7月31日に行われたONE Championshipの会見に、9月27日（金）、タイ・ルンピニースタジアムで開催される『ONE Friday Fights 81』に参戦する武尊選手、秋元皓貴選手が登壇。同じ大会で、お互いに再起戦となる両選手の対戦相手が発表され、それぞれがこの試合にかける思いや、現在のコンディション、心境などを語ってくれました。

武尊選手は3連勝中のONE期待の新世代ファイター、ブラック・パンサー選手と対戦！「一番盛り上がる試合で一番派手なKOで勝ちたい」

今年1月に日本で開催された「ONE 165: Superlek vs. Takeru」で、武尊選手はONEフライ級キックボクシング世界王者スーパーレック・キアトモー9選手に挑戦。5ラウンドを通しての激闘の末、判定負けを喫し、ONEデビュー戦での世界王座獲得とはなりませんでした。さらにその試合で腿と腕の筋断裂とヒザを骨折して戦線離脱を余儀なくされていました。いよいよ来る9月、そのケガからの復帰戦にして、ONE初勝利を目指す大切な一戦を迎えます。

会見冒頭、さっそく次戦への意気込みを尋ねられた武尊選手は「前回、1月の試合で、ONE初参戦でチャンピオンのスーパーレックと対戦させてもらいましたが、その試合で負けてしまって……、まだ日本のファンの皆さんだったり、世界のファンの皆さんにONEで勝つ姿を見せられていないので、次戦、9月27日、必ずONEで初勝利を挙げて、次につなげたいと思っています」と語りました。

8ヶ月ぶりの試合に臨むにあたっては、「前回の試合でヒザを骨折してしまって。復帰するまでは時間がかかってしまったのですけど。怪我もしっかり治って、体づくりもばっちり出来ているので。先々月にアメリカ合宿を1カ月くらいやって、また来週からアメリカに行って最後の追い込みをやって完璧に仕上げたいと思っています」と万全の状態であることをアピール。

また、再起戦がムエタイの殿堂と言われるタイのルンピニースタジアムでの試合となることについて問われると、「日本のファンの皆さんの前で試合をしたいという気持ちが強かったんですけれど、今回はONEからルンピニーの大会に出てくれとオファーをいただいて。僕は高校生の時にラジャダムナンスタジアムで試合をしていて。で、こうして現役の、キャリアの最終段階でルンピニースタジアムで試合を出来るのは僕の格闘技人生の中でもすごくいい経験になると思ったし、いつか試合をしてみたい会場だったので、すごく嬉しい気持ちです」と、次なる挑戦の舞台について心境を語りました。

そしてついに対戦相手が発表となります。

9月にフライ級3分3Rマッチで武尊選手と対峙するのは、現在3連勝中の超攻撃型ファイター、ブラック・パンサー選手。武尊選手は、「試合映像を見させてもらったんですけれど、前回僕が敗れたスーパーレック選手にすごい戦い方が似ている選手だなって思って。ローキックも強いし、ハイキックも蹴れるし、パンチでも倒せるし、すごいトータルファイターで強い選手だと思いました」と、ブラック・パンサー選手について、その印象を述べます。

対するブラック・パンサー選手からのビデオメッセージが会場で放映されると、その内容は「今回、最高峰の選手と戦えることにとても興奮している。僕は以前キックボクシングの試合もしたことがあって、この試合のオファーを受けたのはタケルみたいなトップクラスの選手と戦って自分を試したかったから。自分もキックボクシングでチャンピオンになりたい。タケルは世界最高のキックボクサーの1人だと思う。彼の強さはスピードのあるパンチとカーディオがあること。タケル、この試合を楽しみにしている。一生懸命練習して臨むよ」というもの。

これまでONEでの４戦は全てムエタイルールで3勝1敗のブラック・パンサー選手は、キックボクシングルールで武尊選手相手に戦うこの試合に向けて挑戦者として意欲満々といった内容です。​​

このブラック・パンサー選手からのメッセージに対して感想を求められた武尊選手は「これからONEのトップに上がっていく選手だと思うのでしっかり返り討ちにしたいなというのと、僕は前回スーパーレック選手に負けてそのリベンジへ向けての一戦にもなると思うので、僕は逆に同じようなタイプのファイターとやりたかったし、似てるファイトスタイルを持っている選手なので、こういうファイトスタイルの選手もしっかり倒して勝てるところを、次回の試合でしっかり見せたいと思います」。

