朝、一緒に撮影をしてきました。前の取材会のときに私の印象をたくさん聞かれたという話をしてくれていたので、「私が印象を聞かれたら何て答えたらいい?」って聞いたら「紳士な人ですって言って!」って言われたので今、言っておきます(笑)。
——実際のところは、本当に紳士的だったのですか?
山下:まあ、はい(笑)。いい感じに優しいです!
——すでにドラマの放送が始まっていますが、山下さんの元にはどのような反響が届いているのでしょうか?
山下:放送が終わったら、いつもSNSで皆さんのコメントや感想をこっそり読ませていただいているんです。今回はスローペースな感じでお話が進んでいくからか、皆さんもじっくりとストーリーを楽しんでくださっているのを感じますね。登場人物それぞれに寄り添ってみっちり感想を書いてくださる方も多くて、本当に嬉しいです。
——熱いコメントを書けば、山下さんが必ずチェックしてくれる?!ということでしょうか(笑)
山下:それはもう、運とタイミングになってしまうのですが(笑)。でも、私は感想をよく見るタイプなので、本当にたくさんの方がドラマを観てくださっているんだなと思うとありがたいですね。
——乃木坂46のメンバーからは、何か反響はありましたか?
山下:晃は家事をするシーンが多いので、後輩のメンバーが「ドラマを観て、家事を頑張りました!」って言ってくれたときは「かわいい!」って思いました(笑)。
——最後に3話以降の見どころや、注目して欲しい点を教えてください。
山下:小さい頃から今までずっと一緒だった晃と桂一が、ついに離れ離れになるという決断を下します。離れて暮らす期間、晃は桂一のことを忘れようという気持ちが強くて、桂一はそんな晃のことをずっと想って生きていて。そうしたすれ違いが描かれていくので、お話もより切なくなっていくのですが、最終話に向けて、2人の関係性が離れていくのか、縮まっていくのか、すごく絶妙に撮っていただいているので、その距離感に注目していただければ嬉しいなと思います。
◆番組情報
ドラマプレミア23『さらば、佳き日』
毎週月曜よる11:06~11:55放送
地上波放送終了後、動画配信サービス「U-NEXT」にて配信
<STORY>
絵本の出版社に勤務している桂一と、保育園で保育士として働く晃。新婚夫婦としてある地方都市で新しい生活をスタートさせた2人は、穏やかに仲睦まじく日常を送っていた。そんななんでもない普通の夫婦の、なんでもない普通の日常生活。しかしその影にはある大きな秘密があった。
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