ブレントフォードで飛躍のシーズンを送り、この夏“赤い悪魔”の一員となったFWブライアン・エンべウモ。移籍金は約7000万ポンド(約139億円)ともいわれ、この夏を代表するビッグディールの一つになった。
在籍6年となったブレントフォードでは、公式戦242試合で70ゴール51アシストをマーク。プレミアリーグ4シーズンだけでも136試合に出場し、得点源としてだけでなく前線の複数ポジションをこなす柔軟性も示した。
再起を図るマンチェスター・Uの攻撃を牽引し、新天地でも欠かせないピースとなれるのか。インタビューを通じて、新たな挑戦への心境を言葉にした。
ハードなアモリム監督のトレーニングは「かなり気に入っている」
──まずは、夏の休暇はどのように過ごされましたか?
エンべウモ:とても良い休暇でした。家族や友人と一緒に楽しんで、心身ともにリフレッシュできました。
──ご自身にとっては新しいクラブも決まり、エキサイティングな夏になりましたね。マンチェスター・Uへの移籍が正式に決まった瞬間は、どんなお気持ちでしたか?
エンべウモ:ずっとここに来たいと思っていたので、本当に嬉しかったです。ようやくチャンスが巡ってきて、最高の気分でした。
──その吉報を、最初に伝えたのはどなたでしたか?
エンべウモ:もちろん、家族です。真っ先に母に伝えました。母も自分のことのように喜んでくれましたよ。
──その後チームに合流されましたが、歓迎ムードはいかがでしたか?
エンべウモ:素晴らしかったですね。初日から誰もが、まるで我が家のように温かく迎えてくれました。全員が本当に親切で、仕事に取り掛かる準備が十分にできました。
──特に温かく迎えてくれた選手はいましたか?
エンべウモ:いえ、誰か一人というわけではありません。チーム全体が本当に温かく迎え入れてくれました。
──アメリカでのプレシーズンにも参加されました。マンチェスター・Uの選手として初めてピッチに立った経験はいかがでしたか?
エンべウモ:ファンの皆さんの前でプレーできたのは、本当に良い経験でした。このユニフォームを背負ってピッチに立つ。それは僕にとって最高の瞬間でした。
──改修された練習施設(キャリントン)についての印象はいかがですか?
エンべウモ:本当に素晴らしい施設です。毎日練習する場所として、これ以上の環境は望めないでしょう。必要なものはすべて揃っていますし、最高のコンディションでトレーニングに打ち込めます。
──クラブは昨シーズン、望むような結果を残せませんでした。それでも、あなたを含めビッグネームの獲得に成功しています。選手をこのクラブに惹きつける魅力とは、一体何なのでしょうか?
エンべウモ:まずクラブが持つ格式の高さです。そして、大きな挑戦ができるということ。マンチェスター・Uがリーグのトップを目指し、ヨーロッパの舞台で戦うことを望んでいるのは周知の事実です。だからこそ、選手としてのキャリアの中で、誰もが経験したいと願うのです。そう思わせる“挑戦”がここにはあるのだと思います。
──クラブには、カメルーン代表のチームメイトでもあるアンドレ・オナナ選手もいます。代表活動で一緒だったとき、彼はクラブについて何か話していましたか?
エンべウモ:代表チームにいるときは、あまり多くの話はしませんでした。当時はまだチームメイトではなかったので、彼もあまり詳しくは話せなかったのでしょう。
ですが、今は本当に助けてもらっています。たくさんアドバイスをくれますし、彼のような存在が身近にいることは、僕にとって非常に心強いです。
──彼は面倒見の良い、兄貴分のような雰囲気を持っていますよね。
エンべウモ:その通りです。私たちは代表チームで共に過ごすようになって、もう3年くらいになります。だからお互い気軽に話せますし、彼の存在は僕にとって本当に大きいですね。
──アモリム監督のトレーニングは、外から見ていても非常にインテンシティが高いように見えます。実際のところはいかがですか?
エンべウモ:ええ、トレーニングは本当に強度が高いです。監督は僕たちにたくさん走ること、そして大きな努力を求めています。それを体現することが、ピッチ上で戦う僕たちを必ず助けてくれるはずです。なので、個人的にはかなり気に入っています。
──そのアモリム監督は最近、「可能であれば20年間マンチェスター・Uで指揮を執りたい」と語っていました。彼こそがクラブを本来あるべきレベルに引き戻せる人物だと感じますか?
エンべウモ:それは僕が簡単に答えられる質問ではありませんが、監督が物事を正しく進めたいと強く望んでいるのは確かです。彼は非常に意志が固く、多くのエネルギーをチームにもたらしてくれます。そして、僕たちに日々の喜びを与えてくれる存在です。だから、彼の指導の下でプレーするのはとてもやりやすいですね。
──あなた自身、昨シーズンは素晴らしい成績を収めました。だからこそ、マンチェスター・Uがあなたを欲しがったわけですが、今シーズンに向けての個人的な目標や期待を教えてください。
エンべウモ:僕は自分の人生やキャリアで達成したいことに、決して限界を設けません。それは今シーズンも同じです。「昨日よりも良い自分でありたい」と常に自分に言い聞かせています。ですから、昨年よりもさらに良い選手になれるように努力するだけです。