UFCとの契約をかけたトーナメントに出場する吉田開威、ワンマッチで参戦する松田亜莉紗が意気込みを語る!──5月22日(木)ROAD TO UFC シーズン4 エピソード1&2
シェア

UFCとの契約をかけたトーナメントに出場する吉田開威、ワンマッチで参戦する松田亜莉紗が意気込みを語る!──5月22日(木)ROAD TO UFC シーズン4 エピソード1&2

Edited by

今回で4回目の開催となる、アジアの有望なMMA選手にUFCと契約するための道を切り開くROAD TO UFC。いよいよ今週末、そのオープニングラウンドを迎えます。2日間に渡り、4階級32名の選手が参戦するトーナメント1回戦に、日本からは8名の実力派ファイターたちが出場。日本時間2025年5月22日(木)19時より開演予定のエピソード1に登場するフライ級の吉田開威選手、そして同日、非トーナメント戦の女子ストロー級マッチに臨む松田亜莉紗選手が、UFCへの思いやこの試合への意気込みを語ってくれました。

吉田開威「硬式空手の間合い感覚はMMAで有利。穴を作り、最終的に大きなもので倒す」

01Yoshida

──RTUにはフライ級での参戦となります。吉田選手はこれまで海外での試合も含めてバンタム級で活躍してきましたが落とそうと思ったのは?

吉田開威(以下、吉田):メリットとして、たぶんUFCのフライ級ファイターの平均身長って160cm後半あたりなので、自分の身長はフライ級としては大きい方だから(175cm)、基本的に自分がリーチを取れることからです。ファイトスタイル的にも自分はストライカーで長い距離で戦うのが得意なので、アドバンテージを取りやすい。初めて落とす体重ですが自分で管理栄養士の資格も持っていて自分で管理できるようにしているので自信はあります。

──海外勢のリカバリやフィジカル差を考えたら、落とせるならその方が当然いいですよね。

吉田:そうですね。MMA4戦目の時に中国(WKG & M-1 Global)で試合をして、結果は10秒で終わりはしましたけど(吉田選手が中国のウー・シャオロン選手に1R KO勝利)、相手選手のことをかなり大きいなと感じて、組みたくないなとは思いました。だからちょっと遠くから一撃、強いのを入れてみたんですけど。世界で戦ってみて、身長が大きくて体格差のある選手がここまで落としてくるんだなっていうのをバンタム級で目の当たりにしたのでやっぱりフライ級だなと感じましたね。

──空手出身の吉田選手がいつ頃からUFCを意識していたのか教えてください。

吉田:小学6年ぐらいの時にストラッサー起一選手の試合を見て、馬乗りになって殴っている姿を見て、子どもながらに「あれ、やりたい」と思ったのが最初のきっかけです。そのストラッサーさんが出ていたのがUFCで「一番すごいんだよ」と教えられて。「あ、じゃあ、そこでやりたい」と思いました。やるからにはただ有名になりたいとかではなく、一番強い人を目指したい。MMAって明確にわかりやすいですよね、一番強いのはどこかと言えば、UFC。それも面白いなと思いました。

──実際いつ頃からMMAを始めたのですか?

吉田:中2くらいの時からMMAをやり始めてみた……といっても、その頃はMMAを一切やらずに空手の技術、打撃だけで。勝てはしなかったんですけど、ひたすら経験を積んでいた感じで、2、 3年くらい前にMMAの練習を初めて開始しました。空手だけでやってきた経験は全然無駄ではなく、打撃の感覚としてはすごくためになっていたアマチュア時代でした。

──感覚的には、あくまでも空手家として、異種格闘技戦的に様々なバックボーンの選手がいるMMAで、どこまで自身の空手が通用するかを試しているような感じだったのですか?

吉田:うーん。空手家としてという(競技を代表するような)感覚というよりも、硬式空手というのがすごく強いルールだと思っているから、です。どんなルールでも強い奴はどこでも勝てるんですけど、特に硬式空手は、打撃を当てるルールに加えて間合いを取れる。『間合いを取る』ことに関しては、その概念があるとないとでMMAですごく有利に働くので、間合い感覚が特に良い部分で働いていると思っています。MMAって、立ち上がりに遠い間合いから始まっていくのが多いのが特徴だと思いますが、そこがすごくやりやすいんです。

 ──空手MMAで活かすことと、MMAにアジャストするバランスはどう取っているのですか?

