まるで国際大会!サムライたちが躍動する!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.23」観戦レポート!
シェア

まるで国際大会!サムライたちが躍動する!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.23」観戦レポート!

2024.09.26 14:00

この記事に関する写真(7枚)

  • 01-6_WHO'S NEXT vol.23
  • 02-4_WHO'S NEXT vol.23
  • 03-5_WHO'S NEXT vol.23
  • 04-12_WHO'S NEXT vol.23
  • 05-9_WHO'S NEXT vol.23

Edited by

9月21日のボクシング「第23回WHO'S NEXT」は、日本のホープと中国の強豪が激突する「G.O.A.T.MATCH vol.4」も兼ねて、“日中平和友好親善試合”が開催された!

注目は、WHO’S NEXT強化育成選手の堀池空希、伊藤千飛が、中国のフィジカル・モンスター相手にどんなボクシングを見せてくれるのか。

本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線での観戦レポートと対戦結果をお届け!

配信開始前、または配信終了しています。

メインイベント 第7試合:8R/日本スーパーライト級

01-6_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

〇堀池 空希(横浜光)vs ×ワン ラクセン(中国)判定3-0

WHO’S NEXT強化育成選手の堀池空希は、東洋大学出身、2022年度、23年度関東大学リーグ戦階級賞など数々の実績を残しアマ戦績28戦21勝 7敗。父親が極真空手で世界準優勝の実力者であり、幼少から空手、中学2年からはキックボクシングを始める。キックでもTOP RUN60キロ級チャンピオンになるなど、格闘センスを磨いた。

2024年4月、WHO’S NEXT強化育成選手に指定され鳴り物入りでプロデビュー。これまで2戦して、2戦とも1回KO勝利中とレベル違いの強さを見せつける。持ち味であるスピードと強い左ボディで、パーフェクトレコード更新を目撃したい。

ワン・ラクセンは、WBCアジアコンチネンタルチャンピオン、WBAアジアイーストチャンピオン。好戦的なサウスポーのボクサーファイター。ガッチリとした体格から繰り出されるハードパンチの連打が特徴的。

日中平和友好親善試合の第4戦は、「アマチュア・エリート」と「フィジカル・モンスター」の対決!

試合は1回、堀池の右ストレートで、ワン・ラクセンが大きくバランスを崩すところから始まる。この挨拶代わりの一発で、後楽園ホールは大いに沸く!サウスポーのワン・ラクセンは、堀池の左ジャブに右フックのカウンターを合わせようと狙っているが、空振りが目立つ。それを見越したように、堀池は右ボディストレートを巧打。2回、堀池は左フック、ワン・ラクセンは右フックを振りあうも、お互いにクリーンヒットなし。3回、ワン・ラクセンは手数を増やし先手を取り、堀池は受けに回った印象。4回、今度は堀池が先手を奪う!ワン・ラクセンの右フックをガードしながらステップインし、右ボディ、右アッパーをヒットさせる。5回、打ち気に走るワン・ラクセンの空振りに、左右ボディを合わせた堀池の当て勘が光ったラウンド。

6回、前のラウンドからよくヒットしていた堀池の右ボディで、ラン・コウコウがバランスを崩しダウン!ラン・コウコウは、足が引っかかって倒れたため、スリップを主張するが認められず、アンラッキーなダウンとなる。

7回、堀池はこの終盤で、ジャブ、ワンツーの正統派ボクシングを展開する。まるで、アマチュア・エリートが、ボクシングのレクチャーをしているようだ!力みのないコンビネーション、ポジションを変えるフットワークに、左フックのカウンター。ラン・コウコウは、面食らっているよう。

そして最終8回、堀池のレクチャーは続く。堀池は、大振りして体が流れるラン・コウコウに、左フック、右ストレートをクリーンヒットさせると、試合終了のゴングが鳴った。

判定は、77-74、78-73、78-73の3-0で堀池の勝利!デビューから3連勝を飾った!

堀池空希選手、終盤で見せた高度なボクシングには、今更ながら驚いた!デビューから2試合とも、1回KO勝利だったので、豪快な倒しっぷりが注目されがち。だが、あのボクシングをされたら、並大抵の選手は太刀打ちできないのでは。プロ仕様の“上手さ”と“強さ”を兼ね備えたチャンピオンへの道は続く!今後もWHO’S NEXT強化育成選手である堀池空希選手から目が離せない!

