週刊少年チャンピオンで2015年より連載開始の人気ギャグ漫画『吸血鬼すぐ死ぬ』がいよいよ2.5次元舞台に進出。アニメも第2期まで放送され、男女問わず人気を博し、まさに舞台化が待たれた作品です。6月2日(金)の初日に向け着々と準備が進む本舞台より、今回は主要キャストとなる山本一慶さん(ドラルク役)×鈴木裕樹さん(ロナルド役)×吉高志音さん(半田 桃役)に取材を敢行しました。3人の仲睦まじいトークから、気になる演出やキャスト同士の関係性などを笑いたっぷりでお届けします。
——出演が決まったときのお気持ちを振り返っていただけますか?
山本:ビジュアルを見た瞬間に「やります!」という気持ちになりました。原作もアニメもめちゃくちゃシュールで面白いですし、気づいたらイッキ読みとイッキ見でした(笑)。
鈴木:原作を読んでめちゃくちゃ面白いと思いました。ロナルドという役に惹かれて、本当にやりたいと心から思いました。ロナルド以外だったらやりたくない、と思うくらい心が動かされたキャラクターです。
吉高:僕はまずアニメから見たのですが、テンポ感がすごく面白いと思いました。コメディ作品は初めてなので新しい挑戦だと思い、稽古も楽しみにしていました。
山本:コメディ初めてなの?
鈴木:あんなに面白いのに?
山本:めちゃくちゃ面白いよね。
鈴木:本当に初めて?
吉高:いやいや、やめてください。上げすぎないでくださいよ(笑)。
——本作の世界観や演じるキャラクターに感じている魅力を教えてください。
山本:気づいたらめちゃくちゃ笑いながら漫画はどんどん読み進められるし、アニメはずっと流していて何回もリピートしているのに、毎回面白くて。何周かした後に第1話で普通に笑っている自分にちょっと引きました(笑)。
鈴木:何回か観てからの第1話で?
山本:そう!(笑)台本も読んで自分で演じているのに同じネタで笑ってしまった時に、この作品には無限の可能性があると確信しました。オチが分かっているのに笑えるってすごいこと。ボケ倒すでもなくほどよくツッコミもして、オールマイティな立ち位置にいるドラルクを演じるのは正直難しいと感じています。すごく高いハードルだけど、演じ甲斐のある魅力的なキャラクターです。ここまで作り込んだビジュアルもやってみたかったので、ワクワクしています。
鈴木:僕とロナルドは面白いとか、やりたいと思うところがすごい確率で合致しているように感じています。「わかる」とうなずくところが多く、同じような気持ちを抱けるからこそ演じたいと思ったのかもしれません。コメディはとても難しいものだけど、それをしっかりとお芝居で表現することができたら、ものすごいものになると思うし、役者としても「これができたらカッコいい!」という気持ちがあるので、すごく期待しています。
山本:期待?誰に?
鈴木:みんなにも、そしてもちろん自分にも期待しています(笑)。
山本:なるほど。
吉高:半田の魅力はお母さんが大好きなところです。隠しているのではなく、剥き出しの愛なので……。
山本:潔いよね(笑)。
吉高:そうなんです。愛を爆発させることができるのはすごく素敵だと思いました。僕も母のことが大好きなので。
山本:素敵!
吉高:「大好き」という気持ちを声を大にして言うのってなかなか難しいし恥ずかしかったりするものだけど、半田は「お母さん愛」に溢れていることを隠さないのがすごく好きですし、惹かれます。あと、セロリですかね。
山本:セロリ好きなの?
吉高:はい。母がミネストローネの中に絶対セロリを入れていたので、大好きになりました。
鈴木:それ、本当の話?
山本:なんか怪しいぞ。
吉高:僕の母に聞いてもらえれば分かります。本当の話です。
鈴木:そんなうまい具合にキャラクターと共通点なんてある?
吉高:それが、あるんです。
山本:ぜひ、お母さんのところに取材をお願いします!