吉田:MMAの3、4戦目ぐらいまではバランスが取れていなかったです。まずそもそもグラップリングの技術がプロのレベルとして追いついてない状態だったので。そうさせない戦い方はしていたのですけど。僕はどちらかというと打撃に振り切っているので、そこから極めにいくようなところには意識を持って行かず、極めるフリをしてエスケープする、というような方向に意識を持って取り組んでいます。やっぱり、それができてやっと自分の打撃が活きるので。ゆっくりと今、時間をかけて、プロの試合を戦っていく中でやっとアジャスト出来ているイメージですね。練習でいろんな方に極めてもらって、1回極められるとエスケープ方法が分かってくるので、打撃のスパーリングでは強く当てられない分、逆に自分から寝に行ったりとか、自分から壁の展開にしたりして、いろんな状況での知らない技とかをどんどん極めてもらってます。

 ──前戦、シンバートル・バットエルデネ選手とのGLADIATORバンタム級暫定王者決定戦でMMAプロ初黒星を喫しました。先ほど組技、寝技の練習の強化について話されていましたが、やはりこの試合での経験はターニングポイントになりましたか?

吉田:シンバートル戦の時は、本当に絶対に1回は投げられるかなとは想定していたのですが、相手の体重超過があったとはいえ、思ったよりフィジカルもめちゃくちゃ強かったですし、逆に1回自分が立ったことに関してはすごい自信になったんですけど、やっぱそれでも足りないなって、本当に身に染みて思ったので、試合直後からすぐもう週2、3回はレスリングみたいなイメージで、体を強くする使い方などに比重を置いて練習してきました。もちろん打撃も技術的に高めはしますけどグラップリングやスタンドでのレスリングの攻防などをメインにしています。

──初戦の対戦相手、中国のイン・シュアイ選手について印象を教えてください。

吉田:まず最初に試合見た時は「ヤンチャだな」とは思ったんですけど、とりあえず(笑)。遠い間合いは得意じゃない印象です。まずそこを見て勝ち筋はもうあるなと感じたんですけど、どちらかというとレスリングと近い間合いの打撃のイメージで、とにかくローで中に入ってきて。で、そこで中で打ち合いながら、胴タックルして、みたいな印象でした。相手もやりたいことが明確に決まっているというのはわかるんで。そこをどう対策するかを考えています。

──どのような試合展開になると思いますか。

吉田:今回は、前戦の負けを活かして、技の出し方やタイミングをすごく考えているので、ずっと遠い間合いをキープできるかなと思います。で、間合いをキープしながら、まあどこかで穴作っていって、その間に打撃差し込んで効かせ、最終的に何か大きなもので倒すと思います。

吉田:全試合KOで勝ち切りますので、応援よろしくお願いします。

RTU4 Flyweight

松田亜莉紗「強い選手と試合ができるのが嬉しいし、楽しみ。こう言う選手がいるぞとアピールしたい」

02Matsuda

──非トーナメント戦のでRTU出場が決まった時の心境は?

松田亜莉紗(以下、松田):去年はRTU女子ストロー級のトーナメント戦が開催されたので、出たいなと思ってたんですけど、出場できなくて。今年はこの階級のトーナメントがないと聞いていたのですが、急遽「試合がある」と言われて、すごい嬉しかったです。

──MMAを始めてから、UFCを目指すようになったきっかけはあるのですか?

松田:もともと格闘技始めるきっかけが、海外の試合で女子選手の活躍を観て、私もやりたいと思って始めたので、その時には、ゆくゆくは海外でやりたいなって思いがありました。女性同士が組み合ったり殴り合ったりしているのを、「あ、やってみたい」って単純に思ったんです。(プロでやっていた)野球にもちょっとずつ飽きてきてた時期で、ちょうど次の契約どうするかっていう時期だったので「あ、こっちだ」と思って。続きそうだと思って始めました。

──今回は昨年準優勝だった中国のフォン・シャオツァン選手と対戦します。印象は?

