12月24日(日)は「PANCRASE340」!2023年を締めくくるビッグマッチの数々からマモルが注目したのは……?タイトル戦ほか5カード勝敗予想も!
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12月24日(日)は「PANCRASE340」!2023年を締めくくるビッグマッチの数々からマモルが注目したのは……?タイトル戦ほか5カード勝敗予想も!

2023.12.21 21:00

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  • 亀井 vs 平田
  • 粕谷vs雑賀
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PANCRASEの各大会にて、勝利者インタビュールームで、戦いを終えた猛者たちのナマの言葉を引き出すインタビュアを務めているマモルさんが、2023年クリスマス・イブの決戦、「PANCRASE340」の珠玉の好カードの中から、注目試合をピックアップ!

フライ級元キング オブ パンクラスのマモルさんから見た「この選手はいい!」や、「ここがおもしろい」というポイントを、MMA観戦を一歩踏み込んで楽しめるよう、やさしく解説してくれました!3大タイトルマッチと、女子トーナメント2試合の勝敗予想は、大会当日まで実施中のU-NEXT会員ならどなたでも無料で参加いただける、「勝敗予想でポイント山分けキャンペーン」の参考にしてくださいね。


注目試合①フェザー級:亀井晨佑 vs. 平田直樹

「どちらにも可能性のある両選手の “その先” が見たい」

亀井 vs 平田

マモル:まず今回、注目として選んだカードは共通点がありまして、コアなファンでなくても見どころがわかりやすいような、両者の勝負所がはっきりしている試合という括りでチョイスしています。それで、この試合は両選手とも好きで注目しているので、その2人がぶつかり合った、「その先」が知りたいなと思って注目カードに選びました。亀井選手は最近ではフェザー級王座決定戦で新居選手に敗れて現在2位。ここは絶対に負けたくない試合でしょう。対する平田選手は、順調に5位まで上がってきているところで、ここで2位の亀井選手に勝てばタイトルマッチも見えてくる、次にフェザー級の頂点に挑むのはどちらになるのか、勝負論のある熱い戦いが見られるのかなと思います。

━━ずばり、どんな試合になるでしょうか?

マモル:身長差が14cm、平田選手の側から見れば長身の亀井選手の打撃をどうかいくぐってテイクダウンして、寝技に持ち込むか。逆に亀井選手の側から見たら、柔道出身の平田選手の持ち前のテイクダウンを許さず、グラウンドの展開に持ち込ませずにどう打撃で作っていくか。お互いの得意なところにハッキリと差があるので、そういう相反するもの同士の手が合うか、合わないかがこの試合の見どころです。つまり……つまらない試合になる可能性もあるんですよね。だからこそ、見る方たちには、この試合は「どちらにも、可能性がある」という部分を楽しんでもらいたい。平田選手がテイクダウンできてしまえば安定してグラウンドでコントロールするかなとは思いますし、亀井選手はそれをしっかり切ること、立つことに徹底できれば、打撃でコントロールできる技術もあると思っています。

━━そうなるとスタンドの亀井選手がKOするのか、グラウンドで平田選手が一本極めるのか。決着するとしたら、やはりどちらかになりそうでしょうか?

マモル:亀井選手は一発で倒すというタイプではないから、どううまく当ててフィニッシュに持っていけるか、僕としても興味があります。一発で倒すパンチ力はなかったとしても倒す方法というのはありますし、亀井選手にはそういう技術があると思っています。

━━亀井選手は激闘型ですし、終盤もしガチャガチャしたら打撃で優位に立つ亀井選手に分があるでしょうか?

マモル:そうですね、平田選手は前戦(vs. 遠藤来生)を見ても、最後のラウンドで打撃をもらって顔を腫らす場面もありました。とてもクレバーな選手なので、冷静に対処できるとは思いますが、とはいえ簡単にはやらせてくれないでしょうね……うーん、どうなるんだろう? ほら、その先が知りたくなるでしょう!?

━━ところで、平田選手は国士舘高・大の柔道部で活躍しましたが、実は亀井選手も柔道経験者なのだとか。

マモル:名門ですからね、国士舘大学は。ちなみに僕も柔道経験者ですからね。経歴から忘れられがちなんですけど(笑)。だからというのも何ですけど、亀井選手が学生時代に柔道では芽が出なかったといってもそれは向き不向きの問題なのかなと、自分のためにも思います(笑)。

 ━━小中では野球もやっていたそうです。

マモル:あ、野球部っぽい!

