12月、UFCデビュー戦でいきなりフライ級タイトルマッチに挑む朝倉海選手「UFCチャンピオンになって、来年UFCを日本に持ってきたい」
12月8日(日)開催、UFC 310のセミメインイベントでUFCデビューを飾る朝倉海選手にインタビュー
昨年から今年2月までの期間にわたり開催された「ROAD TO UFC シーズン2」でトーナメント優勝を果たし、UFCとの契約を勝ち取った、9戦無敗で第8代キング・オブ・パンクラシストの鶴屋怜選手が、6月30日、待望のUFCデビュー戦を迎えます。豪華な対戦が並ぶビッグイベントに臨むにあたり、日本人ファイターの躍進がめざましいUFCフライ級に飛び込む超新星・鶴屋怜選手が意気込みを語ってくれました。
──2月のROAD TO UFCシーズン2フライ級トーナメント優勝を経て、ついにUFCデビュー戦を今週末に迎えます。そんな現在の心境を教えてください。
鶴屋:昨年から出場していた「ROAD TO UFC(RTU)シーズン2」を含めて、海外で試合する中で今回は一番緊張してなくて、普通にいい感じで(ファイトウィークに)入れてるなって感じがしています。RTUでの3戦はUFCとの契約が「決まるか、決まらないか」がかかっている試合だったので、やっぱり自分はUFCに出場できなければ意味がないと思っていたなかで、ここで負けたらまた1年かけての挑戦(に逆戻り)になってしまうと思っていたし、多分そういうこともあったので緊張というか、そこは結構、精神的に……何て言うのですかね、自分の中でRTUに臨む1年間、気持ち作ってきたので。思えばたぶん、どこかに不安のような気持ちも少しあったのかな……っていう気もします。だからUFC本戦での初戦になったら意外と緊張しないなって。心境としては、いつも日本でやるような感じで、すごくいい感じです!
──UFCとの契約書にサインをしてから、選手として練習での取り組みを含めて変わったことなどはありますか?
鶴屋:特に、UFCに向けてだからといって変えたりしたことはありませんが、試合が決まってからは普通に出稽古も増やして、1日しっかり二部練をやるということを徹底して、試合前1カ月間はやってきました。
──2月の優勝後、米国修行でアメリカン・トップ・チームに行かれたのは、どういった課題や目標を持ってのことですか?
鶴屋:アメリカには、「今の自分の実力がどんなものなのか」ということを知りたかったから行ったというのが一番大きいです。練習としての課題は、あっちの選手に触れて慣れるっていうのもあるし、トップ選手たちから少しでも技術を盗めればいいなと思っていました。
──そのトップ選手のなかにはUFCのトップに君臨する、アレクサンドル・パントーハ選手もいますね。自分の目標とするポジションの選手と手を合わせるとき、そのことを意識しましたか?
鶴屋:「UFC王者のパントーハだ!」みたいに意識はしなかったというか、もちろんパントーハがチャンピオンなのは事実なので、「俺はそのベルトが欲しい」って思うぐらいで(笑)、練習としては普通に組んでいました。
──そのパントーハとの練習も含めて、目的としては実力を測りに行ったとのことですが、手応えはいかがでしたか?
鶴屋:そうですね、全体を通して「トップに行けるんじゃないか」と思えるような練習が、できました。
──初戦の対戦相手、カルロス・ヘルナンデス選手の印象は?
鶴屋:最初は打撃の印象がすごかったですけど、見てみたら意外と組みの展開も多く、自分から結構テイクダウンすることも多いのですが、その点で自分にはレスリング(のバックボーン)があるので、そもそもあんまりタックルに入られることはないですし、逆にまあ「入ってくれればありがたいな」という感じでいます。打撃のほうも、めちゃくちゃいい強烈な一発があるとか、そういうわけではなさそうなので、そんなにめちゃくちゃ何か警戒してるってわけじゃないですけれど、ヒザだったりを絶対に狙ってくると思うので、それをしっかり頭の中に入れとけば大丈夫かなって感じですね。
いつもあんまりたくさん相手の試合を見たりしないのですが、やっぱり今回もそんなに見てなくて、相手の対策を練ってきているというよりは、普通に自分がやることを磨いてきただけって感じです。
──チームメイトの岡田遼選手が今回もコーナーに付かれると思うのですが、(平良達郎選手の)セコンドとして、すでにカルロス・ヘルナンデス戦を経験しています。相手の癖であったり、アドバイスなどいろいろもらったのですか?