松田:優勝候補と言われていましたよね。嬉しいですね、そんなに強い選手と試合ができることはなかなかないですし。だからもう、「嬉しい」が一番先に来ましたね。「楽しみ」というのと。ファイターとしての印象としては、すごく大きいなあっていう、手足も長くて。打撃がすごい上手やなって感じです。懐が深いし、組みに行かせてくれなさそうやな、と。ただ、組めないことはないのかな、3Rある中で、必ずどこかで組める時があるのかなとは思いました。だから、その組めた時にしっかり自分が今対策練習していることが全部できたら、行けるんじゃないかなと思っています。(リーチ差があるので)今回は打たれる覚悟でどんどん入って行くっていうのと、相手にしっかり打たせられれば入れるのかなっていうところで対策練習をしています。

──どのような試合展開になると思いますか。

松田:展開としては、いろんなこと考えていて。多分お互いに最初は見合うと思うんですけど……全然入らせてくれないか、入ってテイクダウンするか、どっちかなのかなと思います!見てる人が多いので、しっかり松田亜莉紗という、“こういう選手がいるぞ!” みたいなことをアピールしてきたいとは思います。

──ところで、ご家庭をお持ちですが母親としてと、プロMMAファイターとしての生活はどうやって両立しているのですか?また、家族の存在はモチベーションになっていますか。

松田:両立できてるんですかね…?(笑)ハハハ!できてるか、できてないかは分からないけど、やっぱり家族のサポートが結構あるので、そのおかげで毎日練習もできてますし、試合もポンって行ったりもできるので、そこはすごい感謝していますし、モチベーションになっています。あとは、練習でも自分の練習をおいて私の対策練習に付き合ってくれてる方々もいるので、その方々にもしっかり良い結果で返したいな、とはすごい思ってます。

──応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

松田:打撃をして、組んで、テイクダウンして、しっかり殴って、一本取って、勝ちたいと思いますので、U-NEXTでたくさんの応援、よろしくお願いします!

RTU4 NON-TOURNAMENT


【エピソード1:試合順(1=1試合目)】

  1. 非トーナメント戦 女子ストロー級マッチ:フォン・シャオツァン(10勝3敗、中国) vs. 松田亜莉紗(6勝0敗、日本)

  2. フライ級マッチ:山内渉(7勝1敗、日本) vs. ナムスライ・バトバヤル(7勝1敗、モンゴル)

  3. フェザー級マッチ:中村京一郎(5勝1敗、日本) vs. パク・オジン(9勝1敗1分、韓国)

  4. フライ級マッチ:イン・シュアイ(17勝5敗、中国) vs. 吉田開威(6勝1敗、日本)

  5. フェザー級マッチ:セバスチャン・サレイ(8勝1敗、オーストラリア) vs. バーエゴン・ジェライスー(19勝6敗、中国)

【エピソード2:試合順(1=1試合目)】

  1. 非トーナメント戦 ライト級マッチ:アジズ・ハイダロフ(21勝6敗、タジキスタン) vs. マンシャー・ケラ(8勝0敗、インド)

  2. フライ級マッチ:リオ・ティルト(8勝0敗、インドネシア) vs. アーロン・タウ(9勝1敗、ニュージーランド)

  3. フェザー級マッチ:青井人(14勝5敗1分、日本) vs. ユン・チャンミン(7勝2敗1分、韓国)

  4. フライ級マッチ:アグラリ(12勝1敗、中国) vs. ムリドル・サイキア(8勝0敗、インド)

  5. フェザー級マッチ:リー・カイウェン(14勝6敗、中国) vs. ソ・ドンヒョン(7勝2敗1分、韓国)

この記事をシェア

この記事に関する写真(4枚)

  • 01Yoshida
  • RTU4 Flyweight
  • 02Matsuda
  • RTU4 NON-TOURNAMENT

Edited by

同じ連載の記事一覧

もっと見る

格闘技 インタビューの記事一覧

もっと見る