セミファイナル 第6試合:8R/バンタム級

02-4_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

〇伊藤 千飛(真正)vs ×ラン コウコウ(中国)8回TKO

WHO’S NEXT強化育成選手の伊藤千飛は、アマ戦績21戦20勝1敗、2021年度全国選抜大会ライトフライ優勝、2022年度全国選抜大会フライ優勝、2023年度アジアユース選手権3位の実績を携えて、今年プロ転向。また、5歳から始めたキックボクシングでは、200戦150勝50敗を誇り数々のタイトルを獲得した格闘エリートの側面も併せ持つ。デビュー戦は、右ボディ一閃、1ラウンド秒殺KOで勝利した19歳。究極の“立ち技”格闘技、プロボクシングの世界で、伊藤千飛選手が輝く姿に期待しかない!

ラン・コウコウは、小柄だがその分、分厚い体格で左右フックを振り回す右ファイター。今年2月には、元WBCスーパーフライ級王者シーサケット・ソー・ルンヴィサイと対戦、勇敢なファイトスタイルとタフネスを見せたが判定負け。これまで7敗しているが、KO負けはおろかダウン経験すらないタフガイ。しかも伊藤戦が実に今年5試合目となる。勝ち星には見放されているが、ハートの強さは侮れない。

日中平和友好親善試合の第3戦は、「秒殺KOボーイ」と「絶対に倒れないタフガイ」の対決!

試合は1回、伊藤のスピードが際立つ立ち上がり。スピードのあるジャブで煽り、ラン・コウコウのガードの隙間を狙い打つ左ボディの連打でコーナーに詰めると、レフェリーストップを呼び込むような集中打を浴びせ、ダウン寸前まで追い詰める。

続く2回、伊藤はパンチを貯めて、重たい右ストレートで牽制。時折サウスポーにスイッチしながらボディを叩きラン・コウコウのスタミナを削る。3回、伊藤は、再びジャブでリズムを作ると、左ボディの軌道で左アッパーを打ち込みヒットするが、ラン・コウコウは怯む様子がない。また、ラン・コウコウのパンチを紙一重でよける、目の良さも見せた。

4回、ラン・コウコウは観客を煽り、ラフファイトに持ち込もうと伊藤を挑発する。しかし、冷静さを失わない伊藤の左右アッパーをもらい流れを変えられない。5回、伊藤は長いリードジャブで中間距離を作ると、左フックで飛び込んでくるラン・コウコウに右クロスカウンターで迎撃!近づけば左ボディ、角度を変えて左右アッパーを打ち込み一方的に支配する。6回、ここまで来たらダウンの1つでも欲しい伊藤は、ギアを上げて怒涛のコンビネーションを浴びせる!タフなラン・コウコウだが、このままパンチをもらい続ければ危険と判断したのか、たまらずクリンチ。倒せなかった伊藤は、打ち疲れて手数が減ってしまった。

そして迎えた7回、伊藤にとっては、“プロ”としての正念場のラウンド。タフなラン・コウコウは、疲れの見え始めた伊藤を前にして、鋭気を取り戻しているように見える。対する伊藤は、まともにパンチを貰っていないのでダメージこそないが、自身の打ち疲れと、打っても打っても倒れない相手に対するフラストレーションが大きくなってきているのでは。そんな邪念を跳ねのけることが出来るのは、ハードなトレーニングを重ねてきた自分自身を信じること!伊藤は、強い右ストレートを中心に、ラン・コウコウをパワーで押し切る。

そして最終8回、コーナーで大きな声を出して気合いを入れ直した伊藤は、ジャブ、右ストレート、左アッパーの三連打をクリーンヒットさせると、的中率の高いコンビネーションをまとめて、レフェリーストップを呼び込んだ!ラン・コウコウは、このストップに不満の様子だったが、試合内容が一方的だったことと、これまでのダメージの蓄積を鑑みても仕方ない結果だと感じた。

伊藤千飛選手、これでプロ戦績は2戦2勝2KO無敗。タフな選手が相手だったからこそ、テクニックの引き出しの多さ、メンタルの強さを出すことが出来た試合。インタビューの表情と試合での姿にギャップがあることから、これから大いに人気が出そうな選手。今後もWHO’S NEXT強化育成選手である伊藤千飛選手を見守っていきたい!

第5試合:8R/フェザー級

03-5_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

〇高 優一郎(横浜光)vs ×ダウス リテ(中国)判定3-0

高優一郎は、拓殖大学ボクシング部で活躍し、全日本選手権3位の実績を携えてB級デビュー。帰省中の元旦、能登半島地震に遭遇し、救援物資の募集や仕分け作業で被災地を支えた。デビュー戦、プロ第2戦では、完璧なポイントアウトで技術の高さを披露。プロのリングで、倒し切るボクシングに期待がかかる。

ダウス・リテは、現在7戦全勝、5連続KO勝利中の長身サウスポー。今年5月の日中対抗戦では、上野永吉選手を2回TKOで沈める。鞭のように打ち下ろす右リードジャブ、ポジションを変えて打ち上げる左アッパーなど、当て勘の良さ、伸びのある重たいパンチが武器。

日中平和友好親善試合の第2戦は、「テクニシャン」と「ハードパンチャー」の対決!

