ガチ勢いちおし!カッコよくて面白いカン・ドンウォン主演映画5選
『プロット 殺人設計者』公開や『北極星(原題)』配信によってドンウォンの虜になる方に向けて、おすすめ映画5作品をご紹介!
35歳から怒涛の婚活を繰り広げ、約1,000人の男性と対面して、39歳最後の日に(なんとか)入籍したライター・編集者・エッセイストのかわむらあみりです。現在、13歳年下の夫と愛娘、そして元保護犬のでっかいポメラニアンとともに暮らしています。
今回は、前回に続いて、韓国ドラマの“時代劇”を厳選。現代ではなく、韓国の時代劇というレアな設定ながら、「ときめく気持ちは時代を超える!」ということで、韓ドラ時代劇のラブストーリーをお届けします。もしこのコラムでご興味を持ちましたら、ぜひ鑑賞してみてくださいね。
現代を生きるプレイボーイの男性の魂が朝鮮時代の王妃の体に入り込む、魂入れ替わりのラブコメ時代劇。最年少で韓国の大統領府青瓦台の料理長に就任した、現代のプレイボーイ、チャン・ボンファン(チェ・ジニョク)は、あるトラブルからシェフの座を追われるうえに、警察ともみあってホテルのベランダからプールに転落。目覚めると、そこはなんと朝鮮時代。さらに、魂だけが朝鮮時代の女性の体に入り込み、王妃キム・ソヨン(シン・ヘソン)になっていたのだった。
心の声と意識は男性のボンファンである王妃ソヨンは、国王・哲宗(キム・ジョンヒョン)と政略婚だったため、冷たい関係だった。なんとか現代に戻ろうと奮闘するソヨンだが、なかなかうまくいかない。仮面夫婦のふたりだったが、次第に、男気あるソヨンに心惹かれていく哲宗。ふたりには絆が生まれていくのだが……。
殺害された有名インフルエンサー役を演じたサスペンススリラー映画『#彼女が死んだ』(2024年)や、解離性同一性障害を発症して奮闘する無名アナウンサーと超ポジティブな女性という、一人二役に挑戦したロマンスドラマ『私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~』(2024)などでも知られるシン・ヘソン。シリアスからコミカルまで表現できる対応力で、『哲仁王后~俺がクイーン!?~』では、上品な王妃だったのに魂がプレイボーイの男性に乗っ取られたために、とたんにガサツで下品になるソヨンの変貌をうまく演じている。
本作では、『愛の不時着』で注目を集めたキム・ジョンヒョン演じる国王・哲宗との関係の変化が描かれている。ふたりは形式上すでに夫婦となっているとはいえ、お互いの気持ちを探り合う様子にドキドキする女性も多いのではないはず。心にボンファンが宿っているため、ストレートな物言いで周囲を振り回すソヨンは痛快で、爆笑必至のシーンも多々。本筋である王と王妃のラブストーリーと、ボンファンの魂のタイムスリップを交えながら、“日頃の言動で運命は変えられる”ことを教えてくれる。
つまり、未来を変えることは、誰にでもできることだとも見て取れる。それは日本でもそうだし、現代に生きるわたしたちでも同じ。“今”の自分が明日を作り、明日になれば今日は過去。そんな当たり前のことをあらためて考えてみると、今の積み重ねが未来を作るのだから、今、どう過ごせばいいのか気付くことがあるだろう。たとえ冷えてしまった恋人や配偶者の心でも、すぐにあきらめないで、今できることをしてみる。もしも関係性が変わらないとしても、はたらきかけたことで(もしくは熟考した末に何もしないことを選択しても、それが考え抜いた結果だとしたら)「これだけのことはした」と納得できる自分になることで、新しい道が見えてくるだろう。
禁婚令を出した若き王と、結婚詐欺師が繰り広げるロマンス時代劇。愛する世子嬪を亡くし、憔悴していた王イ・ホン(キム・ヨンデ)は、国全体へ禁婚令を出し、すでに7年も続いていた。町では、禁婚令のために恋愛や結婚ができなくなってしまった市民たちだったが、こっそりと相性占いとして男女の縁結びをする茶屋の主人イェ・ソラン(パク・ジュヒョン)のもとへ駆け込む者もしばしば。そのため、ソランは詐欺師として活躍するが、あるとき、その現場を押さえられ捕まってしまう。
脱出しようと試みるソランだったが、王のもとに連行される。忠臣たちも案じていたほど亡き世子嬪のことを忘れられない王は、ソランの霊感が本当かどうか詰め寄り、とっさに今は亡き世子嬪に憑依できると口走るソラン。実のところ、彼女は単によく人を見て分析し、観が鋭いだけで霊感はないが、世子嬪になり切ってその場を切り抜ける。そこで、王が信頼する唯一の友人でもあり護衛武士のイ・シノン(キム・ウソク)をつけて、ソランは宮廷で王に仕えることになり……。
