『じゃあ、あんたが作ってみろよ』竹内涼真“勝男”、一方的なプロポーズからの成長に涙 最終回で夏帆“鮎美”に告げた最上級の愛とは
忍耐女と化石男の別れから始まった物語がついに完結。勝男が鮎美に告げた最上級の愛の言葉に、切なさと温かさが胸に迫った。
俳優の夏帆と竹内涼真がW主演を務めるTBS系火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が12月9日に最終回を迎えた。本作は、令和になっても昭和の価値観を引きずる化石男・海老原勝男(竹内)と、ハイスペックな男性と結婚して安定した人生を送るため、ひたすら勝男に尽くしてきた山岸鮎美(夏帆)の別れから始まる2人の成長&再生ロマンスコメディだ。
最初こそ、ジェンダー規範に基づいた発言で視聴者をドン引きさせていた勝男だが、鮎美にフラれたことをきっかけに自分の行動を省みて、不器用ながら価値観をアップデートしていく姿を竹内がチャーミングに演じて、最後にはみんなから愛されるキャラクターとなった。今回はそんな”勝男ロス”に陥っている方の心が癒され、かつもっと竹内に沼落ちすること間違いなしの作品を紹介する。
竹内涼真の代名詞とも言える清涼感を思いっきり堪能したい人には、2017年に公開された映画『帝一の國』をおすすめしたい。本作は、『ジャッジ!』(2014)や『世界から猫が消えたなら』(2016)の永井聡監督が、古屋兎丸の人気同名コミックを菅田将暉主演で実写化した学園コメディだ。
舞台となるのは、全国屈指のエリートが集まる超名門・海帝高校。そこに首席で入学した主人公・赤場帝一(菅田)は、将来の内閣入りが確約されている生徒会長になり、いずれは「自分の国をつくる」という野望を持っていた。そこで、まずは次期生徒会長最有力候補の2年生・氷室ローランド(間宮祥太郎)の忠実なしもべとなり、彼を選挙で勝たせるべく奮闘する。
耽美でシュールな古屋兎丸ワールドを実写で見事に表現した本作。見どころはなんといっても、暑苦しいほどの熱量で描かれる政治バトルだろう。一見、バカバカしくて笑えるのだが、己自身の野望あるいは惚れ込んだ誰かのため、なりふり構わず一生懸命になれる帝一たちの姿にはグッとくるものがあるはず。
また本作には菅田、間宮、野村周平、志尊淳、千葉雄大など、ありえないほど豪華な人気俳優たちが出演しており、抱腹絶倒の演技合戦を繰り広げていく。
一癖も二癖もある登場人物の中で一番まともなのが、竹内演じる大鷹弾。帝一と同じく1年生で、作中の台詞にもある通り、少女漫画から飛び出てきたような爽やかボーイだ。貧困家庭で育ちながらも、受験で満点に近い成績を叩き出し、奨学金で海帝高校に通っている秀才でスポーツも万能。
加えて、曲がったことが嫌いな正義感の強さで人望を集める完全無欠な役柄を竹内が見事に乗りこなしている。他のキャラクターに比べると服装も髪型も普通で、演技もナチュラルなのに没個性にならないのは流石。終盤に「あなたこそ生徒会長、いや今すぐ総理大臣になるべき!」と言いたくなるかっこいい見せ場が待っているので、期待してほしい。
「竹内涼真が出演した作品で一番好きなのは?」と聞かれたら、多くの人がこの作品を真っ先に思い浮かべるのではないだろうか。2017年7月期に放送された『過保護のカホコ』(日本テレビ系)だ。両親の愛情を一身に受け、大学生になるまで何の苦労も知らずに育った主人公の根本加穂子(高畑充希)が、自分とは真逆の環境で育ってきた青年・麦野初(竹内)との出会いをきっかけに人生観が一変し、自立するために奮闘する姿を描いた本作。このドラマで、“ハジメくん”こと初を好演した竹内に惚れ込む人が続出した。
まず本作における竹内は見た目が非常にシンプル。カホコと同じ大学の芸術学部に通い、プロの画家を目指しているハジメは汚れが目立たないためか、いつも黒Tに黒いズボンを着用している。「じゃあつく」の勝男もよく家で肌着の白Tを着ているが、竹内はこういう飾らない格好が似合う。