1回、身長で10センチ以上上回るサウスポーのダウス・リテに対し、高はどっしりと構え正面衝突も辞さない様子。前評判の高い倒し屋が相手でも、物怖じせずに鋭い踏み込みから右ストレートを打ち込むと、ダウス・リテはグラつき足をバタつかせる!この一発に、高の試合に懸ける意気込みを感じた。2回、高のプレッシャーに吞まれたダウス・リテは、攻めてを欠き突破口を見いだせない。そんな中、高は右ボディを叩くと左フックを返し、またもダウス・リテをバタつかせる。3回、これまで通り優位に試合をすすめていた高だが、接近戦でダウス・リテの右ショートフックがヒット、たまらずクリンチで逃れる。やはり、ダウス・リテはパンチがある。この回は、ダウス・リテのラウンドか。

4回、高はダウス・リテのボディを集中攻撃しガードをさげさせると、右ストレートを顔面に返す。5回も高はボディを叩き続け、今度はがら空きになった顔面に左フックを返す。

6回、高の右ストレートがクリーンヒットし、なんとダウス・リテがアウトボクシングで足を使う。7回、ダウス・リテは足を止めての打ち合いに臨むが、高も一歩も引かない激しい打撃戦になる。最終8回、ポイントではリードしているであろう高だが、最後までKOを狙い手を出し続けたが、ダウス・リテを仕留めることは出来ずに試合終了。判定は、78-74、79-73、79-73で一方的な採点で高が勝利した。

高優一郎選手、長身、サウスポー、ハードパンチャーというダウス・リテ選手に何もさせずに完封勝利!これで戦線を3戦全勝無敗とした。これまでKO勝利には恵まれていないが、そのアグレッシブなファイトスタイルは、充分にファンを魅了している!

第4試合:8R/ライト級

04-12_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

×木戸口 謙辰(三迫)vs 〇チョウ シンキョウ(中国)負傷判定0-3

木戸口謙辰は、2023年6月プロデビュー。立教大学ボクシング部出身で、アマ戦績75戦52勝23敗を残しプロ転向も、4戦目で初勝利。アマチュア仕込みの左リードジャブの差し合いからチャンスを作るアウトボクサーで、長身を活かしたロングレンジのワンツーが有効。

チョウ・シンキョウは、2023年9月にプロデビュー。シャープで攻撃的なボクシングで4戦全勝、2連続1ラウンドKO勝利中。中国の全勝ホープが、日本のリングに初登場。

日中平和友好親善試合の第1戦は、「アウトボクサー」と「ファイター」の対決!

試合は1回、ジャブで距離を取りたい木戸口と、頭から突っ込んでくるチョウとのせめぎ合いになる。突進力のあるチョウに対し、木戸口は、真正面からワンツーを放つが、どうしてもクリンチでのもみ合いが多くなる。そんなクリンチの離れ際、チョウの右ストレートと返しの左パンチが木戸口の顔面にヒット!小さなパンチだったが、木戸口は尻もちをつきダウン!それほどダメージは大きくなさそうだが、再開後はクリンチでピンチを逃れる。

2回、チョウは強いフィジカルから繰り出すワンツーで接近するシンプルな戦法でプレッシャーをかけるが、木戸口はバックステップとクリンチを織り交ぜて的を絞らせない。

3回、偶然のバッティングでチョウが眉間をカット。ドクターチェックを受けるが、試合は続行される。4回、出血と疲労からか攻撃が単調になったチョウに対し、木戸口が本来の持ち味であるアウトボクシングを展開し、手数、有効打で上回る。そして2回目のドクターチェックが入るが、試合は続行される。5回、リズムの出てきた木戸口は、得意のアウトボクシングで中間距離からワンツーを打ち込む。木戸口の動きを止めたいチョウが、クリンチしているように見えた。6回、勝負に出たチョウは、力のこもった連打をまとめて木戸口を倒しにかかるが、ここで3度目のドクターチェック。ここで試合続行不可能と判断され、6回までの採点で勝敗を決することに。判定は、55-58、55-58、54-59の0-3でチョウの勝利!チョウのフィジカルが木戸口のフットワークを押し切った。

