『ハリー・ポッター』のワンシーンに参加できる極レア体験。没入感抜群の体験型施設「スタジオツアー東京」をレポート!
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『ハリー・ポッター』のワンシーンに参加できる極レア体験。没入感抜群の体験型施設「スタジオツアー東京」をレポート!

2023.06.21 10:00

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「としまえん」跡地に誕生した『ハリー・ポッター』のスタジオツアー施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」が6月16日にオープン。門をくぐった瞬間から、そこはもう『ハリー・ポッター』ワールド。2012年に開業し1700万人以上が訪れた「スタジオツアーロンドン」に次いで誕生し、世界最大規模の屋内施設となる「スタジオツアー東京」には映画に登場したセットや小道具、クリーチャーがそのままに。魔法省アトリウムや「ファンタスティック・ビースト」の衣裳など、ここでしか見られないセットや小道具も披露されています。映画制作“匠”の技術を間近に見られるだけでなく、映画のワンシーンに参加し記念写真を撮る体験エクスペリエンスも盛りだくさんと、興奮しっぱなしの1日の体験をリポートします。

フォトジェニックな撮影機会がいっぱい!

記念すべき第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』が2001年に公開されてから20年超。2011年に第8作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』でシリーズが完結してからもその人気は根強く、その世界観は2016年からスタートした『ファンタスティック・ビースト』シリーズに引き継がれています。東京ドーム2個分、約9万平方メートルの広大な敷地に建てられた「スタジオツアー東京」には、この2つのシリーズの世界観をどっぷり楽しめる仕掛けが随所にちりばめられていました。

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その内容はあまりに濃く、1日あっても足りないほど。映画に携わったクリエイターたちが手作業で完成させたセットや小道具の再現率はハンパなく、設計図やデザイン画などのアートワーク、解説ボードを一つひとつ見ていくと、あっという間に時間が過ぎていきます。加えて、写真撮影が可能な箇所も多く、気が付いたら300枚近くの写真を撮っていました。

個人的に感慨深かったのは、見る者の願望を映し出す「みぞの鏡」。未来の自分が見えるのではないかと妄想しながら鏡の前に立ち撮影。あとはやはりホグワーツへの出発点、キングス・クロス駅のプラットホーム「9と3/4番線」でのショットは必至でしょう。シリーズファンのみならず、鉄道ファンの心も鷲掴みする記念写真が撮影できます。

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嬉しいことに、“インタラクター”と呼ばれるスタッフが、入構したホグワーツ特急とのショットを撮影してくれました。壁にスーツケースを乗せた手押しカート車が入っていく瞬間の撮影スポットもあり、映えること間違いないでしょう。

ほか、グリーンスクリーン体験として、箒に乗ってロンドンの上空を飛んだり、指名手配ポスターを撮影してもらったり、クィディッチの試合を応援しているムービーを制作してもらったり……。その撮影体験は、大人でもテンションがあがります。箒に乗った写真&映像と指名手配ポスターは有料ですが(写真5種、ムービー1種=5000円)、それ以外のシーンの撮影は無料というのもファンには嬉しく、あちこちで撮影会が開かれていました。

スタートはホグワーツ魔法魔術学校の大広間から

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では、順に「スタジオツアー東京」のコースを追っていきましょう。

まずツアー・エントランスに集合し進んでいくと、入り口に「2000年9月29日(金)撮影初日。レガシーの始まり」とあり、『ハリー・ポッター』シリーズの撮影スナップのパネルが並びます。行き着いた部屋には90カ国のポスターと共に、監督をはじめとするスタッフの紹介パネルが展示。そして、動く肖像画よろしく、額の中の映像に『ハリー・ポッター』のプロデューサー、デヴィッド・ハイマンと原作者のJ・K・ローリングが登場、映画化されるまでの話を語ってくれます。

さらに奥へ進むと大スクリーンがあり、ハリー、ロン、ハーマイオニーを演じたダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンが撮影の裏話を披露。これから始まる映画製作の舞台裏を案内してくれるツアーへと誘います。

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最初に訪れるのはホグワーツ魔法魔術学校の大広間。衛兵の石像が周りに配された重厚な扉を開けると、お馴染みの大空間が広がります。両サイドに全生徒400人以上が着席する長テーブルと長椅子が配され、右手にはハッフルパフとグリフィンドール、左手にレイブンクローとスリザリンの制服や紋章が展示。壁には寮をイメージしたヘビ、アナグマ、ライオン、ワシの彫刻がずらり並びます。

奥にはダンブルドア校長はじめ、先生たちの衣裳が展示されているほか、ハリーたちの寮を決めた、あの「組分け帽子」や各寮の得点を示す「寮別ポイント計」も確認できます。フクロウの演台、ステンドグラスの窓、テーブルには金のブタを象ったポットと銀の皿、金のカップが並べられるなど、セットはもちろん小道具へのこだわりに、ただただ圧倒されます。

