桐沢たえの「トクサツの話がしたい」#0
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桐沢たえの「トクサツの話がしたい」#0

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はじめに

こんにちは、初めまして。桐沢たえです。

普段は会社員として日々労働をしながら、週末はニチアサを観たり、いそいそとヒーローショーに出掛けたりしている特撮オタクです。とは言っても仮面ライダーもスーパー戦隊もちゃんと見始めたのは成人してから。もともと特オタだった姉の隣でなんとなく『非公認戦隊アキバレンジャー』を観て、「戦隊ってなんかすごい業の深いファンを生み出してんだな」と思うと同時に、姉も含めてそれだけ多くの人を魅了する理由は何なのか興味を持ち、翌年の『獣電戦隊キョウリュウジャー』と『仮面ライダー鎧武』から本編を視聴し始めてまんまとドハマり。そのまま毎年の新作はもちろん、姉のススメのままに円盤や東映特撮YouTubeでの配信で過去作を貪るように観て現在に至るので、特オタ歴は今年でやっと10年目。

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『獣電戦隊キョウリュウジャー』第47話より
『獣電戦隊キョウリュウジャー』 ©東映
『 仮面ライダー鎧武/ガイム』第1話より
『 仮面ライダー鎧武/ガイム』 ©石森プロ・東映

10年と言えば生まれた子どもが成長して林間学校などに行き、夜のキャンプファイヤーで言いたくもない「将来の夢」を無理やりみんなの前で順番に発表させられ「早く帰ってクーラー利いた部屋でゲームしてぇな……」と思いながら蚊に食われた足をボリボリ掻くくらいの年齢になるまでなので、そう思うと長いような気もするが、「幼少期に初代『仮面ライダー』や『ゴレンジャー』の1話を観てから今でも観続けています」という超人レベルの特撮ファンの方に比べたら、10年なんてまだまだひよっこだ。実際、スーパー戦隊シリーズも仮面ライダーシリーズもその他東映ヒーローも、まだ観れていない作品もたくさんあるし。ウルトラマンなんて5年前からやっとTVシリーズを見始めたのでひよっこどころかまだ卵。怪獣映画や人形劇に至ってはもう自分が何も分かっていないということしか分からない。

『仮面ライダー』第21話より
『仮面ライダー』 ©石森プロ・東映
『 秘密戦隊ゴレンジャー』第1話
『 秘密戦隊ゴレンジャー』 ©石森プロ・東映

2017年に放送された『仮面ライダービルド』の敵幹部ブラッドスタークに一目惚れし、人生を大いに……それはもう大いに狂わされて以降は、番組の中でも特にスーツアクターさんやヒーローアクションに傾倒。毎週日曜日のニチアサタイムは実況をX(旧Twitter)に投稿しまくっていたが、もうちょっとまとまった文量で感想を書きたいな~と思い、2020年7月からnote上で毎週の戦隊とライダーの放送の感想を綴ったブログ『ニチアサの話がしたい。』を始め、以来現在(2023年9月)に至るまでなんとか毎週書いている。(もう今週こそ間に合わん!みたいな崖っぷちは何度もあったけど……)

『 仮面ライダービルド』第29話より
『 仮面ライダービルド』 ©石森プロ・東映

別に誰に頼まれているわけでもないし、特撮の感想ブロクを上げている人なんてこの世にゴマンといるし、「自分の忘備録も兼ねて書いたものが、万が一誰かの楽しみになってくれたらいいな」くらいの感じで続けてきたのだが、そんな折、新しいエンタメサイトを作るにあたり文章を書いてくれる人を探していたU-NEXTの方がたまたま『ニチアサの話がしたい。』を読んで下さり、「うちで是非特撮に関する連載を」と連絡を貰ったのが去年の春。最初は先述した通り、「全シリーズの全作品を観ているわけじゃないし、私が興奮するポイントってちょっとアレだし」と思い、かなり恐縮していたのだが、最初の打ち合わせで「桐沢さんみたいな、こういうちょっとアレな“偏愛”を持っている人を探していたんです!」と担当の佐野さんにキラキラした瞳で言われ、アレでもいいんだったら……と思い、お引き受けすることに。

どんな連載にするか色々と話し合っていく中で、スーツアクターさんに関する記事も是非書きたいという話をしたところ、佐野さんに「いいですね!やりましょう!会いたいスーツアクターさんとかいますか!?」と言っていただき、凄くうれしかったけれど、同時に一瞬言葉に詰まってしまった。というのも、(私のSNSやnoteを昔からご覧頂いている方がご存知だと思いますが)私が最も熱烈に応援していた……あまりこの言葉は私にとって正確ではないけれど、便宜的に使わさせてもらうとすれば……要するに「推し」のスーツアクターさんは、先述した『仮面ライダービルド』でブラッドスターク役を務めた岡田和也さんなのだが、岡田さんはちょうどこの打ち合わせの約1ヶ月前に事務所を退所され、突然表舞台から姿を消してしまったのだ。

