声優:石谷春貴さんインタビュー。「次にくるマンガ大賞2022」U-NEXT賞「クジマ歌えば家ほろろ」PVアフレコ
シェア

声優:石谷春貴さんインタビュー。「次にくるマンガ大賞2022」U-NEXT賞「クジマ歌えば家ほろろ」PVアフレコ

2022年8月に発表された「次にくるマンガ大賞」コミックス部門で、U-NEXT賞を受賞した『クジマ歌えば家ほろろ』(紺野アキラ著)のPVが制作されました。中学1年生の秋、ロシアからやって来たという鳥っぽい姿をした謎の生き物「クジマ」と出会った鴻田新。受験を控えた浪人生の長男への気遣いによって、若干ピリついた空気が流れる鴻田家に新しい風を吹き込む、新感覚ホームコメディーです。ここでは、主人公の新&注目のクジマの二役を務めた声優の石谷春貴さんにインタビューを敢行。アフレコの様子や、ロシア語で奇声を上げたりと演技力が試されるクジマの役作りでのポイントなどを聞きました。

謎の生き物「クジマ」を演じるにあたり、YouTubeで鳥の鳴き声を勉強!?

——アフレコ前にイメージしていたクジマの声について教えてください。

石谷:声は絶対高いと思っていました。クジマは口の空間が狭いので、出てくる声は高いはず(口をすぼめてクジマのモノマネを披露)。マスコット感もあるので高めの方が合うと思ったけれど、普通に掛け合いをしているから「一体、何の生物なんだ」と不思議な気持ちもありながら、自分なりのイメージを作っていました。

——アフレコ前の打ち合わせでは、クジマについてどのようなすり合わせをしたのでしょうか?

石谷:僕が作った声よりもさらに高くなりました。マスコット感はあるけれど、普通に掛け合いをするちょっとシュールなお話なので、等身大にしたいというリクエストがあって。抑揚のない感じをベースにして、ところどころで茶目っ気を出すという形に落ち着きました。

——アフレコではクジマの叫び声にみなさん大爆笑でした。一発OKが出るほどイメージにピッタリだったようですね。

石谷:みなさんの笑い声が聞こえてきて、ちょっと安心しました。いろいろな鳥の声を研究して僕なりに編み出した叫び声だったので。ダチョウなど体の大きめな鳥の声やカラスの声をYouTubeで探したんです。体の大きな鳥にはクチバシの下に大きな袋があるタイプもいて、空気を発しながら声を出すので、結構野太い声が出ます。でもクジマには袋もないし、口も小さいので思いっきり甲高い方向に振っていこうと決めました。体の大きい鳥は声も大きくて遠くまで声がよく届く、そんなところを参考にしました。

——クジマのしゃべり方はどのようなアプローチをしたのでしょうか?

石谷:抑揚を抑えるようにとリクエストがあったのですが、クジマは語尾も特徴があるし表情がとても豊かな生き物です。新の家にやってきてすぐに馴染んでしまうし。抑揚はないけれど表現が豊か。「おはよう!」の一言にも距離が近づいた感を出せるよう、少し人間らしさもプラスするようにしました。自然に掛け合いができちゃうので(笑)。

——ブースの外も大盛り上がりだった「ロシア語」はどのような表現を意識したのでしょうか?

石谷:ロシア語の音源サンプルをいただき、そこにクジマの感情を乗せました。PVの映像では、クジマの目がすごいことになっていて。血管も浮いていたりと勢いを感じたので、甲高いところもありつつ、ドスを利かせるのがいいかなと思って出来上がったのがあの声です。ロシア語のテンプレートに感情を乗せる作業を自宅で繰り返しました。アフレコ前に立ち寄った喫茶店でも頭の中でイメージトレーニングをしてきました。喜んでいただいて嬉しかったです。

——PVではクジマと新の2役を担当。新の声はどのように作ったのでしょうか?

石谷:漫画で初めて見た時も、わりと大人びているなと思いました。等身大という印象があったので、作らずに自然な感じがいいと考えていました。謎の生物・クジマに話しかける度胸のある子というのは常に意識していたところです。クジマを見て「家、来る?」ってなかなか言わないですよね。将来大成すると思います。僕だったらまず警察に連絡するか、動物保護をしてくれるような施設に電話するので。

——石谷さんが新と同じく中学生だとしても、まず警察か動物保護施設に連絡しますか?

