12月、UFCデビュー戦でいきなりフライ級タイトルマッチに挑む朝倉海選手「UFCチャンピオンになって、来年UFCを日本に持ってきたい」
12月8日(日)開催、UFC 310のセミメインイベントでUFCデビューを飾る朝倉海選手にインタビュー
2022年5月のUFCデビュー以来6戦全勝、うち4勝を一本、TKOと世界最高峰のUFCという舞台で、結果を残してきたフライ級・平良達郎選手。今年6月、アレックス・ペレス戦を2R TKO勝利で飾り5位の座を奪い、いよいよフライ級のベルトが射程範囲内に。そんな平良選手がいよいよランキング1位のブランドン・ロイバルとの一戦を迎えます。これに勝てばもはや上にいるのはチャンピオンだけ。キャリア通算16戦無敗と偉業を更新する若手最有望株の平良選手が、タイトル挑戦を見据えた大切な一戦を前に、ファイトウィーク前の最終調整を行っているデンバーでその胸中と試合への意気込みを語ってくれました。
──コロラドでの最終調整を終えて週明けからファイトウィークに入るというタイミングですが、アメリカに入られてからの調整がどのような感じだったのかや手応えなどを伺えますか?
平良:3週間弱ここにいるんですけど、沖縄で練習しているみんなや、いつもの環境とは違いますし、前回もそうですが3週間前に入って練習したことで試合モードに切り替わったというか。アメリカにきて、コーチやチームメイトと順調にロイバル対策もできているので、あとは怪我なく集中して試合に臨むだけだなという感じです。
──今回コロラドの練習期間中に松根良太さんが一度来訪されたのですよね。そしてまたファイトウィークにラスベガスで最終合流されるとのことですが、このプロセスを踏めてよかったなと思っている部分があれば教えてください。
平良:松根さんが先週3日ほど来てくれて、改めてロイバル戦に向けてこの期間にやるべきことなどを確認しました。あと、デンバーのコーチやこの環境を松根さんが直に見たことがなかったので「こういう練習をしています」というものを一緒にできて、すごく新鮮ないい時間でしたね。
──3週間、岡田遼選手も一緒に練習してくれていることは励みになりますか。
平良:そうですね。岡田さんが追い込みも一緒に隣で走ってくれて、一緒にがんばってくれています。
──現地でサウスポーのいい練習相手は見つけられましたか?
平良:サウスポーの相手もいるし、ミットで動きを「ここに行ったら悪いからこうしよう」というようなことをしていて、頭を使うことが多いですね。
──日本にいらっしゃる間も、ボクシングジムでの練習に取り組んだり日々いろいろなものを吸収し、それを自分のなかに落とし込むことに頭を使うというお話をされていました。そういう、インプットしてからアウトプットに向けての過程の大変さがあると思うのですが、試合がここまで近づいてきたなかで、現在はロイバル戦に向けて的を絞り込むような頭の整理の仕方をしているのですか?
平良:そうですね、まあでも本当に今回結構頭を使っていてまだまだ整理しないといけないんですけれど、その最終段階にいるというか。明日(現地時間4日)も最後のスパーリングがあるのですけれど、そこに向けて5分5ラウンドをイメージしてすりあわせる感じです。ボクシングに行っていることなどは今もすごく活きています。
──自分が強くなっている!という実感や手応えは?
平良:そうですね、まちがいなく前戦よりスキルも上がって、本当に世界一の選手に確実に近づいていると思っているので、今回進化した姿というか、本当に強い姿、圧倒する姿を見せたいと思います。
──世界一の選手に着実に近づいているなか、いよいよランク1位の選手との対戦を来週に控える現在の心境は?
平良:やっぱりランキング1位と戦えて、ロイバル選手と戦えて嬉しいというのもありますし、このマッチメイクに満足もしています。今は「僕が勝たないといけない」「しっかり倒さなくてはいけない」という心もちというか。ランク1位の相手にこんなにやるんだというのを見せたいですね。
──そうだとは謳われていないものの、この試合を「No.1タイトルコンテンダーバウト(次期挑戦者決定戦)」とご自身は捉え、次にタイトルマッチを見据えている試合となりますか。
平良:そうですね。勝ったらチャンピオンに挑戦したいなって思っていますし、確定はしていないですけどUFCもそう考えてくれていると思っているので、ここを越えて、チャンピオンと戦うということは意識しています。
──その、越えなくてはいけない相手としてのロイバル選手は、かつて練習をともにしたこともある相手。試合が決定してから対策練習を踏まえた今、どんな印象ですか?
平良:現王者のパントージャとも実際戦っていますし、前王者のモレノとも戦っている、そういう選手と5分5ラウンド戦えることは、タイトルマッチに向けてもいいマッチメイクだなって感じています。
──今おっしゃった直近2戦ともロイバル選手は5ラウンドの激闘の末、かたやパントージャには完封されましたがモレノにはリベンジしました。それぞれ初対戦ではフィニッシュ負けの結果のなかここ2戦でそういう試合をしてきている。いっぽう、5ラウンドマッチの経験はあれど、フルラウンドやることはなくここまで辿りついている平良選手としては、この25分間をどのように見据えていますか。
平良:やってみないとわからないのが一番ですけれど、自分自身5分5ラウンドの長い戦いで持久戦になった場合の自信もあるので、スタミナであったりという向こうの武器に負けないように強い気持ちを持って、5R戦うことになったとしても25分間倒しにいくだけですね。
──ご自身の理想の組み立てと流れがあるとして、その作戦は明かせないと思うのですが、実際にこうなっていくだろうと予想する展開は?
