阿部麗也、眞下公翔が再起戦のリングに!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.25」観戦レポート!
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阿部麗也、眞下公翔が再起戦のリングに!「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT Vol.25」観戦レポート!

2024.10.24 12:00

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10月18日開催のボクシング「第25回WHO'S NEXT」は、メインイベントの阿部麗也選手、セミの眞下公翔選手の再起戦と共に、中谷潤人選手の盟友、エイドリアン・アルバラード選手の日本デビュー戦もセットされた。

しかもリングサイドでは、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人、WBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ、そして、WBA世界バンタム級王者の堤聖也が観戦!ビッグマッチを終えたばかりの現役世界王者が見守る中、“聖地”後楽園ホールでは、緊迫した接戦が繰り広げられた!

本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線でのリングサイド観戦レポートと対戦結果をお届けする!

配信開始前、または配信終了しています。

メインイベント 第6試合:10R/58.0kg契約

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©Naoki Fukuda

〇阿部 麗也(KG大和)vs ×川本 響生(鉄拳8)判定3-0

阿部麗也が、後楽園ホールに帰ってきた!サラリーマンボクサーとして、二足の草鞋を履きながら世界戦まで漕ぎ付け、今年3月にIBF王者ルイス・アルベルト・ロペスに挑戦するも8回TKO負け。これが再起戦のリングとなる。抜群の距離感で、切れ味鋭い左ストレートのカウンターが武器の技巧派サウスポー。

そんな阿部に対峙するのが、川本響生。L字ガードで上体を柔らかく使い、スピードのあるジャブとコンビネーションが特徴的なメイウェザータイプのボクサーファイター。A級2戦目、初の10回戦のリングで、格上の実力者相手に、持ち味である多彩で大胆な攻撃を出し切れるか。

この2人、試合前から舌戦を披露し、川本が「引導を渡す」と発言すれば、阿部も「全力で潰しに行く」と答える。あるのか世代交代!

試合は、トリッキーな川本が仕掛け、正統派の阿部が捌くような展開が続く。両者ともスタイルは違うが持ち味を発揮しているのが興味深い。川本にいたっては、フットワークが速すぎて、阿部の背後に回り込んでしまうシーンも。なんとなく往年の名勝負「ナジーム・ハメドVSマルコ・アントニオ・バレラ」の試合を思い出してしまった。阿部のボクシングは、回が進むにつれ安定感を増し、鼻血が止まらない川本をほとんどのラウンドでコントロールしてるように感じた。

が、しかし!最終ラウンドに大きなドラマが!残り45秒!これまで試合を支配してきた阿部に、川本の右フックがクリーンヒット!ガクッと膝を落とした阿部は、一気に形勢逆転され防戦一方に!クリンチで凌ごうとするが、ボディを喰らいバランスを崩しロープまで弾き飛ばされる。あと一発、クリーンヒットをもらったらKOか?という場面で試合は終了!阿部はゴングに救われた。判定は3-0で阿部の勝利だが、もう1回、いや、もう1分あったら分からなかった。

川本響生選手、メンタルの強さ、運動能力の高さ、最終回に見せ場を作る、ポテンシャルの高さをアピール出来た試合。敗れはしたが、この試合で多くのファンを獲得したに違いない!

阿部麗也選手、ラスト45秒までは完全にコントロールしていたが、まさかの一発で逆転KOのピンチに!辛うじて勝利は拾ったが、反省の多い内容となってしまった。完全復活を待つ!

セミファイナル 第5試合:8R/フェザー級

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©Naoki Fukuda

×チャン ファン(中国)vs 〇眞下 公翔(横浜光)判定0-3

WHO’S NEXT強化育成選手、眞下公翔の初黒星からの再起戦。デビューから8連勝6KOで、倒した試合は全て2ラウンド以内というサウスポーのハードパンチャー。今年6月のジェイソン・カノイ戦では壮絶な打撃戦の末、僅差の判定で初黒星。ラフファイトも相まってアウェイの洗礼を受けた。

