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清水久美子ライター
「これこそ、王道ラブコメ！」という、笑いと胸キュン満載の『恋するプリテンダー』が、全世界興行収入300億円超えの、令和のラブコメ映画史上No.1大ヒットを記録。『トップガン マーヴェリック』や『ツイスターズ』などに出演する、大注目俳優のグレン・パウエルと、『マダム・ウェブ』やTVドラマ『ユーフォリア／EUPHORIA』で活躍するシドニー・スウィーニーが、お互いの望みを叶えるために恋人のフリをしたことから、グッと距離が近づいていく男女を好演しているラブコメディだ。
真夏のオーストラリアの豪華なリゾートウェディングを背景に、険悪ムードだった2人がフェイク・カップルを演じて、“タイタニックごっこ”をしたりする様子に大笑いしつつ、水着で接近する2人のちょっとセクシーなムードや、内心が明かされることで盛り上がるときめきなど、「こんなラブコメが観たかった！」と、ストーリーが進むにつれ満足感が増していく作品なので、全世界で大ヒットしたことに納得できる。
そんな『恋するプリテンダー』を観た後に、ほかにも笑ってときめいて満足できるラブコメを観たくなった人に向けて、おすすめ作品を紹介しよう。
『チケット・トゥ・パラダイス』
かつて、『オーシャンズ』シリーズで共演した、ハリウッドを代表する2大スター、ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーが離婚した元夫婦を演じる、爆笑のロマンティック・コメディ。
20年前に離婚したデヴィッド（クルーニー）とジョージア（ロバーツ）は、お互いに会うのを避けており、必要に迫られて会わなければいけない時でも、いがみ合ってばかり。ところが、ロースクールを卒業した2人の愛娘リリー（ケイトリン・デヴァー）が、旅先のバリ島で出会ったばかりの男性と結婚すると知り、「止めなければ！」という考えが一致する。2人は現地へと飛び、娘の結婚を阻止するミッションを始動させるのだが……。
ジュリアとジョージが、お互いの顔も見たくない元夫婦役で共演しているが、コメディが得意な2人のいがみ合いぶりが面白すぎる。いがみ合っていても、「大切な娘が弁護士になる将来を捨てて、よく知りもしない人と結婚するなんて……」という想いは同じで、止めるためのドタバタ劇が繰り広げられる中、夫婦だった頃の気持ちがよみがえってきたりする2人。ベテラン演技派俳優だからこそ魅せられる、ラブコメの魅力がたっぷりと味わえる。
リゾートでの結婚式が背景になっているところが、『恋するプリテンダー』と共通していて、目も心も潤うラブコメ映画として楽しめる。
『ザ・ロストシティ』
ロマンティックな冒険物語を執筆した小説家のロレッタが、変わり者の億万長者に誘拐され、南の島に連れ去られてしまう。ビジュアルは良いが、役に立ちそうもない本のカバーモデルのアランと共に、島からの脱出を試みるロレッタ。大自然の過酷な環境で予測不能のハプニングが連発する中、サンドラ・ブロックとチャニング・テイタムが演じる、凸凹コンビの間にロマンスが芽生えていく。胸がときめくラブコメ要素もたまらない、アクション・アドベンチャーだ。
アランの体にヒルが吸い付くシーンがあり、ロレッタの前で裸になって大騒ぎするところは、『恋するプリテンダー』にも似た場面があり、王道ラブコメの共通の見どころの一つとなっていて、大笑いせずにいられない。また、ブラッド・ピットがイケメンすぎる“救出者”役で登場し、ロレッタの目がハートになったり、おかしな億万長者役をダニエル・ラドクリフが怪演していたりと、見どころ満載！
アランはロレッタから見ると、薄っぺらなイケメンでしかなかったのだが、彼女を助けたくて一生懸命頑張る姿がいじらしく思えるようになっていく。大人の女性と年下男性のロマンスが描かれているので、アクション映画だと思って見逃していた人に、ラブコメ作品としても、ぜひおすすめしたい。
『アイ・フィール・プリティ！ 人生最高のハプニング』
アメリカの人気コメディエンヌ、エイミー・シューマー扮するヒロイン・レネーが、ありのままの自分を愛することの大切さを教えてくれる、最強ポジティブ・ラブコメディ。
自分の容姿にコンプレックスがあるレネーは、何事にも自信が持てず、仕事にも恋にも消極的。「一度でいいから美人の気持ちを味わいたい」と思っている彼女は、自分を変えようと通い始めたジムで、頭を打って気を失ってしまう。ところが、目を覚ましたレネーが鏡を見ると、絶世の美女に変身していた。実際は何も変わっていなかったのだが、そう思い込んだ彼女は、生まれ変わったように超絶ポジティブな性格に。自信に満ち溢れているレネーは、仕事も恋も全てが絶好調になっていき……。
自信を持って行動するレネーと出会ったイーサン（ローリー・スコーヴェル）が、「自分の欠点ばかりを気にする人が多いのに、君の自信は素晴らしい！」と、彼女に惹かれていく場面があるが、自分自身を肯定することで、恋愛もきっとうまくいくというメッセージが綴られている。
レネーの破天荒に近いポジティブさがコミカルに映し出されるが、キュンキュンできる要素もある本作。『恋するプリテンダー』の主人公たちも、虚栄心がありつつも、ありのままの自分として愛されたいという想いがあり、両作とも笑えて楽しいラブコメだが、心をつかまれる魅力を持った映画だという共通点があると言えるだろう。
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