自分の本当の価値って…?『葬送のフリーレン』人生観が変わる珠玉のエピソード3選
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自分の本当の価値って…?『葬送のフリーレン』人生観が変わる珠玉のエピソード3選

2023.11.25 20:00

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現在放送中のアニメ『葬送のフリーレン』。U-NEXTの「2023年10月アニメランキング」では、『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変(第2期)』に続いて2位に入るほどの人気を博しています。

人気の理由の1つは、ファンタジー世界が舞台でありながらも、淡々と静かに、人生の意味や歳を重ねることについて深く考えさせるストーリーを描き出していることでしょう。

今回はこれまでの『葬送のフリーレン』放送回から、特に人生について考えさせられるエピソードを3話ピックアップしたので、さっそくご紹介します。

①死んでも受け継がれるもの━━第2話「別に魔法じゃなくたって…」

物語は、フリーレンを含めた勇者一行が、人間を脅かす魔王を倒して凱旋するところから始まります。長寿種族であるエルフのフリーレンは、1話で平和を取り戻した勇者ヒンメルが寿命を迎える様を目の当たりにします。そしてヒンメルの死から20年が経った頃、かつての仲間である、年老いた僧侶ハイターと再会することに。

『葬送のフリーレン』EP02
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

「生臭坊主」と言われるほど酒に溺れ享楽的な性格だったハイターは、身寄りをなくし幼くして孤児となったフェルンを救い、弟子として育てています。フリーレンが驚くほどに変貌したハイターは、死の間際にその胸中を明かします。

「ねぇ、なんでフェルンを救ったの?」というフリーレンの問いかけに、ハイターは答えました。「勇者ヒンメルなら、そうしました」と。

『葬送のフリーレン』#2
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

当初、ハイターからフェルンを弟子にしてやってほしいと頼まれた時は、にべもなく断ったフリーレンですが、それを聞くと今度は笑って「じゃあ私も、そうするとするかな」と応じます。そしてハイターを看取ってから、フェルンを連れて旅に出ることにしました。

『葬送のフリーレン』EP02
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

どこまでも利他的で人助けをやめなかったヒンメル。その利他精神がヒンメルからハイター、そしてハイターからフリーレンへ受け継がれています。

人は、死んだらどこにいくのでしょう。それは誰にもわかりません。けれど、自分がいない世界でも、自分の願いや思いは、誰かに何かの形で受け継がれるのかもしれない。そんなテーマを静かに投げかける珠玉のエピソードです。


②自分の本当の価値とは?━━第6話「村の英雄」

かつての仲間である、ドワーフのアイゼンは、エルフほどではないものの、そこそこの長命種ですが、フリーレンの旅に同行できるほど現役ではありません。そこでアイゼンはフリーレンに、欠点はあるけれど頼りになる戦士として、喧嘩別れをしてしまった自分の弟子・シュタルクを旅の途中で拾うように託します。

『葬送のフリーレン』EP06
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

シュタルクは、正義感があり真面目に修行を積んでいるものの、いかんせん臆病でした。とある村を襲っている龍と出くわし、戦わずして追い払ったため英雄扱いされていましたが、本当は実践経験はなく、フリーレンたちに泣きついて助けを乞う始末です。

『葬送のフリーレン』EP06
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

でも、実はシュタルクは、自分で思うほど弱くはありません。それどころか、戦士としては超一流の強さを身につけていました。ただ、臆病すぎてその実力を発揮する機会がこれまで一度もなかっただけなのです。

しかし、臆病さは決して弱さではありません。シュタルクが龍と対峙した際のエピソードや、師匠であるアイゼンから明かされる喧嘩の真相は、そのことがはっきりと伝わってくる逸話でした。

『葬送のフリーレン』EP06
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

自己認識と、実際の才能や実力の間には、往々にして“ズレ”が生じがちです。自分を過大評価することも過小評価することも、人生を生きづらくします。シュタルクはフリーレンを通して、自分の本当の価値に気付くことができたのです。

③生物としてはどちらが正しい?━━第10話「強い魔法使い」

強く輝かしい存在でありたい━━それは生物としてはごく一般的な欲望だと思います。

『葬送のフリーレン』の世界には、人間たちと対立する魔族が存在します。魔王を倒した後も、強い魔族は各地で生息しています。魔族は魔法が大好きで、その魔力を常に周囲へ誇示しています。なぜなら、強さを示して他の魔族を従わせる必要があるからです。これは、人間がお金や権力に固執する様と同じです。魔族は、人間のような感情を持ち合わせていません。しかし魔族も生物です。進化を欲望するのは生物として当然のことだと言えます。

『葬送のフリーレン』EP10
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

この第10話では、第7話から続く一連の強敵たちとの戦いに終止符が打たれます。フリーレンは、魔族を欺くために、自分の本当の実力を隠す技術を磨きました。強さを誇示する魔族にはそんな発想がないため、フリーレンの偽装を見抜けるはずもありません。魔族はただ、強くあるために魔力を磨いてきたのです。

『葬送のフリーレン』EP10
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

そして魔族は、魔力を隠すフリーレンのことを卑怯者だと罵ります。「お前達は魔法使いの風上にも置けない…」と。フリーレンはそのことを理解した上でもなお、勝つことで自分自身や困っている人を救う生き方を選んだのでした。

誇りを守ろうとして死んだ魔族、欺くことで勝利を手にしたフリーレン。対照的なその構図は、どちらが“生物”として正しいのか、視聴者の胸にそんな問答を残す、印象的なエピソードでした。

勇者一行の、世界を救った“その後”を描く『葬送のフリーレン』。

地味な題材を、淡々とした演出ながら非常に丁寧に描写することで、ファンタジー世界でありながら翻って現実の私たちの生き様を問いかける━━そんな作品になっています。


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『葬送のフリーレン』
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

『葬送のフリーレン』
U-NEXT配信:毎週土曜午前0時、最新話を順次配信中
放送:毎週金曜よる11時、日本テレビ系全国30局ネット「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送中

【あらすじ】
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。

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