加えて試合の展開について「前回負けたイメージを払拭したいので。その対策はしっかりやっているし、僕が一番最初にONEを観に行ったのがFriday Fightsで、本当に激しい試合ばかりでめちゃくちゃ盛り上がる大会だったので、その大会の中で一番盛り上がる試合で一番派手なKOで勝ちたいと思っています」と、勢いに乗る24歳の挑戦者に対し、堂々のKO宣言。

元ONEバンタム級キックボクシング世界王者の秋元皓貴選手は、フライ級の元王者エナッシ選手と元王者対決！「やるからにはチャンピオンにならないと意味がない」

続いて、同じく再起戦となる元ONEバンタム級キックボクシング世界王者の秋元皓貴選手にマイクが向けられます。まず、この会見にマスク姿で登場した秋元選手でしたが「練習でケガをしてしまった」とのこと。

その秋元選手は、今年5月に約1年半ぶりとなったウェイ・ルイ戦で判定により苦杯を喫しますが、その判定について国内外で物議を醸しており、ダイレクト・リマッチを求める声も多く挙がっていました。

そんな曰く付きの一戦を経てからこの会見を迎えるまでの時間をどのように過ごしてきたかについてまず尋ねられると、「前回の試合、自分としては結構、出来はよかったのかなと思うんですけれど、結果は判定で負けとなってしまって。まあ、倒しきらなかったら何を言ってもしょうがないと思うので……、次は倒せるようにというのを心がけて練習してきました」と語ると、さらに「もちろんやるからにはトップ取らないと、チャンピオンにならないと意味がないと思うので。今回の試合もしっかり勝って、次につなげたいなと思います」と、再びの王座獲得に向けて強い意志を覗かせます。

ここで、いよいよ対戦相手の発表です。秋元選手とのバンタム級キックボクシング3分3Rを戦うのは、ONE元フライ級世界王者であり、モロッコを出自とするイリアス・エナッシ選手です。

元王者対決となる今回の対戦相手の印象を聞かれた秋元選手は「フライ級でチャンピオンになった時から見ていて、本当にスピードも速いし決定力もある、すごくいい選手だって印象があります」と語ると「自分も元々フライ級でやっていてそこからバンタム級に上げて、というところで、彼もバンタム級に上がった時にいつか必ずやるだろうなと思っていたので、その時が来たな、と思いました」と、このオファーを聞いた瞬間の心境を振り返りました。

そしてエナッシ選手からのビデオメッセージも紹介されます。内容は「ONEに戻って来れて幸せだ。俺は再びONEチャンピオンシップの一員として戦えるのが嬉しいよ。フライ級での2年間は自分にとっては厳しいもので、減量にも苦労してきたよ。フライ級での最後の試合、スーパーレック戦は、もちろん俺が勝ったけど、自分にとってベストの試合ではなかったんだ。だからトレーナーと話して適正な階級で戦うことを決めたよ。バンタム級ではより自分の強さを感じるからね。前回のONEチャンピオンシップでの試合はバンタム級で戦って2ラウンドで勝利した。あの気持ちをリングで味わいたかった。階級変更を決心して、今はより良い階級で戦っている。次の試合はアキモトが対戦相手だ。アキモトはとても強いファイターだが、みんなが知っている通り、俺は奴らにとって動きが速すぎるしスマート過ぎるくらいだよ。アキモト、しっかり準備しておけ。厳しい試合になるぞ。ファンのみんな、タイトルをすぐに獲ってくるよ。フライ級で最強だけじゃなくてバンタム級でも最強だって見せてやる。モロッコにベルトを持ち帰るんだ、押忍！」という、元フライ級王者らしい堂々とした挑発的な内容。

それを受けての感想を求められた秋元選手は「自分ももちろんタフな試合になるのは覚悟していますし、ただスピードのすごく速い選手でフットワークもすごくいいんですけど、パワーの部分では自分の方が上回っているんじゃないかと思うので、倒して勝てればと思っています。（負けられない一戦として、試合は）ある程度イメージはしていますが、まだ時間はあるのでここから少しずつ詰めて、残り8週間しっかり仕上げていきたいと思います」と再起戦に向けての強い意気込みの言葉を述べました。

最後に両選手からファンの方々へ向けてメッセージが語られ、武尊選手は「この試合に勝つことだけを考えて過ごしているので、9月27日は僕の勝つ姿を見て欲しいな、と思います。必ず勝ちます」、続いて秋元選手は「相手の良さもあり、自分の良さもあり、確実に最高の試合になるのは目に見えているので、それで自分が勝って、そういう姿を皆さんに見せたいと思いますので、応援していただけたらなと思います」と締めくくりました。

武尊選手、秋元選手が出場する「ONE Friday Fights 81」は、2024年9月27日(金) 21時30分より、U-NEXTにて独占見放題ライブ配信