9頭身とも言われる抜群のスタイルに、“イケメン”よりも“男前”という言葉が似合う正統派の顔立ち。シンプルだからこそ、素材の良さが際立つのだ。Tシャツからは鍛え上げられた逞しい腕がのぞく、ワイルドな竹内の魅力を堪能できる。
また多くの人を夢中にさせたのが、そのツンデレっぷりだ。ハジメは幼い頃に母親が失踪して以降、高校卒業まで児童養護施設で育ち、奨学金で大学に進学。いくつものバイトを掛け持ちしながら、生計を立てている苦学生であり、ゆえに両親のもとでぬくぬく育ったカホコを見るとついイライラしてしまうのだろう。
トゲのある厳しい言葉もかけるけれど、なんだかんだ言いながらカホコの悩み相談に乗ってあげたり、泣いている彼女に胸を貸してあげたりと、ハジメの無骨な優しさを竹内が見事に表現している。
ネタバレ防止のために詳述は避けるが、第8話でハジメがカホコにしがみついて号泣し、それまでと立場が逆転するシーンが個人的に大好きだ。
「じゃあつく」でも勝男の号泣シーンが話題になったが、どうしてこんなにも竹内の泣き顔には胸を打たれるのだろう。もちろん、クールなイケメン役も似合うのだが、感情むき出しで人間臭い役こそ至高であり、竹内の良さが最大限引き出されると、再認識させられる作品だ。
『過保護のカホコ』で竹内涼真に惚れた人をさらに沼落ちさせたのが、2018年公開の映画『センセイ君主』。本作は幸田もも子による同名人気コミックを原作としたラブコメディだ。ヒロインの佐丸あゆは(浜辺美波)は告白7連敗中の恋に恋する16歳の女子高生。そんな彼女が次に恋したのは、新任の数学教師・弘光由貴(竹内)だった。
少女漫画好きから絶大な支持を受ける人気コミックだけに、実写化には一部の原作ファンから不安な声も上がっていたが、公開後は一転して高い評価を得た本作。その一つの理由が、原作にリスペクトを払った浜辺のハイテンション演技だろう。変顔も厭わず、コミカルに振り切りつつも、一生懸命で誰もが応援したくなるヒロインを見事に作り上げている。
また、そんな浜辺と一貫してクールな竹内とのコントラストもこの作品の見どころだ。竹内といえば、ワイルドな体育会のイメージがあるが、今回演じる弘光は典型的な理系。スーツにメガネ姿の竹内からは知的なオーラが漂っている。「竹内涼真って、こっちのタイプも完璧にこなせるの?」と驚くに違いない。
原作の弘光よりもいじわる度は抑え目だが、冷徹であゆはに対しても終始ビジネスライク。だけど、あゆはのモノマネに思わず吹き出すようなギャップと、スーツのジャケットを傘代わりにして雨をしのいであげるような優しさもあって、あゆはと同様に観ている側もどんどん弘光に夢中になっていく。
教師と生徒の恋愛は現実ならもちろんご法度だが、これは好きにならない方が難しい!一方で竹内が演じる弘光からはあゆはに対する下心が全く感じられず、大人でも安心して観ていられる。竹内にひらすらキュンキュンしたい人にオススメだ。
『テセウスの船』は記念すべき、竹内涼真のTBS連続ドラマ初主演作。東元俊哉の漫画を原作に、竹内演じる死刑囚の息子・田村心が数十年前にタイムスリップし、父が起こしたとされる連続殺人事件を食い止めようとするヒューマンミステリーだ。
平成元年に宮城・音臼村の小学校で行われたお楽しみ会において昼食時に出されたオレンジジュースに青酸カリが混入され、それを飲んだ児童と職員合わせて21人が死亡する事件が発生。その事件で逮捕されたのが、当時、音臼村の駐在警察官だった心の父・佐野文吾(鈴木亮平)だった。
事件の後に生まれた心は死刑囚の息子として苦渋の人生を送ってきた。それでも自分を愛してくれる女性・由紀(上野樹里)と結婚し、幸せを手にするが、彼女は出産時に死亡。
