最初から最後までハッピーな場面が1秒もない……。後味最悪な映画3選
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最初から最後までハッピーな場面が1秒もない……。後味最悪な映画3選

2024.06.21 15:00

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  • 犬人間
  • ファニーゲーム
  • MEN 同じ顔の男たち

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イヤなシーンが続き、観終わったあとは最悪の気分になる映画って、なぜか強烈に惹きつけられるものがありますよね。今回はそんな「つい観たくなってしまう後味最悪な映画」を3作ご紹介します。

アプリで「人間を犬として飼っているサイコな青年」と出会ってしまった女性の話や、理不尽な因縁をつけられて暴力を振るわれ続ける親子、そして顔の似た男たちからあらゆる加害を受ける女性の話など、観たことを後悔するレベルの“胸糞映画”をまとめました。なるべく体調が良い状態のときにご視聴ください……。

①『犬人間』

犬人間
© 2022 Fredagsfilm AS. ALL RIGHTS RESERVED.

あらすじ

女子大生のシグリッドは、デートアプリで億万長者のクリスチャンと出会う。お互い好印象を抱き、出会ったその日にシグリッドはクリスチャンがひとりで住む豪邸へ招かれる。

2人はいい感じのムードだったが、シグリッドはその家で“飼い犬”として振る舞う、犬の着ぐるみを着た人間に出会ってしまう。恐怖を感じ、引き止めるクリスチャンを振り切って逃げ帰るシグリッド。後日シグリッドが友人にクリスチャンの話をしたところ、彼が億万長者の息子であることが発覚。

彼に惹かれていたシグリッドは“飼い犬”の存在を受け入れ、クリスチャンとの交際を始めることに。クリスチャンと“飼い犬”との幸せな日常を過ごすシグリッドだったが、クリスチャンが不在の際に、それまでおとなしくしていた“飼い犬”が突然顔を出しシグリッドに話しかける。

「ここから逃げないと」「あいつはイカれてる」。この出来事を境に、シグリッドはクリスチャンの会話や行動の端々に違和感を覚え始める。果たしてシグリッドと“飼い犬”は無事クリスチャンの元から逃げられるのだろうか。

ポイント

ヴィリヤル・ブー氏が監督・脚本を務めたノルウェー発のスリラー映画。79分と映画にしては短めな本作ですが、短いからこそおもしろさがギュッと凝縮された作品です。

最初は「人間を犬として飼う容姿端麗な大富豪の息子」というサイコみあふれる設定に惹かれて観てみたものの、出落ち感はまったくなく、ハラハラするストーリー展開に引き込まれました。

序盤ではクリスチャンがめっちゃくちゃ紳士的に振る舞っていて、2人(と一匹?)ともかなりいい雰囲気でしたが、クリスチャンが狂気を見せ始めてからの落下速度はまさにジェットコースター。終盤の脱出劇は食い入るように見入ってしまいました……。

②『ファニーゲーム』

ファニーゲーム

あらすじ

バカンスのため湖水の付近にある別荘に親子3人でやってきたショーパー一家。妻・アンナが食事の支度をしているところ、見ず知らずのペーターと名乗る青年が訪ねてくる。隣の別荘に滞在しているアンナの知人から頼まれ、卵を分けてほしいと話すペーター。快く受け入れるアンナだったが、ペーターはどんくさく、残りわずかだった卵をすべて割ってしまう。

さらにパウルは別荘の電話までも水没させてしまうが、まったく悪びれる様子がない。そんなパウルの態度に苛立ちを隠せないアンナ。無理やりペーターを別荘から追い出そうとしたところ、ペーターの仲間であるパウルがやってくる。パウルもペーター同様に癪に障る態度で、「卵を渡してください」と引き下がらない。

その場に夫と子どももやってくるが、自体は収まらず口論に発展し、夫はパウルをひっぱたいてしまう。その瞬間、なんとペーターは別荘にあったゴルフクラブで夫を殴打する。ペーターとパウルは一変して凶暴性をあらわにし、親子3人を監禁。最悪の“ゲーム”が始まるのだった……。

ポイント

この映画、最初から最後まで一貫して暴力の描写がしんどいのですが、特にしんどいのは、暴力を受けている親子3人が「1ミリも悪い要素がない」ところ。

パウルとペーターから理不尽に因縁をつけられ、暴力を振るわれている様子がめちゃくちゃツラすぎます。さらに、パウルとペーターに悪びれる様子がまったくない部分も、観ていて胸糞悪くなるポイントです。

暴力やイジメをゲームのように楽しんでいる姿は、まるで無邪気な子どものよう。あくまで「先に手を出してきたのはそっちだ」と、ショーパー親子に罪悪感を持たせ、自分たちの暴力を正当化します。だんだんと2人の暴行は過激化し、最後には想像を超えてくる最悪の展開に。

「こうはならないでほしい……」をはるかに超える胸糞シーンが続くので、なるべく体調が良いときに見るのをおすすめします。

『MEN 同じ顔の男たち』

MEN 同じ顔の男たち
©2022 MEN FILM RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

あらすじ

夫の自殺現場を目撃し、心に深い傷を追ったハーパーは、傷心旅行のため静かな田舎町を訪れ、豪華な屋敷に滞在。その管理人であるジェフリーは、空気が読めない部分はあるものの優しい態度でハーパーを案内する。

夫との辛い思い出を引きずりながらも、田舎町でゆったり暮らしながらなんとか心身の回復に努めるハーパー。しかし、ハーパーが過ごす屋敷へ全裸の不審者が侵入してきたことをきっかけに事態は一変。

町で遭遇する青年、牧師、そして不審者、出会う男たちがどれも屋敷の管理人・ジェフリーと同じ顔をしているのだ。しかもその男たちが、あらゆる言葉でハーパーを加害してきて……。

ハーパーに取り合わない警察にうんざりするハーパー。優しかったジェフリーもなんだか気味が悪い。この奇妙な田舎町で、ハーパーのメンタルはどのように変化していくのだろうか。

ポイント

最初から最後までイヤ〜なシーンのオンパレードで、観終わる頃にはストレスが満載の本作。似た顔をした男たちがハーパーへあらゆる加害をするのですが、そのやり方もなんかイヤ。

暴力や暴言など、決定的な加害ではなく「それ、言われたら傷つくんだけど……」といった言葉をいろんな角度から投げかけてくるので、観ているこっちまでストレスが溜まってしまいます。

全体的に不気味な場面が続くのですが、終盤シーンはかなり過激な描写になり、思わず目をそらしてしまいました。そのシーン単体で見ると「単にグロテスクな映像」となるのですが、それまでの男性たちの加害があったぶん、「もう勘弁してください……」と懇願したくなるような気持ちになりました。

手放しでおすすめできる映画ではないですが、ストレスのキャパに余裕がある方はぜひ。


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