木戸口謙辰選手、序盤こそチョウ選手の圧力に押されていたが、試合が進むにつれてアウトボクシングが出来てきていただけに悔やまれる。最終ラウンドまで続いていれば、チョウ選手のスタミナが切れたかもしれない。

第3試合:8R/54.5㎏契約

05-9_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

×与那覇 勇気(真正)vs 〇辻 永遠(勝輝)判定0-3

与那覇勇気は、日本バンタム級13位。2023年4月、那須川天心のボクシングデビュー戦の相手に抜擢されるも、ダウンを奪われての判定負け。一度は引退も考えたが再起し、今年1月の寺地VSカニサレス戦のアンダーカードで、辰吉寿以輝と対戦。強打者同士の激しい打撃戦の末に僅差の判定負け。その試合以来の再起戦となる。持ち前の攻撃的なボクシングで、ベテランの意地を見せられるか。

辻永遠は、日本フェザー級7位、元日本ユース・フェザー級王者。デビューから3連勝も4戦目で試合中に肩を脱臼し棄権で初黒星。しかし、その後は5連勝と勢いに乗る新鋭。スピードのあるステップワーク、思いっきり良く振る右クロスは迫力充分。世代交代をアピールできるか注目。

ベテランと新鋭が激突する一戦は、フルラウンドの死闘となった。1回、与那覇は大きく振り込む左ボディと右フックで先制攻撃。しかし、辻は慌てることなくコンパクトな左アッパーと右ストレートをヒットさせる。2回、早くも両者が足を止めての打ち合いに。与那覇は振り下ろすような右ストレートを連打するも空転。一方で辻は右クロスをたびたび巧打し、的確なコンビネーションをまとめ、スピードの違いを感じさせる。3回、このまま辻のペースになるのかと思いきや、与那覇が左フックをクリーンヒットさせ、我慢比べの乱打戦に持ち込む。泥臭い、打ちつ打たれつの試合展開は、苦戦に慣れている与那覇の土俵。

4回、辻は足を使って距離を取りアウトボクシング。下がりながら、軽いパンチを当てる。このままでは、与那覇のペースになるところを上手く回避する。5回、与那覇の突進は止まらない。足を使う辻を追い回すように左フックを打ち込む。6回、このままでは、与那覇に押し切られると考えたのか、辻は再びリング中央での打ち合いに応じる。両者、豊富なパンチの応酬だが、与那覇の空振りが目立つ。逆に、辻は右ストレート、右アッパーをヒットさせた後、パンチをまとめて攻勢をアピール。7回、疲れの見えてきた辻に対し、与那覇は、この日一番の左フックを振りぬきクリーンヒット!思わず辻は表情を歪ませ、一瞬動きが止まる。与那覇は、さらに右ボディで追撃。大ピンチの辻は、たまらずクリンチ。この回で決め切りたい与那覇は猛攻を仕掛けるも、辻も必死にパンチを打ち返し仕留めることが出来ず。そして最終8回、両者、ダメージ、疲労ともにピークの中でラウンド開始のゴング!前のラウンドが劣勢だった辻は、ダメージをこらえてゴングと同時に連打を打ち込む。与那覇は、打ち疲れとダメージ双方からか、ここに来て手数が減り防戦一方に。死力を尽くした打撃戦は、両者が倒れることなく試合終了のゴングを聞いた。

判定は、ジャッジ三名ともに75-77で、辻が勝利をもぎ取った!

与那覇勇気選手、どんなに苦戦していても、7回のようなチャンスを呼び寄せるのが最大の持ち味。その打ちつ打たれつの激闘スタイルが、ファンの心を熱くする人気選手であることに間違いはない。戦績21戦13勝(8KO)7敗1分とした。

辻永遠選手、キャリア初、薄氷の勝利。これで戦績は10戦9勝(6KO)1敗に。実力者、与那覇選手からもぎ取った白星は、何勝もの価値があるし、この苦戦は大きな経験となったのでは。日本フェザー級戦線がますます面白くなってきた。

第2試合:8R/フェザー級

06-9_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

×廣瀬 祐也(協栄)vs 〇岡本 恭佑(HKスポーツ)7回TKO

廣瀬祐也は、WBOアジアパシフィックフェザー級7位、日本フェザー級10位。スピードある右リードジャブで中間距離を支配し、カウンターを狙う技巧派サウスポー。今年6月の試合では、帝拳ジムの元アマチュア・エリートで全勝ホープの嶋田淳也と引き分け、技術の高さを証明した。岡本恭佑とは、2022年度全日本新人王決勝戦で対戦し、僅差の判定で敗れている。さあ、リベンジなるか。

