「すぐにページをめくる必要があった」 スパーズ新主将のロメロ、次節マンチェスター・C戦に向けて「自分たちに集中」
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「すぐにページをめくる必要があった」 スパーズ新主将のロメロ、次節マンチェスター・C戦に向けて「自分たちに集中」

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トーマス・フランク新監督のもと、新たなスタートを切ったトッテナム・ホットスパー。クラブとの契約を延長し、新たにキャプテンを任されたDFクリスティアン・ロメロはチーム状況を聞かれると、今まで以上の一体感への手応えを口にした。

UEFAスーパーカップではPK戦の末PSGに惜しくも敗れたが、リーグ開幕節となったバーンリー戦は盤石の試合運びで3-0の快勝。今週末の第2節では、リーグ戦で直近4戦3勝と好相性のマンチェスター・Cと、アウェイの地で激突する。

相性の良さを見せ、開幕連勝スタートとなるか。注目の一戦を前に、ロメロがその胸中を言葉にした。

「正直なところ、スタッツはあまり気にしないタイプ」

──まずはクラブとの契約延長、おめでとうございます。多くのファンが安堵していると思います。トッテナムで成長を続けようと決めた、その決め手は何だったのでしょうか?

ロメロ:何よりも人生、そして家族にとっての決断でした。ここに来た初日から、クラブで働く人々や歴代の監督たちから、本当に特別な愛情をもって接してもらいましたから。

昨シーズンにヨーロッパリーグで優勝した後、クラブに多くのポジティブな変化が見え始めたんです。それもあって、自分のキャリアをここで続けていきたいと考えるようになりました。今シーズンは非常に興味深いものになると感じていますし、このクラブに残りたいという気持ちは常にありました。

外野では多くのことが噂されていましたが、SNSで言われていることについて、私がわざわざ何かを説明したり、話したりすることはありませんでした。正直、あまり興味がないんです。私が常に話をするのは、クラブの人々や自分の家族だけ。だから、このクラブと契約を延長できたことを、とても嬉しく思っています。

──クラブの外では様々な雑音がありながらも、トッテナムでは心からリラックスできていると。

ロメロ:はい、いつだってそうです。時に事実ではないことが語られますが、それをいちいち訂正するのは私の仕事ではありません。多くの選手が同じような経験をしているはずです。

私はこのクラブで本当に幸せです。私のキャリアは常に一歩一歩、着実にステップアップしてきました。そして今、トッテナムというクラブが、私に必要なすべてを与えてくれていると感じています。ここで働くすべての人々からの愛情を感じますし、私にとってそれは非常に重要なことです。日々の接し方で、彼らの想いは伝わってきます。もちろん、それは私が仕事を通じて、彼らが寄せてくれる信頼に応えてきたからこそ、勝ち得たものだとも思っています。これからも、この関係を続けていくだけです。

チームの雰囲気はとても良いですし、私たちがプレーするすべてのコンペティションで戦えるチームを作ろうとしています。プレミアリーグは誰もが成長できる素晴らしいリーグですが、それゆえに非常にタフです。それでも、クラブと私たちの目標は、今シーズン参加するすべての大会で競争力を示すことです。

──今シーズン、クラブは新しいチャプターに突入しました。新監督が就任し、あなたがキャプテンとなり、そして契約も延長されました。特に興味深いのは、昨シーズンと比べてプレースタイルが変化している点です。その最大の違いは何だと感じていますか?

ロメロ:トーマス(・フランク)監督のもとでは、より守備的に組織化されていて、攻撃に転じた際には試合の主導権を握ろうとします。彼が就任してからまだ2ヶ月ほどなので、やるべきことはたくさんありますが、私たちは監督が何を求めているのかを理解し始めていて、少しずつ良くなっている手応えがあります。

先日行われたUEFAスーパーカップのPSG戦では、素晴らしいパフォーマンスができたと思います。最終的にPK戦で敗れてしまいましたが、その結果を除けば、現代サッカーにおけるベストチームの一つを相手に、85分間は非常に良いプレーができました。

もちろん、「良いプレーができたが、結局は負けたじゃないか」と言われればその通りです。あのような形で敗れたことに、満足しているわけでもありません。ほぼ手中に収めていたタイトルを逃してしまったのですから。

でも、これがサッカーです。こういう瞬間は必ず訪れるものであり、私たちをより強くしてくれるはずです。この経験から学び、再び立ち上がり、偉大な決勝の舞台をもう一度経験するために、今シーズンの戦いを始めなければなりません。そうなってほしいですし、たとえそうでなくても、常に挑戦し続けるだけです。

──トーマス監督についてもう少し聞かせてください。私たちは彼がブレントフォードで指揮を執っていた時代を知っていますが、就任以来、彼はあなたにどのような信頼を伝えてくれましたか?

ロメロ:彼がここに来た最初の日から、人間として素晴らしい人物だと感じました。チームに落ち着きをもたらしてくれたんです。プレミアリーグでは良いシーズンを送れていなかった私たちに、彼は少しの静けさと、何よりも団結をもたらしてくれました。それこそが、私たちが必要としていたものです。

監督は自分のチームに何を求めているか、明確なビジョンを持っています。先ほども言ったように、まだ一緒に仕事をした時間は短いですが、私たちは少しずつ彼のアイデアを吸収しています。そして、このエンブレムを背負うすべての人が、同じ方向を向いて進んでいけるように努めています。選手だけでなく、クラブにいるすべての人たちが同じ目標に向かうことが重要です。

最終的には一つの家族を築くことが大切になります。ピッチに立つのは私たち選手ですが、私たちのために働いてくれている多くの人々が、自分たちもその一員だと感じられることが重要なんです。全員が同じ方向へ進むこと。彼がもたらした最大のものは、その“団結”だと思います。私たちは今、正しい道を歩んでいます。

──そのトーマス監督が下した決断の一つが、あなたをキャプテンに任命したことでした。その時の喜びはどれほどの大きさでしたか?