初主演を果たした芸能界が舞台のラブコメ『流れ星』(2022年)や、一人二役に挑んだ転生ロマンス『昼に昇る月』(2023年)も好評だったキム・ヨンデ。苦悩する王を演じる『禁婚令 ー朝鮮婚姻禁止令ー』は、彼の初めての時代劇作品でもあり、MBC演技大賞の優秀演技賞を受賞した。
そして本作で詐欺師を演じたパク・ジュヒョンとは、初めて韓国ドラマを手がけた行定勲監督による『完璧な家族』(2024年)で再共演。韓服姿での初共演から、学生服を着ての現代劇まで、違和感なく披露している。
『禁婚令 ー朝鮮婚姻禁止令ー』では、騙される王と騙す詐欺師が、どのようにして“本物”の愛を育てていくのか、という点が注目ポイントのひとつだ。ソランは自分の身を守るためにウソをつき、王ホンは未練を断ち切れず依存する対象にすがる。これは通常の恋愛でも起こり得ることで、危機が迫ったときについウソをついたり、相手が去ってしまっても、その事実を受け入れることができずに苦しむことだってあるだろう。
そんな苦悩の想いを抱えた男女が出会い、いつか虚構の間柄に終わりが訪れるとわかっていても、続けてしまう。それはウソから始まったことでも、続けていくことで、一緒の時間を過ごすことで、そして思い出を積み重ねていくことで、生まれる事実もある。おたがいに重ねてきた時が、新しい感情を生み出すのだ。真実が明らかとなって終わる恋もあれば、知らずに育まれる愛もあるため、すぐにシロクロつけたくなるタイプでなければ、目の前の人に心を動かす何かがあったら様子を見るのもありかもしれない。そこから何が生まれるのか、目を開いておくのもいいだろう。
架空の朝鮮時代を舞台に、男女を結婚させるため仲人が奔走する婚活ラブコメ時代劇。シム・ジョンウ(ロウン)は、科拳(官僚登用試験)に最年少主席で合格して王の婿として選ばれたものの、婚礼中に王女が亡くなり、一日にして若い寡夫となってしまう。出仕もできず8年間、鬱憤をためていたジョンウだが、あるとき、未婚の3姉妹を結婚させるよう王命が下るのだった。
このままくすぶっているわけにはいかないジョンウは、成功すれば出仕の道も開かれると、仲人を探すようになる。そんななか、“仲人の神”ヨジュ宅として二重生活をしながら、縁結びを楽しんでいるチョン・スンドク(チョ・イヒョン)に、仲人を依頼しに向かう。条件を確認しあい、スンドクが計画の主導権を握り、未婚の3姉妹を結婚させるよう協力しあうジョンウとスンドクだったが…。
2016年にボーイズグループ「SF9」のメンバーとしてデビューし(2023年にSF9としての活動は終了)、ここ数年は日本でもすっかり俳優としての印象が定着したロウン。2025年7月には入隊するといわれているため、しばらくロウンの演技をする姿は見られない。『ソンジェ背負って走れ』(2024年)でも知られる女優キム・ヘユンと共演したファンタジー・ラブコメ『偶然見つけたハル』(2019年)では、初主演にしてMBC演技大賞の新人男優賞を受賞し、パク・ウンビンと共演した時代劇『恋慕』(2021年)で初めての時代劇を経験した。
そんなロウンが二度目の時代劇に挑戦したのが、『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』だ。ゾンビ学園ドラマ『今、私たちの学校は…』シリーズ(2022年・2024年)で躍進したチョ・イヒョンとのダブル主演となる本作では、おたがいに伴侶に先立たれた立場において、周りの男女の仲を取り持つ、いわゆる仲人として奮闘する。恋愛観が違うジョンウとスンドクが、いつしかおたがいを意識し始めるようになっていくさまが見どころでもありメインテーマとなるのだが、それにしても年齢を重ねた未婚の男女の結婚が一苦労だとわかるストーリーでもある。
現代の日本の婚活市場は20代から参加する人もいて、未だに女性の年齢は若いほうがいいと考える男性も少なくないため、若さが大きなアドバンテージとなることは否めない。怒涛の婚活を行なった筆者は結婚相談所に入会していたこともあるが、会員の年齢・職業・年収その他プロフィールを把握した婚活アドバイザーは、客観的に釣り合いの取れた相手をオススメしてくるものである。お見合いしてみると、「恋愛するには足りないけど結婚相手には良さそう」とか、「すごくイイ人そうだけど全然ピンとこない」など何かしら感じることはあるものだ。独りでいてもご縁がないなら、思い切って仲人などのプロに頼って、縁をつないでもらうのもいいだろう。