対戦相手のチャン・ファンは、これまで中国国内でキャリアを積み重ね、いまだ無敗。今回が初めての海外での試合となる。

中国の選手は、タフでフィジカルもハートも強い選手が多いが、眞下選手が持ち味のハードパンチでKO出来るかが注目。試合は、“ケンカ四つ”、右構えのチャンと左構えの眞下のジャブの差し合いに。小柄でフットワークの軽いチャンは、前後のステップとクリンチで眞下の強打を警戒。眞下も丁寧にボディから攻めて、チャンの動きを止めようとするが、逃げまくる相手を捉えきれない。6回には、この日一番の左ストレートをクリーンヒットさせて、チャンの顔面を弾き飛ばすが、ほとんどホールディングのようなクリンチに苦しめられた。決定打のないまま試合は終了、眞下の0-3判定勝利となった。

眞下公翔選手、空振りも多く、パンチの的中率を欠いた苦しい内容だった。勝利は間違いないが、眞下選手には、どうしてもKO勝利を求めてしまう!次回、期待する!

第4試合:8R/スーパーフェザー級

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©Naoki Fukuda

〇それいけ太一(KG大和)vs ×遠藤 勝則(角海老宝石)2回KO

日本スーパーフェザー級3位のそれいけ太一は、変則的な独特のリズムと重たいパンチが武器のボクサーファイター。今年3月の石井龍誠との試合では2度ダウンを奪っておきながら、ヒッティングによる出血のためTKO負け。この再起戦では、パワーパンチで倒し切りたい。

遠藤勝則は、バチバチの打撃戦を演じた、鯉渕健選手との3試合が強く印象に残る攻撃的なファイター。強烈な左右フックを武器に、接近戦での打ち合いを制し日本ランク返り咲きを目指す。どんなに劣勢に立たされても、最後の最後まで逆転KOする可能性を持つ。

スーパーフェザー級サバイバルマッチは、1回こそ、お互いに様子を見た静かな立ち上がりだったが、2回はエンジン全開の打ち合いに!遠藤の先制攻撃に、それいけ太一の動きが一瞬止まるが、冷静に距離を作り立て直す。遠藤が左右フックを叩きつけるのに対し、太一は左リードジャブから右クロスで対抗!遠藤の打ち終わりに的中率の高い右は実に効果的!コンパクトなワンツーだが、その分空振りも少なく確実にダメージを与え、遠藤はついにキャンバスに沈んだ。なんとか遠藤は立ち上がったが、レフェリーがカウントアウトした。

それいけ太一選手、持ち味の右が炸裂!ワンチャンスをものにする冷静さが光った試合。

遠藤勝則選手は、先に“いいパンチ”を貰ってしまった。

第3試合:8R/バンタム級

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©Naoki Fukuda

〇エイドリアン アルバラード(米国)vs ×エイドリアン レラサン(比)判定3-0

中谷潤人、アンソニー・オラスクアガのチームメイト、エイドリアン・アルバラードの日本デビュー戦!エイドリアン・アルバラードは、ロサンゼルスで、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人、WBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガとトレーニングを積む、シャープな左リードジャブ、ノーモーションの右ストレート、鋭角的な右アッパーなど、多彩なパンチが武器のスタイリッシュなボクサーファイター。

対するエイドリアン・レラサンは、回転力の速い左右フックで乱打戦に巻き込み、休む間も与えず攻撃し続ける、接近戦を好む手数の多いサウスポーのファイター。

リングサイドで、中谷潤人選手とオラスクアガ選手が見守る中で試合開始!なんと、この二人が、まさに隣の席で応援していたので、違う意味で緊張した(汗)!

さて、そのアルバラード選手、左ガードを前方に高く構えるスタイルが、まるでリカルド・ロペスのよう。長い左ボディを打ち込み、下から崩していくと、右ストレートからのコンビネーションで早々にダウンを奪う!さすが、ルディ・エルナンデスの教え子!これで、あっさり試合が終わってしまうのかと思ったが、対戦相手のレラサンも意地を見せる。再三にわたりアルバラードの巧打を受けるも、パンチで左目上をカットされても、しぶとくパンチを返した。おそらく、中谷選手とオラスクアガ選手の声援が、惨めな試合は出来ないという、レラサンのハートに逆に火をつけて、実力以上の力を発揮させてしまったようだ。

試合は、アルバラードの3-0判定勝利!やや攻め込まれる場面もあったが、上下を打ち分ける多彩で鋭角的なパンチが印象に残った!いつか中谷選手、オラスクアガ選手と同じ興行で、同じリングに上がる時が楽しみだ!