━━なんと!打撃にその片鱗が?

マモル:いや、そういうことじゃなくて(笑)。雰囲気が「球児だったっぽい」と思って(笑)。坊主も似合いそうだし……。とにかく!ここが正念場の亀井選手と、連勝して勢いのある平田選手のぶつかり合いを楽しみにしています!


注目試合②ライト級次期挑戦者決定戦:粕谷優介vs. 雑賀 ヤン坊 達也

「ヤン坊が必殺の右を決めるか、粕谷がグラウンドで制圧するか」

粕谷vs雑賀

マモル:この試合は亀井vs平田同様、組技vs.打撃ではっきりしている試合になると思います。グラウンドの展開が優勢な粕谷選手は絶対にテイクダウンしてコントロールからフィニッシュまで行く、という戦いをしたいだろうし、ヤン坊選手には伝家の宝刀である右のパンチがある。この2人も10cmの身長差があるので、一発で倒す力があるヤン坊選手が、粕谷選手に組ませずにワンパンチで決めるのか、見逃さないようにしたいですね。あるいは粕谷選手がうまくテイクダウンしてグラウンドの展開にいけるか。フィニッシュもあるから、バックチョークなどを極める可能性もあるかもしれません。

僕としては粕谷選手みたいなスタイルのおもしろさを伝えたいというのもあるので、当日は彼がテイクダウンしてグラウンドでの攻防になった時のこまかい技術解説を大沢ケンジさんに頑張ってもらいたいところですね!

━━ケージ内のグラウンドの攻防をクローズアップして、解説を聞きながら観られるというのは配信の強みですね。

マモル:そうそう。とにかくどちらに転がってもおかしくないし、その日、噛み合った方が勝つというのが格闘技ですけど、そういう中でも、今この階級は層が厚い。というのも実はこの試合を選んだ理由はもうひとつありまして。挑戦者決定戦というこの試合の勝者は、ライト級チャンピオンのアキラ選手に挑戦することになります。僕は王者のアキラ選手のことを数年間コーチしていた立場ですし、いまだに繋がりもある仲間なので、このどちらかと当たることになるのはやはり気になります。正直どちらが勝っても「アキラやばいな」と思わされる強敵ですから。粕谷選手よりもさらにアキラは小さいので、ヤン坊選手のロングリーチからの伸びてくる一発は脅威ですし、粕谷選手のグラウンドの能力も危険です。

━━勝者がチャンピオンへの挑戦権を得るということで、二人がぶつける気持ちの面も大きいでしょうか。

マモル:そうですね。僕は粕谷選手が試合に勝ってインタビュールームに来てくれるたび、「次はタイトル?」なんて聞くんですけど、彼はいつも「いや……別に」。まあもともと言葉数の少ないタイプで、UFC経験もありますけどその頃もカメラの前で全然話せなくて怒られたという話も聞きました。それで「え?そうなの?」なんて返すと「試合が組まれれば」という答えが返ってきます。

それを見ていて思うのは、結局は一戦一戦の積み重ねでしかないから、目の前の試合に完全に集中して「絶対に負けない!」という戦いをしていれば、やっているうちにここに来たと言うだけなのでしょうね。それが飄々として映るのかもしれない。だからいつも通りしっかり準備している、ということでもあるだろうし、今回はさらにそれ以上で仕上げてくるに違いない。お互いにそうでしょうね。

ヤン坊選手は以前ベルトに挑戦したけれど届かず、RIZIN参戦などもあって再びチャンスがまわってきました。もし今回勝ったら試合後にどんな話が聞けるのかな?と想像するのも僕としては楽しみです。

━━ヤン坊選手は打ち合い上等で勝っても負けてもKOという豪快さがあります。

マモル:MMAって、一発当たったら倒せる選手がバッと仕掛けて倒すか倒されるかって言うのはあることで、そこでディフェンス度外視になったりする瞬間もありますからね。対海外という志向が強いことも含めて、これから自分がいちばん心・技・体で、技術的にもいい状態で良い結果を残せることが理想だと思いますので、そうなる前に打たれ弱くなったりということがないように技術を身につけていくことは大事だなとも思います。

