全試合、全KO!怒涛のKOラッシュ!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.26」観戦レポート!
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全試合、全KO!怒涛のKOラッシュ!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.26」観戦レポート!

2024.11.07 18:00

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11月2日開催のボクシング「第26回WHO'S NEXT」は、日本バンタム級王者、増田陸の初防衛戦をメインイベントに配信!主要4団体、全てのベルトが日本に集まる“バンタム級黄金時代”において、次世代のチャンピオン候補として存在感を示す!

またアンダーカードには、波田大和、高見亨介、金子虎旦と、メインイベンタークラスのハードパンチャーが揃い踏み!

本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線でのリングサイド観戦レポートと対戦結果をお届け!

メインイベント 第5試合:10R/日本バンタム級タイトルマッチ

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©Naoki Fukuda

〇増田 陸(帝拳)vs ×宇津見 義広(ワタナベ)7回TKO

日本バンタム級王者、増田陸。世界ランクは、WBA9位、WBO13位、IBF13位、WBC14位、OPBF2位、WBOアジアパシフィック5位。立教大学ボクシング部を経て、B勝でプロデビュー。勝った5試合は全てKO、敗れたのは、現WBA世界バンタム級王者の堤聖也のみという、サウスポーのスタイリッシュな正統派ハードパンチャー。

挑戦者、宇津見義広は、日本バンタム級9位。プロデビューから20年で、初めてタイトルマッチのチャンスを掴んだベテラン。パンチの出どころが独特な、型にはまらない変則的なボクサーファイター。

日本バンタム級王者、増田 陸の初防衛戦!激戦続くバンタム級戦線に新たな風が吹きこむ!

試合は1回、宇津見が独特のリズムと低い姿勢からの右ストレートで距離を詰めようとするが、増田の的確な右リードジャブ、左ストレートで突き放す。2回、増田は左ストレートを中心としたコンビネーションをまとめると、宇津見はクリンチ。増田が、それを振りほどこうとすると、宇津見はスリップダウン。体力の違いを感じさせる。この回、宇津見は右目上カットと鼻血を流す。3回、増田の左ストレートが立て続けにヒット!宇津見はクリンチで追撃を防ぐが、その時に度々スリップダウンで試合を中断させる。足腰にダメージがあるのか、それとも老獪な試合運びなのかは分からないが、攻撃のペースを乱されていることは確か。宇津見は、増田がやりにくいように戦っているようだ。

4回、宇津見はノーモーションからの右ストレートや、イレギュラーな軌道から打ち込む左フックで攻撃を強める。増田は、これまで通り左ストレートで迎撃するが、宇津見のセオリー度外視のボクシングにイライラしてきているように見えた。この回、宇津見は左目上もカット。5回、冷静さを取り戻した増田は、ワイルドに飛び込んでくる宇津見に、コンパクトな左ストレートを合わせると、フットワークを駆使して揉み合いを回避した。途中採点は、フルマークで増田がリード。

6回、増田は左ボディを連打し、突進力が弱まってきた宇津見の右ストレートに相打ちで左ストレートを打ち込む。そして7回、増田は左右ボディの連打をまとめると、宇津見はとうとうダウン!レフェリーはその場で試合を止めた。

宇津見義広選手、圧倒的不利の中、独自のボクシングで試合をかき回し、サプライズを起こしたかったがビッグアップセットならず。しかし、そのチャレンジ精神は伝わった!

増田陸選手、活況を呈する日本バンタム級に於いて、ダークホースと表現するのが惜しまれる逸材。今回も、増田選手が強すぎるうえ、対戦相手が見つからなかった経緯がある。那須川天心選手とともに、次世代チャンピオンを目指す!

セミファイナル 第4試合:10R/132ポンド契約

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©Naoki Fukuda

〇波田 大和(帝拳)vs ×プレスコ カルコシア(比)4回TKO

OPBFスーパーフェザー級王者の波田大和は、WBC19位、WBOアジアパシフィック6位にランクされる帝拳ジム次世代ホープの一人。左の強打でKOの山を築いてきたサウスポーで、実に15勝のうち14勝がKOというハードパンチャー。高いKO率からパワーで押し込むファイトスタイルを想像するが、実際はスピードとタイミングで急所を打ち抜くKOアーティスト。今回は、ノンタイトル戦でその実力を試す!

対するプレスコ・カルコシアは、柔らかい上体から、しなるような左フックを振りぬくボクサーファイター。今年7月には保田克也の持つWBOアジアパシフィックライト級タイトルマッチに挑戦するも敗戦。

試合は、1回に波田がカルコシアの打ち下ろしの右ストレートで、左目下をカットするヒヤッとするシーンから始まる。目の上ではなく、下だったことが不幸中の幸い。しかし2回以降は、左ストレートで優勢に試合を進めると、3回には完全にペースを掌握。逃げ回るカルコシアを追い回しコーナーに詰めると、左ボディから右フックを返してダウンを先制!再開後、再び左フックでダウンを追加して強打者ぶりを発揮した。そして4回、波田は渾身の左ストレートで3度目のダウンを奪うと、ここでレフェリーは試合をストップした。波田が4回TKOでその破壊力を見せつけた。

波田大和選手、終わってみれば圧巻のKOショー!しかし、勝利者インタビューでも、初回に被弾した一発を深く反省していた。この姿勢が、波田選手の強さの秘密なのかもしれない。