第2試合:6R/ミニマム級

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©Naoki Fukuda

〇ファン ジン(中国)vs ×宮川 晟(横浜光)判定3-0

ファン・ジンは、2020年8月プロデビューで、初めての日本リング。

宮川晟は、現役高校生ボクサーとして、2022年7月プロデビュー。サウスポー、オーソドックスを使い分けるスイッチヒッターかつ、インファイトもアウトボクシングも相手に合わせることが出来る変幻自在なボクサーファイター。

若きスイッチヒッターが中国からの刺客と激突する一戦は、初回から宮川がダウンする、波乱の展開で幕を開ける!見るからに体が頑丈そうに見えるファンは、パンチもハード!ゴツンと叩きつけるパンチには迫力がある。一方、宮川はピンクに染めた髪と色白肌のスイッチヒッター!ひらり、ひらりと舞う姿が、まるで牛若丸のよう。宮川は、序盤の劣勢を挽回し、スタミナの切れてきたファンを攻め立てるが、あと一歩及ばず。残念ながら3-0判定負けで、横浜光ジム移籍初戦を飾ることが出来なかった。

宮川選手、スムーズにスイッチする姿は、まるで軽量級のテレンス・クロフォード!まだまだ19歳、さらなる進化と期待しかない!

第1試合:6R/48.5㎏契約

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©Naoki Fukuda

△阿部 大翼(青木)vs △服部 凌河(横浜光)判定0-1ドロー

阿部大翼は、2022年9月プロデビュー。軽量級離れした破壊力を持つ右ストレートを持ち、力でねじ伏せるような荒削りなファイター。勝っても負けても激闘を演じるハートの強さが最大の武器。

服部凌河は、2021年12月プロデビュー。2022年ライトフライ級東日本新人王。デビューから4連勝を飾り、東日本新人王を獲得。その後3連敗も、常に前に出る攻撃的なファイトスタイルで、決して評価を下げる内容ではなかった。

激しい打撃戦が予想された好戦的なファイター同士の対決は、1回から激しい主導権争いに。プレッシャーをかけ、前に出ながらインサイドでパンチを出す服部に対し、阿部はアウトサイドからのパンチで迎え撃つ。しかも、その的中率は高い。どうしても、前に出ている選手が優位に試合を進めているように見えるが、採点で最優先されるのは有効なクリーンヒット。積極果敢に攻め続けた服部の手数は見事だったが、阿部のクリーンヒット数も互角。両者、決定打を打ち込めないまま試合終了のゴングを聞いた。判定の結果は0-1のドロー。服部選手、阿部選手、勝負に決着はつかなかったが、アグレッシブな試合で目が離せなかった!


メインイベントで行われた、「阿部 麗也VS 川本 響生」戦は、ボクシングのスリリングな魅力を象徴するかのような試合だった。どんなに劣勢でも、一発逆転KOがあるのがボクシング。阿部選手が踏ん張り下剋上は阻止したが、ハラハラ、ヒリヒリした内容だった。

そんな接戦を演じた川本響生選手、WHO’S NEXT強化育成選手の眞下公翔選手、日本デビューを果たしたエイドリアン・アルバラード選手など、注目のホープを発掘し続けるのが「WHO’S NEXT」!これからも若きボクサーたちに熱き声援を送ろう!

次回11月2日の『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.26』は、日本バンタム級タイトルマッチ「増田 陸VS宇津見 義広」をメインに、アンダーカードで行われる波田 大和、高見 亨介の試合も配信!お楽しみに!

U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.25』を2024年11月17日まで配信中!

配信開始前、または配信終了しています。

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