吉高:ぜひ(笑)。ほかにも共通点あります。半田と僕、誕生日も一緒です。
山本・鈴木:え?
吉高:あと身長も同じなんです。
鈴木:ウソでしょ?
山本:プロフィール調整した?
吉高:そんなことしません(笑)。本当に共通点がいっぱいで他人とは思えなくて。
山本:ズッキー(鈴木)さん、セロリ好き?
鈴木:好きでも嫌いでもないけれど……。
山本:そこは流れで、ロナルドと同じく「嫌い」って言ってほしかった!
鈴木・吉高:あははは。
——それぞれ特徴がはっきりとした個性的なキャラクターです。演じる際、どのようなことを意識していますか?
山本:原作でドラルクは話に絡まずにただ死んでいることも多くて(笑)。それを舞台でどうやればいいのかというのはすごく考えています。砂になる演出もいろいろ試行錯誤中です。芝居で自発的にというのかな、好き勝手死ねないのは難しいところでありますが、ドラルクの魅力でもあるので、舞台ではストーリーへの絡み方や、存在感、そして死に方もいいバランスで表現できたらと心がけています。ハードルはなかなか高いですが、舞台ならではのドラルクの魅力を表現することは常に意識しています。
鈴木:僕が大事にしているのは、テンション、テンポ、リズム、ボリュームです。体の動かし方や反応のキレは常に意識しています。原作はもちろん、アニメのロナルドもかなり参考にしています。あと、関係性も大事にしています。ドラルクとロナルドのシーンは全部一慶が動いて作ってくれるので、安心しています。半田との関係性もすごく絶妙。高校の同級生だけど独特の距離感があって、でも敵対しているわけではない。どこかでつながっている感じが上手く出せたらいいなと思っています。
吉高:半田のロナルドに対するテンションや怒りのようなものをどうやって表現していくのかはかなり難しいし、意識しているところです。あとはセロリをどう使っていくのか……。
山本:キーアイテムだもんね。
吉高:(笑)。でも、さばき方や使い方はまさに試行錯誤中です。どんな風に持てばロナルドがより嫌がってくれるのかをずっと考えています。ズッキーさん、どうやったら嫌がってもらえますか?
鈴木:そうだな……。
山本:毎日舞台で新鮮なセロリを使えばいいんじゃない?
吉高:それで、嫌がってくれます?
鈴木:セロリ、そんなに苦手じゃないからな(笑)。
山本:じゃあ、志音が本番でいきなり食べ始めるとか?
鈴木:いいね!
山本:好きなんでしょ、セロリ。大好きなお母さんのおかげで(笑)。
吉高:好きですけど、生では食べないです(笑)。でも、稽古を詰めていく中でセロリの効果的な使い方を考えたいと思います。
——本番に向けて稽古は大詰め。ズバリ、現時点での仕上がり具合はいかがですか?
山本:すごく明るくて仲のいいカンパニーで、作品に適しているメンツが上手く揃ったと感じています。どう?