第3試合:8R/ライトフライ級

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©Naoki Fukuda

〇高見 亨介(帝拳)vs ×ジョマー カインド(比)1回KO

高見亨介は、IBFライトフライ級7位、WBA8位、WBO12位、WBC15位、WBOアジアパシフィック1位、OPBF4位、日本1位と全方位的に評価の高い、全勝のボクサーファイター。思いっきりの良い踏み込みと、ぐんと伸びる右ストレートは、軽量級時代のマニー・パッキャオを彷彿とさせる。

ジョマー・カインドは、ガードを固めて接近し、右アッパー、左フックを叩きつけるファイター。フットワークはないが、がっちりした体格で、少々打たれても下がらないタフネスが武器。

試合はなんと、わずか78秒で終わってしまう!立ち上がり、両者ともに調子の良さを感じさせるシャープな動き。スピーディーでキレのあるパンチの交換を繰り返す。高見は、カインドが右ストレートを放つと倍の手数を返す気の強さを見せる。その攻撃がピタリとはまった!カインドの右ストレートに合わせた、高見の左ボディがグサリと突き刺さると、カインドはバッタリと崩れ落ちた!高見、圧巻のKO勝利!

高見亨介選手、来年のチャンピオンカーニバルで“日本王者”川満俊貴への挑戦が決まっている中、あっけらかんと秒殺KO劇!ライトフライ級の主役は俺だ!と言わんばかりの豪快なパフォーマンス!ライトフライ級の猛者たちが戦々恐々としているに違いない。

第2試合:8R/フェザー級

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©Naoki Fukuda

〇金子 虎旦(帝拳)vs ×コウ ジュンサイ(中国)7回TKO

金子虎旦は、シェーン・モズリーやティモシー・ブラッドリーを思い起こさせる、日本人離れしたテクニックのあるスピードスター。デビューから5連勝を飾るも、今年7月にマイケル・カサマのワンパンチの前に1回TKOで初黒星、それ以来の再起戦となる。

コウ・ジュンサイは、ちょっとやそっとじゃ倒れない、フィジカル、ハートの強いタフなファイター。今年7月、高優一郎と対戦し大差判定で敗れるが、驚異の粘りを見せタフネスぶりをアピールした。

スピードスター、金子虎旦の再起戦!タフなコウ・ジュンサイを倒し切り復活アピールなるか!

試合は、前に出るコウに対し、金子はフットワークでいなしながら、スピードとキレのある左フック、左ボディで迎え撃つ展開で始まる。特に左ボディは、そのスピードにコウが全く反応できておらず、面白いように当たる!また、左フックの相打ちも、同時に出したように見えたパンチも金子のパンチが先に当たる!しかし、ここで引かないのがコウの持ち味。並みの選手ならダウンしてもおかしくないクリーンヒットを浴びながらも、前進を止めない。それどころか、パンチのパワーが増している。それでも金子は、ディフェンスの勘の良さを見せつけるように、ことごとく強打をかわしシャープなジャブの連打で押し返す。

そして7回、金子が左ボディと右ストレートで、コウをロープまで弾き飛ばすと、速射砲のような連打をまとめてレフェリーストップを呼び込んだ!

金子虎旦選手、持ち前のスピードで対戦相手に何もさせずに圧勝!これまで通りの“KO”を狙う強い気持ちで見事、再起に成功した!

コウ・ジュンサイ選手、KOされてもおかしくないクリーンヒットを受けながらも、最後まで立ち続けたタフネスは本物だ。

第1試合:4R/ライト級

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©Naoki Fukuda

〇舛井 海斗(協栄)vs ×中村 駿介(輪島S)1回TKO

舛井海斗は180㎝の長身にもかかわらず、接近戦での打ち合いにも応じる、手数の多いボクサーファイター。対する中村駿介は、ガードを固めたピーカーブースタイルで接近し、左右フックを打ち込むファイター。これは、1回から目が離せないアグレッシブなファイター対決!

試合は、ゴングが鳴ると同時に、中村がガードを固めて接近する想像していた通りのパターン。しかし、接近戦は舛井としてもお手の物。舛井は長いリーチを活かした、中村のガードの外から回り込むボディがクリーンヒット!たまらず後退する中村に、舛井はボディブローを連打!中村はそのままリングに座り込みダウン!カウント9で、なんとか立ち上がったが、舛井の追撃に防戦一方になったところで、セコンドがタオル!TKOで舛井海斗が勝利した。

舛井海斗選手、冷静な試合運びで、的中率の高い連打が冴えた試合。上下の打ち分けも良かった。

中村駿介選手、起死回生の一発が出なかった。


今大会は、全試合、全KO決着という豪快な内容だった。帝拳ジムのホープたちが、期待通りの活躍を見せてくれた。特にタイトルマッチ直前の高見亨介選手は、レベル違いの強さを見せつけるパフォーマンスで、“日本王者”川満俊貴選手への対戦に弾みをつけた。

そして、メインイベントに登場した、日本バンタム級王者の増田陸選手の完成度!パンチの強さはもちろん、ほとんどクリーンヒットを与えない防御技術の高さもアピールした。ますます、今後のマッチメイクから目が離せない!

次回12月7日の『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.27』は、日本ライト級タイトルマッチ「三代 大訓VS丸田 陽七太」をメインイベントにライブ配信!

2度目の防衛戦を迎えた三代が、元日本フェザー級王者の丸太と激突する!

U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.26』を2024年12月2日まで配信中!

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