『ソンジェ背負って走れ』ファンにおすすめ!“愛”と“救う”がキーワードのタイムリープ作品6選
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『ソンジェ背負って走れ』ファンにおすすめ!“愛”と“救う”がキーワードのタイムリープ作品6選

2024.05.16 20:00

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  • 『ソンジェ背負って走れ』
  • 時をかける愛
  • 君のためのタイムリープ
  • 知ってるワイフ

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どんなに前向きな人でも、「あの時こうだったら……」と一度は考えたことがあるはず。だから、タイムリープなどの設定は、繰り返し映画やドラマに登場し、多くの人たちを惹きつけるのだろう。

さて、様々な「タイム◯◯」があるが、「タイムトラベル」とは機械などを使って意図的に肉体・意識ともに過去や未来に行くこと、「タイムスリップ」とは超常現象などによって意図せぬ時に肉体・意識ともに過去や未来に行くこと、「タイムリープ」とは意識だけ過去や未来に行くこと、と定義されているようだ。

今回の特集では、その中でも「タイムリープ」にフォーカス。現在ヒット中の韓国ドラマ『ソンジェ背負って走れ』にちなみ、“愛”と“救う”がキーワードとして浮かぶ「タイムリープ」作品をいくつか紹介していきたいと思う。

①ソンジェ背負って走れ

『ソンジェ背負って走れ』
© CJ ENM Studios Co., Ltd.

絶望の淵にいた時に彼の言葉に救われたことから、13年間、人気アイドル・ソンジェ(ビョン・ウソク)のオタク道を突き進んできたソル(キム・へユン)。コンサート開催の帰り道、ソンジェと偶然会ったことで成功したオタクになるが、同日深夜、ソンジェが急逝してしまう。

ソルが悲しみに暮れていると、オークションで購入したソンジェの腕時計が突如光り、高校時代へタイムリープ。当時は他の人に夢中で目に入らなかったが、実はソンジェと同級生だったソル。ソンジェの死を防ぐため、ソルは過去を変え始めるのだった。

色々な意味でドキドキ止まらぬラブコメディ

“もし推しと青春時代に恋愛していたら”という妄想を具現化してくれた、ありがたい韓国ドラマ。しかも、ただ同級生だった、というだけでなく、「相手の方が先に恋に落ち、大人になってからも片想いされ続けていた」、「別タイプの不良イケメンからも想いを寄せられる」という美味しい設定付きだからたまらない。

“推しを救う”という目的が軸にあるのでスリリングな場面もあるが、ラブシーンも惜しみなく散りばめられており、恋愛ものとして非常に満足感を得られる。周辺キャラクターたちと展開される日常のハプニングも見どころで、特にソンジェの父役を演じる名バイプレイヤー、キム・ウォネのコメディエンヌっぷりが最高だ。 

②時をかける愛

時をかける愛

雨萱(アリス・クー)は2年前の飛行機事故で行方不明になった恋人の詮勝(グレッグ・ハン)を忘れられず、彼に会いたいとだけ願う、抜け殻のような毎日を過ごしていた。そんな中、詮勝そっくりな人物が自分と瓜二つの女子と写っている写真をオンライン上で発見。彼らのことを調べ始めると、手元に謎のカセットテープとプレーヤーが届く。

バスの中でテープを再生して目を閉じると、時は1998年。雨萱は、写真に写っていた女子高生・韻如の肉体に憑依していた。韻如の友人である男子高生・子維は詮勝と同一人物なのかー? 過去と未来を往来し、真実に迫っていく。

青春ロマンスと侮ることなかれ!ノーラン映画並みに複雑な台湾ドラマ

今回紹介する中で最も難解なのがこちら。単に意識が過去へ飛ぶのでなく、同じ見た目の別の人間の肉体に意識が飛ぶ、という設定が特殊なのだ。タイムリープは限定的なので、雨萱の意識を持った韻如と元の韻如が入れ替わるタイミングが発生し、その時のそれぞれの行動が未来にも影響を及ぼしていく。

さらに、韻如に降りかかる重大な事件や、子維と詮勝に似た別人物の登場などが、より物語を複雑にさせる。そんな一筋縄ではいかない謎解きの面白さに加え、ねじれ合っていく恋愛模様や、カセットテープや貸本屋の風景などの郷愁誘う演出を楽しめる傑作だ。

③いつかの君に

前述した『時をかける愛』の韓国リメイク版。主人公ジュニと女子高生ミンジュをドラマ『ヴィンチェンツォ』や映画『楽園の夜』などのチョン・ヨピンが、ジュニの亡き恋人ヨンジュンと男子高生シホンをドラマ『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズや『社内お見合い』などのアン・ヒョソプが演じ分けている。

大筋は原作同様だが、より情報が絞られており、ある事件に関与する人物の正体などが変更。それらの改変がラストにも作用しているので、原作との違いを楽しむことができる。桜や新緑などの自然を活かした美しいロケーションを背景にした、緑や青が際立つ色味の映像が印象的で、エモ指数は原作以上に。また、時折織り交ぜられるコメディ演出にも和む。

④君のためのタイムリープ

君のためのタイムリープ
©2017 mm2 Entertainment Co., Ltd, Showtime International Entertainment Co., Ltd, Good Films Workshop Co., Ltd. All Rights Reserved.