初恋に破れた王女の夫探しと恋模様を描く時代劇ロマンス。現代の古書店で働く若い女性のボミ(コ・アラ)は、ときどき古書を探しに訪れる青年カン・ソンヒョン(カン・チャニ/SF9)のことが気になり、店主であるおじさんもそのことに気づいて、手遅れになる前に告白するよう助言されるほど。本棚の整理をしていたボミは、ふと「春画恋愛物語」というタイトルの一冊を手に取って見入ってしまうが、おじさんに呼ばれてその本を適当な場所に置いていくと、ひとりでにページが開いて本の世界が繰り広げられていくのだった。
時は昔。都城では恋愛小説集「春画恋愛物語」が話題を集めていた。その主人公のモデルではないかと噂される王女ファリは、好奇心旺盛で自由奔放な性格。王は彼女を落ち着かせるために婚姻を急ぐが、実は彼女には婚姻したい相手がいた。しかし、初恋で挫折を味わい、自ら夫候補を選ぶと宣言。そんな彼女の前に現れた男性は、都城一のプレイボーイで商人のチェ・ファン(チャン・リュル)と、容姿も頭脳も家柄も完璧なイ・ジャンウォン(カン・チャニ/SF9)だった。
日本では「Ara」名義でも活動している、コ・アラ。時代劇といえば、パク・ソジュンやパク・ヒョンシク、ミンホ(SHINee)、BTS Vなどが集結した青春時代劇『花郎<ファラン>』(2016年)での紅一点での華やかな出演が思い出されるが、映画デビュー作となった反町隆史、松山ケンイチほか豪華キャストが出演した日本映画『蒼き狼 地果て海尽きるまで』(2007年)での勇敢な役どころも印象深かった。
時代モノの出演には慣れているコ・アラが、『春画恋愛物語』では、現代から物語の世界へと展開し、今は古書店で働く「ボミ」として、昔の時代はおてんばな「ファリ姫」として一人二役を演じている。ストーリーの大半は昔のパートなのだが、現代パートで“ペクチョ書店”としてドラマに登場したイエローカラーの古書店は、筆者が大好きなコン・ユ主演『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』(2016年)でも度々登場する場所。筆者はロケ地巡りで実際にこの古書店に行ったが、韓国の仁川広域市にあるペダリ古本屋通りの「ハンミ書店」である。こぢんまりとした店内には、日本の古書も少し置いてあったし、レトロな雰囲気たっぷりの古書店は味わい深い。
『春画恋愛物語』では、大人の恋愛が描かれるが、ベースにあるのは抑圧された女性たちの自立の物語のように思えた。変化球で見せるフェミニズムドラマでもあるのではないか。韓国ドラマの時代劇にしては珍しく、春画が人々の騒動を巻き起こすアイテムとなり官能的なシーンも多々あるため、観ている側の好みが分かれる作品に違いない。ファリは親が決めた結婚は断固拒否、言い寄ってくる男性にも簡単にはなびかない。自分で自分のパートナーを選ぶことが、いかに難しいか。現代ではここまでの相手選びの不自由さはないものの、「出会いがない」と嘆く前に、それは“出会いをつかみに行ける自由がある”ことでもあると再認識してほしい。運命は、自らつかみに行くことで動き出すはずだ。
というわけで、今回は韓国ドラマの時代劇を4本紹介させていただきました。たとえ韓国の時代劇という架空のストーリーだとしても、それぞれのドラマから、わたしたちの恋のヒントになる要素が隠れていることもありますよ。
韓国の時代劇では、カラフルな韓服や時代設定を楽しむのもよし、ストーリーの世界を満喫するのもよし。他にもたくさん作品はあるので、みなさんのお気に入りの作品を選んでみてくださいね。
関連記事
『プロット 殺人設計者』公開や『北極星(原題)』配信によってドンウォンの虜になる方に向けて、おすすめ映画5作品をご紹介!
今回は、韓国ドラマの“時代劇”を厳選。現代とは違う設定、韓国の時代劇という特殊な世界観ながら、「いつだって恋する気持ちは同じ!」ということで、韓ドラ時代劇のラブストーリーをお届けします!
ノ・ジョンウィ×イ・チェミン×チョ・ジュニョンら旬な若手が共演!恋に失敗した彼女と4人のお兄さんたちとの恋の行方を描くラブコメディ