世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体として、世界最高のMMAアスリートが名を連ねるUFC。U-NEXTでは、2025年8月10日(日本時間)開催の『UFCファイトナイト・ラスベガス109:ドリッゼ vs. ヘルナンデス』(UFC APEX)をライブ配信する。
注目のメインイベントでは、ミドル級9位のロマン・ドリッゼ(ジョージア)と、同級10位のアンソニー・ヘルナンデス(アメリカ)が激突。バンタム級マッチでは、"アストロボーイ”ことスティーブ・エルセグ(オーストラリア)と"ザ・ジャマイカン・センセーション"ことオデー・オズボーン(ジャマイカ)が拳を交える。
また、日本の風間敏臣がMMA通算8勝1敗のエライジャ・スミス(アメリカ)とバンタム級マッチで対戦。風間は昨年のUFC初勝利となった一戦以来、これが1年ぶりの実戦となる。
ファイターたちは、週末の試合にどのような心境で臨むのか。エライジャ・スミスがU-NEXTの取材で語った意気込みをお届けする。
「ダブルレッグは昔からの持ち味だよ」
──まず、現在の状況と練習環境について教えてください。今回のファイトキャンプはビクトリーMMAで続けてきたのでしょうか?
スミス:今はUFCパフォーマンス・インスティテュートにいるよ。キャンプの多くは地元のコロラドスプリングスにある、『ビクトリーMMA』でやってきた。実は、親父のジムなんだ。それから、デンバーにある『ファクトリーX』でも少しクロストレーニングをした。クリス・グティエレスとか、あそこの選手たちと一緒にね。
──コロラドの他のジムとの交流はありますか?
スミス:そんなにたくさんはないかな。『エレベーション・ファイトチーム』で知ってる選手たちもいるし、コロラドのMMAシーンはみんな顔見知りみたいなもんだけど、俺はあんまりあっちで練習することはなくて、ファクトリーXの選手たちとやることが多いね。
──ところで、あなたの経歴を見るとサッカーとフットボールとありますよね。
スミス:いや、実はアメリカンフットボールだよ。
──コロナ禍でお父さんとトレーニングしている時に、ご自身から「試合に出てみたい」と申し出たというのは本当ですか?
スミス:そう、だいたいそんな感じ。アメリカンフットボールをやってたんだけど、コロナ禍で全部がストップしちゃっただろ?それで親父と練習し始めて、数か月くらいで「試合させてくれ」って頼んだ。初めてのアマの試合で相手を15秒でKOして、そこから先はもう歴史ってやつだ。
──その話を聞いた時、お父さんはどう感じたのでしょうか?
スミス:最初は俺のこと本気だと思ってなかったみたいだよ。スパーリングの夜に俺が顔を出すまではね。行ったら、本気だって分かったんだ。そこからすぐに始めて、ハードに練習した。
きっと、かなり嬉しかったと思うよ。小さい頃から親父はずっと俺にレスリングやれって言ってたし、高校で一回レスリングから離れてたから。これが戻るきっかけになったんだよ。
──ダブルレッグテイクダウンは、かつてRFAウェルター級王者だったお父さん譲りのものですか?
スミス:いや、ダブルレッグは昔から俺の持ち味だよ。相手を持ち上げて叩きつけるのが大好きなんだ。 観客が一番沸くし、俺はその盛り上がりを糧にするタイプだからね。だからダブルレッグが大好き。持ち上げて叩きつけるのが大好物なんだ。
──レスリング出身でありながら、アナコンダチョークを狙うなど、サブミッションも非常にアグレッシブです。ポジションを失うリスクもあるアームバーにトライすることもありますが、どのような考えで仕掛けているのでしょうか?
スミス:いいレスリングのバックグラウンドがあって、そこにツールを追加していっただけさ。ブラジリアン柔術は紫帯の4ストライプだしね。それにMMAでは、常にフィニッシュを狙ってる。KOでもサブミッションでも、仕留めるためのスキルセットは常に懐に入れておかないといけないんだ。
──お父さんのジムで、初のUFCファイターになるのでしょうか?
スミス:ああ、このジムでUFCファイターは俺だけだ。
──では、トレーニングパートナーはどのような選手たちと?一緒にやれるプロはいますか?
スミス:いるよ。今週末の俺のコーナーについてくれるディラン・キングもそうだし、ジャスティン・カンポスもコーナーマンだ。 カルロス・リベラはテキサスでの試合を控えてる。 だから、UFCファイターは俺だけだけど、ジムには才能ある選手がたくさんいるんだ。
──お父さんはコーチとして、今回もコーナーに入りますか?
スミス:ああ、親父はコーナーにつくよ。いつでも、必ずね。
──対戦相手である風間選手のサブミッションスキルについてはどう評価していますか?
スミス:彼はいい選手だと思う。特に下からのサブミッションゲームはいいものを持ってるね。上からの彼はあまり見てないし、そもそも俺は彼に上を取らせるつもりはない。俺たちはすごくよく準備できてるし、相手がどんな選手かも分かってるさ。
──風間選手が下からの三角絞めを得意としているとしても、トップポジションを取ることにアドバンテージがあるとお考えですか?
スミス:もちろんだ。彼とグラウンドに行くのは怖くない。俺は総合格闘家だし、完全なMMAファイターだってことを見せたい。そのための唯一の方法は、ボクシング、キックボクシング、グラップリング、柔術、レスリング、そのすべてのスキルセットを見せることさ。
──打撃のスキルでもアドバンテージがあるという自信はありますか?
スミス:ああ、間違いなく打撃では俺が有利だとわかってる。 でも誰だって危険はある。あいつが大振りを当ててくるかもしれない。だから賢く戦って、ディフェンスを良くして、俺たちのやることをやるだけさ。
────オクタゴンで戦うことは、あなたにとって何を意味しますか?お父さんが叶えられなかった夢でもあります。
スミス:すごく大きな意味がある。俺たちのファミリーネームを背負ってるし、自分が世界最高峰の舞台で戦えることを証明することでもあるからね。名誉なことさ。
これが現実になるとは思えなかった時期もあったけど、今、俺はここにいる。 だからUFCのケージに足を踏み入れることは、本当に光栄で、大きな意味を持っているんだ。
──日本のファイターとの接点や、日本に来たことはありますか?
スミス:日本には行ったことがないんだ。ずっと行きたいとは思ってるよ。ただ、俺は韓国のハーフで、韓国語のタトゥーもある。祖母も母も韓国のソウル生まれでね。 だから、ずっと訪れたいと思っている場所は日本と、そして間違いなく韓国だね。
──日本のファンへメッセージをお願いします。
スミス:日本のファンのみんな、応援に感謝してる。とにかくワイルドな試合になるし、フィニッシュを期待してくれ。どっちに転ぶかはわからないけど、この試合が判定に行くことはないさ。