鈴木:役者としてのキャラも強い人たちが集まったよね。
山本:あと陰の努力家が多いところも素敵だと思っています。内容で言うと、舞台ならではというところで「歌」がポイントです。歌で世界観を引っ張っていくことができないか、みんなで作っているところです。
鈴木:原作もアニメも本当に面白くて人気のある作品です。それを舞台で表現するのはすごくハードルが高いと思っています。でも、舞台ならではの面白さや楽しさを出したいですし、原作やアニメと違うところが出てきた時にお客さんに楽しんでもらいたいので、とにかく色々なアイデアを出し合っています。みんなのアイデアを持ち寄ってすり合わせて作り上げている最中です。
吉高:元々作品のファンである僕から見ても、ドラルクとロナルドのシーンはすごく面白いです。会話のテンポ感やあの空気感は、原作やアニメと同じようにワクワクします。
山本:本当に?ありがとう。
鈴木:カンパニーのみんなが原作もアニメも好きだから、作品の面白さは分かっているという安心感があります。共通認識があるのは作品を作り上げていく上でもすごくいい感じに働いていると思います。
——稽古を通して感じた、それぞれの役者としての魅力を教えてください。
山本:ズッキーさんは真面目にひとつひとつ丁寧に作っていく方。小さいことにも気づく役者さんです。小さいことに気づけるからこそ、次のステップに進んでいるのが伝わってくると芝居を見て実感しています。志音は本当に真面目。普通ならつい後回しにしてしまいそうなことにも丁寧に向き合っています。今回で2度目の共演ですが、初共演で抱いたときの印象は変わらず。役者としてとても信頼しています。2人の共通点は「真面目」です。
鈴木:一慶は芝居を構築するスピードが速い。周りも見えていて頭もよくてセンスがあるのだと思います。初共演であることを忘れてしまうくらい全てがスムーズに進むので、ドラルクとロナルドの関係性にもアドバンテージになっていると感じています。志音は体もよく動くし、歌もできるし、芝居も本当に上手くて。いろいろな表現を見せられるすごく才能のある役者さんです。
吉高:一慶さんは現場を盛り上げてくれる方。みんなをまとめてくれるし、笑顔にもしてくれます。話もすごく上手で憧れます。ズッキーさんは芝居で見せる方。芝居で引っ張っていく感じがあって、ロナルドと半田のシーンではすごく助けられているし、自分も頑張ろうという刺激になります。
——作品の見どころ、おすすめポイントを教えてください。
山本:ドラルクとロナルドは冒頭のシーンが2人の関係や物語のスタートになっているので、そこから楽しい気持ちを加速させて楽しんでいけたらと思っています。半田はやっぱりセロリかな?
吉高:一番の武器ですからね(笑)。
鈴木:ドラルクがどうやって砂になるのかは、みなさんが気になっているところだと思うので注目ポイントです。そして、ロナルドと半田の関係性もしっかり見せてみなさんに楽しんでいただきたいです。
吉高:ドラルクの「スナァ」はもちろん、僕が好きな、ゆるいボケやツッコミ、時々あるカッコいいシーンも見どころです。個人的には、ロナルドと半田の距離感や関係性を表現する中で、目線を意識して演じているので注目してほしいです。
——ハイテンションギャグ作品で心がけていることはありますか?
山本:ドラルクとロナルドは出会いのシーンから化学反応が起きてある種のテンションが生まれているので、そこから一気に加速していく様子を楽しんでいただけると思います。多分、この舞台はずっと汗だくのまま終わると思うので、ハイテンションのスイッチとなるドラルクとロナルドの出会いをしっかり見届けてください!
鈴木:僕も出会いのシーンでテンションを上げすぎなのでは?と思っているけれど、目下の課題はそれを持続できるかどうかです(笑)。最後までノンストップでハイテンションのままいけるのか、体力との勝負になると覚悟しています。
山本:ずっとテンション高いもんね。
鈴木:ライド感みたいなのは一度途切れちゃうと上げるのが難しいから、途切れさせないように頑張っていきたいです。
山本:“ライド感”、カッコいいー!!
吉高:半田はお母さんへの愛をいかに爆発できるのかがテンションを上げる1つの方法なので、自分の母のことも思いながらしっかりとハイテンションになっていきたいです。
鈴木:自分のお母さんを思っちゃうのね。
山本:いい子だなぁ。
吉高:そうすると感情移入しやすいので、ステージに出る前に意識してやっているところです。
山本:お母さん愛がハイテンションのスイッチか……、いいね。
——ちなみにみなさんはどんなことでハイテンションになりますか?