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大広間を抜けると、『ハリー・ポッター』シリーズだけで588点のセットをデザインしたスチュアート・クレイグ率いる美術チームのデザイン画、模型などが展示。その多くは現実の世界を基に造られているのだそう。クレイグの「魔法の力は、現実から生まれてこそ強くなる」との言葉にも説得力があります。だからこそ、魔法界がリアルに感じられるのでしょう。セットを飾り付けた装飾のステファニー・マクミランのオフィスも忠実に再現されていました。

一番の盛り上がりを見せるクィディッチ観客体験

大広間を抜けると、グリフィンドールの談話室と男子寮があります。赤を基調としたアットホームな雰囲気の談話室には大きな暖炉があり、壁には有名な中世のタペストリー「貴婦人と一角獣」が飾られています。このセットは完成まで、大広間と同じく約3カ月かかったそう。ハリーがダーズリー家から離れて初めてクリスマスを祝い、ハーマイオニーが暖炉の前でネビルを石に変え、ロンが寮生とクィディッチの勝利を祝ったシーンなどが印象に残ります。

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男子寮はストーブを囲むようにロン、ハリーらのベッドが配置。ハリーのベッド脇にはトレードマークの眼鏡が置かれていました。一方、スリザリンの談話室は緑を基調とした無機質で冷たい印象。壁には「一角獣狩り」のタペストリーが飾られています。

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そして、グリフィンドールとスリザリンの談話室の間には、クィディッチの観客体験ができる「撮影エクスペリエンス」が設けられています。ここではハリーが初参戦した『賢者の石』の試合を再現。グリフィンドール、スリザリンのどちらかのチームにつき、声援やブーイングなど実際に声を出しジェスチャーを交えて応援する様子を撮影します。それらのシーンを合成した映像のダイジェスト版はダウンロードすることもできます。

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ほかシリーズに登場した小道具、衣裳などが展示されていますが、特殊効果の仕掛けも披露。白眉は魔法の水盆「憂いの篩(ふるい)」で、白い煙の中から再現された記憶が水の上に映し出されます。オリジナルデザインのデスイーター(死喰い人)マスクを作成する体験コーナーも秀逸で、マスクの形、色、文様などをセレクトすると、出来上がったマスクが浮かび上がります。

記憶のラベルが付いた小瓶がぎっしり詰まった棚や、造型が美しい天文機器、大型望遠鏡などが置かれた、グリフィン像のらせん階段を擁するダンブルドア校長室。ガラスの標本が並んだ妖しいスネイプ先生の魔法薬学教室。生徒たちが利用する図書室も美術館のように美しい本が飾られるなど見応えがあります。

嬉しいのは、実際に魔法の杖を使った防衛術の授業もある「闇の魔術に対する防衛術の教室」。魔法の杖も貸してもらえるので気軽に参加、エクスペクト・パトローナム(守護霊の魔法)の呪文を決めポーズで試し、闇の魔術と対峙する貴重な体験もできます。

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ハリーたちも飲んだ名物ドリンク、バタービール

ここで前半エリアが終了。屋外に建てられたハグリットの小屋を通り抜けると、いきなり景色が開け、野外展示のエリア「バックロット」へ到着。ここではプリベット通り4番地にあるダーズリー家をはじめ、『アズカバンの囚人』に登場した紫色の夜の騎士(ナイト)バス、ホグワーツ橋、『賢者の石』のチェスの駒などのセットがありました。

ダーズリー家の中に入ることもでき、ハリーが暮らしていた階段下の物置部屋はもちろん、キッチン、リビングなども見ることができます。物置部屋にはハリーのパジャマや靴がそのまま残されていました。そしてリビングでは『賢者の石』で学校からの手紙が暖炉から噴き出すシーンを、その隣の部屋では『アズカバンの囚人』でハリーが風船のように膨らませたマージおばさんが宙に浮いているシーンを再現しています。

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ダーズリー家の前にはハグリッドが乗っていたサイドカー付きバイクと、『アズカバンの囚人』で登場した空飛ぶ車があり、乗り込むこともできます。さらには左方向にナイトバスと魔法省の入り口の電話ボックスが展示。右方向には巨大な木製のホグワーツ橋があり、雰囲気あるショットを撮影したい来場者の人気を集めていました。

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休憩がてら立ち寄りたいのが、開放感のあるテラス席が並ぶバタービールバー。劇中にも登場する「バタービール」を飲むことができます。ビールと言ってもアルコールは含まれておらず、甘いクリーム泡が乗った炭酸ジュース(1100円)で、一気飲みは難しい濃厚な味わい。サイドメニューとしてポテトチップスやポップコーンもあり、小腹を満たせる格好の場所でした。しかも飲み終えたグラスは洗い場で洗い、用意された袋に入れて持ち帰ることができます。

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しっかり食事をしたければ、魔法ワールドをテーマにした料理とデザートが楽しめるバックロットカフェへ。各寮をイメージしたプレート料理(2800~3200円)やハリーの白フクロウ、ヘドウィグを模したケーキ(1500円)といった映えるメニューのほか、アンブリッジ教授にインスパイアされたアフタヌーンティーや英国料理フィッシュ&チップスなどもあり、本物のビールが飲めます。