岡本恭佑は、2022年度全日本フェザー級新人王、九州国際大在学中の学生ボクサー。2023年12月、空位の日本ユース・フェザー級王者決定戦で、辻永遠と対戦し3回TKOで敗れ初黒星も、今年6月の再起戦では3回KO勝利。抉るような左ボディと拳二つ分は伸びてくる右ストレートが武器のボクサーファイター。2022年度全日本新人王決勝戦以来、廣瀬祐也との再戦。初戦は僅差の判定勝利だったので、決着をつけたい。

試合は、技巧派サウスポーの廣瀬が積極的に攻め込み、岡本が迎え打つ展開となった。1回、岡本のノーモーションの右ストレートが、サウスポー廣瀬の顔面を跳ね上げる。2回、廣瀬はプレッシャーを強め、左ボディストレートでお返し。3回、岡本はシャープな右パンチを顔面、ボディに打ち分け攻勢を強めると、4回は手数でも廣瀬を上回る。5回、廣瀬は流れを変えようと強引に攻め込むが、岡本はことごとく廣瀬の攻撃を回避し、防御技術の高さを披露、逆にコンパクトでシャープな右ストレートをクリーンヒットさせる。6回、廣瀬も踏ん張りプレッシャーをかけ手数を出すが、岡本の的中率の高さが勝った印象。

そして迎えた7回、岡本の鋭角的な右アッパーがクリーンヒット!グラついた廣瀬にコンビネーションをまとめてダウンを奪う!ここで廣瀬のダメージを考慮したレフェリーが、試合を止めた。

廣瀬祐也選手、嶋田淳也選手と互角に渡り合ったテクニックを封じ込められリベンジならず。先手を取りに行ったが、パンチの的中率で差が出てしまった。苦手意識があったのかな。これで戦績は15戦9勝(4KO)4敗2分となった。

岡本恭佑選手、サウスポーをものともしない右ストレートの的中率の高さが際立った。この日、同じリングに上がった辻永遠選手に喫した唯一の敗戦から、完全復活をアピールできた。戦績は10戦8勝(5KO)1敗1分になった。嶋田淳也選手、金子虎旦選手らフェザー級ホープの誰と対戦しても面白そう。

第1試合:4R/スーパーフェザー級

07-2_WHO'S NEXT vol.23
©Naoki Fukuda

〇保谷 勇次(三迫)vs ×蛯名 創魅(DANGAN郡山)判定2-0

保谷勇次は、2023年5月、東日本新人王フェザー級予選でプロデビュー。1回にダウンを奪われるも、その後挽回したが及ばず判定負け。初勝利を目指すボクサーファイター。

蛯名創魅は、これがデビュー戦のサウスポーのファイター。地元の福島県郡山市に勝利をもち帰りたい。

試合は序盤、長身の保谷が左ジャブで距離を作ると、右ストレートを打ち込む中間距離での攻防となる。小柄な蛯名は、接近して左右フックを打ち込みたいが、保谷にコントロールされるラウンドが続く。しかし3回、プレッシャーを強めた蛯名が右アッパー、左ストレートを打ち込み流れを変えると、4回も豊富な手数で劣勢を挽回した。

判定は、三人のジャッジのうち、一者がドロー、二者が保谷を支持し、保谷が初勝利を手にした。

保谷勇次選手、サウスポーのファイターを相手に、ガードの間を打ち抜く右ストレートが印象的だった。まとまりのある正統派ボクサーなので、今後の活躍が楽しみな選手だ。

蛯名創魅選手、豊富な運動量と手数で攻め立てたが一歩及ばず。後半、尻上がりに調子が出てきただけに、次につながる敗戦だった。


今大会で行われた、“日中平和友好親善試合”の結果は、日本3勝、中国1勝となった。これは日本のサムライが、アマチュアで培った基礎と、プロで磨いた実践的テクニックを融合した結果なのでは。現在、軽量級を中心に隆盛を誇る日本ボクシング界だが、中国選手たちの強いフィジカルとハートが、アジアの大きなライバルとして立ちはだかる日は遠くない。

次回10月5日の『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.24』は、パーフェクトレコードを誇るネクスト・モンスター村田昴が、WBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王者決定戦のリングに上がる!お楽しみに!

U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.23』を2024年10月21日まで配信中!

配信開始前、または配信終了しています。

この記事をシェア

この記事に関する写真(7枚)

  • 01-6_WHO'S NEXT vol.23
  • 02-4_WHO'S NEXT vol.23
  • 03-5_WHO'S NEXT vol.23
  • 04-12_WHO'S NEXT vol.23
  • 05-9_WHO'S NEXT vol.23

Edited by

同じ連載の記事一覧

もっと見る

格闘技 特集の記事一覧

もっと見る