産まれてきた赤ちゃんも、もともと心たちとの結婚に反対していた由紀の両親に引き取られてしまう。人生どん底の中、心は最後まで父の無実を信じてくれていた由紀のためにも初めて事件に向き合うことを決意。だが、音臼村を訪れた直後、心は31年前にタイムスリップしてしまう。
過去の世界で佐野やその家族と関わるうちに、心は父の無実を確信。佐野一家の笑顔を守るため、父に濡れ衣を着せた犯人を探し出し、事件を未然に防ごうとする。竹内は過酷な運命に翻弄されながらも、家族のために抗い続ける心を命を削るように演じた。その圧倒的な熱量の演技によって心が感じている焦りや悔しさ、絶望のすべてが胸に強く迫ってくる。
また手に汗握る怒涛の展開の中でもほっと一息つかせてくれるのが、心の佐野一家との家族団欒のシーン。竹内は父親役の鈴木とは10歳差、母・和子役の榮倉奈々とも僅か5歳差なのだが、2人と並んでいるときは不思議と息子に見えてくる。心はちょっぴりポンコツなところがあるのだが、そこも含めて愛おしく、「こんな息子がほしい!」と思わされることだろう。「じゃあつく」の勝男と同じく、竹内の愛され力が遺憾なく発揮された役柄だ。
熱い男を演じさせたら竹内涼真の右に出る者はいない。特にハマり役だったのが、2022年7月期に放送された『六本木クラス』(テレビ朝日系)の宮部新だ。本作はコロナ禍のステイホーム期間中にNetflixで配信され、世界中で大ブームとなった韓国ドラマ『梨泰院クラス』のリメイク作品。日韓共同プロジェクトとして、原作漫画の作者、韓国ドラマ版の監督や制作会社の全面協力のもとで作り上げられた。
物語は、新が自分を男手一つで育ててくれた父を交通事故で失うところから展開される。事故を起こした犯人は、日本最大の外食企業・長屋ホールディングスの社長・長屋茂(香川照之)の息子である龍河(早乙女太一)だった。新は事故の際、父を救命せず逃げた茂に暴力を振るい、少年院行きに。そして出所後、長屋HDへの復讐を誓い、まずは六本木に居酒屋「二代目みやべ」をオープンさせる。
本作では、竹内の瞳の演技が印象的だ。普段は優しい目をしているが、そこに新が抱える怒りと憎しみを色濃く映し出す。一方で、このドラマはただの復讐劇ではない。何もかも失った新が、仲間とともに小さな一軒の居酒屋を成長させ、飲食業界で成り上がっていくサクセスストーリーの色が強い作品だ。
新自身には何か特別な才能があるわけではないが、情に厚く、己の正義感と信念を貫く強さを持っており、男女問わず自然と人が集まってくる。そんな仲間たちの助けを借りて、着実に高みに登っていく新を、竹内は逞しさと繊細さの両方をもって演じた。
また、もう一つの見どころは新を取り巻く恋の三角関係だ。ヒロインは、新が15年間一途に思いを寄せる幼馴染の優香(新木優子)と、現役高校生でIQ162の天才インフルエンサー・麻宮葵(平手友梨奈)の2人。葵はのちに「二代目みやべ」のマネージャーとなり、インフルエンサーとして培ってきた類まれな能力で店の経営を支えていく。
大人の魅力溢れる優香も素敵だが、新に恋してまっすぐぶつかっていく葵がとにかく可愛い!そんな葵をひたすら妹扱いする新。良くも悪くも鈍感なところにヤキモキさせられるけれど、そういうところも魅力なんだよなぁ……と完敗させられること間違いない。
どんな役柄も乗りこなし、必ず最後には愛されるキャラクターに成長させる稀有な才能を持った俳優・竹内涼真。12月18日には、町田啓太とW主演を務めるNetflix映画『10DANCE』が配信に。この作品で竹内はプロの指導の下、ラテンダンスに基礎から挑んだ。
また2026年1月期からはテレビ朝日系新ドラマ『再会~Silent Truth~』で井上真央と初共演を果たし、殺人事件の容疑者となった初恋の相手と23年ぶりの再会を果たす刑事を演じる。
また立て続けに竹内の新たな魅力に出会えそうだ。
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