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花村薫(波瑠)がニセママであることが公になってしまった。すべてを公表しようとする日高茉海恵(川栄李奈)に対し、薫は茉海恵のため、茉海恵の娘・いろは(池村碧彩)のため、うそをつき通すことを決める。「ここで終わらせたくない」と。
『フェイクマミー』第9話。こちらでは、悩める茉海恵と薫を支える存在にスポットを当てるーー。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
学園内が落ち着くまで、学校を欠席することになったいろは。一方、薫は、1週間後に開かれる理事会と柳和会の合同会議に出席し、そこで身分詐称の嫌疑を晴らすよう言われる。
茉海恵が仕事で家に戻れなかったある日、黒木竜馬(Snow Man・向井康二)が日高家にやってきた。薫といろはも手伝いながら肉じゃがを作った。3人は、緊張感が続く日々のなか、笑顔がこぼれる楽しいひとときを過ごす。
二人っきりになったとき、竜馬は、合同会議に出席する薫を心配し、言葉をかけた。勝ち目がないのにどうしてあがくのかと問うと、薫は「私はいろはさんが宇宙に行く姿を見てみたいんです。だからここで諦めたくないんです」と答えた。そんな彼女の回答に「1人で抱え込もうとしないで、俺にも分けてください」と竜馬。それでもすべてを背負おうとする薫には「俺ってそんなに頼りないですか?俺も見たいです。いろはが宇宙に行くところ。一応、父親ですから」と述べた。
薫としては「そんなことできない」と拒否するしかないのだが、彼の言葉がどれだけ嬉しかったことか。翌日、秘密の場所で「竜馬さんがいてくれて、とても心強かったです。ずっと」と伝えた。
一方、佐々木智也(中村蒼)は、茉海恵の表情を見てすぐに異変を察知した。彼の「大丈夫ですか?」の言葉に心を動かされ、現在の想いを吐露する茉海恵。「いろはにいい未来を見せてあげたかったのに。結局、親の私が足を引っ張って……。私ってほんとに浅はかで、大バカで、どうしようもない」と座り込んで号泣した。
「それはダメなことじゃないです。浅はかで、大馬鹿で、どうしようもない。それって言いかえれば、まっすぐでどんなことにも本気でいつも前に進もうとする。全部茉海恵さんのいいところじゃないですか」
「このうそはだれかを大切にして、幸せを願ってついているうそだと僕は思っています。だから、茉海恵さんは今のままでいい。会社もいろはさんもきっと大丈夫です」
茉海恵は、そう声をかけてくれた智也の肩に頭を乗せ、大粒の涙を流した。
迷い、不安にかられ、落ち込むとき、竜馬は薫の、智也は茉海恵の隣で、常に寄りかかれる壁となっていた。いつも勇気や希望が湧くような言葉をかけ、彼女たちの支えになっていた。竜馬は薫の抱える「痛み」や「辛さ」を一緒に背負おうとしたし、智也は自己否定する茉海恵を言葉で抱きしめ「あなたはあなたでいい」と認めてくれた。
彼らに共通しているのは、手を広げて待ってくれているところにある。竜馬や智也の温かい懐にポンと飛び込めば、辛さも、苦しみも、深い傷も、すべてを包み込み、心を軽くしてくれる。たとえそっぽを向いたって、上げた手を下ろすことはないのだ。
合同会議の日。1人で矢面に立った薫は、自分がニセママであることを認めた。だが、子どもの存在を隠していた茉海恵を脅し、ニセママになりすますことで報酬を得ていた、と虚偽の報告をした。すべての罪をかぶり事態を収束させようとしたのだ。薫は、茉海恵やいろはは被害者であるとし、寛大な措置を求めたあと、警察に連行された。
次回は最終話。薫が自首したことで、被害者とされている茉海恵やRAINBOWLABへの世間の風向きが変わる。しかし、薫がすべてを背負うことに納得できない茉海恵たちが立ち上がって……。
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