山本:人とコミュニケーションを取りながら遊ぶことの楽しさを最近改めて実感していて。今、一番僕のテンションが上がるのは、人と遊んでいる時です。ゲームは特にテンション上がります。
鈴木:もう40年近く生きているので、正直あまりないかな(笑)。昔は明るい少年だと思っていたけれど、そうでもないのかもと思ったり……。でも、夜中に海外のサッカー中継を観ている時はテンション爆上がりです。気づけば「おーーー!」とか声を出していて、我に返って慌てることはよくあります。
吉高:僕は焼肉を食べた時です。
山本:かわいいなぁ。
吉高:それと、最近ハマっているのがオムライスの動画です。自分でも作りたいけれど、なかなか難しそうなので、今は観ているだけ。「オム肌」や「ぱっかーんオムライス」で検索して出てきた動画は、僕のテンションを上げてくれます。
——吸血鬼なのにくどい血は苦手なドラルク、またロナルドにとってのセロリのように、みなさんの超苦手なものを教えてください。
山本:セロリは苦手なのでロナルドに共感しました。あとは虫かな。
鈴木:大人になって苦手だったものが食べられるようになりました。トマトやココナッツを使ったアジア系の料理は全般苦手だったのに、今は全部好き。辛いものも克服したし……。歳を重ねると辛味も麻痺して感じないのかな(笑)。なので、超苦手はナシです。
吉高:パクチーがダメです。
山本:セロリみたいに、お母さんは克服させてくれなかったの?
吉高:母も嫌いなんです、パクチー。
鈴木:本当はセロリも嫌いなんじゃないの?
吉高:セロリは本当に好きです。あと苦手なことは泳ぐこと。全然泳げないし、海から逃げています(笑)。
山本:もしかして、お母さんも?
吉高:泳げません(笑)。
鈴木:お母さんの影響強いなぁ。
【プロフィール】
山本一慶(出演作はこちら)
6月1日生まれ、東京都出身。アーティストジャパン所属。俳優として主に舞台で活躍中。主演作に『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』シリーズ 氷鷹北斗役などがある。7月12日(水)よりロンドンコメディ『Run For Your Wife』ジョン・スミス役、8月24日(木)よりミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.5 -最後の事件- ルイス・ジェームズ・モリアーティ役を演じることが決まっている。
鈴木裕樹(出演作はこちら)
10月3日生まれ、岩手県出身。ワタナベエンターテインメント所属。俳優としてテレビドラマや映画、舞台など幅広く活躍。『獣拳戦隊ゲキレンジャー』では主演の漢堂ジャン/ゲキレッド役を掴み大きな話題に。その他の主な出演作は、『鉄神ガンライザーNEO』日高見アラタ役、『警視庁・捜査一課長』天笠一馬役、舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣- 真田信繁役など。
吉高志音(出演作はこちら)
7月2日生まれ、東京都出身。アシスト所属。 2018年、アイドルステージ舞台『アンプラネット-Back to the Past!-』浅黄宵役で俳優デビュー。その後も舞台を中心に、舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ 矢霧誠二役などを担当。泉田莇役で出演しているMANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~AUTUMN 2023~が11月に東京、12月に大阪で上演予定。
【作品紹介】
2023年6月2日(金)~11日(日)
劇場:天王洲 銀河劇場
原作:TVアニメ「吸血鬼すぐ死ぬ」盆ノ木至「吸血鬼すぐ死ぬ」(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)より
脚本・演出・作詞:村上大樹
音楽:兼松 衆
出演:山本一慶、鈴木裕樹(※W主演)/其原有沙、吉高志音、寿里、重松直樹、二葉 要、鈴木凌平、明音亜弥、田崎礼奈、大見洋太、千賀翔太、知念紗耶、ウラシマ/OH-SE/今 拓哉
公式HP:https://www.marv.jp/special/sugushinu-stage/
公式Twitter:https://twitter.com/john_onstage
【配信期間】
ライブ配信:2023年6月11日(日)17:00~公演終了まで
見逃し配信:準備が整い次第~2023年6月18日(日)23:59
<チケット>
ローソンチケット・銀河劇場チケットセンターにて公演チケット発売中!
・ローソンチケット:https://l-tike.com/sugushinu-stage/
・銀河劇場チケットセンター:https://www.gingeki.jp/
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