 

注目試合③フライ級暫定王者決定戦 伊藤盛一郎 vs. 有川直毅

「お互い序盤にガンガン行くはず。際の攻防に注目」

ito arikawa

 マモル:"盛ちゃん" は、まだ可愛いらしい頃から──というか彼は今も可愛いですけど(笑)──、スパーリングをしていた仲で、この階級で僕自分も第4代キング オブ パンクラスですからね、同じベルトを巻いてほしいという期待もあります。そういう感情を除いても、やっぱり伊藤選手の極めの強さはピカイチだと思いますから、グラウンドになれば取るでしょうね。とはいえ有川選手の方もいいのを当ててチャンスをものにする力は持っていると思いますから、伊藤選手が一気にピンチになる可能性だって十分あります。

 ━━伊藤選手も組みの差に自信を見せているのですが(下馬評でも明らかにグラウンドでの差があると言われているなかで)有川選手にとってポイントとなるのは?

マモル:やはり際での反応ですね。前回のキエルバサ戦のような、組みをしのいでの際での打撃は鍵になると思います。そうなると伊藤選手のほうは距離を引かずに潰したり、カウンターにタックルできるように自分の体をコントロールすることが大事です。

有川選手もフィジカルは強いと思いますし打撃にキレがあるとは思うのですが、伊藤選手は本当に瞬発的な動きに優れていて、組んで倒して、パッとバックやサイドのポジションを取るまでがとても速いので、見ている皆さんには、一回コンタクトしたら見逃さないでほしいです。パパッ!と試合が決まってしまう可能性があるので。ギロチンチョークも得意ですし、師匠・勝村周一朗ゆずりのニンジャチョークもある。そしてちょっと変型の肩固めだったりと、見ている側を置いていきそうな極め方も持っているので「え?何が起きたの?」となるかもしれないです。どんな状態からでも極めにいく技を持っているので、そこはいくら情報が出来ってわかっているとしても、有川選手は油断できない。

━━有川選手としては、初っ端からもうガンガン行くしかない!という感じですか?

マモル:もちろんです。もし見ちゃうようなことがあれば、伊藤選手がテイクダウンしてしまうと思います。最初から打撃でどれだけプレッシャーをかけられるかだと思います。5ラウンドありますし、打撃でしっかりプレッシャーをかけていかないとテイクダウンは容易になっていくので、その辺りの駆け引きを有川選手がどう組み立ててくるのかはポイントになってきますね。

 ━━5ラウンドあることを伊藤選手の側で見ると、フィニッシュが速くこれまであまりラウンドを重ねてきていないなかで、組み疲れる心配はないですか?

マモル:可能性としてはありますけど、あんまり気にしないでガンガン行くとは思います。これはイメージですけど(笑)。「今だ!」っていうチャンスを逃さないタイプだから、序盤にやり続けて終盤まで有川選手が耐えればそれだけチャンスが生まれることにもなりますけど、そういう意味でも序盤に決める伊藤選手のスタイルに分がある試合という感じがしますね。やっぱり組み立て方によって終盤に変わってくる可能性があるので早い段階でのフィニッシュもあるかもしれないし、有川選手が的確に打撃を当てて最後に勝てる可能性もある。前戦の出血TKO勝利を踏まえても、ヒジというのもありますしね。グラウンドのエルボーで切るというのも勝つパターンとしては、あるでしょう。


【勝敗予想】メインイベント:キング オブ パンクラス チャンピオンシップ ウェルター級 林源平(第15代王者)vs. 住村竜一朗

「ドロ試合で住村に軍配。本当につまらない試合になる(笑)」

hayashi sumimura

マモル:住村のドロ試合で、住村!(笑)本当は林選手に勝ってほしい気持ちがあるんですけど。だから予想でこう言ってて林選手が勝って勝利者インタビューに来てくれたら「ゴメンね〜、でもよかった!ベルト巻いてくれてありがとう」って言うことにします(笑)、林選手のこと大好きなんで。ただ相性的な部分も含めて、住村がドロドロの試合をして勝ち切る絵のほうがイメージできてしまう。もちろん林選手がKOする可能性だって十分あるんですけどね。

住村のそういう強さというのはここ数戦をみていてもやっぱり感じますから、要するにこの試合は、本当につまんない試合になりますよ(笑)。でもまかり間違って住村がパウンドアウトでもしてくれたらそれはそれで「ありがとね!」と喜びをわかちあいたい。