会社員ジョンシャン(ジャスパー・リウ)は、高校時代に一緒にバンドを組んでいたボーカリスト、エンペイ(ビビアン・ソン)の葬儀に出席する。彼女は高校卒業後に日本でデビューを果たすも人気が出ず、近年は水商売で生活をしており、最終的に自死を選んでしまったのだ。

その事実を受け入れられずにバンドメンバーと口論になったジョンシャンは、そのまま一人、夜の繁華街へ。そして、謎めいた老婆から花を買った直後に交通事故に遭うと、高校卒業前の1997年にタイムリープ。ジョンシャンは、エンペイのオーディション参加を妨害しようと奔走する。

異国情緒と懐かしさが入り混じる台湾の青春映画

放課後のゲームセンター対決、他校生徒との喧嘩、夜間の体育館での無断バンド練習……など、青春時代のきらめきが詰め込まれている台湾映画。社会人で再会した時にすらエンペイに想いを伝えられなかったジョンシャンが、最終的に素直に気持ちをさらけ出す様に心打たれ、鑑賞後は甘酸っぱい余韻に浸れる良作だ。

物語を彩るのは、日本輸入のファッション雑誌やプリクラ、ルーズソックスなどで、エンペイのキャラクター設定は、「小室哲哉の目に留まり18歳の時に日本に行った」というもの。1997年当時、台湾で日本の大衆文化がどのように受け入れられていたのかを知れるのが興味深く、懐かしい気持ちにもさせられる。また、“安室奈美恵の再来”と称される女子高生エンペイの輝きが凄まじい。

⑤私の夫と結婚して

気の弱いジウォン(パク・ミニョン)は、同僚ミンファン(イ・イギョン)との結婚後、夫、義母、上司から精神的苦痛を強いられ、末期がんになってしまう。そこに追い討ちをかけたのは、唯一の親友スミン(ソン・ハユン)とミンファンの不倫。

現場を目撃したジウォンは激昂するが、2人と揉めた結果、命を落としてしまう。しかし、目を覚ますと、10年前に戻っていた。自らを救うため、また自分を不幸にした人々への復讐を果たすため、ジウォンは2回目の人生を歩み出す。

ただの“スカッと”じゃない!メッセージ性にも唸らされるドラマ

主人公を陥れるキャラクターたちが揃いも揃って救いようもないほど最低なので、彼らがギャフンと言わされる展開がとにかく痛快、一気観してしまう復讐劇。

元夫や元親友との共依存関係から脱却したのを皮切りに、他人と積極的に交流したり、嫌なことは嫌と言ったりと、自己改革をして新たな道を切り拓いていくジウォンが美しい。

彼女の姿に勇気づけられると共に、自分を大切にする重要性について考えさせられる。なお、本作は、プライベートのトラブルで約2年間自粛活動をしていたパク・ミニョンの復帰作。この作品によって新たなスタートを切ることになった彼女の迫真の演技が、作品を貫く“セカンドチャンス”というメッセージ性をより強固なものにしている。また、ラブコメ職人としての本領も発揮し、相手役ナ・イヌの大ブレイクにも貢献!

⑥知ってるワイフ

知ってるワイフ
©STUDIO DRAGON CORPORATION

銀行員ジュヒョク(チソン)は恐妻家。ストレスだらけの仕事を終えて帰宅すると、家事・育児・仕事で苛立つ妻ウジン(ハン・ジミン)からの罵倒の嵐が待ち受けており、疲弊する日々を過ごしていた。離婚を考える中、初恋相手である財閥令嬢へウォン(カン・ハンナ)と再会し、後悔は募るばかり。

だがある日、高速道路で見慣れぬ料金所を通過し、大学時代にタイムリープできることを知る。そこで運命の分かれ道となった決断を変えてみると、へウォンと結婚する現実へと変わる。最初こそ喜ぶジュヒョクだったが、偶然同じ職場に異動してきたウジンに再び恋に落ちてしまう。

可愛さ余って憎さ百倍……! 破綻した夫婦愛を救う物語

結婚生活が長くなると互いに遠慮がなくなり、ストレスをぶつけ合って負の連鎖へ陥ることがある。いくら最愛の人だと思っていても、“ちょっとした嫌なこと”が蓄積すれば憎む相手へと変わっていく。そんな夫婦のリアルな心情を双方の視点をもって炙り出し、「愛とは」「夫婦とは」を描いたファンタジーロマンス。

運命を変えても惹かれ合う2人がそれぞれ別の相手といる様子に切なくさせられ、最悪な結末を避けるために2人が下す決断に、愛の力を信じたくなる。恋人ではなく夫婦だったからこそ発生していた家族との関わり合いの変化や、2人と一緒に働く銀行支店員たちとの絆にも泣かされる、秀逸なヒューマンドラマでもある。

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