平良:実際はやっぱり向こうが最近の2戦でパントージャともモレノとも結構打撃戦をやっているので、たぶん僕の寝技に警戒して打撃をやりたがるんじゃないかと思っていて。そうなった場合にスタンドで圧をかけられて手数もバンバン当てられたら向こうのペースになっていくと思うので、スタンドでの最初の勝負はキーになるかなと思っています。
──サウスポー相手に右のミドルハイであったりを当てていけるかというのもあると思いますが、立ち上がりのイメージはいかがですか?
平良:今までの相手と比べても、サウスポーであることとリーチの長さの部分で、もしかしたらやりづらさを感じることもあるとは思うのですけれど、立ち上がりにそう感じたとすれば1R、2Rと試合のなかで修正していけると思います。試合のなかで起きたことは試合のなかで対応していこうと思います。
──パントージャ選手がそうであったように、と言いますか、最初からどんどん出ていって仕掛けていく、ペース掴んでフィニッシュまでを早く近づければ近づけたほうがいいと考えていますか。
平良:パントージャ選手ほど荒々しくは出ないですけれど(笑)。それでも自分らしくというか、本当に全ラウンド取りに行こうと、チャンスがあれば行こうと思っているので、そのチャンスを作っていきたいと思っています。
──いざ上を取ったところで、相手の下からのヒジや蹴り上げなども厄介です。
平良:そうですね、下になっても止まらない選手です。パントージャ選手との試合を見てみると、パントージャ選手は上をとるけれどもちょっと殴られたり、ガチャガチャさせられすぎているという印象を持ったので、僕としてもしっかり上を取りながら相手にダメージを与えないといけないとは思っています。
──ところで……、出身地こそコロラドのロイバル選手もメキシコがルーツなのですよね。また平良選手の異名”メキシカンキラー”をまた欲しいままにしてしまいそうです(笑)。
平良:……そうなんですよ(笑)。前回のペレス戦でもメキシコのメディアのインタビューに「これでメキシコ人は最後だぜ!ブラザー」みたいなことを言ったんですけど(笑)。ここでロイバルが来て、こうなったらもしかしたらモレノもあるかなって(笑)
──メキシコ大会で、モレノ戦なんてこともありえそうですね(笑)
平良:ここまで引いちゃうとそう思えてきました(笑)。
──前回そのインタビューは「I LOVE タコス!」と言って乗り切ったそうですが(笑)
平良:今回もそれで乗り切ります(笑)。
──UFC参戦以来6戦全勝で、この試合に辿りつきました。ご自身としては例えば「思ったよりかかってしまった」と思っているのか、あるいは順調なステップを踏んできたと思っているのかなど、この6戦を振り返ってどのように感じていますか?
平良:前回の試合がここで勝つか負けるかで上に行くかまたランキング戦をどんどんしていくかでしたが、5位に勝てたことで1位のロイバルと組まれたと思っているので、振り返ってみても流れはいい、順当に来ているという感じはします。あとは結果を出して、チャンピオンを呼び出せたらと思っています。
──その6戦のなかで、技術や能力を含めてご自身が自信を深めている部分があれば、教えてください。
平良:6戦やってきて、海外=アメリカで試合をすることにだいぶ慣れましたし、試合でも日本と変わらないというか、いつもどおりのパフォーマンスを出せるというのは、デビュー1、2戦では神経質になりすぎたりもしたので、より良く、試合を重ねるごとに自分のパフォーマンスが上がっているようには感じます。
──見ている人にどんな試合を、見せたいですか?
平良:見ている人には、改めて、本当に「すごいルーキーが出てきたぞ」みたいな……
──ご自身の自己評価はまだ「ルーキー」なのですか?
平良:ルーキーではないかもしれませんね。そうだな、「新時代が来たぞ」というような感じです。昔からいる、パントージャ、モレノ、ロイバル……、そのあたりがトップにいつづけているので、そこをしっかり倒して、フライ級に新しい選手たちが来たことを示したいです。
──それは先ほどおっしゃっていた「自分が勝たないといけない」という気持ちのなかに、純粋に相手を倒すこととは別の意味で感じていることなのでしょうか。つまりもうずっとトップ戦線で2回も3回も対戦を繰り返しているような階級になっているのをご自身が打破したいと。
平良:そうですね。同じ相手同士の「●● vs. ●●2」「●● vs. ●●3」がフライ級では多かったのが、いちファンとして見ていてつまらないな、と思っていたので。ここでもう割り込みたい!っていう気持ちから今回の試合は圧倒して勝たないといけないと思っています。
──それでは最後にU-NEXTを通して当日応援するファンの皆さんにメッセージをお願いします。
平良:前回の試合から4ヶ月くらいで、すごく自分も変われましたし、ここからベルトを獲るために進化しつづけていますので、その姿を10月13日お見せします、期待していてください!
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