━━林選手が勝ち取った王座決定戦の試合内容に関してはマモルさんの評価は厳しかったですよね。

マモル:絶対にチャンピオンになりたいという気持ちでああやって勝ちに徹する選択をしたのだからそれで良いと思っているけれど、「もっと見たかった」ということ。でもあの試合を例にするなら、今回の試合でああいう戦い方をしてしまうと多分、住村に漬けられて終わります。やっぱりそこは、村山暁洋選手と比べてもテイクダウン能力、ドミネート力がありますからね、組み伏せられてしまう。

ただ林選手としてもチャンピオンになってからもっと良い試合を見せたいという思いでいるでしょうし、そういう意味で倒す可能性はあると思います。ただね、初防衛は難しいと言いますしね。私も防衛できなかった身ですから(苦笑)。

【勝敗予想】フライ級暫定王者決定戦 伊藤盛一郎 vs. 有川直毅

「フィニッシュのチャンスを逃さない伊藤の早期決着に期待」

 (詳細は注目試合③参照)

 

【勝敗予想】バンタム級第5代王者決定戦 河村泰博 vs. 透暉鷹

「河村のスピーディーな一本勝利で、これからのバンタム級が一層盛り上がる」

kawamura tokitaka

マモル:期待もこめて河村選手のフィニッシュ勝利を予想します。もちろん、極めるチャンスは透暉鷹選手にもあると思いますが、早期決着への期待をかけると河村選手かなと。あとは二階級制覇をかけた透暉鷹選手が体重を落とした初戦でいきなりタイトルマッチなので、まず一階級下では未知数というのもありますね。減量は心配していませんけどバンタム級でもあのフィジカルモンスターぶりを発揮できるかどうか……、その可能性はかなり高いとは思っているんですけど、実際に見ることはできていないので。本人もやってみないとわからないところはあると思うのです。

だから、フェザー級と変わらないフィジカルを発揮した透暉鷹選手がドロドロの試合をすればねじ伏せて勝つでしょうし、その点で長引けば透暉鷹選手が有利。ただ、河村選手のパンクラスの前戦を振り返ると井村塁選手ほどの寝技師をあんなにサクッと仕留める極めの強さを見せつけられているわけですから。あとは勝利者インタビューで河村選手が「極めなら誰にも負けない」と自信を持って言ってくれたんですよね、自分がトップだと。そこには期待したくなります。河村選手の一本勝利で透暉鷹選手の新しい挑戦を止めるというのはそれはそれでおもしろいと思います。パンクラスのバンタム級がより盛り上がることになるんじゃないかな?って。

 

【勝敗予想】アトム級初代女王決定トーナメント1回戦 沙弥子 vs. V.V Mei

「V.V Meiが経験の差を見せる」

sayako Mei

 マモル:試合としてはどう転んでもおかしくなさそうですが、選手はまだまだフレッシュなところがありますし、ベテランのメイ選手の経験値が勝ると思います。勢いでチャンピオンにのぼりつめる人もいますけど、やっぱりMMAって、やることが多いですからね。全部がまとまってくるのには時間がかかりますから。しかもMei選手は負けたら引退という覚悟をもって試合をするということなので、そういう意味でもうちょっと続けてほしいという期待もこめて、Mei選手にがんばってほしいかなという、完全な私情です(笑)。まだまだ、後輩に強い背中を見せてほしい!

 

【勝敗予想】アトム級初代女王決定トーナメント1回戦 

「SARAMIが持ち前の強さを見せて完封勝利」

jenny sarami

 マモル:これはもう、自分もパンクラスイズムにも行っていて強さをよく知るSARAMI選手です!その点を取っ払っても元修斗王者ですし、非常にフィジカルも強いですし、判定3-0でSARAMI選手が完封勝利をするのではないでしょうか。ジェニー・ファン選手もガッツのある良い選手なんですけどね。


PANCRASE 340

PANCRASE 340

12月24日(日)

配信開始前、または配信終了しています。

「PANCRASE340」5試合の勝敗予想をすべて的中させたみんなで、ポイント山分けキャンペーン実施中!(〜12月24日(日)13:30まで)

大沢ケンジさんの注目試合はこちらから

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