石谷:中学生だったら、逃げると思います。自販機の下にもぐった謎の生物がガサゴソしていたら…。しかも夜ですよ。出てくる前に、顔を見られる前に逃げます(笑)。

『クジマ歌えば家ほろろ』石谷春貴さんレポート_04

原作をさらに楽しく読む方法は、「クジマ」が実在する世界を想像すること

——原作を読んだ時のストーリーや世界観の印象も教えてください。

石谷:シュールなホームコメディで、日常の中にクスッと笑えるポイントが詰まっています。読み進めていくうちに、クジマがいることが当たり前になって慣れてしまったのですが、「やっぱりこの光景おかしい!」とふと思うこともあったりして。自分の感情が行ったり来たりするのが面白いです。セリフの掛け合いはウィットに飛んでいて、お笑いを見ているような感覚になりましたね。さらっと流れているように見えて、ちゃんとオチがあるのもこの作品の面白さだと思います。新の家族はさらっとクジマを受け入れていますが、冷静に考えると不思議ですよね(笑)。このままクジマの家族や仲間も出てきて侵略されていく光景を期待している自分がいます。出てきても不思議じゃないと思えるのが『クジマ歌えば家ほろろ』の世界観。日常と非日常の塩梅と、お笑いとのバランスがすごくいい作品で大好きです。

——お気に入りのシーンはありますか?

石谷:PVに出てきた納豆のシーンも好きですが、僕はクジマが何か食べたい時にヨダレを流すところが好きです。どこから出てくるんだろうって見入っちゃいます。漫画だと結構ドバドバ出ていて、最初に見た時は衝撃でした。ロシア語をしゃべる時の劇画チックな表情も好きです。「あの顔が急に出てくるかも」とドキドキしながらも期待しちゃいます。謎の生物だから、その謎を解きたい気持ちもありつつ、でもやっぱり謎のままでいいかなと個人的には思っていて。「クジマだからいいか」と片付いちゃうような世界観って面白いですよね。

——PVには出てきていないシーンで、演じてみたいセリフはありますか?

石谷:ロシア語はいろいろなバリエーションをやってみたいです。PVでは1回しか出てこないのですが、ロシア語でいろいろなクジマの感情表現をしたいですね。

——最後にこの記事を読まれた人たちへメッセージをお願いします。

石谷:読むテンポによって面白さが変わるのが『クジマ歌えば家ほろろ』の魅力だと思っています。いろいろな楽しみ方ができる作品ですよね。その1つとしてPVもみなさんに楽しんでいただきたいです。もしクジマが僕の家に来たら、一緒にやってみたいのは将棋です。1人でできないこと、2人でやると楽しいことをやりたいです。日本の素敵な文化にたくさん触れてほしいと思っています。みなさんも自分の家にクジマがいたらどんな感じになるのか、クジマがいる世界を想像しながら読むと、より楽しさが広がるのでおすすめです!

『クジマ歌えば家ほろろ』石谷春貴さんレポート_06



『クジマ歌えば家ほろろ』紺野アキラ(小学館)

最新3巻好評配信中

和山やま先生お勧めの鳥(?)コメディー!中学1年生の秋、鴻田新は鳥っぽい姿の謎の生物・クジマと出会いました。腹ペコで家についてきたクジマはそのまま、浪人生の兄のせいでピリついた空気の流れる鴻田家に居候する事になったのです。冬を越え、暖かい春が来るまで。

©紺野アキラ/小学館

新刊配信記念として5月12日(金)よりコミックキャンペーンも開催!

【『クジマ歌えば家ほろろ』新刊配信記念!1巻無料フェア】
キャンペーン期間:2023年5月12日~5月25日(2週間)
対象巻:1巻無料
詳細ページ(キャンペーン開始時間よりアクセス可能):




<プロフィール>

石谷春貴

宮崎県出身。大沢事務所所属。『ヒプノシスマイク』の山田二郎役、『響け!ユーフォニアム』の塚本秀一役、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』チャド・チャダーン役など、数多くの人気作品で声優を担当。好きなものはお芝居と美味しいもの。

https://video.unext.jp/browse/credit/PER0234119/PRN0244422



「ストーリー編」

「謎の生き物編」


この記事に関する写真(4枚)

  • 『クジマ歌えば家ほろろ』石谷春貴さんレポート_04
  • 『クジマ歌えば家ほろろ』石谷春貴さんレポート_06
  • 『クジマ歌えば家ほろろ』石谷春貴さんレポート_07
  • 『クジマ歌えば家ほろろ』石谷春貴さんレポート_08

Edited by

同じ連載の記事一覧

もっと見る

アニメ インタビューの記事一覧

もっと見る