岡田和也さん。39期生としてJAEに入所後、『仮面ライダーオーズ』の敵幹部ウヴァ役で役付きデビューしてからは『仮面ライダーウィザード』のグレムリン、『仮面ライダー鎧武』の仮面ライダーグリドン、『仮面ライダードライブ』のゴルドドライブなど、様々な悪役やライダーを演じ、先のブラッドスターク&仮面ライダーエボルであるエボルト役でブレイク。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の追加戦士リュウソウゴールド役からは主な活躍の舞台をスーパー戦隊に移し、『機界戦隊ゼンカイジャー』ではメインキャラの一人ブルーン役と、ブルーンの変身後であるゼンカイブルーンの両役を演じ、翌年の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ではレギュラー戦士としてはスーパー戦隊初となるモーションキャプチャーを使ったキャラクターのイヌブラザー役に抜擢。2022年放送分までは一片の曇りなく大活躍をなさっていたので、退所はまさに青天の霹靂。あまりに急なことだったので私もかなり混乱したが、何かのっぴきならないご事情あってことだと思うので、今は「もし戻ってきてくれたらすごくうれしい」と願いつつ、岡田さんが幸せに生きてくれていることを静かに祈り続けている。

ただ、実際にこうして「会いたいスーツアクターさんはいるか」と問われた時に、「岡田さんです!」と言えないことは単純に悲しかったし、こういう機会が貰えるのがあと1年早かったら、もしかしたら私は仕事として芝居の話を彼に直接聞くことができたのかもしれなかったのだ、思うと、「自分はもっと、もっともっと頑張って、もっともっと、もっと早くこうならなきゃいけなかったんだ」と、岡田さんが辞めてしまったことよりも、自分の無力さが悔しくて悔しくてたまらなくて打ち合わせの最中にも関わらず泣きたくなった。大人なのにばかみたいだ。私が泣いてもなんの解決にもならないことなんて、この数ヶ月でいやというほど思い知らされたのに。

でも、そもそも私は、岡田さんの存在が無ければここまで情熱を懸けて特撮を観ることはなかっただろうし、特撮についての文章だって書き続けてこられなかった。スーツアクターさんのことだって、知ろうとすら思わなかったかもしれない。だからこの連載は、岡田さんがくれたチャンスなのだとも思う。岡田さんの退所が分かった時、「岡田さんは私が特撮というものを楽しむ上での道標であり、他に替えが利かない、宇宙でただひとつの一等星でした。コンパスを失った船がどの方向にも進めなくなるように、私自身これからどうなっていくのか自分でも分かりません」とSNSに書いたのだけれど、この連載の話をもらって、私はようやく再び船を漕ぎたいと思うようになった。一等星の無い夜空の下で船を漕いでいくことは、とても怖くて果てしなく勇気の要ることだけれど、U-NXETの佐野さんを始め、この企画のために動き回って下さったたくさんの方々のお力をお借りしつつ、私なりのやり方で、言葉で、特撮作品やスーツアクターさんのことを世に広めるお手伝いができたら本望だし、それが回り巡って岡田さんから貰った幸せに対する恩返しに1%でもなればいいと思う。それに、未来に何が起こるかは誰にも分からない。こうやって特撮についての文章を書き続けていたら、いつか何らかの形で岡田さんに会うことができるかもしれない。もしそうなった時に、恥ずかしくない自分でいたい。あなたのブラッドスタークが好きすぎて、特撮の文章を書くお仕事ができるようになりましたと言ったら、岡田さんは笑ってくれるだろうか。私の大好きなあの笑顔で。その夢を、あたらしい私の一等星にして、この広いひろい特撮という海に再び漕ぎ出していきたい。とかこんなに仰々しいこと言って普通に不人気で即連載打ち切りになる可能性も全然あるけど。まぁその時はその時だ。

連載の内容に関しては「1作品50話近くあるものが多いので、その中でもシリーズ未見の方には視聴のきっかけになるような、そして往年のファンの方が思わず見返したくなるような紹介をしてほしい」という要望があったので、それを考慮して「自分的な神回」を何回か分けて紹介していこうと思う。ただ、あくまで桐沢たえの判断基準での「神回」判定なので、「これを読めばこの作品が分かる!」というようなものでは決して無く「この人はこういうところがツボだったんだな~」と思ってもらえれば充分である。というわけで「桐沢たえの 特撮の話がしたい 」スタートします!よろしく勇気!

 セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記
セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記 ©2021「スーパーヒーロー戦記」製作委員会 '©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 '©2021テレビ朝日・東映AG・東映

※岡田和也さん出演作は、本人調べ

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  • 『獣電戦隊キョウリュウジャー』第47話より
  • 『 仮面ライダー鎧武/ガイム』第1話より
  • 『仮面ライダー』第21話より
  • 『 秘密戦隊ゴレンジャー』第1話
  • 『 仮面ライダービルド』第29話より

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