鶴屋:それは特に意識していませんでしたが、言われてみれば確かに岡田さんは2回目になるのですよね。当日は指示をしっかり聞いて試合に臨もうと思います。
──どんな試合をしたいと思っていますか?
鶴屋:1ラウンドで終われれば……、いや1ラウンドで終わらせたいです。もし1ラウンドで決められなかったとしても、必ずフィニッシュをします。
──RTU参戦当時も、「すごい奴が来た」というインパクトを見据えて全フィニッシュしたいとおっしゃっていましたよね。やはり本戦に入ってからも勝ち星の数を優先するよりフィニッシュにこだわりたいですか。
鶴屋:そうですね。UFCファイターとしてはフィニッシュが多い選手であるほうが、判定で勝つよりも人気が出るでしょうし、絶対いいですよね。
──キャンセルになってしまったものの鶴屋選手が憧れとするコナー・マクレガー選手がメインイベンターだった、それほどの規模のイベントでデビューすることについては、UFCからの期待を感じているでしょうか。
鶴屋:最初に試合のオファーがあった時はまだコナー・マクレガー選手が出るかはわからなくて。でもナンバーシリーズではあったので、自分としてもデビュー戦をナンバーシリーズで、しかもそのなかでもかなり大きな大会なので、「おいしいな」と思いました。本来だったらUFC APEXで行われるくらいが普通だったのでしょうけど、ナンバーシリーズというアリーナ開催でのイベントになって全然注目度も違うだろうし、だからこそ、やっぱりそこで1本で勝つということは、大事なことなんだと思っています。
周りからも「達郎くんも2ラウンドで勝ってるし、怜も勝てるでしょ」みたいな感じで言われているので、だからこそ、ここはしっかりフィニッシュで勝たないといけないと思っていて。
──緊張してないとおっしゃっていた上であえて伺うのですが、そういうさまざまな要素はプレッシャーには繋がらないのですか?
鶴屋:どうだろう?確かに感じないです。いい意味で周りからしっかり期待されているので、ここで日本人だけじゃなくて、しっかり外国の人たちにも印象付けたいというのが大きいですね。
──ところでコーナーにつくのは先ほども挙げた岡田遼選手、そしてお父様の鶴屋浩代表も変わらずだと思いますが、もう1枠にはどなたか日本からチームメイトを連れてきたのですか?
鶴屋:プロレスラーの中邑真輔選手が付いてくれることになったんです。スーパースターなので、そういうところもしっかりアピールできればいいかなって思っています。
──なんと!コーナーからどんな声が飛んでくるのか、楽しみですね。今日ここまでのフィニッシュ宣言はまさかフィニッシュムーブにサプライズがあるという壮大なフリだったのでしょうか……
鶴屋:相手が倒れた時に中邑選手から「キンシャサ行け!」って言われないといいんですけどね(笑)、それでやってしまって反則負けになるかもしれないです(笑)アハハハハ!
──4点ポジションでのスライディングのキンシャサは完全にアウトですね(笑)。そういう話題性でもアメリカのお客さんを沸かせることは間違いないと思うのですが、鶴屋選手ご自身としては、どんなアピールをしたいと思っていますか?
鶴屋:今は日本人だと、(平良)達郎くんだったり、他の選手が注目を浴びているので、やっぱりその中でも「鶴屋怜はまたちょっと違うな」っていうところを見せられたらいいなと思っています。それでファンもたくさんついて、最終的にチャンピオンになれればいいなって。
──勝利の「イヤァオ!」が聞けるのを楽しみにしています!
鶴屋:はい、そこは……(笑)、終わったら(笑)、はい……
──最後に、U-NEXTを通して応援している皆さんにメッセージをお願いします。
鶴屋:しっかり1ラウンドフィニッシュで勝つので、応援よろしくお願いします!
※中邑真輔選手のことをご存じない方はぜひ中邑選手の自伝をチェックしてみてください。
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