ロメロ:本当に光栄なことです。監督とクラブに感謝しています。このような決断は、選手として非常に嬉しいものですから。クラブに来た初日から信頼を寄せてくれたこと、そして特別な愛情を注ぎ続けてくれることに、常に感謝しています。

キャプテンという役割は、私にとって大きくて素晴らしい責任です。いつものように、真摯にその責任と向き合い、チームを正しい方向へ導けるように努めていきたいです。幸い、良いスタートを切ることができましたが、これを続けていかなければなりません。シーズンは長いですし、プレミアリーグはすべてのチームが非常に競争力のある、タフなリーグですから。正しい道を進み続けるために、努力を怠らないようにしないといけません。

──シーズン開幕に話を戻すと、UEFAスーパーカップでの敗戦がありました。そこから気持ちを切り替えて、ホームでのプレミア開幕戦で勝ち点3を手にすることの重要性を、どう考えていましたか?

ロメロ:もちろん、トロフィーを掲げてシーズンを始めることができたら最高でした。ですが、そうはなりませんでした。

だからこそ、すぐにページをめくる必要があったんです。あの敗戦から2、3日は、チームメイトの誰もが眠れない夜を過ごしたと思います。勝利を目の前にして手からこぼれ落ちていくというのは、本当に辛い経験でしたから。

ですが、すぐに気持ちを切り替えることが重要でした。プレミアリーグが開幕し、私たちにとって新しいシーズンが始まるのですから。ホームのファンの前で、最高の形でスタートを切らなければなりませんでした。そして、それを実行できた。チームのパフォーマンスをとても嬉しく思っています。

──スタジアムのファンも、特に新加入選手たちに大きな期待を寄せているように見えました。そのうちの一人、モハメド・クドゥスは非常に才能あふれる選手ですね。彼が敵ではなく、味方で良かったと感じるのでは?

ロメロ:そうですね、彼は素晴らしい選手です。それにルカ(・ヴシュコヴィッチ)は将来有望なセンターバックで、素晴らしいポテンシャルを秘めています。それから、パリーニャも素晴らしい選手です。

クドゥスには、良い意味で本当に驚かされました。プレミアリーグでは何度か対戦していました。前回対戦した時は退場になってくれて、私たちを助けてくれたんですけどね(笑)。

冗談はさておき、彼は本当に優れた選手です。先ほども言ったように、良い意味で期待を裏切られました。ピッチ外での彼の仕事への取り組み方、日々のトレーニングに臨む真摯な姿勢は、私の想像を超えていました。彼はチームに良い刺激を与えてくれています。素晴らしい補強ができましたし、まだやるべきことはありますが、良いチームを築きつつあると感じています。

──今シーズンの課題の一つは、失点を減らすことかもしれません。昨シーズンは60以上のゴールを許したことが話題になりました。あなた自身、その原因は何だったと考えていますか?

ロメロ:特に「問題」があったわけではなく、シーズン中には浮き沈みがあるということです。正直なところ、私は現代サッカーで重視されがちなスタッツをあまり気にしないタイプなんです。「パスを何本通した」「何本シュートを外した」「何点取られた」といった話ですね。

もちろん、失点数が改善すべきことであるのは事実です。しかし、もう一つ確かなことがあります。それは、昨シーズンは怪我人があまりにも多く、シーズンを通して一度も先発メンバーを固定できなかったことです。どんな監督にとっても、そのような状況でシーズンを戦うのは非常に難しいと思います。プロジェクトの中心に据えている選手たちが、シーズン中に4ヶ月も5ヶ月も離脱してしまう状況は、本当に困難を伴いますから。

その意味で、プレミアでは非常にタフなシーズンでした。一年を通して、安定したチームを築くことができなかった。それでも、シーズンを最高の形で締めくくれました。ヨーロッパリーグで優勝し、クラブとファンにとって素晴らしい推進力となる最高のフィナーレを迎えられたのですから。

とはいえ、昨シーズンのことはもう過去の話です。今シーズンは新しい監督、新しい目標、新しいプレースタイルのもとで始まっています。試合を重ねるごとに改善すべき点や、継続すべき点が見えてくるでしょう。自分たちの立ち位置を見つめ、常に向上していく必要があります。

──開幕戦でバーンリーに勝ち、次節はマンチェスター・Cとの対戦です。どのように臨みますか?

ロメロ:そ彼らは非常に手強い相手で、完成されたチームであり、世界最高の監督の一人が長年率いています。信じられないような選手層を誇っており、彼らと対戦するのは常に難しいです。

ですが、私たちにも戦える力があることは確かです。重要なのは、自分たち自身に集中すること。常に改善を続け、試合の主導権を握るというメンタリティで臨むことです。自分たちがやるべきことをしっかりと実行し、勝利を目指します。

彼らは偉大なチームですから、細部にまで注意を払う必要があります。最高の形で彼らに挑めるよう、準備を進めているところです。

──マンチェスター・Cとの一戦、誰もが楽しみにしています。本日はありがとうございました。今シーズンのご活躍を祈っています。

ロメロ:ありがとうございます。素晴らしいシーズンになることを願っています。

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