東京限定の展示もある9と3/4番線と魔法省のセット

バックロットを抜けると、前述したロンドンのキングス・クロス駅に到着。再現されたプラットホーム9と3/4番線の先にはホグワーツ特急の関連商品を販売するレイルショップもあり、ここだけの限定商品をゲットすることができます。まさに電車に乗る前、お土産を選ぶ乗客のような体で買い物ができるのもリアルで嬉しくなります。

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実物大のホグワーツ特急の中に入ることもでき、観たことのあるシーン、ホグワーツ魔法魔術学校に向かう生徒たちの様子を見ることができます。車両後方部の窓からはハリーが苦手とする吸魂鬼ディメンターが飛び交う様子が見られ、凍り付く車両を目の当たりに。

出色はスタジオツアー東京限定の展示『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』に登場した「The Great Wizarding Express(ザ・クレート・ウィザーディング・エクスプレス)」。30年代の流行を再現したコリーン・アトウッドの衣裳には定評がありましたが、そのデザインをじっくり見ることができます。まさに東京だけの醍醐味。

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そしてもう一つのスタジオツアー東京の目玉、ロンドンの10倍はあるともいわれる魔法省のフルスケールセットへ。魔法省の出入り口として使用されていた高さ9メートル超の暖炉をはじめ、ビクトリア様式の建築物をモデルにした緑のタイルが美しいオフィス棟、『死の秘宝 PART1』に登場した銅像など、圧倒的な存在感を放つスケールの大きいセットに圧倒されます。

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実際、セット内部に入れるのも東京ならではの展示ですが、魔法省の職員たちと同じようにフルパウダー(煙突飛行粉)を使って移動する通勤スタイルを再現したムービーを撮影してもらうことができます。具体的には暖炉の一つに入り、スモークや照明によってまるでフルパウダーを体中に振りかけているかのような魔法効果を演出。このムービーもダウンロードできます。


締めくくりはダイアゴン横丁とホグワーツ城全景模型

スタジオツアー東京の見どころは、セットや小道具の展示だけではありません。屋敷しもべ妖精トビーや伝説の生き物ヒッポグリフのバックビーク、ゴブリンなど、劇中の重要なキャラクターを創り上げるクリーチャー制作室ではキャラクターデザインからモデリング、アニメーション、映像合成などの制作過程を詳細に披露。映画音楽、音響など、細部にわたってシリーズの制作現場を紹介するエリアの充実ぶりも圧巻でした。

そして、グリーンスクリーン技術を体験できるエリアでは、箒にまたがりロンドンの街やホグワーツ城の回りを飛び回るムービーや記念写真を撮影。ここで重要なのはハリーになりきり、体中でこの貴重な体験を楽しむこと。躊躇したり、照れがあったりすると絵にならないので、思いっきり弾けることをお勧めします。

締めくくりはホグワーツ魔法魔術学校の生徒たちが新学期の準備の買い物をするダイアゴン横丁のセットへ。石畳の通りに所狭しと軒を連ねる商店街には魔法道具を取り扱うショップはもちろん、洋装店、ペットショップなど、劇中でも人気の15店舗が並んでいます。色彩もカラフルで、店内を見ることができるショップも。

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出口に続く通路には、最後の最後まで劇中で使用された小道具、壁紙、ポスターなどなどが美しく展示され、来場者を最後まで飽きさせない工夫には感嘆するばかり。頭が下がる思いでした。また、シリーズを愛してやまないスタッフの心意気、魔法世界を創り上げた制作者と技術者のこだわりに触れ、知り、感じることで、オンタイムでシリーズを見続けてこられた幸せを改めて実感。若い世代や未見の人たちにもぜひ、この創造(想像)力を掻き立てる魔法世界に足を踏み入れ、圧倒的な映画的体験していただきたいところです。

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最後に、スタジオツアー東京の終わりに鎮座する、ホグワーツ城の外観を俯瞰できる巨大なセット模型を見ながら、スタジオツアー東京の長旅は幕を閉じました。

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また、スタジオツアーの前後でショッピングが楽しめるメインショップも豊富な品揃え。中でも、ツアーの出口からメインショップへ向かうエリアの一角には、劇中の登場人物たちが使っている杖などが天井まで積み上げられ圧巻です。『賢者の石』でハリーが初めてオリバンダーの杖店に入った時の気持ちがよくわかります。テンションが上がりすぎて、めまいすら感じてしまいます。

各寮をイメージした動物や魔法動物をモチーフにした杖や、ここでしか買えない東京限定デザインのヘドウィグの杖(4600円、4900円の2種)など、50種類近くを販売。ずらりと並んだサンプルの杖を振って選んでみてください。

ほか、ローブをはじめとした各寮の衣裳やグッズ、お菓子、スタジオツアー東京限定のアイテムも多く、買い物だけでもかなりの時間を使ってしまいます。ディープな魔法&映画世界を楽しんだ記念に、あるいはシリーズファンの方への贈り物として喜ばれること請け合いです。


「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」の詳細はこちら

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